2026年8月期第2四半期 業績ハイライト
安井豊明氏(以下、安井):株式会社ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス代表取締役社長グループCEOの安井豊明です。本日は、スライドの決算補足説明資料に沿ってご説明します。よろしくお願いします。
まずは、2026年8月期第2四半期の業績ハイライトについてご説明します。売上高は、通信キャリアのマーケティング再強化を捉えた受託規模の拡大により、増収で着地しました。
通信事業については、モバイルを中心に「行き届いた」という意味で長らく飽和状態が続き、各キャリアが制度を整備したり不振な店舗を整理したりと、縮小傾向にある時期が続きました。
しかし、ここに来てさまざまなサービスや体制の整備が概ね落ち着いたことから、攻勢に転じて体制を変えようとする流れが見られるようになりました。我々は過去の実績などを評価いただき、その結果として需要が寄せられたことが大きな要因となっています。
スポーツ・エンタメの分野では、記憶に新しい大阪・関西万博が1ヶ月と13日ほどずれ込んで当社の決算に影響を与え、売上にも寄与しています。
一方で、多くの方が関心を寄せていると思いますが、エアポート関連では日中関係の悪化が長引いている影響で、中国からのインバウンド需要が減少し、減便が相次ぐ状況となっています。予想外の急激な減便が続き、マイナスの影響を及ぼしました。
なんとか売上高は昨年並みを維持できたものの、営業利益に関してはその影響が大きく出ています。グランドハンドリング事業を中心とした新規受託が旺盛に増加した一方で、当期下期の大型受託に向けた先行投資や、前期の大口案件終了によるEC事業への影響で減益となりました。
また、大手スポーツメーカーがグローバルでのシステム統一を図るため現行システムを改める方針となり、解約が発生しました。この解約については事前に予想して織り込んでいたものの、営業利益への影響が残る結果となっています。
日中関係の影響による中国便の減便が主な要因となり、上期計画を未達での着地となりました。この部分については、現時点であと何ヶ月で解決するかは明言できませんが、現在対応を急いでいるところです。
売上実績については、スライドの棒グラフ左側が前期上期、中央が今期上期の計画、右側が今期上期の実績を示しています。
売上高は311億200万円で、前年同期比100.6パーセントのプラス1億7,500万円となりました。わずかではあるものの、前年同期を超えることができました。計画比は100.5パーセントで、プラス1億5,800万円となっています。
増収要因としては、大阪・関西万博の寄与が大きいスポーツ・エンタメ分野が挙げられます。また、エアポート外航の新規受託増加も順調に進捗しています。販売系営業支援では、先ほどご説明した理由により、通信キャリアの通信部門が久しぶりにカバーできるようになりました。これは大きな変化だと思います。
そのほか、外資系メーカーの家電量販店における家電の販売がいくつか決定しました。現在は、日本のメーカーにおける家電の販売展開がやや弱まる一方で、海外メーカーの商品ラインが大きく取り込まれています。私どもがその業務を担うケースも増えており、こちらも久しぶりにプラスの結果となりました。
減収要因としては、先ほどお伝えした中国の外交問題が要因となり、減便が相次ぎました。それに伴って取引停止が7社ほど発生し、減収の原因となっています。デジタル部門に関しては、大手スポーツメーカーの契約終了によりEC事業が影響を受けています。
エアポート事業では、前期におけるFMGの決算期変更の影響がありました。買収前は7月に設定されていましたが、グループ全体の決算期に合わせるため、8月を1ヶ月決算として調整しています。その調整を除くと増収ですが、決算結果としてはマイナスで、影響額は4億1,100万円となりました。
営業利益の増益要因については、スポーツ・エンタメ部門およびホールセール事業のIP関連ビジネスが旺盛なニーズに支えられています。現在も相当な追い風を受けて推移しており、収益に大きく貢献している部門となっています。
外航の新規受託案件については、当社が独立系のニューフェイスということもあり、ブランドが順調に構築される中で案件が増加しています。減益要因としては、中国便の減便による収益減少や、デジタル分野ではECの解約が挙げられます。
エアポート事業については、FMGの決算期変更の影響があるほか、下期の大型受託に向けた人件費などの先行投資が発生しています。
