事業内容
市原創吾氏:2026年9月期第2四半期の決算資料についてご説明します。株式会社AViC代表取締役社長の市原です。
会社概要についてご説明します。当社は、マーケティング戦略の立案から実行までを一貫したサービスとして提供し、広告主のインターネット集客を支援しています。
通期計画の修正
通期計画の修正についてご説明します。エンタープライズ顧客を中心とした新規顧客の継続的な獲得に加え、株式会社Spica(以下、Spica社)のM&Aなどにより、期初計画を上回る業績推移が見込まれることから、通期計画を上方修正しました。
第2四半期からP/Lの連結を開始したSpica社について、のれんなど無形固定資産の計上額は11億8,000万円であり、のれんの償却期間は11年で確定しています。
修正計画では、売上高を40億円、売上総利益を25億円、営業利益を11億2,700万円とする予定です。
インベストメント・ハイライト
マネジメント・ビューポイントです。インベストメント・ハイライトとして、クオリティ・グロースを継続し、インオーガニックを含めた成長軌道は盤石です。今期については、業績を上方修正しました。
日本のインターネット広告市場の規模
当社が属する約4兆円規模のインターネット広告市場も、年率2桁の高い成長を続ける活況な市場です。
(再掲)マネジメント・ビューポイント|デジタルマーケティング領域における変化と機会 1/2
昨今、AIの台頭により、デジタルマーケティング領域での変化が注目されています。これらは当社の事業環境におけるリスク要因と捉えられがちですが、むしろ当社が競争優位性を際立たせる追い風と考えています。
昨年から継続して示しているとおり、最新の定量データを反映しながら、定点観測資料としてアップデートしています。
生成AIツールや「AI Overviews」の普及は「マーケットがなくなるのではないか」や「市場がなくなるのではないか」といった脅威と見なされがちです。
しかし、Alphabet社の直近の決算では、検索広告収益が前年同期比19パーセント増加しており、既存のビジネスモデルが毀損しているという兆候は観測されていません。これらの技術の台頭はプラットフォームの多様化やCookie規制にもつながるものであり、広告主が直面するマーケティング環境をより複雑かつ高度にする要因と分析しています。
当社は、多くの広告主にとって、このような急速な環境の変化に自社のみで対応し、最適な投資判断を継続することがますます難しくなっていくと考えています。
市場の変化に伴い求められるのは、高いケイパビリティです。メディアバイイングを必要とする「Paid領域」や「Non-Paid領域」といった各領域で、より高い品質のサービスを提供することは当然のこととして、それらを横断して顧客の事業成果に直結するマーケティングの全体戦略を立案・実行する能力が厳しく求められています。
(再掲)マネジメント・ビューポイント|デジタルマーケティング領域における変化と機会 2/2
その中で当社は、表面的なKPI思考やプロダクトアウト思考を排除し、顧客のビジネスドライブに直結するKPIを設計し、追求することを重視しています。
また、顧客に合わせたマーケティング戦略全体の立案を基に、適切なプロダクト選定とサービス提供を行うことで、単なる個別施策の実行や局所的な最適化に留まらない付加価値を提供しています。この取り組みにより、顧客から継続的な支持を得ることができています。
現時点では、広告主のマーケティング予算が縮小している事実はなく、インハウス化が困難な顧客、またAIの複雑化により成果が伸び悩んでいる顧客などから、プロフェッショナルな戦略パートナーとして当社を選んでいただく機会が増加しています。
当社の成長を裏付ける証左として、2025年9月期の売上高成長率は前年比プラス38.6パーセント、2026年9月期上期については上方修正し、売上高成長率は前年比プラス49.5パーセントと、この機会を捉え着実に成長を続けています。
ハイライト
決算概要です。第2四半期は前年同期比および前四半期比ともに増収増益を達成しました。売上高は前年同期比プラス78.1パーセント、営業利益は前年同期比プラス47.2パーセントと増収増益での着地です。
また、Spica社のM&A関連の一過性費用である約8,000万円を吸収してなお、第2四半期の営業利益は2億7,600万円を記録し、過去最高の四半期業績となりました。
エンタープライズ顧客を中心とした新規顧客の継続的な獲得およびSpica社のM&Aを受け、通期計画の上方修正を実施しています。
人材の育成とテクノロジーの活用を重視しながら、高い生産性を維持しています。
Spica社のPMIは順調に進捗しており、一過性費用の計上やのれんなど無形固定資産の償却後においても、通期での利益貢献を見込んでいます。
