2026年3月期(130期)決算説明
佐口敏康氏:グンゼ株式会社代表取締役社長の佐口です。足元では中東情勢の緊迫化もあり、2027年3月期も先行き不透明な状況が続いています。私が社長に就任した5年前は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言下にありました。
その後、コロナ禍が収束しないままロシア・ウクライナ情勢が発生し、さらに今回の中東情勢の変化も加わるなど、この5年間で事業環境は大きく変化しました。こうした厳しい環境の中、事業運営を進めてまいりました。
本日は、2026年3月期決算についてご説明します。
I-1. 2026年3月期決算 業績
はじめに決算概要です。スライドの「2026年3月期」の欄をご覧ください。売上高は1,309億1,800万円、営業利益は48億8,200万円です。対前期では、売上高が61億9,900万円減少、営業利益が30億3,800万円減少となりました。
経常利益は49億2,000万円、当期純利益は5億900万円となりました。営業利益はアパレル構造改革に伴う在庫評価減が新たに19億円増加したため、大幅減益となりました。
また、当期純利益は、第1四半期に特別損失としてアパレル事業構造改革費用33億1,100万円を計上しており、2025年3月期と比較して決算数字は大幅に悪化した状況です。
I-2. 2026年3月期決算 業績
決算概要の詳しい内容です。先ほど売上高が61億9,900万円減少したとお伝えしました。要因の1つとして、前期末に電子部品事業を終息したことが挙げられます。
2026年3月期はこの電子部品事業の終息に伴い、売上高に約30億円の影響がありました。残りはプラスチックフィルム分野の海外での売上減少、アパレル量販店など既存ルートの販売減少などとなっています。
営業利益、経常利益は、アパレル事業の構造改革に伴う在庫適正化に向けた棚卸資産の評価損の影響、メディカル事業の中国での販売停滞や固定費などの増加により、営業利益は30億3,800万円の減益、経常利益も32億6,000万円の減益となっています。
親会社株主に帰属する当期純利益は、第1四半期に計上したアパレル事業の構造改革費用により、約57億円の減益となりました。
I-3. 2026年3月期決算 報告事項
まず、2月5日の第3四半期決算発表にて開示した、通期業績予想の下方修正の内容です。年初計画では売上高1,400億円、営業利益85億円を掲げていましたが、売上高を1,330億円、営業利益を64億円に下方修正しました。これに伴い、経常利益以下の数字も修正されています。
この下方修正した業績予想に対し、売上高は更に20億8,200万円下回りました。営業利益も15億1,800万円下回っていますが、これは、アパレル事業の在庫削減による19億円の影響を織り込んだため、営業利益は48億8,200万円となりました。つまり、営業利益は在庫評価減に伴う影響19億円を含まないベースでは約68億円となります。
事業構造改革の一環として、当社はアパレル事業における集中特化戦略を推進し、大幅なブランド削減やSKU削減を進めています。削減を進める中で、継続が難しくなるSKUやブランドに関する在庫が発生します。これらの在庫を特定し、実現可能価格を厳格に見積もった結果、アパレル事業における棚卸資産の評価損が19億円増加し、このような営業利益の数値となりました。
本来、この在庫評価減は2027年3月期に発生すると見込んでいました。しかし、SKUやブランドの削減などの集中特化戦略が、2026年3月期に前倒しで実施できたことで、今期に在庫の評価減なども織り込むことができました。
2026年3月期の段階で構造改革が順調に進んだことで、先に在庫の削減まで進められたということです。その結果、2027年3月期の業績見込みは当初の計画を上回る数字を出すことができています。また、期末配当については、従来公表しているとおり進めていく考えです。
同時に、今回は役員の人事異動についても開示しています。私はこれまで代表取締役社長を務めてきましたが、6月25日以降は代表取締役会長に就任する予定です。後任として、専務の岡が代表取締役社長として業務を進めていくことになります。
私からの説明は以上です。
I-4. 2026年3月期 決算サマリー
澤田博和氏:財務経理部長の澤田です。全体の決算の数字については佐口から説明がありましたが、さらに詳しく説明していきます。
事業セグメント別の業績の主なポイントについてです。機能ソリューション事業は、減収ながら微増益となりました。プラスチックフィルム分野は、国内市場で環境対応商品の展開が好調で増益となりましたが、海外市場では消費停滞や低価格化の進行による単価下落の影響を受けています。
