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オーケーエム、舶用市場の旺盛な需要で売上高過去最高 海外市場開拓やM&A等も視野に入れ新領域への挑戦を加速

2026年3月期ハイライト

奥村晋一氏(以下、奥村):みなさま、こんにちは。株式会社オーケーエム代表取締役社長 社長執行役員の奥村晋一です。本日は、2026年3月期の決算についてご説明します。

はじめに、業績のハイライトを示します。結果はスライドに記載のとおり、前期比で増収増益となりました。詳細は後ほどご説明します。

目次

資料は全6章で構成されています。本日は第1章から第5章までについてご説明します。

存在意義

まずは、オーケーエムについてご説明します。当社のパーパスについてです。

「いい流れをつくる。」には、3つの思いが込められています。1つ目は、独創的な技術を活かし、製品やサービスの「いい流れをつくる。」です。

2つ目は、お客さま、仕入れ先さま、株主さま、社会と良い関係を築き、社外との「いい流れをつくる。」です。

3つ目は、社内の話として、働きやすい職場環境を築き、社内の「いい流れをつくる。」です。

社是

次に、社是です。弊社の社是は4つで構成されています。

1つ目は「独創的な技術」です。これは製品開発だけでなく、製造、販売、管理などすべてのプロセスに工夫や改善を取り入れることを掲げたものです。

その独創的な技術を用いて、2つ目から4つ目まで、いわゆる「三方よし」を実現することが弊社の社是となっています。

オーケーエムについて

オーケーエムについての説明です。オーケーエムは、産業用バルブを開発・製造・販売するメーカーです。

「オーケーエム」という社名の由来は、旧社名である奥村製作所に由来します。1993年に、新たな可能性を切り開く企業としてイメージを刷新する思いを込め、「オーケーエム」へと社名を変更しました。

また、奥村製作所は設立当初から、社名に「バルブ」という単語を入れていませんでした。これは、バルブに限定せず、事業を広げていくことを想定していたためです。

オーケーエムが扱う“バルブ”

次に、オーケーエムが取り扱うバルブの紹介です。現在オーケーエムが提供している製品は、バルブです。

このバルブとは、「流す」「止める」「絞る(調節する)」といった、流体を確実に制御できる機能を持った機器を指します。身近な例としては、水道の蛇口がバルブに該当します。

オーケーエムは産業用バルブの開発、製造、販売を行っています。これらのバルブは、船舶、工場設備、発電所、高層ビルなどの建物に使用されており、私たちの生活や産業を支える重要なインフラとしての役割を果たしています。

バルブは配管のある場所に必ず存在しており、あらゆるインフラで活躍しています。

主要製品

主要製品についてご説明します。当社には、大きく分けて3つの製品があります。バタフライバルブ、ナイフゲートバルブ、ピンチバルブです。これらは、25ミリメートル(2.5センチ)の口径から2メートルを超えるものまで取り揃えており、配管に応じたサイズをご用意しています。

また、バルブの中を流れるものとしては、液体や気体、さらには固体や泥状のスラリーなど、さまざまな流体に対応しています。

主力製品であるバタフライバルブは、非常にコンパクトです。グローブバルブなど他のバルブと比べて、サイズが大きくなるほどバタフライバルブはよりコンパクトで軽量になります。

ナイフゲートバルブとピンチバルブは、きれいな流体よりもスラリー状のものや固体、粉粒体といったヘビーユースなものが流れるラインで使用されています。

また、カタログに掲載された標準的なバルブだけでなく、お客さまのニーズに合わせたカスタマイズバルブを主力として提供しています。

競争優位性

競争優位性について、3つに整理しています。

1つ目は、強固な顧客ネットワークです。当社は、これまでの歴史の中で時代や市場のトレンドを察知し、的確にニーズを捉えながら、さまざまな流体にできるだけ個別にマッチするバルブを開発・設計してきました。

また、幅広い業界のお客さまから、さまざまな流体制御に関わる情報を収集・集積してきました。その情報を次の開発に活かすとともに、得た流体制御の情報を隣接する業界のお客さまにも提供しています。

2つ目に、製品の開発・設計段階においては、お客さまが取り扱う流体や使用される環境をできる限り再現し、テストを行ってきました。

そして3つ目として、さまざまな流体に対応するカスタマイズバルブをはじめとする、多様なニーズに合わせたカスタマイズ製品を製造するための生産力を有しています。多種多様なカスタマイズ製品を短納期で提供することが、当社の大きなビジネスモデルとなっています。

