■フリービットの業績動向
2. 2026年4月期の業績見通し
2026年4月期の業績は期初予想を据え置き、売上高を前期比8.9%増の60,000百万円、営業利益を同3.7%増の6,100百万円、経常利益を同10.3%増の5,770百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同27.3%増の3,500百万円と、増収増益を見込んでいる。また、2026年4月期の期末配当については、前期比11.0円増となる1株当たり41.0円を予定している。
弊社でも第3四半期までの業績等から判断して、同社業績予想の達成は十分に可能であると見ている。今後に向けた先行費用(M&A関連費用を含む)の戦略投入も想定されるが、その規模次第では予想を上振れる可能性にも注意が必要である。
3. 中長期戦略の方向性
中期経営計画「SiLK VISION 2027」(2025年4月期~2027年4月期)は、5G/web3時代の到来やその先の6Gを見据えて2021年からスタートした10ヶ年計画の第2ステージであり、2026年4月期はその2期目である。これまで通信インフラ事業で培ってきた技術的優位性に加え、技術的変化への対応により、「web3型Platform Maker」として進化し、複雑化する社会課題の解決と持続的な成長を実現する。web3の時代においては、これまでのように巨大なITプラットフォーマーに委ねるのではなく、様々なプラットフォーマーが分散された状態で社会を前に進めるような未来を創出するために、新設のプラットフォーマーを支援する高付加価値型事業への転換を目指す。
「SiLK VISION 2027」では、これまで創出してきた各種シード事業※1の社会実装に加え、既存事業の成長に合わせたM&A戦略の実行、業務提携による戦略ポートフォリオの拡大に取り組む。併せて、「Trusted Web」※2の概念に則った事業展開を推進し、既存の高収益化ビジネスから高PER化に向けて、最終的には“通信生まれのweb3実装企業”への転換(カテゴリーチェンジを含む)につなげる考えだ。2025年7月23日には、創業以来20年以上にわたり構想・開発を続けてきた完全web3実装型の技術基盤「Portfolia」の概要を公表し、技術構造や特徴・社会実装例などとともに、今後の目指す方向性を示した。
※1 「トーンモバイル」におけるユーザー協力型実証実験「TONE Labo」等を通じて、「TONE Care」(健康相談や「スマホ使い過ぎ相談」などの5GHealthstyle領域)の開発及びテストの実施や「TONE Coin」(web3及びブロックチェーン)関係の開発及びテストの実施など、5G/web3を見据えた各種サービスの開発などに取り組んできた。
※2 インターネット上のデータのやり取りにおいて、データの信頼性を確保する仕組みを構築する構想。同社は「信用の所在地」の追求という表現で、自らの存在価値を高める方向性を示している。
最終年度となる2027年4月期の数値目標として、売上高63,000~70,000百万円、営業利益8,000百万円(年平均成長率13%)を掲げている。売上高目標がレンジ形式となっているのは、サービスをソフトウェアで提供するか、ハードウェアも組み合わせた形で提供するかの違いにより変動するためである。また、最終年度には総還元性向30%を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)