当社グループの事業セグメント
齋藤斉氏(以下、齋藤):代表取締役社長の齋藤です。それでは、私から2026年3月期決算についてご説明します。
まず、当グループの事業セグメントはエレクトロニクス事業(エレキ事業)、医療・医薬品事業(医薬事業)、ICT&S事業の3つで構成されています。
2026年3月期 トピックス
2026年3月期のトピックスです。エレクトロニクス事業の売上高は、前年同期比17パーセントの増加となりました。これは、パッケージ(PKG)基板用およびリジッド基板用の部材を中心に販売数量が増加したためです。
プラスの要因としては、PKG基板用部材は、AIの普及を背景に需要が高まったことで、メモリ向けドライフィルム製品の数量が飛躍的に伸びたことが挙げられます。
リジッド基板用部材では、車載およびスマートフォン関連の部材を中心に販売数量が増加しました。一方で、これまでMini LED用ディスプレイ関連部材として白色ドライフィルム製品を多く販売していましたが、最終製品の需要変動を受け需要が低下し、販売数量が減少しました。
為替の影響としては、前年同期の1ドル152.5円から1.6円の円高に推移し、150.9円となっています。
医療・医薬品事業の売上高は、前年同期比16パーセントの増加となりました。これは、製造受託事業における受託数量の増加が大きな要因です。
製造受託事業では、新規委託元からの受託製造が本格化したことに加え、既存顧客からの受託数量も増加しました。
製造販売事業では、他社同効薬の供給不足により需要が増加し販売数量が伸びたこと、また、薬価改定により一部製品の薬価が引き上げられたことが、売上増加の要因となっています。一方、マイナス要因として、2024年10月に開始された選定療養制度により対象品目の販売数量が減少しています。
全社的にはKKRのファンドの傘下にあるKJ005株式会社による当社株式に対する公開買付けの開始予定について賛同し、応募中立の意見表明を行っています。
連結業績
連結業績です。売上高は約1,378億円で、前年同期比16パーセント増となっています。営業利益は約325億円で、前年同期比47パーセント増となり、過去最高益を達成しました。EBITDAは約412億円で前年同期比30パーセント増、営業利益率は24パーセント、EBITDAマージンは30パーセントとなっています。
通期業績推移
通期業績の推移です。過去最高益を達成し、順調に成長しています。スライドの一番右側に示しているのは来期の業績予想です。後ほどご説明しますが、2027年3月期は上向きの見込みとなっています。
セグメント別業績(売上高・営業利益・EBITDA)
セグメント別の業績です。エレクトロニクス事業については、売上高は約952億円で、前年同期比17パーセント増加しています。営業利益は前年同期比36パーセント増、EBITDAは前年同期比31パーセント増となりました。
医療・医薬品事業については、売上高は約364億円で前年同期比16パーセント増、営業利益は約50億円で前年同期比147パーセント増、EBITDAは約89億円で前年同期比27パーセント増となっています。
ICT&S事業については、売上高は約60億円で前年同期比6パーセント増となりましたが、営業利益はマイナス約9,500万円となり、前年同期比マイナス136パーセントとなりました。これは、ICT事業のグループ会社で予定していた売上が遅延したことによるものです。
四半期別推移(売上高・営業利益)
四半期別業績の推移です。2026年3月期は、例年どおり第4四半期が減少しています。全体を通して見ると、過去4年と比較しても高い水準となっています。
BSの概況
バランスシートです。主な項目として、売上債権が約64億円増加しています。これは売上増による売掛金の増加によるものです。また、有形固定資産が約28億円増加していますが、これはエレクトロニクス事業の日本拠点である太陽インキ製造において、ドライフィルム製品のための生産技術センターを埼玉県鶴ヶ島市に建設するためのものです。
その他の包括利益累計額は約57億円増加していますが、こちらは為替換算調整勘定および有価証券の増加に起因しています。
連結ROE・ROIC推移
連結のROEとROICの推移です。2025年3月期と比較し、2026年3月期は当期純利益が増加したことによりROEが増加し、営業利益の上昇および有利子負債の減少によりROICも改善しました。ROEは、2025年3月期は減損の計上により10.6パーセントとなっていましたが、2026年3月期は22.0パーセントとなっています。
