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新興市場見通し:生成AI関連株中心に買い手優勢の展開、消費者物価上振れなら個人消費株を圧迫

■新興市場でもリスク選好姿勢が急回復

今週の新興市場は上昇。中東での戦闘が終結に向かうとの見方が強まり、日経平均は対先週末比3.14%高で終値としての史上最高値で取引を終えた。グロース市場指数は同+3.48%、グロース250指数は同+4.08%と、ともに2週ぶりに上昇。東証プライム市場が騰勢を強めたことで、新興市場でもリスク選好姿勢が急回復した。時価総額最上位の銘柄群で構成するグロース市場コア指数も同+4.14%と2週ぶりに上昇した。

時価総額上位銘柄では、データセクションがストップ高を連発して上場来高値を更新。株価は1週間で2343円から4800円と2倍高を達成した。26年3月期の黒字転換と27年3月期の営業利益7倍予想で評価が一変した。人工衛星関連の主力銘柄であるアストロスケールホールディングスとSynspectiveは、プライム市場の地合い好転を受けて売買が活発化し、ともに先週末比で約2割上昇した。時価総額最大のパワーエックスは同4.30%高にとどまった。信用取引の増担保措置が続いていることから短期トレーダーによる買いが盛り上がらなかったとみられる。一方、トライアルホールディングスは同16.78%安と急落した。4月に上場来高値に駆け上がった反動とインフレ進行による消費低迷懸念が株価を押し下げる形となった。

その他、インターネット上のライブ配信「ツイキャス」を展開するモイが同2.5倍と大化けした。SBIホールディングスとの資本業務提携を19日に発表し、翌日から猛然と上値を追った。ジモティーは同6割超の急騰。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(非上場)が15日に1株1420円で株式の公開買い付け(TOB)実施を発表し、週末終値は買い付け価格にほぼサヤ寄せした。一方、バトンズは4月22日上場以来の最安値に沈み、同27.07%安。4月27日に公開価格比4.27倍まで買い進まれた反動で売りが続いている。

■東京都区部の消費者物価指数(CPI)にも注目

来週の新興市場はプライム市場での生成AI関連株高が波及し、生成AIや半導体関連銘柄を中心に買い手優位の展開が予想される。今週末にグロース市場で売買代金トップだったQDレーザを筆頭に、データセクション、オキサイド、エクサウィザーズなどが人気を集めよう。

また、相場全体の地合い改善を追い風に防衛関連銘柄にも資金が向かおう。アストロスケールHD、QPSホールディングス、Terra Drone、ACSLといった人工衛星・ドローン関連株の値幅取りが活発化しそうだ。食道がん溶解ウイルス製剤の製造販売認可の取得を手掛かりに、今週末ストップ高で引けたオンコリスバイオファーマの上値追いも期待できよう。

一方、5月29日寄り付き前に総務省が東京都区部の消費者物価指数(CPI)を発表する。物価上昇率が市場予想(1.5%)を上回ればインフレ加速を確認する形となり、今週に下げ足を速めたトライアルHDなど個人消費関連株を強く圧迫することとなろう。

来週もIPOを予定する企業はない。なお今週は、東証が5月21日、LiNKX(リンクス)のグロース市場への新規上場を承認した。6月23日上場予定。クラウドとAI技術を駆使して銀行勘定系システムや小売業向けキャッシュレスシステムなどの開発支援を展開する。5月はIPOがなく、6月のIPOは16日にグロース上場予定のタクシー配車アプリ大手のGOに続いて2社目とあって、両銘柄ともに初物人気が予想される。

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