エンジニアリングプラスチックス分野は、半導体市場向けがお客さまにおける在庫調整の長期化が影響し、減益となりました。電子部品事業の終息により売上高は減少しましたが、営業利益は約3億円改善しました。
メディカル事業は、増収減益となりました。国内市場では価格競争の影響があるものの、癒着防止材や自社製品である吸収性製品の拡販が進んでいます。中国販売は、高額医療規制や11月以降の日中関係の悪化に伴い、日本製品への購入を抑制する状況が続いており、その影響を受けたものです。
仕入品の医療用レーザー分野については、販売低迷を踏まえ事業規模を縮小したことに伴い、在庫評価損を計上することとなりました。更に、事業拡大に向けた設備投資や人員増などで固定費が増加しており、これらの影響により結果として減益となっています。
アパレル事業は減収減益となり、赤字に転落しました。ただし、事業構造改革については計画どおり推移しており、非継続商品に関しては従来にない評価減を行っています。
販売面ではDtoCルートに注力しており、「アセドロン」やレディスインナーの差異化商品が順調に拡販できています。一方で、量販店では売場の縮小や消費者の買い控えの影響を受けています。
ライフクリエイト事業は増収増益となりました。不動産関連分野では、商業施設「グンゼタウンセンターつかしん」のリニューアル効果により来館者数が増加しています。スポーツクラブについても不採算店舗の削減により損益が大幅に改善しました。
I-5. セグメント別業績
セグメント別業績に移ります。具体的な数字はスライドのとおりですが、アパレル事業、メディカル事業の利益率低下により、全体の営業利益率は3.7パーセントと低迷しました。
I-6. 2026年3月期 売上高 推移
4年間の売上高の推移をグラフで示しています。2026年3月期はすべての四半期で売上高を落とし、特に第4四半期の売上高減少が影響を与えたと考えています。
I-7. 2026年3月期 営業利益 推移
営業利益の推移です。第4四半期で大きく利益を落としていますが、これは先ほどご説明したアパレル事業の在庫評価減19億円の影響が大きいと考えています。
スライド右側にセグメント別の利益状況を4期並べて示しています。今回の19億円がなければ、概ね2024年3月期の68億円程度の水準だったと考えられます。
I-8. 四半期別業績推移
四半期別の業績推移です。売上高・損益ともに第4四半期での落ち込みが顕著でした。
I-9. 2026年3月期決算 業績
バランスシートの状況です。総資産は1,536億円で60億円減少しました。自己資本は1,117億円で73億円減少しました。株主還元を進める方針のもと、自己資本の適正化を進めた結果、73億円の減少となっています。
ただし、自己資本比率に関しては、総資産が大きく減少したこともあり、72.8パーセントという高水準を維持しています。1株当たり純資産(BPS)は3,565円で、PBRが1倍を超える水準で推移している状況です。
I-10. 資産の増減内容
総資産の増減内訳です。売上債権が25億円減少したことに加え、特に棚卸資産が53億円と大きく減少しました。アパレル在庫の縮減の影響がほとんどであり、53億円の中には19億円の評価減が含まれています。それ以外にも、生産調整などを行って在庫の圧縮に努めてきました。
I-11. キャッシュフロー
キャッシュフローの状況です。営業キャッシュフローは172億円となり、営業利益や減価償却費に加え、在庫の減少によって大きくキャッシュを稼いでいます。投資活動で115億円と例年にない大型の投資を実施しました。その結果、フリーキャッシュフローは56億円となっています。
一方で、財務活動としては配当金の支払い63億円、自己株式の取得50億円の合計113億円の株主還元を実施しました。そのため、金額が不足した分を補うために、長期借入れを50億円実施し、全体で借入金を53億円増やし、それを賄ったキャッシュフローとなっています。
I-12. 設備投資額・減価償却費推移
設備投資については、今期は125億円を実施しました。主に機能ソリューション事業に使われており、スライドには記載していませんが、エンジニアリングプラスチックス分野の工場の増築、メディカル事業の工場の増設、事務所建設などが含まれます。アパレル事業では、構造改善を進める中で海外の製造設備を強化しました。
来期は90億円の設備投資を予定しています。スライドに記載のとおり、エンジニアリングプラスチックス分野では引き続き工場の新棟建設を計画しており、プラスチックフィルム分野の設備更新なども予定しています。メディカル事業においても増産や拡販のための投資を行う予定です。
スライド上部のグラフをご覧いただくと、2023年3月期以降は常に償却を超える投資を実施しており、非常に積極的な投資を進めていることがわかります。
