2026年3月期決算説明
黒岩正勝氏:みなさん、こんにちは。本日は大変お忙しい中、当社の2026年3月期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。ニッコンホールディングス株式会社代表取締役社長の黒岩正勝と申します。どうぞよろしくお願いします。
これから当社の連結決算内容とESGの取り組みについてご説明します。それでは早速説明に移らせていただきます。
目次
ご説明の内容については、目次のとおりとなります。
1.業績概要① 損益計算書(連結)
はじめに損益の状況についてご説明します。当連結会計年度の経済状況は、国内においては、良好な企業収益や家計の所得環境を背景として、緩やかな回復基調が見られた一方、海外では、ウクライナ情
勢やイスラエル問題など、緊張感は継続しており、依然景気の先行きは不透明な状況が続いています。
物流業界においても、軽油等の負担軽減効果はあったものの、中東情勢の混乱により、原油価格が高騰し、また慢性的な人手不足や人件費等のコスト増加の影響も続いており、厳しい経営環境が続いています。
こうした中、当連結会計期間の売上高は、業務量の増加や、積極的に進めたM&Aの寄与もあり、売上高は2,698億6,200万円と前年同期比8.9パーセントの増収となりました。
経費面では、M&A費用や、燃料価格、外注費の上昇もありましたが、増収効果や原価低減に取り組み、営業利益は前年同期比2.9パーセント増の238億1,800万円となりました。
一方、経常利益については、為替差損が前期に比べ、6億4,000万円ほど減少したこともあり、前年同期比3.7パーセント増の248億5,300万円となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益については、政策保有株式の売却もあり、前年同期比10.2パーセント増の182億3,700万円となりました。
1.業績概要② 貸借対照表(連結)
バランスシートの状況をご説明します。資産の部において、有形固定資産が、前年同期比で82億円増加しました。
これは主に、三重県鈴鹿市、福岡県苅田町、タイ、インドネシアに倉庫等を建設したことや、営業車両の取得によるものです。
負債の部においては、流動負債が前期比168億円減少しました。これは主に短期借入金が131億円減少し、M&A資金178億円を長期借入金にシフト、また運転資金として40億円を借り入れしたことによるものです。
また固定負債が300億円増加しました。この内訳ですが、M&A資金で190億円、設備投資資金として150億円の借入れとなっています。
1.業績概要③ 事業別売上高/営業利益(連結)
事業セグメント別の収支です。
運送事業では、料金の適正化交渉の効果や、アメリカのM&Aによる連結子会社の売上を、前期は9ヵ月分の取込みでしたが、今期は12ヵ月分を取り込んだこともあり、売上は前年同期比5.4パーセント増、営業利益では増収効果もあり、前年同期比19.1パーセント増となりました。
倉庫事業では、新規倉庫の稼働もあり、売上では前年同期比5.1パーセント増、営業利益では、新設分の償却費増加もあり、前年同期比3.1パーセント増となりました。
梱包事業では、産業機械の輸出梱包や保管業務の増加、料金適正化交渉の効果もあり、売上は前年同期比0.5パーセントの微増、営業利益は、前年同期比4.3パーセント増となりました。
またテスト事業では、主要取引先の業務量が伸びないなか、他の取引先を拡大し、売上利益ともに微増となりました。
その他事業ですが、中央紙器工業(株)の売上利益を取り込んだこともあり、売上は前年同期比170.1パーセント増となりましたが、営業利益は、のれん代や一時的な取得費用の影響もあり、赤字幅が拡大しました。
1.業績概要④ 業種別売上高 / エリア別売上高(連結)
産業セグメント別には、自動車産業や産業機械、タイヤが前年同期比では堅調に推移し、またM&A効果で売上を伸ばしたことに加え、食品・飲料も前年同期比10.6パーセントの増加となりました。
地域別セグメントとしては、北米がシュプリームオート社の売上を前期に取り込んだ9ヵ月分に3ヵ月分をプラスした12ヵ月分を取り込んだこともあり、前年同期比63.8パーセント増と大きく売上を伸ばしました。
一方、アジアでは、売上は5.1パーセント増、営業利益は中国の不採算部門の業務改善の効果もあり、前年同期比29.8パーセント増となりました。
海外売上比率は、引き続き、売上全体の30パーセント程度を目指して事業を拡大していく計画です。
