東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、4月の取引数量が前月比0.8%増の199万9422枚、1日の平均取引数量は9万885枚と前月比でわずかに増加した。4月末時点の証拠金預託額は5666.81億円と前月比で0.96億円増加した。取引通貨量では、トルコリラ、米ドル、メキシコペソ、南アフリカランド、豪ドルの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、4月の取引数量が前月比37.5%減の416万6779枚、1日の平均取引数量は19万383枚と前月比で大幅に減少した。月末時点の証拠金預託額は952.69億円となり、前月比で16.11億円の増加となった。
取引数量トップはトルコリラ・円で61万2981枚(前月比28.5%増)であった。イラン情勢を背景としたエネルギー価格高騰への警戒から、トルコ経済の成長鈍化やインフレ再加速への懸念が意識され、リラは軟調な推移となった。一方で、トルコ中央銀行によるリラ買い介入が継続されたことで、下落ペースは比較的緩やかにとどまった。ただ、月末には日本政府・日銀によるドル売り・円買い介入観測を背景に円高が進行したことも重なり、リラ・円は急落。取引数量も大きく膨らんだ。ハンガリーフォリント・円は7万9512枚(前月比17.9%増)であった。4月12日投開票のハンガリー議会総選挙で16年ぶりの政権交代が実現。欧州連合(EU)との関係改善や中長期的なユーロ導入への思惑がフォリント買いを誘った。加えて、ハンガリーの高金利を背景に、低金利の円を売ってフォリント建て資産に投資する円キャリー取引への関心も改めて強まり、フォリント・円は13日に0.51円台と2009年10月以来の水準まで上昇した。その後は、月末に日本当局によるドル売り・円買い介入観測を背景とした円高進行に押される場面もみられたが、おおむね高値圏で推移した。
5月のドル・円は上値の重い展開か。先月末以降続いている日本当局によるドル売り・円買い介入実施を受け、市場では追加介入への警戒感が意識されている。一方で、イラン情勢を背景としたエネルギー価格高騰による日本の経常収支悪化懸念などから、円高進行の継続には懐疑的な見方も多く、下値も堅くなりやすいだろう。今週はベッセント米財務長官の訪日が予定されており、為替政策を巡る発言や協議内容に市場の関心が集まりそうだ。ユーロ・円は下げ渋る展開か。イラン情勢を背景としたリスク回避局面においてもユーロの下落は対ドルで限定的にとどまっている。加えて、先月のハンガリー議会総選挙で親EU派のマジャール氏が勝利したことも、欧州への先行き期待につながっているようだ。日本当局による為替介入への警戒感からドル・円の動向には注意が必要となるものの、ユーロ・円は底堅い値動きが続きそうだ。