当社株式に対する公開買付けの開始予定に関して
2026年3月31日の取締役会で、KJ005株式会社による当社株式の公開買付けに賛同し、応募の是非を株主のみなさまのご判断に委ねることを決議しました。公開買付者は特別目的会社(SPC)のKJ005株式会社、公開買付期間は原則として21営業日、買付価格は1株につき4,750円です。
発表後、国内外の競争法および投資規制法令に基づく必要な手続きと対応を進めています。KKRからも発表がありましたが、今年の10月上旬頃にTOBを開始することを目指しています。TOBの終了に伴い、スクイーズアウトなどに係る臨時株主総会を開催し、その後、スクイーズアウトの効力が発生する予定です。
配当の状況
配当の状況です。公開買付けが行われる予定であることを受けて、2026年3月期の配当予想を修正し、期末配当を無配としました。2027年3月期についても、中間配当および期末配当を行わない予定です。
外部評価の取得
全社的な取り組みの一環として、当社はDX認定事業者として認定を受けています。これは、社内でのDX促進が評価された結果です。また、初めて食育実践優良法人にも認定されました。さらに、健康経営優良法人(大規模法人部門)については、健康支援や社員食堂の充実などの取り組みが評価され、2年連続での認定取得となりました。
エレクトロニクス事業 用語説明
事業別の説明に入ります。まず、エレクトロニクス事業です。用語説明を記載しています。
エレクトロニクス事業 製品分類
製品分類として、PCB用絶縁材料を細かく分類しています。
エレクトロニクス事業 製品別売上高
製品別の売上高です。四半期別の推移を示しており、季節性により第4四半期は第3四半期と比べると減少しています。しかし、前年同期比で見ると、各製品分類で大きな成長を見せています。
特にPKG基板用部材のドライフィルム製品は非常に好調で、前年同期比32パーセントの増加となっています。リジッド基板用部材の汎用品については、注力製品領域の見直し等を行った結果、前年同期比プラス1パーセントとなりました。
エレクトロニクス事業 販売地域別売上高
地域別の売上高です。中国は依然大きな市場であり、2026年3月期は韓国と中国が前年同期比で約20パーセントの増加となりました。これはPKG基板用部材の販売が非常に好調であることが要因です。
医療・医薬品事業 用語説明
医療・医薬品事業についてです。用語説明を記載しています。
医療・医薬品事業 会社別売上高
会社別の四半期ごとの売上高です。太陽ファルマテックは製造受託を行っており、前年同期比プラス30パーセントと大きく伸びています。太陽ファルマは、前年同期比マイナス4パーセントです。
歯科技工物の製造販売を行うマイ・スターズは、体制を整備して売上を伸ばすための施策を進めており、前年同期比プラス15パーセントとなりました。
2027年3月期 通期業績予想トピックス
2027年3月期の業績予想のトピックスです。エレクトロニクス事業の売上高は、前年同期比7パーセント増を想定しています。期中の為替レートは150円を見込んでいます。
PKG基板用部材については、引き続きメモリ向け製品を中心に、AIの普及を背景とした需要がこれまで以上に継続すると見込まれ、販売数量の増加を想定しています。
リジッド基板用部材の液状製品については、車載関連部材の需要が緩やかに増加すると想定しています。一方で注力製品領域の一部見直しを行うことなどから、前年同期並みの数量を想定しています。
また、リジッド基板用部材のディスプレイ用途の白色ドライフィルム製品は、さらなる需要減少が見込まれており、販売数量の減少を想定しています。
営業利益については、前年同期比7パーセントの増益を見込んでいます。これは、主に販売管理費における研究開発費の増加を織り込んだものです。
医療・医薬品事業に関しては、前年同期比3パーセントの増収を想定しています。製造受託事業は、お客さまからの受託数量がさらに増加すると見込んでいます。製造販売事業は、薬価改定に伴う一部製品の薬価引き上げを想定しています。
営業利益は、前年同期比21パーセントの減益を見込んでいます。これは、製造受託事業における売上原価および販売管理費の増加や、製造販売事業における原材料価格の高騰を背景とした売上原価および販売管理費の増加を想定しています。
ICT&S事業は、売上高、営業利益のいずれも前年同期比で増収増益を見込んでいます。
業績予想を作成するにあたり、昨今の中東情勢に伴う原材料費の高騰や調達難が懸念されていますが、現時点では合理的な算定が困難なため、これらを織り込んでいません。また、公開買付けに関する費用が発生する可能性がありますが、現時点で具体的な見積もりができない状況です。