当社のグランドハンドリング事業は、人材育成に約6ヶ月を要します。そのため、大型の受託が決まると、それに備えて6ヶ月間かけて人材を育成する必要があります。研修などの仕込みが必要である一方で、売上は後からついてくるため、コストだけが先行するかたちとなります。
このような環境は事業を立ち上げる上で避けられません。さらに、中国の問題などによる減便が相次いだ影響もあり、せっかく準備したリソースが数ヶ月間停止する状況が生じています。結果として人件費の効率が低下し、コストが上昇して減益要因となるという課題を抱えています。
営業利益は7億2,900万円で、前年同期比57.1パーセントのマイナス5億4,800万円となりました。計画比では81.1パーセントで、マイナス1億7,100万円となります。前期の売上高を踏まえた9億円という目標には届かず、7億2,900万円にとどまったことは非常に残念ですが、これは先ほどご説明した要因によるものです。
利益については、中国や中東の問題が関係していない部分ではきちんと成長しているところもあります。そのため、これらの問題が解決すれば、用意したものがすべて通常に機能するようになり、エアポート事業を中心に期待が持てる状況になると考えています。
期初利益計画策定の考え方と2Q計画と実績の差異
今期の初めに、「上期の営業利益9億円」という目標を立てていました。「少ないのではないか」とのご意見もありましたが、そこから上期の着地を見誤った経緯について、飯島よりご説明します。
飯島幸一氏(以下、飯島):執行役員社長室長兼IR室長の飯島からご説明します。前期の中間実績、今期の中間計画、今期の中間実績について整理します。当社では営業利益を経営の重要指標と位置付けているため、営業利益でご説明します。
スライドの表の見方をご案内します。左上には前期の営業利益実績である12億7,800万円が記載されており、ここから下に記載の増減項目を反映した今期の営業利益計画9億円、同じく増減要素を反映して算出された今期の営業利益実績7億2,900万円の構造となっています。
前期の中間営業利益が12億7,800万円あったところを、なぜ今期は9億円の計画としたのかについて、それぞれの減少要因をご説明します。
FMGは、3月末からの大型案件受託に向けた人員の確保・育成、機材の調達、減価償却の開始などを含み、マイナス1億5,000万円の見込みです。新規連結・新規事業は、今期より新たに3社が連結対象となることや、地方創生事業の立ち上げに伴い一定のコストが先行すると考えられるため、9,000万円のマイナスを見込んでいます。
ECの大口顧客解約については、グローバルプラットフォームへの移行に伴って大手スポーツメーカーとの契約が終了したため、3,800万円のマイナスを計上しています。通信分野は、期初段階で人口減少により市場が飽和状態であることを考慮し、4,600万円のマイナスを計上しています。
上記以外の要素を「その他」とし、主に物価高騰による販管費の増加などを要因に5,400万円のマイナスを見込んでいます。これらを合わせてマイナス3億7,800万円を差し引き、今期の期初計画が9億円となりました。
スライド下段に移り、実績の7億2,900万円に至る過程についてご説明します。
FMGは、2025年11月以降の日中関係悪化により中国便が減便され、スタッフや機材の稼働率が低下したことから、計画外で1億円のマイナスとなりました。新規連結・新規事業は9,000万円の赤字計画に対し、実際は6,800万円の赤字にとどまりましたので、2,200万円のプラスです。
ECにおける大口顧客の解約は予定どおりで、差異はありませんでした。通信分野の期初計画は減益でしたが、コロナ禍以降の販売体制の縮小が底を打ったほか、新興キャリアの台頭などもあり、久しぶりに通信各キャリアとのマーケティング強化に取り組みました。結果として大きくプラスになり、計画を1億2,000万円上回りました。
その他については、人件費の増加や増収で着地したIPビジネスの変動費の増加などがあり、計画より2億1,300万円のコスト増となりました。その結果、合計で1億7,100万円の減少となり、9億円からこちらを差し引いた7億2,900万円が営業利益の実績となった流れです。
総括すると、計画値と実績の差異については、FMGの中国便減便の影響ならびに販管費の増加等が主な要因となります。
エアポートビジネス FMG成長の軌跡
安井:エアポートビジネスにおけるFMGの成長の軌跡についてご説明します。2023年7月の大型M&Aにより、念願であった空港の制限区域内におけるグランドハンドリング事業に参入することができました。
