決算を切り口に注目銘柄を分析する連載「ログミーFinanceの#決算説明ハイライト」。オルタナティブデータを駆使し、中小型株を中心に多様なセクターの企業分析を得意とする塩谷航平氏が、業績の背景にある事業構造と投資ストーリーを読み解きます。
築古ビルのリノベーションや転貸借を主力事業とするリアルゲイト(5532)が、2026年9月期第2四半期決算を発表しました。営業利益の通期計画進捗率は71%と堅調に推移しており、前年同期比では2億6,100万円の増益となっています。通期計画である営業利益14億7,000万円の達成に向けて、順調な進捗を見せています。
ヒューリック社とのJVが仕入加速の推進役に、上期で年間計画12件中6件を獲得
最大のトピックは仕入の好調さです。期初に8件としていた年間仕入計画を12件へ引き上げ、上期累計ですでに6件を獲得しました。第3四半期にも追加で1件を獲得済みです。
その推進役となっているのが、2026年2月にヒューリック社と設立した合弁会社「HistoRy」です。設立からわずか2ヶ月で、渋谷や銀座など都心一等地の約700坪規模のビル2棟を獲得しました。両社で5年間・1,000億円の投資を計画していますが、現状のペースは前倒しの勢いです。
建築費高騰が追い風、「築古ビルの躯体活用」が競争優位に
代表取締役の岩本裕氏は、仕入が好調な理由として、建築費の高騰や資材不足によって新築・建て替えを志向する競合他社が土地の取得価格を出しづらくなっている点を挙げています。築古ビルの躯体を活かす同社の事業モデルが、競争環境の変化を追い風として取り込んでいるかたちです。
また、JVを通じて30億円や40億円を超える中・大型物件にも投資対象が広がっています。1案件あたりの投資額は持分比率に応じるため、リスクは従来の単独投資と大きく変わらない設計です。保有物件は2026年3月末時点で14件・延床面積約1万4,700平方メートル、想定年間賃料は約13億4,000万円まで積み上がっており、ポートフォリオは着実に拡大しています。
上振れ分は先行投資に充当、既存テナントの値上げも10から15%想定
不透明感が高まる中東情勢の影響については、リノベーション中心の事業特性から限定的との見方を示しています。今期内の請負案件は資材手配を完了済みとのことです。
第2四半期はストック粗利が計画を上回って推移していますが、岩本氏は業績予想の上方修正ではなく、仕入や先行投資の加速によって来期以降の成長を取りに行く方針と説明しました。
ログミーの質疑応答内で岩本社長は2Q好調の要因を稼働率が計画よりも上振れたことを挙げており、来期以降の成長に非常にポジティブな印象を持ちました。インフレや新築供給の減少、稼働率の上昇を背景に、既存テナントの更新時の値上げ幅も従来の5から10パーセントから10から15パーセント程度に引き上げる方針を示しています。
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中期経営計画の営業利益50億円、達成前倒しを視野
中期経営計画で掲げる営業利益50億円の達成についても、前倒しを視野に入れています。
決算説明会の質疑応答では「ヒューリック社とのJVによる1,000億円投資の進捗と完了予定について」「物件獲得数の進捗と好調な理由について」「第2四半期のストック粗利が計画を上回った要因について」「上方修正の予定について」など、投資判断に直結する論点が議論されています。詳細は決算説明会の書き起こし記事もあわせてご参照ください。▶︎リアルゲイト、営業利益は計画比71%まで進捗し通期達成へ前進 ヒューリック社とのJVではすでに2件の物件を獲得
執筆者プロフィール
執筆:塩谷 航平(株式会社hands代表取締役)
2013年に野村證券へ入社。2018年に株式会社handsを創業し、機関投資家向け日本株リサーチサービス「PERAGARU」を提供。オルタナティブデータを駆使し、中小型株を中心に多様なセクターの企業分析を得意とする。
※記事内容、企業情報は2026年5月12日時点の情報です。
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