そのため、さまざまな要因により予想数値と異なる結果となる可能性があることをご留意ください。
2027年3月期 通期業績予想
業績予想を定量化したものです。連結では、売上高は1,463億円、前年同期比6パーセント増を予想しています。エレクトロニクス事業は前年同期比7パーセント増、医療・医薬品事業は前年同期比3パーセント増です。
営業利益は343億円、前年同期比5パーセント増を予想しています。エレクトロニクス事業は前年同期比7パーセント増、医療・医薬品事業はマイナス21パーセントです。営業利益率はスライドに記載のとおりです。
2027年3月期 上期・下期業績予想
業績予想数値の上期と下期の比較です。ほぼ同じような数値になっています。
設備投資額・減価償却費推移
設備投資額は、約132億円を予想しています。内訳として、エレクトロニクス事業で約70億円、医療・医薬分野で約50億円程度を見込んでいます。
エレクトロニクス事業では、埼玉県鶴ヶ島市のドライフィルム製品用生産技術センターへの投資、埼玉県にある既存工場および北九州、中国の工場のリノベーションや改修に充てていきます。
減価償却費は約74億円を見込んでいます。
私からの説明は以上です。
質疑応答:中東情勢の影響と調達状況について
質問者:今回、イラン戦争の影響について定量的な分析は難しいため業績予想には織り込んでいないとのことですが、エレクトロニクス分野において、一部のメーカーで前倒し調達の動きがあると聞いています。御社ではどのような状況でしょうか?
齋藤:現時点で、そのような目立った動きは特にありません。安定的かつ公平な供給体制を維持するため、我々はキャパシティを確保しており、供給状況に変化が生じた際には、その都度必要な確認を取るようにしています。
富岡さやか氏(以下、富岡):常務執行役員CFOの富岡です。補足すると、イラン戦争の影響以前から需要は非常に高い状態が続いていますので、戦争が始まったことでさらに強まるというよりも、高い状態が続いていると認識しています。
質問者:原料の調達について、エレクトロニクス関連では樹脂、顔料、溶剤、医薬品分野では原料、包装材あたりが影響を受けていると思います。実際に足元の調達で不安が生じているのかどうか、御社の足元の在庫の確保状況について、数字は難しいかもしれませんが、定量的に考えられることを教えてください。
齋藤:中東情勢の影響については、一部で樹脂と溶剤に懸念が見られます。ただし、当社は早めに対応を進めており、現在代替品の評価段階に入っています。
それ以外には、プラスチック容器やフィルムなどの副資材も影響を受けていますが、現在は在庫の積み増しや代替品で対応しています。また、お客さまには文書をお送りし、6月から7月にかけて供給面での懸念が生じる旨をお伝えしています。
代替品については目途が立ちつつありますが、容器の変更は慎重な対応が求められるため、現在も評価を進めている状況です。
なお、医療・医薬品事業においても一部で副資材や化学品を使用していますが、在庫の積み増しを行うことで、当面は大きな問題はない見通しです。
質疑応答:2027年3月期のエレクトロニクス事業の売上高について
質問者:エレクトロニクス事業の2027年3月期の売上に関する考えについてです。まずメモリ向け製品については、AI関連需要の高まりに伴い、引き続き堅調であるとの理解でよろしいでしょうか。
また、ディスプレイ分野については、白色ドライフィルム製品の需要低下を想定しているとのことですが、2026年3月期実績と比較してどの程度マイナスの影響があるのか、数字のヒントとなる情報を教えていただければ幸いです。
齋藤:AI関連需要の当社製品への影響、および白色ドライフィルム製品がどのくらい減少するかというご質問かと思います。
AI関連需要により、メモリ向けPKG基板用部材の販売数量が増えていますが、実はリジッド基板用部材もかなり伸びています。リジッド基板用部材は同製品が車載用途やAIサーバー用途など多用途に使われるため、実際のところどの程度伸びていくかは把握するのが難しい状況です。
メモリ向けがどのくらい増加するかについては開示していないため、PKGのドライフィルム製品の売上増加はAI関連需要の影響が大きいと考えていただいてけっこうです。
白色ドライフィルム製品の減少は、最終製品の需要減少によるものです。
質問者:白色ドライフィルム製品はゼロになることはなく、今後も一定程度は続くということでしょうか?