1.業績概要⑤ 設備投資額の推移
設備投資については、年間230億円を目途に投資を行うことを公表しておりますが、2026年3月期は228億円の投資を行い、ほぼ予定通りとなりました。
営業車両については、新規購入と車両の代替も含めて、295台となっています。この中には、シュプリームオート社の35台を含んでいます。
建物・土地については、162億円となりました。この内容については、次のページでご説明します。
1.業績概要⑥ 設備投資の状況(建物)
建設が完了したものとしては、海外ではインドネシアとタイ、国内では鈴鹿地区に3拠点、また福岡県の苅田町に倉庫を建設しました。
また、今年度以降の営業用倉庫の竣工に向けても、記載の通り、愛知県小牧市、栃木県さくら市や芳賀町など、着実に準備を進めていますが、現在の新規設備投資は、建築費高騰の影響もあり、抑制をしています。
2.中期経営計画振り返り 計画の進捗実績
中期経営計画の進捗実績です。最終年度となる2026年3月期決算は、売上計画2,690億円に対し、実績2,698億円となりました。
営業利益についても、2026年3月期の計画237億円に対し、248億円となりました。営業利益率、ROEについては、ご覧のとおりです。
2.中期経営計画 自動化・省人化① 日本梱包運輸倉庫(株) (現ニッコン(株))
続きまして、自動化・省人化の導入事例を説明します。
これは、レーザー誘導方式無人フォークリフトです。現在タイヤ業務で運用を開始しています。
このリフトは床面工事が不要であり、その代わり倉庫の壁にレーザーを検知する反射板をとりつけ、無人リフトのレーザースキャナが自分の位置を把握するものです。また倉庫の垂直搬送機も連動工事を行っており、無人リフトと垂直搬送機がリンクした動きとなっています。
この導入により、操作ミスなどのヒューマンエラーの防止や、リフトマン2名を他の業務へ転用出来、またコスト面でも、年間で約1,000万円の削減効果となっています。
2.中期経営計画 自動化・省人化② ((株)日本陸送)
次に、自立搬送ロボットの運用拡大です。前回の説明会でご説明した時は、2階の作業スペースに導入をした内容でしたが、その後、3階の作業スペースにもロボットを導入しています。
このロボット導入により、ヒューマンエラーの防止や、労働環境の改善や作業ロスの削減になりました。
また、3名の要員が削減でき、2階と3階を合わせて計6名の要員が他部署への配置転換が可能となり、コスト的にも年間2,000万円の削減となっています。
3.①新中計の基本方針・成⻑戦略・財務目標
次に、新中計の説明を致します。はじめに、成長戦略及び財務目標です。
成長戦略としては、「①成長産業のお客様開拓を重点推進」「②グループ企業間の連携を軸としたビジネスの拡大」「③海外市場でのサービス領域拡大と利益成長」「④物流戦略パートナー化の推進」の4項目をかかげています。これらの項目に対し、計画的に実施をしていきます。
次に財務目標ですが、3年後の2029年3月期には、売上高3,500億円とし、この中にはM&A寄与分として300億円を含んでいます。
また営業利益は330億円、営業利益率9.4パーセントを目標とし、ROE10パーセント、自己資本比率は50パーセント未満を目指していきます。
3.②保有不動産の保有方針の見直し・政策保有株式の縮減
次に保有不動産の保有方針の見直しと政策保有株式の縮減です。賃貸用不動産全10物件のうち、
4物件については新中計の期間内で売却を計画し、他の6物件は、再開発、精査、継続保有に区分して、それぞれ対応をしていきます。
また事業用不動産のうち、上位20物件は、採算改善、継続保有、順次検証に区分し、対応をしていきます。
また政策保有株式については、発行体との協議を前提に、新中期計画中において30億円から50億円の縮減を計画しています。
4.株主還元① 資本コストを意識した企業価値向上を目指した資本戦略
2026年3月期の株主還元の内容について画面の左側より説明をします。
最初に自己株買いですが、2025年9月より開始し、2026年3月で総額150億円の自己株式を取得しました。
次に、株主還元方針の変更について説明します。2027年3月期より、配当方針は、株主資本配当率6パーセントといたします。また、2026年度から2029年度の4年間で、自己株買い350億円を実施します。
また株主優待制度の導入ですが、2026年3月末現在で200株以上の当社株式を保有されている株主さまに、お米セットをお届けします。保有期間3年未満と3年以上にわけて、お米をお送りする予定です。発送時期は、新米収穫後の秋口を予定しています。