競争優位性を発揮した成功事例

競争優位性を発揮した成功事例を示しています。各時代に合わせて市場のトレンドを的確に捉え、お客さまのニーズに合わせたカスタマイズ製品を開発・提供してきました。

第2章、第3章は、管理統括本部の木田がご説明します。

2026年3月期決算サマリー

木田清氏:取締役常務執行役員管理統括本部長 兼 営業統括本部管掌の木田です。これより、2026年3月期の決算概要をご報告します。

まず、通期のハイライトです。造船業界の旺盛な需要により、舶用市場向けの製品販売が堅調に推移し、売上高は過去最高となりました。収益性の改善、販売価格の改定、経費抑制などの結果、営業利益、経常利益ともに期初予想を大きく上回りました。

2026年3月期決算サマリーについてご説明します。売上高は111億1,400万円、営業利益は12億9,500万円、経常利益は12億8,700万円、親会社株主に帰属する当期純利益は7億9,800万円となり、1株当たり配当金は年間55円としました。

舶用市場の売上高が対前年度比18.4パーセント増と伸び、売上を牽引しました。一方、陸用市場においては、前期の大口物件の反動もあり、前年同期比6.4パーセント減少となりました。

利益面では、収益性の改善、経費抑制、販売価格の改定などの取り組みにより、大幅に増加しました。当期純利益は、新基幹システムの見直しに伴う特別損失を計上しましたが、前年同期比で増加しました。

売上高・営業利益の推移

売上高および営業利益の推移については、スライドのグラフをご参照ください。

経常利益増減分析

経常利益の増減分析です。新造船需要により、舶用市場の売上高が堅調に推移しました。原材料や副資材の価格は引き続き上昇し、通信費も増加していますが、販売価格の改定や経費抑制を進めてきました。

また、期中には投資有価証券の売却を実施し、引き続き持ち合い株式の解消に努めていきます。

売上高構成(市場、業界別)

市場・業界別の売上高構成についてご説明します。陸用市場では、各業界の設備投資が小口化し、資材高騰などによる設備投資の先送りが影響し、減収となりました。

一方、舶用市場では新造船建造が引き続き堅調に進んでおり、連結売上高構成比では舶用市場が58パーセントを占め、対前年同期比で6ポイント増加しています。

単体においても、舶用市場向け売上構成比は62パーセントとなり、連結同様、対前年度比で6ポイント増加しました。

売上高構成(地域別)

地域別の売上高構成についてです。日本の売上高は、陸用市場が前年度比で減少しましたが、舶用市場の牽引により堅調に推移しています。

韓国市場は、船舶排ガス用バルブの価格競争により減少しました。中国市場では、半導体水処理案件が減少したものの、船舶排ガス用バルブの取り込みにより微増となっています。マレーシア市場は、パーム油や水道弁などの需要増により伸長しました。

売上高、受注高、受注残 (市場別、単体)

売上高、受注高、受注残のグラフです。受注残は一定水準を維持しているものの、陸用市場の需要減少や案件の小口化により受注が減少しています。

貸借対照表

貸借対照表です。現預金が増加した一方、売上債権や棚卸資産が減少したため、資産合計は133億3,100万円となりました。

負債の部は、電子記録債権や借入金の減少により25億3,800万円となっています。純資産合計は、利益の増加により107億9,200万円となりました。

キャッシュ・フロー

連結キャッシュ・フローです。売上債権の回収進展や税金等調整前当期純利益の増加が営業キャッシュ・フローの改善に寄与し、現金および現金同等物の期末残高は32億8,600万円に増加しました。

2027年3月期 業績予想サマリー

2027年3月期の業績予想サマリーです。売上高は119億円、営業利益は10億6,000万円、経常利益は10億5,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は7億3,000万円、1株当たり配当金は50円を予想しています。

経常利益予想 増減分析

経常利益予想の増減分析です。資機材、副資材、エネルギー関連コスト、人件費、通信費の増加を織り込んだ業績予想となっています。

引き続き市場動向を注視し、状況に応じて価格転嫁を進めていきます。どうぞご支援賜りますよう、よろしくお願いします。それでは、成長戦略について社長の奥村よりご報告します。

第2次中期経営計画の位置づけ

奥村:続きまして、成長戦略についてご報告します。

まず、現在進行中の第2次中期経営計画の位置づけを示しています。中長期ビジョン「Create 200」において、第1次中期経営計画では売上高200億円のみを設定していました。

第2次中期経営計画からは、新たに営業利益20億円を追加しました。これは売上拡大だけでなく、より収益性に重点を置いて計画・戦略を展開していくという考えに基づいています。