II-1. 2026年3月期事業概況
事業セグメント別の概況について、スライドに詳しく記載しています。機能ソリューション事業のプラスチック分野に関しては、中東情勢が非常に不安定になっている中でも安定供給を果たすことを目指し、サーキュラーファクトリー(資源循環型工場)を中核に資源循環モデルを推進していきます。
製品別の状況として、「平板収縮」は飲料向けで最終製品の価格が大幅に上昇しており、市況の低迷の影響を受けていますが、新しい環境対応商品の導入によってなんとかカバーしている状況です。
「ナイロン」は、バリア製品の食品向けで最終製品の価格が上昇していることで買い控えの影響を受けていますが、一般ナイロンではコスト競争力が非常に高く、拡大を続けています。
「工業用品」では、半導体市場向けが非常に活況で、過去最高の販売量となりました。「OPP」は数量・売上ともに減少していますが、古くなった設備を集約し、付加価値のある製品に注力することで収益性の向上を図っています。
今回大きな問題となった「グローバル」は、米国では数量が減少することなく、確実に増加しています。ベトナムや中国は2026年3月期に苦戦しましたが、収益体質への転換を図った結果、この下期あたりからその成果が現れてきています。
II-2. 2026年3月期事業概況
エンジニアリングプラスチックス分野は、「OA向け機能商品」は米国の関税影響を受け、やや低迷した部分もありましたが、オフィス向けなどでは安定した出荷ができています。
「非OA向け」は半導体向けの在庫調整の影響を受けていますが、第4四半期以降はすでに回復傾向にあり、2027年3月期も増販を見込んでいます。加えて、医療向けなどで大きな受注を受けており、拡販が期待できる状況です。
II-3. 2026年3月期事業概況
次にメディカル事業です。「組織補強材」は日本では順調に推移していますが、中国では高額医療規制や日中関係悪化の影響を受け、少し苦戦しています。「骨接合材」は堅調に推移しています。期待している「癒着防止材」は競合との競争が激しくなっていますが、差異化戦略による使用量の拡大を進めているところです。
II-4. 2026年3月期事業概況
アパレル事業では33億円の特別損失に加え、19億円の在庫評価減を行って構造改革を進めています。そして、インナーウエア分野とレッグウエア分野のいずれも重点ブランドへの集中特化を図り、SKU削減と価格改定を実施しています。また、DtoCルートへの販路シフトを加速させる方針を継続しています。
II-5. 2026年3月期事業概況
ライフクリエイト事業の不動産関連分野は、ショッピングセンターは堅調で、スポーツクラブ分野も収益性が大きく向上しています。緑化分野は、2025年3月期には万博需要などによる大規模な物件がありましたが、その反動や工事延期などの影響を受け、若干苦戦している状況が見受けられます。
III-1. 2027年3月期連結業績予想
2027年3月期業績予想についてご説明します。数字はスライドのとおりです。売上高はアパレル事業を除き基本的に順調に推移すると見込んでおり、増収を計画しています。
営業利益・経常利益は、アパレル事業の構造改革の成果を収穫する年と位置づけ、収益の改善を見込んでいます。プラスチックフィルム分野で懸念されていたグローバル市場が堅調に推移すると予想しています。また、エンジニアリングプラスチックス分野においては、半導体関連が復調することを見込み、増益を計画しています。
最終利益は、先ほどお伝えした33億円の特別損失がなくなることから、大幅に改善する見通しです。配当についても2026年3月期と同様に1株当たり216円を継続したいと考えています。具体的な計画としては、売上高1,320億円、営業利益88億円、最終利益52億円を見込んでいます。
III-2. セグメント別業績予想
セグメント別業績予想は先ほどの説明のとおりです。ただし、アパレル事業においてはブランドの集約など商品を絞るため、売上高の伸びは期待していませんが、営業利益は26億円増と大きく改善する見込みです。
III-3. 株主還元
株主還元についてです。配当は安定的かつ継続的に利益還元を実施していきたいと考えています。また、今回の中期経営計画では、あるべき資本構成の実現に向け、DOE4パーセントの普通配当に加えて特別配当を実施し、全体で216円という少し高めの配当を行う予定です。
III-4. 株主還元
加えて、資本最適化の意味も含め、株主還元として2025年11月から2026年3月にかけて50億円の自己株式を取得しました。また、3月末には300万株の自己株式消却を行いました。
2026年3月期の決算の内容は以上です。ありがとうございました。
IV-1. 重点事業の方向性