4.株主還元② 資本コストを意識した企業価値向上を目指した資本戦略
次に、配当金の推移について、ご説明します。ご参考までに、過去の配当性向と一株当たりの配当金額の推移をご説明します。2023年3月期以降は配当性向を30パーセントから40パーセントに引き上げています。
2026年3月期については、還元方針を(株主資本配当率4パーセント以上)目途とすることを発表しており、年間配当金の総額は、1株あたり74円に1円を増配しています。
さらに2027年3月期より、(株主資本配当率6パーセント以上)と発表しており、年間配当金の予想額は112円となり配当性向では59.9パーセントを予想しています。
1. ESGへの取り組み①(第13次中期経営計画)
ESGの取組みについてご説明します。CO2排出量削減については、運行改善や積載率の向上、再生可能エネルギーの外部調達などに順次取り組んでおり、2026年3月期には、2023年3月期に対して6.51パーセントを削減しました。
女性活躍推進について、最新の2026年3月期における国内の女性管理職比率は4.2パーセントとなり、前年度から着実に上昇しました。当社グループでは、ベースとなる女性従業員全体の母集団を拡大しつつ、採用した人材の定着率向上や、ライフステージに応じた両立支援制度の拡充に継続して取り組んでいます。
続きまして、環境配慮車の状況です。2026年度中の稼働に向けて、小型と中型のEVトラックを計画をしており、充電設備の設置を含め、ご覧のグループ会社で導入を予定しています。
1. ESGへの取り組み②(第13次中期経営計画)
続いて、ESGに関する2つのトピックをご紹介します。1つ目は、グループ会社のオートテクニックジャパンによる「SAFE アワード」のゴールド賞の受賞です。
オートテクニックジャパンでは、目視確認不足による事故トラブルを防止するため、眼球運動を取り入れた「ビジョントレーニング」を導入し、事故トラブルゼロを達成しました。これが高く評価され、厚生労働省主催のアワードの、サービス産業における安全な職場づくり部門で最高賞を受賞しました。当社グループでは引き続き事故トラブル撲滅に向けて取り組んでいきます。
2つ目は、タイ王国・モンクット王工科大学における、寄附講座の開講です。継続2年目となる今年度は、新たにグループに加わった中央紙器工業を含む4社が共同で講義を担当し、94名の学生が参加しました。
グローバルに事業を展開する当社グループとして、今後も教育支援活動を通じて物流業界の発展と人材育成に貢献してまいります。
1. ESGへの取り組み③(第14次中期経営計画/CO2排出量削減)
続きまして、CO2排出量削減計画について説明します。計画の立案にあたり、2050年カーボンニュートラルに向けた独自のトランジションシナリオを整理しました。
2030年の目標達成に向けて、まず、運行改善による輸送効率の向上や、自社倉庫などへの再エネ電力の導入を引き続き推進する一方、大型幹線輸送の脱炭素化は、当社グループの環境戦略において最も重要かつ、解決すべきテーマであると考えますが、車両価格やインフラの未整備など、クリアすべき課題は少なくありません。
過度な先行投資のリスクを避け、経済合理性とのバランスを図りながら、最適なタイミングでのクリーンモビリティへの切り替えを検討します。
この戦略に基づき、2029年3月期には、Scope1およびScope2の排出量、16万1,591トン、2023年3月期比ではマイナス12.7パーセントの確実な削減を目指してまいります。
1. ESGへの取り組み④(第14次中期経営計画/人的資本経営の推進)
最後に、人的資本経営の推進についてご説明します。当社グループでは、『個』と『多様性』を尊重し、組織力を最大化することで持続的な企業価値の向上を目指しています。本計画では、スライドに記載の3つのテーマを掲げています。
主要なKPIとして2029年3月期に向け、女性従業員比率25.8パーセント、女性役職者比率20.2パーセント、女性管理職比率15.6パーセントへと階層別に目標を掲げ、未来の管理職候補の形成と育成に注力していきます。
併せて「ニッコン経営スクール」を通じた次世代リーダーの育成や、グローバルな安全・品質大会の継続開催などを通じ、安全・安心を最優先としながら、活気ある企業グループを構築していきます。
以上で、説明を終わらせていただきます。この説明会を通じて当社へのご理解が深まれば幸いです。ご清聴ありがとうございました。