注力する領域・事業・市場を的確に選別し、リソースを最適に配分することで、事業を確実に成長させていきます。

経営目標サマリー

経営目標のサマリーです。最終年度となる2028年3月期において、連結売上高132億円、営業利益率10パーセント以上、ROE10パーセントを目指します。

グループ経営方針

グループの経営方針を示しています。経営方針全体の構成は、一番上に「いい流れをつくる。」というパーパス、社是、中長期ビジョンがあり、それを基本戦略に落とし込んで構成しています。

第2次中期経営計画の基本戦略は、以下の3つです。1つ目は既存領域の拡充、2つ目は海外市場への展開、3つ目は新領域への挑戦です。

外部環境認識

外部環境の認識についてです。オーケーエムを取り巻く外部環境に関して、世界のバルブ市場を見ますと、2024年から2034年にかけて、年平均成長率は4.7パーセントと予測されています。

また、日本政府が打ち出した戦略17の分野には「GX(グリーントランスフォーメーション)」が含まれています。世界的にも天然ガス、アンモニア、水素へのエネルギー転換に向けた開発が順次進められています。

一方、足元では次世代エネルギーへの移行がやや緩慢である状況も見られますが、長期的には確実に脱炭素を目指していると認識しています。

また、戦略17分野には、造船が挙げられています。その中では、ゼロエミッション船舶の開発推進費についても言及されています。

現在、造船業界では次世代エネルギーへの対応が各社で進められており、さらに老朽化した船舶の更新や今後の輸送量増加を見据え、新規造船用バルブの需要が高まっています。

第2次中期経営計画基本戦略

このような背景を基に、中期経営計画を展開しています。スライドでは、3つの基本戦略が業績に寄与する規模感を示しています。

戦略1である既存領域の拡充については、現在のバルブ事業全般がその基盤を構成しています。この領域を着実に拡大していきます。

次に、戦略2の海外市場への展開です。こちらも、既存領域のバルブ事業に該当します。これまでは国内を中心に販売を展開してきましたが、さらに可能性のある海外市場の開拓を強化していきます。

また、戦略3である新領域への挑戦では、バルブ単体にとどまらず、流体制御をコアとしつつ、新領域を開発することで、業績のさらなる伸長を図っていきます。

基本戦略I 既存領域の拡充(1)

基本戦略1として、既存領域の拡充を進めています。具体的には、船舶排ガス用バルブの販売を拡大していきます。

現在、船舶排ガス用バルブの第3弾の改良製品「MarkⅢ」を開発中です。この製品では、より品質の安定性を追求し、コスト低減を実現して市場に投入していきます。

次に、LNG用バルブ、つまり極低温用バタフライバルブについては、サイズラインナップを拡充していきます。また、海外市場で求められる仕様に対応するため、バリエーションを増やし、海外向けの販売も強化していきます。

今後も、世界的に造船向けの需要増加が着実に進むと考えています。排ガス用バルブやLNG用バルブのメンテナンスおよび部品交換の需要が増加してくると認識しており、それらの需要を確実に取り込んでいきます。

基本戦略I -(1)進捗

戦略1の進捗についてです。船舶排ガス用バルブの売上高は前年比20.5パーセント増と、好調に推移しています。

さらに、過去に納入した排ガス用バルブのメンテナンスが始まり、部品交換の案件が増加しています。

LNG用バルブの売上高は前年比78.3パーセント増と、好調です。発売当初は利益率が非常に厳しい状況でしたが、改善傾向にあります。さらに利益率を高められると考えており、採算性向上に向けて引き続き活動を進めていきます。

基本戦略I 既存領域の拡充(2)

基本戦略1である、既存領域の拡充(2)についてです。スライドの表の左側に記載のとおり、低炭素・脱炭素向けの製品としてアンモニア用バルブ、CO2(二酸化炭素)用バルブの開発を進めています。さらに、液化水素用バルブやバタフライバルブの開発も推進していきます。

スライドの表の右側では、生産性および収益性の向上を推進するとしています。オーケーエムの強みであるカスタマイズをしっかりと活かしながら、製品仕様の組み合わせを整理・整頓します。

さらに、顧客からはカスタマイズ製品や特殊品に見えるラインナップを社内では標準化・システム化することで、生産性の向上を図っていきます。

基本戦略I -(2)進捗

基本戦略1の進捗です。脱炭素に向けた製品開発については、第2四半期の説明資料と同様の内容で、引き続き活動を進めています。

アンモニア用バルブについては、船舶エンジンの燃料供給ラインの用途で、陸上試験を実施いただいています。CO2用バルブは、液化二酸化炭素の輸送実証船に試験搭載が決定しています。