岡高広氏:経営戦略部長の岡です。私から重点事業の方向性についてご説明します。今回は、2026年3月期の業績予想を下回った2部門について、今後の方向性をきちんと説明したいと思います。
メディカル事業の利益成長に向けた重点施策について説明します。
まず、成長が停滞状況にある中国事業への取り組みについて、この上期は、前期から続く高額医療規制や日中関係悪化などの影響によって、取り扱い代理店における在庫調整が継続すると予想されるため、保守的な計画となる見通しです。しかし、下期にかけては、主力製品の組織補強材を中国での国産化を推進するなど、販売する製品群を再構築することにより、売上の回復を見込んでいます。
美容医療領域は需要変動が大きいため、市場環境の変化を踏まえ、レーザー治療を用いた美容医療事業の縮小を進めています。また、医療用レーザーに関しては在庫評価減を行い、早期消化を図ります。
利益成長に向けた今後の方向性として、現状、美容医療など外部から購入した製品を販売していますが、安定収益が見込める自社製品中心の事業構成への転換を進めます。
さらに、海外事業に関しては中国市場への依存度が高かったため、欧州、米州、アジア太平洋地域などの市場での浸透を進めていきます。
なお、収益性の低い外部仕入れ製品の縮小を計画的に進めることで、営業利益率を20パーセントへ早期回復させることを目指しています。
IV-2. 重点事業の方向性
アパレル事業では、構造改革が計画どおりに進捗しています。営業損益の改善目標として33億円を掲げており、2027年3月期ではその93パーセントを達成する見込みです。
実施事項の1つ目である「集中特化戦略」は主に価格改定で、目標額17億円に対し、2027年3月期で90パーセントを達成できると見込んでいます。そして、物流拠点および生産拠点の集約や海外工場へのシフトを柱とする「バリューチェーン改革」では、目標額9億円を掲げており、2027年3月期中に目標を達成する計画を立てています。
また、「その他の改革」として間接人員の適正化を進めており、これに関する目標額は7億円です。2027年3月期中に90パーセント近くを達成する見込みであり、順調に進んでいます。
なお、エネルギーや為替変動といった影響も考慮しつつ、追加施策によるコストダウンで吸収を図り、中計期間中に33億円を達成できる見込みです。
IV-3. 重点事業の方向性
アパレル事業の「2030年のあるべき姿」として、価値創造と収益化を実現するビジネスモデルに創りかえることを目指します。数値目標として営業利益率を10パーセント以上に引き上げることを掲げています。
また、年間の在庫回転率を4回転以上とし、リードタイムを50パーセント短縮、GVAの黒字化をKPIとして設定しています。そして、「ターゲット顧客の切実な課題に対し、他社には真似できない独自のソリューションを、最適なタイミングで確実に提供」することで、継続的価値創造を目指します。
その中で「プロセス改革」にその内容を記載しています。
まず、「顧客体験起点の価値創出」についてです。こちらは、お客さまが抱えている課題に対し、当社がどのように価値を提供できるかという点に取り組むものです。スライド右側に記載されていますが、科学的な評価技術を活用し、エビデンスを伴った商品を提供することを目指しています。
2つ目の「無駄を排した生産・ロジスティックス」についてです。これまでは生産・物流拠点におけるさまざまな工程の中で仕掛品が多く発生し、多くの在庫を抱えていました。
この棚卸資産については、2026年3月期に大幅に削減しました。その上で、さらにリードタイムを短縮することで仕掛在庫をなくしつつ、お客さまに迅速に商品を提供できる仕組みを構築していきたいと考えています。
3つ目の「組織トータル・マネジメント」に関しては、工場単位や営業単位という従来の考え方ではなく、事業トータルでお客さまにどのような価値を提供できるかという視点で、現在組織の改善を進めている状況です。
最後の「グローバル地産地消モデル」は、その意味のとおり、当社が海外にも生産拠点を持っていることを活用し、そこで販売を行うことで為替リスクをヘッジすることを目的としています。
以上で私からの説明を終わります。ありがとうございました。
質疑応答(要旨)
【中東情勢関連】
質問:中東情勢の影響による今期の業績見通しをうかがいたい。
回答:中東情勢の影響により原材料価格が急激に上昇しており、特にプラスチック分野では適宜価格改定を進めています。原材料調達については1ヶ月から2ヶ月程度の目途はついています。
2027年3月期業績予想には、第1四半期分として一定のコスト増を織り込んでいますが、第2四半期以降については現時点で合理的な算定が難しい状況であり、今後の動向を注視しながら対応していきます。
【機能ソリューション事業について】
質問:プラスチックの原材料価格高騰への対応策は?