グループ入りしたFMGは、独立系グランドハンドリング会社として業界の常識を打破しながら、異例のスピードで業界内でのプレゼンスを確立中です。プレゼンスが向上していると実感できるかたちで成長を遂げています。
2023年7月のグループイン当時はスタッフ数が600人、取引社数が30社で、GSE(グランドサポートエクイップメント)車両は保有していませんでした。
GSE車両とは、飛行機を引いたり押したりするプッシュバックの機械や、小型搬送車のミニタグなどのことを指します。これらの一定のセットを揃えなければ、自社でグランドハンドリングを行うことができません。しかし、GSE車両は非常に高額のため、グループイン当時は車両を保有せず、役務の提供のみを行っていました。
また、拠点は成田空港のみに限られており、主力事業は旅客業務が中心でした。具体的には、海外渡航時のパスポート照合やボーディングパスなどの確認、荷物のチェックなどを行うカウンター業務が主で、ある意味これしか事業内容がありませんでした。
さらに、ランプ業務は外注に委託しており、提供していたのは役務のみです。整備業務についても一部に限定されており、売上規模も相対的に小さい状況だったと言えます。
このような状況を経て、2026年2月現在はスタッフ数が約1,000名に達しました。将来を見据えた採用の強化を進めており、現在育成中のスタッフも多くいます。ただし、中国問題の影響で育成が滞ることで根詰まりが発生し、先入れ先出し法で育てているため効率が悪化しています。これにより、コストが発生する一方で売上があまり伴わず、非常に厳しい状況であるとご認識ください。
取引社数は80社増えて110社、GSE車両のセットは各主要空港に配備が完了し、約10セットとなりました。これにより、偏りなく業務が遂行できる体制が整ったことが非常に大きいと思います。拠点については、ほぼ全国の主要空港への展開が完了しました。
また、「FAA145」の認証取得により一気通貫モデルが完成しています。「FAA145」とは、整備ライセンスのことです。このライセンスは基本的にJALとANAのみが保有しており、それ以外のグランドハンドリング会社で保有している例はほとんどありません。
「FAA145」は「リリース」と呼ばれる業務に関わります。私どもが「OK」と判断してサインをしない限り航空機は飛べないため、これを取得することで事業のランクが大幅に向上したと言えます。
FAA(米国連邦航空局)は米国の航空行政機関で、「Part 145」という項目でこの分野を管轄しています。このライセンスでは主に航空機の外壁全般を取り扱える点で業界内での注目度が高く、多くの問い合わせをいただいています。
ほとんどの国では、このようなライセンスなしにグランドハンドリング事業を行うことはできません。したがって、「FAA145」の保有により、他国での整備事業用の資格取得が容易になります。そのため、海外展開を見据えた中長期的な戦略において、非常に価値のあるライセンス取得だったと思います。
加えて、フィリピンNo.1のLCCであるセブパシフィック航空においては、国内全拠点の一括受託を開始しました。主要空港や日本国内のすべての空港において、私どもが旅客業務などをすべて請け負うという超大型契約が成立しています。
この取り組みが順調に進めば、中国や中東の問題がなかった場合、月間で1億円から1億3,000万円の収益が見込まれる予定でした。現在はやや遅れていますが、来期には大きく寄与し、年間で10億円から13億円レベルの営業利益が見込める状況が整いつつあります。
当社としても、大変期待を持って取り組んでいるところです。こちらはすでに4月から業務がスタートしており、今後さらに展開を拡大していく予定です。
買収からさほど時間は経過していませんが、現在着実に準備を進めていますので、引き続きご期待いただければと思います。
2026年8月期第2四半期 損益計算書
損益計算書についてご説明します。スライド左側に前年同期実績、中央に当期実績と前年同期比を示しています。
9億円という目標については、FMGを中心に相当な準備を行い、「これぐらいからスタートしよう」と慎重に見た上で立てたものです。そのような意味で、利益は未達となりましたが、IPやその他の事業を中心に展開し、売上高は前年同期比100.6パーセントを達成しました。
総額売上高は「取扱高」と記載されていますが、収益認識の変更により、リスクを伴わない売上は利益のみを売上に計上する方式に変更しました。当社はEC事業を保有しており、基本的に在庫リスクを負わない形態で運営しています。そのため、該当する売上を除いた結果として、売上高がやや少なくなった状況です。