スライド右側に記載のDXの取り組みに関しては、新しい基幹システムの導入を本格的に進める計画でしたが、当社の業務再設計とシステムの親和性を詳細に評価した結果、計画を見直すこととしました。

基本戦略II・III

基本戦略2は、海外市場への展開です。国内外の攻略市場において、グループ全体で販売攻勢を展開していきます。

各国のお客さまのニーズに合わせたカスタマイズ製品、特に排ガス用バルブやLNG用バルブなどの脱炭素に関わる製品を生産・供給することで、顧客満足度の向上を目指します。

スライド右側は、基本戦略3である新領域への挑戦についてです。バルブ単体にとどまらず、バルブをハブとしてシステム化を図ります。これにより、お客さまの課題を解決するソリューションを開発していきます。

M&Aや事業提携もしっかりとメニューに加え、既存事業の拡充および新領域への拡大を推進していきます。

基本戦略II・III 進捗

基本戦略2および3の進捗についてご報告します。船舶排ガス用バルブでは、中国での販路拡大、さらに韓国では釜山にある当社拠点からのきめ細やかなサポートにより、継続受注を確保しています。

LNG用バルブについては、ラインナップの拡充と販路拡大を目指し、展示会への出展など海外市場向けのマーケティング活動を展開しています。

また、新領域の拡大に関しては、M&Aや事業提携を視野に入れ、具体的なアプローチを積極的に進めています。

戦略や取り組みについての考え方

戦略・取り組みの考え方について示しています。当社を取り巻く環境は、不確実性が高く、激しく変化しています。

このような外部環境に的確に対応し、先手を打つために、戦略や施策、KPIを年度ごとに見直していきます。スピーディかつ実効性のある取り組みを展開していきます。

業績目標

第2次中期経営計画の当初の業績目標を棒グラフで示しています。業績の結果や今期の見込みについては、先ほど木田が申し上げたとおりです。

今期は先期に積み残した変革施策に引き続き取り組むとともに、成長へ向けて突き進んでいきます。

中期経営計画の進捗

再度、中期経営計画の進捗をまとめたスライドです。

現状分析

第5章は、「企業価値向上に向けて」です。現状分析をお伝えします。

当社の現状としては、PBRは改善傾向にあるものの、2021年5月に1倍を割り込んで以降、継続して1倍を下回っています。

ROEは2021年3月期に11.2パーセントをピークとして低下しましたが、2025年3月期、さらには2026年3月期に向けて改善の兆しを見せています。ただし、さらなる利益率の向上が課題であると認識しています。

また、投資家のみなさまに当社の戦略や取り組みについて、まだ十分にお伝えできていないと考えています。さらに、当社そのものの認知度が低いと認識しています。

PBR改善に向けた今後の取り組み

PBR向上に向けた今後の取り組みとして、ROEやPERの向上を目指し、新製品・新サービスの展開や高付加価値製品の販売強化などを通じて、利益率の向上を図っていきます。

また、バランスシート対策を展開し、資本効率の向上を目指します。さらに、IR活動を積極的に展開し、企業価値の向上に取り組んでいきます。

キャピタル・アロケーション

キャピタル・アロケーション、資本配分の見直しについて説明します。事業活動で生み出すキャッシュの増加はもちろん、売上債権や棚卸資産の圧縮など、キャッシュインの改善に取り組んでいきます。生まれたキャッシュは投資に配分し、成長を加速させていきます。

前期は売上債権の回収サイトの短縮に取り組み、債権回転期間を前年比で39日短縮し、大きく改善しました。引き続き、在庫の圧縮に取り組んでいきます。

株主還元方針

株主さまへの還元方針についてです。オーケーエムの持続可能な成長を実現するため、研究開発、設備投資、事業提携、M&Aなどの投資を充実させるとともに、財務のバランスを十分に考慮し、継続的に安定性を重視した配当を行っていきます。

第2次中期経営計画の期間中は、1株当たり配当金40円を基準に、さらなる上積みを目指しながら、安定的な配当を実施していきます。また、事業成長や企業価値の向上を図り、積極的なIR活動を通じて株価向上に努めていきます。

オーケーエムは、お客さまの流体制御に関するニーズに細やかにお応えし、事業を発展させていきます。事業発展を通じて、顧客満足度、社員満足度、株主さま満足度の向上を図り、持続可能な社会へ貢献していきます。

以上で、2026年3月期の決算説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。

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