2026年9月期2Q業績 1/2
第2四半期の業績はスライドのとおりです。前年同期比で大幅な増収増益を達成しました。
2026年9月期2Q業績 2/2
下期偏重の過去の業績推移の傾向やSpica社の連結業績への貢献を踏まえ、通期計画を修正しており、その中でも順調に進捗していると評価しています。
財務ハイライト 1/3
財務ハイライトです。売上高の推移および営業利益・営業利益率の推移をスライドにお示ししています。
財務ハイライト 2/3|YoYでの営業利益の増減分析
YoYでの営業利益の増減分析です。Spica社のM&A関連費用として、専門家費用などの一過性費用として約8,000万円を計上しています。
財務ハイライト 3/3|QoQでの営業利益の増減分析
QoQも同様です。
業績の進捗|売上高
売上高のヒストリカルデータです。前年同期比で78.1パーセント増加し、第2四半期は大きく飛躍しました。
業績の進捗|売上総利益
売上総利益も前年同期比84.0パーセント増加しています。
業績の進捗|営業利益
営業利益も前年同期比47.2パーセント増加しています。
重視している経営指標
重視している経営指標です。「事業成長と高生産性の両立を重視した経営手法」の実現により、生産性は継続的に維持・向上しています。
2026年4月1日には新入社員16名が入社しました。
また、Spica社の貢献もあり、上方修正後の営業利益計画の達成確度も高い状態です。
エンタープライズ顧客向け売上高の推移
エンタープライズの売上高の推移です。こちらも大きく伸びています。
株式会社Spica概要 like me
Spica社の子会社化についてです。「like me」の名称で「TikTok LIVE」におけるライバーマネジメント事業を運営しているSpica社の株式を100パーセント取得しました。
Spica社は「TikTok LIVE」における数少ない一次代理店の1社であり、「TikTok LIVE 優良LIVE エージェンシー」に認定されるなど、業界内でトップティアの地位を確立しています。
ビジネスモデル
ビジネスモデルです。所属ライバーからの手数料は一切徴収せず、プラットフォームからのインセンティブ報酬のみで収益化しています。
日本のライブ配信プラットフォームの市場規模
プラットフォームの市場規模です。クリエイター・エコノミーの拡大を牽引するライブ配信市場は、今後も高い成長が予測されています。
ストラクチャーとバリュエーション(更新箇所下線)
ストラクチャーとバリュエーションは、スライドのとおりです。全額銀行借入とアーンアウトおよび返金条項付きの現金対価による100パーセント子会社化を実施しました。
クロージング対価基準のEV/EBITDA倍率は3.1倍から3.6倍と、規律ある水準で運用しています。
本件実行後の財務の状況
本件実行後の財務状況です。主要な財務健全性指標は適正水準を維持するため、本件に伴うエクイティ・ファイナンスは不要です。また、十分な借入余力を維持していることから、今後もM&Aを検討していきたいと考えています。
定量的なデータに基づく経営の徹底
当社の強みと成長戦略です。「事業成長と高生産性の両立を重視した経営手法」の運用により、従業員の工数管理や、顧客に合わせたサービス水準の定義など、各種データの全社横断的なマネジメントと、定量データに基づく経営の意思決定を実現しています。これが高い事業生産性の源泉となっています。
自社開発ツールの活用 1/3
自社開発ツールを活用することで、生産性を高め、高品質なサービスを属人化せずに組織として提供可能になっています。2025年11月には生成AIを活用したデータ分析エージェント「慧眼AI」を開発し、利用を開始しました。
自社開発ツールの活用 2/3
「慧眼AI」により、分析業務の質とスピードが飛躍的に向上することを見込んでいます。
自社開発ツールの活用 3/3
すでに開発され、利用が定着した自社開発ツールについても、アップデートを重ねることで生産性向上に寄与しています。
事業成長ペースに合わせた組織規模の適切なコントロール
戦略的な人材の採用と育成です。新卒採用および育成、中途採用の計画的な実施、テクノロジーを活用した生産性の維持・向上などを通じて、事業成長ペースに応じた適切な組織拡大を図ります。
人材の育成|人材が早期に育成される仕組み
人材の育成です。「戦力化人材」の育成において、属人的・感覚的ではなく、データに基づく科学的なアプローチを行うことで、着実かつ迅速に多能化人材が育つ環境と仕組みを確立しています。
(再掲)エンタープライズ顧客向け売上高の推移
エンタープライズ顧客からの継続的な受注です。こちらは再掲となりますが、引き続き順調に進捗しています。