そのため、「比べられないじゃないか」というご意見もありますが、ヒストリカルで比較すると変化が見られたため、総額売上高という名前で残しています。いずれにしても、両売上高は概ね100パーセントを超え、なんとか前年を超えることができました。
売上総利益は、前年同期の20.4パーセントから20.1パーセントへと0.3パーセント縮小し、7,200万円のマイナスとなりました。販管費は、今期に新規の連結企業を3社ほど投入したことで、それらの分野や関連費用を含めて変動費が増加しました。IP事業はブランチ・アウトの影響も大きく、倉庫費などの変動費が急激に増加しました。
また、物価高に対応した給与の増額を他社同様に実施したため、合計で4億7,500万円増加しました。これが収益を大きく減速させた理由となっています。特にFMGのエアポートビジネスでは、人件費に中国の問題などによる影響が重なり、この部分への負担が大きくかかりました。
経常利益については、借入の利息が上昇したため、営業利益と経常利益に差異が生じています。その差異を昨年対比で見ると、営業利益は9億円の計画に対して81.1パーセントとなりました。また、通期計画の進捗率は売上規模が約46パーセントとなり、目標の50パーセントには届いていないものの、ある程度は詰められたと考えています。
今期通期の利益は28億円を予定していましたが、上期は9億円の計画に対して7億2,900万円の着地となり、進捗率は26.1パーセントと低い状態です。
2026年8月期第2四半期 セクター別売上高実績
セクター別の売上高についてご説明します。ワークスは倉庫を中心とした事業、パブリックは公共の入札案件を自治体などに向けて入札し、当社のアウトソーシング力を発揮する事業です。
そのほか、スポーツ・エンタメ、観光などが含まれるインバウンド・ツーリズム、FMGを中心とした空港事業を行うエアポート、ECとITを活用した事業を行うデジタル、当社の祖業である販売系営業支援、IPを活用したホールセールなどのセクターがあります。
ワークス、パブリック、スポーツ・エンタメは、前年より成長しています。一方、インバウンド・ツーリズムは前年同期比99.2パーセントと若干の未達で、惜しい結果になりました。
こちらは東南アジアのお客さまを日本に招き、旅に連れていくという仕事が中心だったためです。中国がビザをフリーにした影響で、同じ中国語を話すシンガポールをはじめとした地域を中心に、中国へインバウンドのお客さまが大幅に流れてしまい、その影響で売上にわずかな不足が生じたと認識しています。
エアポートも中国の影響を受け、前年同期比97.8パーセントのマイナス8,700万円で着地し、未達に終わりました。デジタル営業支援は大手スポーツメーカーの離脱が影響し、追いかけたものの追いつかず、前年同期比87.7パーセントとなりました。
一方、販売営業支援は前年同期比プラス2億3,500万円となり、久しぶりに好調に推移しました。ホールセールも前年同期比100パーセントを超える結果となっています。
良好な点を具体的に見てみると、スポーツ・エンタメが前年同期比138.7パーセントのプラス5億8,000万円で着地しました。現在はプロスポーツが盛り上がりを見せ、バスケットボールのBリーグやバレーボールが非常に多くの人を集めています。当社はそのサポート事業を展開していますので、プロ化の進展により良い影響があります。
また、大阪・関西万博は800人の規模で参加することができ、万博の成功に大いに寄与できたのではないかと自負しています。
エアポートは、修正後の売上高が前年同期比9.0パーセント増となりました。準備段階では万全を期しているため、中東および中国の問題が解決すれば、一気に成長が期待できる状況です。これが今期の目標を下げていない理由の1つでもあり、この目標を最後まで追求していきたいと考えています。
販売営業支援については、先ほどお話ししたとおり、外資系企業を中心に大口契約を獲得しました。日本の家電マーケットは、主役が海外のトップメーカーへと移行してきていると感じていますが、この分野でも契約を獲得しました。
ホールセールは、ライセンスを活用するかたちで、引き続き推し活ブームに乗りながら伸びています。
販売系営業支援(通信分野の状況)
通信分野の売上高は、今期第2四半期で増加に転じ、底を打ったと考えています。グラフを確認すると、今期第1四半期から第2四半期にかけて大きく伸びており、明らかに手応えのある動きが見られます。
