■セレコーポレーションの業績動向
1. 2026年2月期の業績概要
2026年2月期の連結業績は、売上高20,190百万円(前期比15.6%減)、営業利益1,692百万円(同16.2%減)、経常利益1,702百万円(同16.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,147百万円(同19.0%減)となった。賃貸開発事業において物件販売が計画どおりに進捗しなかったことを主因として、売上高と営業利益が減収減益となった。特に、外部環境の変化を背景とした販売進捗の遅れが全社業績に与えた影響は大きかった。一方で、その他のセグメントでは増益を確保しており、全体としての事業運営はおおむね順調に推移した。全社売上総利益率は前期比で2.0ポイント改善したが、これは価格戦略の見直しや採算性を意識した運営が奏功した結果、収益構造の質的改善が進んだものと弊社では見ている。
主要KPIの進捗では、事業基盤の強化は着実に進んでいる。建築実績は堅調に推移しており、供給能力と施工体制の安定性が維持されている。また、管理戸数は12,000戸を突破後も順調に増加しており、ストック型ビジネスの拡大を通じて経営基盤の強化が進展している。さらに、入居率は98.8%と高い水準を維持しており、収益の安定性と物件競争力の高さを裏付けている。これらの指標は、短期的な業績変動がある中でも中長期的な収益基盤が堅固であることを示しており、収益安定性に対する信頼性は高いと弊社では見ている。
2. セグメント別の業績概要
(1) 賃貸住宅事業
売上高は9,491百万円(前期比13.9%減)、セグメント利益は1,142百万円(同13.5%増)となった。賃貸住宅事業においては、主要KPIである建築累計実績が前期末比69棟増加するなど、供給面では引き続き順調な拡大が見られた。一方、販売商品の絞り込みを進めたことにより受注棟数が減少し、売上高は前期比13.9%減となった。売上総利益率については、販売価格の見直しによる単価上昇と利益率改善が寄与し向上した。その結果、セグメント利益は前期比13.5%増と増益を達成しており、量的成長から質的成長へのシフトが進展したものと評価できる。収益性を重視した戦略転換が明確に成果として表れた点は注目される。
(2) 賃貸開発事業
売上高は1,385百万円(前期比70.3%減)、セグメント利益は119百万円(同83.1%減)となった。賃貸開発事業は、当期における業績下振れの主因となったセグメントである。土地及び建物の原価高騰に加え、金利上昇に伴う他の金融商品との利回り差縮小といった外部環境の変化が影響し、富裕層の投資心理が慎重化した。その結果、顧客の顕在化に苦戦し、予定していた物件販売が計画どおりに進まなかった。これにより、前期比で減収減益となった。同社は優良エリアでの物件供給を積極的に推進してきたものの、市場環境の変化により販売進捗が抑制された形であり、本セグメントの業績は外部要因への感応度の高さがあらためて浮き彫りとなった。今後の金利動向や投資市場の回復が重要な回復ドライバーとなると弊社では見ている。
(3) 賃貸経営事業
売上高は10,524百万円(前期比5.1%増)、セグメント利益は1,291百万円(同13.7%増)となった。賃貸経営事業は、安定成長を維持する中核セグメントとしての役割を強めている。主要KPIである管理戸数は前期末比137戸増加し、ストック収益基盤の拡充が進んだ。建物長期延長保証の拡充施策によりリフォーム受注が堅調に推移しており、既存顧客からの収益機会の拡大が実現している。また、自社新築物件の管理受託数増加に加え、建築受注前からの同行営業の強化により管理受託数は前期比で増加した。さらに、専任仲介業者との連携を通じて、入居者入替時の賃料引き上げを伴う契約が順調に進捗し、入居率も前期比で上昇した。加えて、築20年目の再延長保証制度を活用した延長保証工事の受注も堅調で、安定的かつ持続的な収益創出構造が確立されつつあると評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)