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CACHD Research Memo(1):中期経営方針「CAC Vision 2030 Phase2」始動

■要約

1. 会社概要と事業内容
CAC Holdingsは、1966年8月設立の日本国内ではパイオニア的な独立系ソフトウェア専門会社で、積極的なM&A戦略をテコに事業領域を拡大してきた。2021年6月、CRO事業(製薬企業が医薬品開発時に行う治験業務や製造販売後の業務の受託・代行サービス)を担っていた連結子会社(株)CACクロア(現 イーピーエス(株))の譲渡に踏み切り、現在は国内外でのIT事業に経営資源を集中する企業グループを形成している。

2. 2025年12月期の業績概要
2025年12月期の連結業績は、売上高が前期比2.8%減の505.8億円、調整後EBITDA(営業利益に減価償却費、のれん償却費及び株式報酬費用を加算して算出)は同16.6%減の38.1億円、営業利益が同24.0%減の25.8億円、経常利益が同28.8%減の23.9億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.7%増の32.7億円となった。売上面では、海外IT事業がインド及びインドネシア子会社の健闘により前期比5.7億円増と拡大した一方で、国内IT事業は特定顧客の内製化や大型案件の収束により同20.4億円減となった。利益面では減収の影響に加え、成長投資の実施により調整後EBITDAは同16.6%減となった。ただし、国内ITの減収は個別要因の影響が大きく、これらを除けば既存顧客向け開発・運用は堅調で、顧客基盤の安定性は維持されている。

3. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の連結業績は、売上高が前期比1.8%増の515.0億円、調整後EBITDAが同1.0%増の38.5億円と増収増益の見通しである。売上高は国内ITでは特定顧客の内製化や大型案件収束の影響が残るものの、影響はピークを越え、海外IT事業の拡大により緩やかな増収を見込む。利益面では、将来の成長に向けた人的投資や新規事業への投資を継続する方針であり、調整後EBITDAは大きな伸びよりも安定的な水準を維持する展開が見込まれる。人材採用や育成への投資、AI・デジタル領域への取り組みなどを進めることで、短期的には先行的なコスト負担が生じる可能性があるものの、国内IT事業のプロダクトやサービスへのシフトや、海外IT事業のクロスセルを軸とした事業シナジーの拡大による成長が期待される。

4. 中期経営方針及び中期経営計画の進捗状況
中期経営方針「CAC Vision 2030 Phase2」(2026年12月期〜2030年12月期)では、従来の受託型ITサービス中心の事業構造から脱却し、AI時代に対応したビジネスモデルへ転換する見通しである。既存事業については、生成AIの普及や内製化の進展に対応し、AI Transformationを軸にシステム開発及び運用の高度化、プロダクト・サービス型事業の拡大などを進め、販売チャネルの拡大を図る方針である。あわせて、新規事業の立ち上げやM&Aを通じて、新たな市場で事業課題の解決に資する複数のサービスを展開し、事業領域を拡大することで、事業ポートフォリオの多様化を進めていく考えだ。2030年12月期までに国内IT事業は年平均で約6%、海外IT事業は10%以上の売上成長目標を掲げている。M&Aには130億円以上を投資し、DOE5%を目安に株主還元を実施する計画である。

■Key Points
・2025年12月期は特定顧客の内製化や大型案件の収束等により国内ITが低迷、減収減益で着地
・2026年12月期は海外ITの拡大により増収増益の見通し、成長投資を継続し基盤強化を推進
・「CAC Vision 2030 Phase2」では、AI時代に向けた事業モデル転換と成長投資を進める

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)

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