また、新しい商品として宇宙通信の「スターリンク」などを控えています。「IOWN(アイオン)」に関してもNTTを中心にBtoB市場での普及が進む見込みで、通信分野は新たな局面を迎えています。
これから少し競争の原理が働き、売上がさらに上昇することを期待しています。
2026年8月期 通期業績予想について
通期業績予想についてご説明します。この分野は、みなさまも大変興味をお持ちのことと思います。上期においては、中国便の減便による影響を除けば、新規事業の積み重ねが大きな要因となり、売上高・営業利益ともに非常に好調な状況でした。
ただし、日中関係の改善や中東情勢の平常化などの今後の状況を見通すことが難しいため、今期の業績予想は据え置いています。あくまでも売上を追求する方針を継続しています。これらの課題がいつ解決するかは現時点で予測できませんが、引き続き課題に対処しながらチャレンジを続けていく姿勢に変わりはありません。
通期業績予想について、売上高は311億200万円を計画しており、計画比で1億5,800万円のプラスで上期を終えています。下期の売上高は351億7,800万円と見込んでおり、前年同期比で25億900万円のプラス予想です。上期の売上高については、先ほどお話ししたとおりです。
下期の営業利益計画は、28億円を達成することを目指して取り組んでいきます。そのために、上期の利益7億円近くを差し引き、不足分は少し上乗せとして、前年同期比プラス8億5,400万円の20億7,100万円で計画しています。
厳しい環境ですが、しっかり追い続けていきたいと考えています。
2026年8月期第2四半期貸借対照表
福原直通氏:常務取締役CFOの福原です。私から、貸借対照表についてご説明します。スライドの表は、左側が2025年8月期末、中央が今期第2四半期の数字になります。
流動資産は264億5,400万円で、前期末比で5億1,400万円増加しました。主な増減要因として、売掛金の増加が挙げられます。
固定資産は152億8,700万円で、前期末比で4億400万円増加しています。右側に詳細を記載していますが、増加要因は建物および構築物、機械装置および運搬具、リース資産の増加です。このうち大きいのは、FMGの全国空港への展開に伴うGSE機材への投資となっています。
一方、のれんについては定期償却の進行により、約3億円の減少となりました。その結果、資産合計は417億4,200万円で、前期末比プラス9億1,900万円となっています。
流動負債は144億5,200万円で、前期末比プラス5億7,100万円となりました。短期借入金は22億5,000万円増加しており、多額となっていますが、これは全額GSE投資に関連しています。
この投資は前年度から今期にかけて行ってきたもので、前期末まではグループ内でのファイナンスにより対応していました。しかし、FMGが独自に外部の金融機関から借入調達を行うことが可能となったため、この分が短期借入金として増加しています。その他、未払金の減少や前受金の減少などがありました。
固定負債は85億2,500万円で、前期末比プラス4億9,000万円となっています。長期借入金は約2億5,000万円増加しました。こちらは主にM&A資金が中心となりますが、約定返済が6億円強あった一方で、約10億円の長期借入金を調達しています。
この10億円については、三重県伊賀市で行っているPFI事業における建築関連資金を外部調達した結果です。結果、負債合計は229億7,700万円で、前期末比プラス10億6,200万円となりました。
純資産合計は187億6,400万円でほぼ横ばいとなり、前期末比ではマイナス1億4,200万円でした。配当等により一部減少しましたが、自己資本比率は引き続き40パーセントを超える水準で健全性を維持しています。
2026年8月期中間期 キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書についてご説明します。スライドの表は左側が2025年8月期中間期、中央は2026年8月期中間期の数字を示しています。
営業キャッシュ・フローはマイナス12億4,000万円となりました。これは主に前受金の減少によるものです。前回、ECサイトで大口予約商品の前受けがあったことが要因でしたが、今回はその減少による結果です。
投資キャッシュ・フローはマイナス13億1,100万円となりました。これはFMGのGSE取得によるキャッシュアウトが要因です。
財務キャッシュ・フローは、銀行の借入調達やGSEの取得、伊賀のPFI事業に関連する銀行借入によって増加しています。