富岡:おっしゃるとおりです。最終製品の現行モデルがまだMini LEDを使用しているため、現段階では継続して採用されると聞いています。
質疑応答:2027年3月期の医療・医薬品事業におけるコスト増について
質問者:医療・医薬品事業について、2027年3月期は製造受託事業および製造販売事業ともにコスト増により減益となるとのことですが、原価上昇に関してはイラン戦争の影響を織り込んでいないとのことでした。では、どのようなかたちでコストが増加するのかを教えてください。
富岡:医療・医薬品事業におけるコスト増については、副資材や委託費用の価格がインフレによって上昇している部分があり、それらの影響を加味した結果となっています。
原材料価格のインフレについては、特に製造販売事業を行う太陽ファルマにおける影響が大きいと考えています。また、ネオクリティケア製薬の倒産に伴う技術移転等の影響もあり、これらを踏まえて減益を見込んでいます。
ただし、減益の幅が大きいのは太陽ファルマテックであり、こちらも費用が上がっていることを反映させています。
質疑応答:材料の調達状況と変更について
質問者:材料関連について、先ほど在庫の積み増しに関するお話がありましたが、調達面の懸念が少なくなっているという理解でよいでしょうか?
富岡:値上がりはしていますが、まったく調達できないわけではありません。一部で調達不安がある状況です。
質問者:容器や材料の変更については、4M変更など手続きに一定の時間を要するイメージがありますが、変更に関する評価期間は短いのでしょうか?
齋藤:期間はお客さまによって異なります。PKG基板用部材については、ハイエンド品がやはり厳しい評価を受けます。しかし今回は事情が事情ということもあり、急いで対応するというお話をお客さまからいただいています。
質問者:通常、材料の切り替えは短期間で対応するのは難しく、代替材料を用意できたとしても、評価に要する期間を考慮すると簡単ではないと思います。品質や安全性、将来的な責任リスクも踏まえ、どのように対応を進めているのかご説明いただけますでしょうか? また、実際に代替品を使用する場合は、どの時期からを想定して準備を進めているのでしょうか?
齋藤:お客さまによって異なりますが、エレクトロニクス事業のプラスチック容器調達不安については、日本が最も影響を受けています。代替品の対応として、他拠点のグループ会社で使用実績のあるプラスチック容器の調達を検討しています。
実績がある場合、先方での評価も加速されると考えています。ただし、具体的にどのくらいの期間が必要で、どのような着地に至るかについては現時点では明確ではありません。
質問者:お客さまごとに認定の方針やプロセス期間が異なることは重々承知していますが、一般論として容器を簡単に変更できるようなお話に聞こえてしまいました。
齋藤:容器の変更は簡単ではありませんが、さまざまな点を踏まえ、社内で評価を進めています。一部のお客さまにはすでに出荷して評価していただいている状況です。
質疑応答:事業別の価格転嫁の考え方について
質問者:「調達コストが上がっている」「医療・医薬品事業でインフレの影響がある」というお話がありましたが、直接材料や副材料などのコストが足元で上昇していることについては、価格転嫁をしないとある程度マージンが圧迫されると理解しています。
調達コストの上昇やインフレに伴い、今後給料の引き上げも進めることになると思いますので、人件費や電気代も上昇すると思います。コストの価格転嫁に関する考え方について、エレクトロニクス事業と医療・医薬品事業では状況が異なるようにも聞こえましたので、事業ごとに詳細に教えてください。
齋藤:エレクトロニクス事業については、先ほど「供給に関してお客さまに文書をお送りしている」とお話ししました。その中で、今後の価格転嫁、つまり当社の製品の値上げを実施する予定であることを明記しています。
富岡:医療・医薬品事業についてはご存じのとおり、太陽ファルマでは薬価が決まっているため、値上げができません。上がった分については、基本的に年に1回の薬価改定のタイミングで不採算になっているものについて申請し、上げてもらうという仕組みになります。
製造受託については、値上がりのレベル感にもよりますが、値上がりが大きければ、その分委託単価に上乗せしてもらうよう交渉を行うのが一般的です。
質問者:太陽ファルマについてはおっしゃるとおり、価格が固定されているため、コスト増を一方的に受けるかたちになり、仕方のないことだと思います。
太陽ファルマテックについては、通常の商慣習として、取引開始前にロット数や納期、ボリューム感など、さまざまな条件が取り決められると思います。
富岡:おっしゃるとおりです。お客さまが非常に多いわけではなく、「この製品はこのお客さま」というかたちで紐づいているため、わりとわかりやすい構造です。
ただし、エレクトロニクス事業に比べると、医薬品の分野では製販業者において薬価が決まっているため、難しさはあり、商品によると思います。
質問者:太陽ファルマとは逆の立場ですね。
質疑応答:2027年3月期の営業利益率について
質問者:2027年3月期の業績予想におけるエレクトロニクス事業の考え方として、為替はほぼ横ばいのため、主に販売数量増加が大前提という話かと思います。一方で、中東情勢の影響でコスト増については完全には織り込めていないとのことでした。
製品別で見ると、PKG基板用部材や、リジッド基板用部材の高機能製品が堅調に推移する想定であることから、ミックス的には営業利益率が改善する方向かと思いましたが、その理解でよろしいでしょうか?