株式会社ADKマーケティング・ソリューションズとの合弁会社の設立
株式会社ADKマーケティング・ソリューションズとの合弁会社である株式会社ADK AViC パフォーマンスデザインを設立しました。この合弁会社に営業機能を持たせることで、エンタープライズ顧客へのマーケティング支援をさらに強化する施策です。
当社の構造的な競争優位性
定量的なデータに基づく経営を土台に、「Supply」「Demand」双方の構造的維持・強化により、高い売上高成長率と営業利益率を継続的に実現できることが、当社の競争優位性だと考えています。
顧客属性別事業部粗利率の推移
「事業成長と高生産性の両立を重視した経営手法」により、エンタープライズ顧客やSMB顧客のいずれに対しても、高い事業生産性を確保しつつサービスの提供が可能となっています。
他の広告代理店比での当社の業績
当社は同業他社を上回る売上高成長率と営業利益率を実現しています。
質疑応答:マーケティング需要の季節性について
「下期に向けて売上・利益を加速させる具体的な案件のパイプラインやマーケティング需要の季節性について教えてください」というご質問です。
当社では、第2四半期(1月から3月)と第4四半期(7月から9月)がマーケティング需要の季節性として高く、一定の波を描くような傾向があります。
また、下期に向けては、第2四半期が最も需要が高い時期ですが、当社は下期偏重型のため、第3四半期は第1四半期を上回る進捗となります。第4四半期は例年どおり第2四半期を上回る計画です。需要と季節性を加味した上での推移を見込んでいます。
質疑応答:AI技術の社内活用事例について
「社内でのAIの活動事例を教えてください」というご質問です。
先ほどご紹介した「慧眼AI」を社内で開発しています。この製品は、Anthropic社の「Claude」などを組み合わせることで、高度な分析を属人化せず効率的に行えるよう設計されています。
各社のAIのアップデートに応じてそれを迅速に取り入れ、生産性の向上を図り、そのリソースを他のお客さまへ提供したり、新しいプロダクトの提供を進めることで、従業員1人当たりの売上高の生産性が向上する仕組みとなっています。
質疑応答:リアレーション社およびSpica社の買収とPMI進捗について
「リアレーション社やSpica社の買収により、AIに代替されにくいケイパビリティを獲得されたと評価しています。今後の事業ポートフォリオを拡張する際に、同業種以外ではどのような領域のM&Aを検討されていますか? 今後の注力テーマなどお聞かせください」というご質問です。
私たちは、リアレーション社やSpica社といった、AIでは代替されにくいIPを獲得し、それをマーケティングに活用しています。これは既存のビジネスとの親和性が高く連携も取れるため、非常に注力しているものです。また、リアレーション社やSpica社の買収に関するPMIも非常に順調に進捗しています。
私自身も広告事業と同様に、リアレーション社やSpica社のPMIに非常に注力しており、一番多くの時間を費やしています。このテーマについて、さらに少しお話ししたいと思います。
Spica社に関しては、多くのライバーが所属しており、多くのライバーの収益を上げることで、我々の収益も向上させていくという戦略を取っています。一人ひとりの収益をどのように向上させるかを考え、我々の強みである育成の仕組み化、定量的な分析などを徹底し、細部にこだわりながら育成と仕組み化を進めています。
Spica社の買収からまだ数ヶ月ですが、現時点で非常に手応えを感じています。その結果、Spica社の収益構造の改善も力強く進んでおり、このような分野で広告事業とあわせて注力しながら、事業をさらに伸ばしていければと考えています。
質疑応答:インフレや物価高に関連した価格転嫁などの現状について
「昨今のインフレや物価高に関連して、優秀な人材確保定着のための従業員の給与の引き上げやサービス単価の引き上げといった価格転嫁などの現状について教えてください」というご質問です。
こちらは随時検討を行い、各種対策を講じています。それに伴い、AIを活用して生産性をさらに向上させることができています。そのため、物価高やインフレなどにも対応可能となり、それが競争力向上にもつながっていると考えています。
質疑応答:利益水準向上の可能性について
「利益水準について、今後は35パーセントや40パーセントといった高い水準を目指すことは可能でしょうか?」というご質問です。
可能だと思います。AIを活用しながら生産性は維持・向上しています。また、Spica社やIPビジネスに関しても、非常に収益性の高いビジネスモデルであるため、利益水準がさらに高まる可能性も十分に考えられると思います。