その結果、現金および現金同等物の増減額はマイナス2億100万円となり、さらに連結範囲の変更に伴い2億2,800万円の増加がありました。これにより、現金等の期末残高は前年同期比でほぼ横ばいの117億800万円となっています。
なお、有利子負債の合計は今期末で約107億円となっています。引き続き、現金等の金額の範囲内に有利子負債は収まっている状況です。詳細は決算短信をご覧ください。
2026年8月期 配当予想
飯島:2026年8月期の配当予想についてご説明します。ホールディングス化以降、7期連続で増配を予定しています。本年の年間配当は37円50銭で、配当性向は51.7パーセントとなっています。
ホールディングス前身からの累計では、上場以来15期連続の増配となり、株主さまにも浸透してきていると考えています。配当方針は累進配当を導入しており、原則として減配は行わない方針です。
なお、中間配当では1万3,000名を超える方々に株をお持ちいただいています。今後も引き続き、株主還元に力を入れていきたいと考えています。
エアポートビジネス1 米国連邦航空局「FAA145」認証取得
安井:当社事業の中から、今回はエアポートビジネスとIPビジネスに絞ってトピックスをお話しします。まずはエアポートビジネスです。米国連邦航空局の「FAA145」認証取得についてご説明します。
これは国内初の国際的な航空整備資格であり、個人ではなく修理工場に対して認証が与えられるものです。FMGの整備部門が認証を受けることとなり、スライド左側に記載されているような認定書が発行されました。すでに私どもの手元に届いています。
先ほどもご説明しましたが、このライセンスは高度な運行整備の内製化に関するもので、基本的に私どものサインがなければ飛行機が飛べないというほど重要な仕事です。主に外装の整備ですが、出発前には必ずこの整備においてサインを行い、送り出しています。
当事業は粗利益も高いことから、収益の観点でも非常に大きなプラスになると考えています。また、独立系のグランドハンドリング会社としては国内初のリリース業務参入となり、注目を集めています。
収益構造の高付加価値化が生まれたため、これからはプライベートジェットなども含め、さまざまなかたちで対応していきます。現在取引のある大口から中小の顧客まで、プラスアルファで整備の仕事を受けるといった連携性が広がることが期待されます。そのため、この部分についても成長が楽しみです。
当社の事業については、旅客、ランプ業務、整備の3つがそろい、当社で「トリプルクラウン」と呼んでいるモデルが完成します。これにより、旅客単体や旅客とランプの組み合わせといったかたちとは異なり、包括的なサービスを提供することが可能になります。
整備がすべて一体となったことで、一気通貫で効率的な事業形態が実現しました。これにより、当社は注目を集める存在になると考えています。
また、我々の業界では、新しいダイヤが春ダイヤや冬ダイヤとして設定されます。このタイミングで、「どの企業とグラハン業務を組むか」といった選定や、さまざまな契約の見直しが行われます。例えば、「今度はここと組む」や「料金をもっと下げてくれ」といった交渉も、このダイヤの入れ替えに合わせて進められます。
この整備業務は、どの企業でも対応できるものではありません。そのため、当社と提携してランプ業務と旅客業務を一体で提供することで、頻繁な交渉作業から解放されることが期待されます。
これらが事業において非常に重要なポイントであると感じています。一気通貫で対応できることは、取引先に対して新たなアイテムを提案できるという意味でも非常に重要であり、期待しているところです。
エアポートビジネス2 国際線発着回数と訪日外客数の推移
事業環境として、国際発着回数と訪日外国人客数の推移についてご説明します。
FMGをグループインした2023年以降、新型コロナウイルス感染症の影響が続いた3年間が終わり、急激に増加しています。その意味で、グループインした時期は非常にタイムリーだったと考えています。インバウンドは今後も拡大し、6,000万人の目標に向けてさらに増加していくものと期待しています。
また、主要空港における発着枠拡大計画については、国土交通省の航空局などが申請を行うことになります。成田空港については、全長3.5キロメートルのC型滑走路の拡張がほぼ決定しています。このような意味では、離発着回数は50万回まで増加すると考えています。