回答:原材料価格の高騰に対しては、適宜お客さまへ価格改定をお願いしています。急激な価格変動が続く中、原料メーカーを含め厳しい事業環境となっており、安定供給継続のためには顧客の理解が必要と考えています。
価格改定にはタイムラグが生じるものの、顧客からは一定の理解を得ながら対応を進めています。
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質問:プラスチックにおける海外市場の状況についてうかがいたい。
回答:2026年3月期は、中国製フィルムおよび原料が海外市場で低価格販売された影響により、市場価格が下押しされました。当社は販売数量を維持したものの、販売単価低下による利益率悪化の影響を受けました。
ただし、現在は原料価格も上昇しており、市場価格は改善方向にあると認識しています。
【メディカル事業について】
質問:メディカル事業の利益成長に向けた取り組みは?
回答:国内でエビデンスや実績を積み上げてきた自社製品、主に組織補強材や癒着防止材のグローバル拡販を推進します。
営業利益率20パーセントの目標については、2030年までの達成を目指していますが、収益性改善などの取り組みを進め、前倒しでの達成を目指します。
【アパレル事業について】
質問:構造改革の進捗についてうかがいたい。
回答:構造改革を進めているアパレル事業については、創益事業への再生に向け、生産拠点集約や間接部門合理化などの事業構造改革を計画どおり進めています。
引き続き、集中特化戦略として、当社の強みを発揮できる戦略ブランドに絞ることで、収益力向上を図ります。また、バリューチェーン改革として、2026年3月期に発表した東北グンゼ、矢島通商および福知山物流センターの終息により、さらなるコスト削減を図ります。
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質問:アパレル事業におけるグローバル展開についてうかがいたい。
回答:「グローバル」については、国内販売中心の事業構造を見直し、海外生産・海外販売を進めることで、為替影響リスクの低減を目指します。
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質問:アパレル事業における在庫回転率向上策と海外展開の方向性について。
回答:在庫回転率向上に向けては、GMS向けの商品構成を見直し、SKU削減や売れ筋商品の集中展開を進めることで、効率的な商品供給体制の構築を図っています。
海外展開については、日本型モデルをそのまま展開するのではなく、各地域の市場特性や販売手法を踏まえながら、最適な販売体制や拠点のあり方を検討していきます。
【代表取締役社長の異動について】
質問:社長交代の背景についてうかがいたい。
回答:まず、前期における下方修正を含む業績面での責任を、経営者として重く受け止めています。そして、2027年3月期以降を「構造改革から成長への移行フェーズ」と位置付け、新たな成長ステージへの転換を見据えてバトンタッチを決断しました。
岡専務は、経営戦略部門の責任者としてアパレル事業の構造改革を確実に推進しており、この取り組みを完遂するため、このタイミングでバトンタッチする必要があると判断しました。
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質問:佐口社長は岡専務をどう評価しているか?
回答:構造改革を想定以上のスピードで推進した実行力を高く評価しています。また、米国で長年にわたり経営経験を積んでおり、グローバル視点を持った経営判断ができると考えています。
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質問:岡専務の経営方針をうかがいたい。
回答:変化をリスクではなくチャンスと捉えています。迅速に利益を創出できる企業体質へ転換し、その利益を通じて社会へ貢献していきたいと考えています。同時に、成長投資を可能にする収益基盤の構築を目指していきます。
自身の強みは「臨機応変な対応力」にあると認識しています。米国で約10年間にわたり勤務・経営に携わった知見を活かし、日本と海外双方の経験を融合した経営を目指していきます。
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質問:次期中期経営計画「VISION 2030 stage3」における成長戦略の方向性は?
回答:2029年3月期から開始する次期中期経営計画では、今中計の構造改革成果をもって、2040年から2050年を見据えたバックキャストで成長戦略を検討しています。機能ソリューションでは資源循環分野の事業拡大、アパレルではグローバル展開に向けた販売・物流体制の強化、メディカルでは欧米に加え東欧・南米を含む海外展開を推進していく方針です。
加えて、成長投資を継続できる収益基盤の強化にも取り組んでいきます。