富岡:「ミックスが良くなり、売上も増えているため、限界利益を考えると利益率も上がるはずだが、営業利益率が2026年3月期実績と比較して増えていないのはなぜか?」というご質問と理解しました。
確かにミックスは改善していますが、研究開発費等のコスト増加に加え、追加コストも一定程度発生することを見込んでいます。
質問者:増収効果、ミックス改善のプラス効果に対して、研究開発費などが増える前提で利益率が横ばいになっているということですね。
富岡:おっしゃるとおりです。
質疑応答:地域別の状況について
質問者:昨今の中東情勢の緊迫化を受けて、日本では材料調達の面で懸念があるとのお話でしたが、各海外拠点における部材調達の状況について、懸念点がないのかを教えてください。
齋藤:イラン情勢による影響が最も大きいのは日本で、他の地域ではそれほど大きな影響を受けていません。ただし、最近の原材料価格の上昇は非常に大きく影響しています。先ほど値上げについても触れましたが、各国で対応を検討しています。
質問者:日本以外での影響が軽微である理由は何でしょうか?
富岡:サプライヤーが異なるためです。
質問者:そちらのサプライヤーからは問題なく調達できるということですね。現地化していることで、調達リスクが分断されているのでしょうか?
齋藤:結果的にはそのようなことになります。
質疑応答:薬価改定について
質問者:医療・医薬品事業の製造販売事業の一部製品で薬価が上がったという話が、2026年3月期と2027年3月期でありましたので、その背景を教えてください。
また、値上がりした製品がある一方で、依然として値下がりしている製品もあると思います。製造販売事業全体への影響について解説をお願いします。
富岡:まず、当社の場合は、すでに薬価が最低薬価に該当する製品が一部存在しますが、これら製品は、これ以上薬価は下がりません。また、基礎的医薬品という「世の中で大事な薬だから、安定的に供給するために薬価を下支えする」という認定制度もあり、これは一定の基準を満たすことで薬価が維持されるものです。
薬価改定において、不採算品再算定という仕組みもあり、採算が取れていない、または十分でない場合に薬価引き上げの申請を厚生労働省に提出できます。
薬価改定は原則2年に1回ですが、最近は中間年改訂も行われており、毎年、不採算品再算定が行われています。夏頃から申請を開始し、審査を通過すると値段が上がります。当社の場合、2026年4月における薬価改定は製造販売事業全体に対してプラスの影響となっており、平均で1桁台前半パーセントの水準で上昇しています。
質問者:薬価が下がる製品が一部あるものの、全体としては上がる製品が多く、平均価格として1桁台前半パーセントの上昇が見込まれるということですね。
富岡:おっしゃるとおりです。4月の段階で薬価が切り替わりました。目立った効果がみられているわけではありませんが、全体として上がっている状況です。
質問者:ただし、コスト増のほうが影響は大きく、減益につながるということですね。
富岡:おっしゃるとおりです。また、医薬品の場合、即時的な対応が難しい点も挙げられます。例えば、エレクトロニクス事業は「原材料費が高騰したから、合わせて当社の単価も上げよう」と自主的な対応が可能ですが、薬価改定は4月1日に限られており、そのタイミングまで待つほかありません。スピード感のある対応を取るのは難しい状況です。
質疑応答:予告TOB発表後の反応について
質問者:予告TOBを正式に発表してから、社内やお客さま、その他関係者の反応がマネジメント側にどのように届いているのか、ご紹介いただける範囲で教えてください。
齋藤:社内では、一つひとつ丁寧にご説明しており、特に大きな反応はありません。従業員が最も気にしている処遇については、より丁寧に内容をご説明する予定です。また、社外でも説明を進めており、そちらからも特に大きな反応はありません。
富岡:非公開化のプロセスやTOBがまだ始まっていないため、あまり大きな反応はないという印象です。