羽田空港については、現在49万回ですが、拡張によりさらに4万回増加すると見込まれています。関西国際空港は30万回、福岡空港は19万回、新千歳空港は18万回、那覇空港は24万回まで増やす計画です。
インバウンド需要の増加を見据え、現行の163万回から210万回まで増加させる計画となっています。そのため、私どものような独立系グランドハンドリング事業の活躍の場は、さらに広がると考えています。
エアポートビジネス4 地政学リスクと航空業界への影響
航空業界が影響を受けた主な出来事についてです。航空会社は、火山の噴火による影響で減便や中止が生じるなど、多様な外部要因の影響を受けます。
スライドにあるイベント名の欄には、良い出来事は一つもありません。湾岸戦争から始まり、今回の中東情勢の悪化に至るまで、3年に1回、あるいは2年に1回の頻度でなんらかの問題が発生しています。
注目すべき点は、完全な回復までには時間がかかるものの、多くの場合は2ヶ月から3ヶ月ほどで概ねリカバリーが進むことです。国際問題であるため、各国が協力して迅速な解決を目指す結果、リカバリーは非常に早いと言えます。
この中で特筆すべきは、新型コロナウイルスです。3年にわたり長期的に多くの問題を引き起こしたこのパンデミックは、極めて特異的な事例であったと言えます。
当社としては、全世界的に長期にわたり航空需要が消失したのは新型コロナウイルスの蔓延のみと認識しています。長期化するほど「移動の自由」を求めるニーズが拡大し、その結果として、これまでよりもさらに増加するリベンジ消費が生まれるということです。
また、現在の問題が解決すれば一気に需要が高まることが予想されるため、準備を進めておくことが非常に重要であると考えています。現在もそのための準備を進めています。
人員や機材を多く保有する大手航空会社は、危機のたびにリストラなどの合理化を行います。一方、海外ではグランドハンドリング業務のアウトソーシングが進展しており、当社のような会社が重宝される状況です。
近年では、国際線におけるLCCの台頭が目立っており、アウトソーシング化が遅れている日本国内では、その担い手が求められています。
現在では、以前のように大型の飛行機で大勢を一度に移動させるのではなく、LCCを活用し、こまめに便を増やして移動回数を増やす流れが定着しています。みなさまも「昔のほうが大きかった」と感じることがあるかもしれません。
現在の航空需要は、中型機・小型機を中心とした国内外需要にシフトしています。グランドハンドリングは、基本的に航空機1機単位で行う業務です。その意味では、この分野でも当社のマーケットはさらに拡大していくのではないかと考えています。
IPビジネス(ビジネスモデルと強み)
IPビジネスについてご説明します。当社は200を超える有力なIPを保有しており、みなさまがご存じの中では「ゴジラ」や「仮面ライダー」などがあります。古くはワーナー・ブラザーズの「トムとジェリー」のライセンスも当社が保有しており、この200を超えるライセンスを活かして、独自のデザイン力で高い評価を得ています。
「ここだけの」商品と組み合わせて制作を進めていくことも、当社の強みの1つです。販促活動においては、自らインフルエンサーを活用し、優れたマーケティング手法で集客を図っている点が大きな強みです。これが当社が多くのお客さまから支持をいただいている理由の1つです。
また、サプライチェーンについても中国を中心に強固な基盤を構築しており、これが当社の強みを支える重要な要素となっています。
そのような意味で、現在は横展開を進めています。例えば、お弁当箱、バッグ、マグカップなど、多岐にわたる商品を展開しています。靴下やハンカチなど、さまざまな商品をさらに充実させ、商品群を広げていくことも1つの目標です。
さらに、推し活の愛好者にとって、そのキャラクターに囲まれてコーヒーを飲むという体験は、非常に追い風となっています。コーヒーなどのカフェを中心とした臨時のポップアップ店舗を出店し、お客さまを1ヶ月限定で呼び込む取り組みを行っています。
この取り組みは非常に人気があり、例えばマルイさまなどが客寄せとしてシャワー効果を活用し、好評を得ています。この分野では、ヒト・コミュニケーションズの人員増強の支援を通じて協力し、事業をさらに拡張していきたいと考えています。
矢継ぎ早ではありましたが、以上で私からのご説明を終わります。ありがとうございました。
質疑応答:中東の緊迫と中国便減便による影響について
司会者:「上期は日中関係の悪化に伴う中国便の減便が収益悪化に影響し、期初計画の利益が未達とのことですが、足元の中東情勢も気になるところです。中東情勢緊迫化による中東便の減便の有無、ならびに中国便減便の影響と比較した中東便の影響について、言える範囲で教えてください」というご質問です。