質疑応答:広告事業およびIPを活用したビジネスの成長戦略について
「今後も高い成長率は継続されるのでしょうか? それはどのような要因で継続可能なのでしょうか?」というご質問です。
広告事業についてですが、当社は広告マーケティング技術において高い競争力を有しています。このため、エンタープライズ領域に対して引き続き積極的な営業活動を展開し、力強い成長を目指します。この成長率にこだわりを持ち、毎年継続して取り組んでいきたいと考えています。
さらに、先ほど触れたSpica社やリアレーション社のようなIPを活用したビジネスについても同様に注力していきます。当社のデータドリブンの分析経営力を活用しながら、IPを次々とプロデュースしていく力は、現在の経営数値にも力強く反映されています。これを継続することで、来期も飛躍的な成長を遂げられると考えています。
質疑応答:お客さまの成長支援における自信と成果について
「貴社の成長は、営業によるお客さまの開拓と、自社のツールデータ基盤としてはプラットフォーム的な要素の両方が寄与していると理解していますが、どちらの寄与が大きいですか?」というご質問です。
我々が圧倒的に効果を発揮できるのは、お客さまの事業成長に寄与するマーケティングへの取り組みです。それにより、さらなる営業の迫力や営業のクロージング力にも表れるのではないかと考えています。
現場で成果を言い切れるかどうかは非常に重要であり、言い切るには自信が必要です。そのためには、多くの成功体験を積み重ねることが不可欠です。しかし、言い切ったとしても成果が出なければ、すぐに解約が発生し、チャーンにつながります。
結果として売上が大きく下がったり、伸び悩む状況に陥る可能性が高く、一過性のものとして終わるケースも少なくありません。
当社は、しっかりと成果を出せる企業であり、チャーンについてもお客さまの事情以外によるものは限りなく回避できる体制を整えています。チャーンは毎年ほとんど発生していません。お客さまからは非常に感謝されており、その結果、さらに大きな取引が実現しています。
同時にそれが従業員の自信となり営業活動に迫力を与える、その積み重ねが顧客獲得につながり、成長を実現できています。
質疑応答:来期以降の成長ペースについて
「今回の上方修正は一過性の要素が含まれているのですか? 来期以降も同様のペースで実現可能ですか?」というご質問です。
こちらは一過性のものではなく、来期以降も同様のペースで成長していく予定です。
質疑応答:1人当たりの生産性の維持について
「売上の向上など高い生産性が維持されている点に関して、人員の増加や事業拡張が進むまででどの程度持続可能ですか?」というご質問です。
こちらは維持できると確信しています。1人当たりの生産性については日々モニタリングを行い、幹部や部長、マネージャーたちとコミュニケーションを図りながら、人材育成や事業の生産性の向上に取り組んでいます。これらをウィークリーで継続的に行っており、人数が増えてもこの方程式は変わらないと考えています。
質疑応答:Spica社の収益力と中長期的な成長目標について
「Spica社の連結開始により動画ライブ領域が変わりましたが、現時点での収益寄与と中長期的にはどの程度の柱に育てる想定か教えてください」というご質問です。
収益面ではEBITDAで3億円から4億円ほどを生み出せる収益力のある事業です。当社内でもPMIを着実に進めており、この収益力は下がることなく、さらに高まっていくと考えています。
また、今期の利益11億円超の中で、1年に換算した規模感としては30パーセントから40パーセント程度のインパクトがあると見ています。さらにPMIの推進により、来年には貢献度が半分程度になるのではないかと見込んでいます。
中長期的には、Spica社を中心としたIPを活用した新しいビジネスは、現在の広告事業を上回るペースで成長していくと予想しています。私自身が責任者として取り組んでおり、第2の収益の柱としてSpica社をしっかりと育てていきたいと考えています。
質疑応答:今後の事業に対する意気込みについて
「今後の事業に対する意気込みをお聞かせください」というご質問です。
広告事業は今後さらに伸ばしていく所存ですが、これと同じ規模感で早急に第2の柱を構築したいと考えています。AIの台頭に関する懸念が常にあるからこそ、広告事業においては業績を基に、しっかりとご説明をしていく予定です。
一方で、AIに左右されないような事業を第2の柱として力強く立ち上げたいと思っています。この取り組みにご期待いただければ幸いです。
本日は多くのご質問をいただきましたが、以上となります。また次回、第3四半期の決算についてご説明できればと思います。本日はお忙しい中、ご視聴いただきありがとうございました。