安井:昨年11月以降の日中関係の悪化に伴う中国便の減便については、先ほどお話ししたとおりです。
一方で、中東の緊張がいつ収まるのかについては、現在も鋭意努力が続けられていると思います。この問題は中国便とは異なり、グローバルな問題として対処されています。そのため、個人的には解決も早いと見ています。
中東便の受託については一部で影響を受ける部分もありますが、取り扱っている便の数が非常に少ないため、業績への影響はあまり大きくないとお考えいただければと思います。
正常化すれば、ドバイを経由することが可能になり、ドバイ経由でヨーロッパにもアクセスできるようになります。その観点から言えば、現在ウクライナ戦争の影響でヨーロッパに向かう際には、アラスカ方面を大きく迂回する状況となっています。
燃油サーチャージの高騰を含め、お客さまに多大なご迷惑をおかけしている状況ですので、問題の早期解消を心から願っています。
質疑応答:IPビジネスにおけるデザイン力とブランド戦略について
司会者:「ホールセールのIPビジネスについて、今期予想は減収計画でしたが、結果的には増収での決算となり、あらためて推し活ブームの追い風を感じています。安井CEOから見て、ブランチ・アウトが好調を維持できる理由はどのあたりになるか教えてください」というご質問です。
安井:さまざまな会社が相次いでIPビジネスに参入していますので、いつまでたっても私どもだけがすごいということにはならないかもしれないと思う方もいると思います。しかし、基本的にはやはりデザイン力が最も重要です。
我々のブランチ・アウトは、デザイン力に優れています。そのため、200あるIPコンテンツを組み合わせることで、「この店舗限定で売っているのだ」という長蛇の列を作るような魅力的なコンテンツを生み出すことができます。我々が支持を受けている一番の理由は、ここにあると思います。
具体例として、焼きそばの「ペヤング」のデザインについては、当社がIPを管理しています。したがって、やり方次第では、例えば「キティちゃん」が「ペヤング」を食べている様子をデザインし、それをTシャツにプリントすることも可能です。
さらに、限定品のかたちで展開すれば推し活を楽しむお客さまを引き付けることができると考えており、こうしたアイデアを実現できる高度な技術力を持つデザイナー陣が当社の強みだと捉えています。
質疑応答:第3の柱となる事業セクターについて
司会者:「前期に引き続き、今期もエアポート・グランドハンドリング事業と、ホールセール・IPビジネスがグループの中心事業だと理解しました。この2つの事業に続く第3の柱は、どのセクターとお考えでしょうか?」というご質問です。
安井:私どもの事業体は、中核の4社を設立し、それらをホールディングスの下に設置しています。それぞれの会社が約100億円を超えることを1つのベンチマークとして、経営に取り組んでいます。
グループ内では、ヒト・コミュニケーションズをはじめ、エアポートビジネスのFMG、EC・TC支援のBBF、IP事業のブランチ・アウトなどの事業会社があります。現在、ブランチ・アウトが160億円を達成しており、売上が100億円を超える会社が約5社となっています。
「次の100億円を超えるような会社は、何をやるのか?」という観点でご説明すると、スポーツ・エンタメがその候補ではないかと考えています。今期中に売上が50億円ほどになると見込んでおり、プロスポーツの堅調な拡大が大きな要因と考えています。野球をはじめとする事業全般において、相当な取り組みを進めています。
アジア大会の受託については、ボランティア運営を含む業務が決定しており、さらに国際園芸博覧会など、ビッグイベントが控えています。これらにおいて私どもが主導し、会社を成長させていく方針です。
「点・線・面」戦略を軸に、当社の強みを活かしながら事業を拡大していきたいと考えています。そのため、このようなマーケットに注力し、次なる100億円を超える事業会社を創出することを目指しています。
安井氏からのご挨拶
本日は、当社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございました。当社の強みや事業戦略について、ご理解いただけましたでしょうか。本日の説明資料に加え、ぜひ一度当社のホームページもご覧いただければ幸いです。
ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いします。