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ヤギ、2029年にROE10%達成に向け、資本効率の向上目指す 株主還元を大幅強化 総還元性向70%を目途に自己株取得、増配を予定

中期経営計画2029説明

八木隆夫氏:本日はお忙しい中、ヤギグループの「中期経営計画2029」説明動画をご視聴いただき、誠にありがとうございます。株式会社ヤギ代表取締役 社長執行役員の八木隆夫です。

本年4月、当社グループは新たな成長フェーズへと足を踏み入れます。本日は、我々が描く2029年までの計画とその先の未来についてご説明します。

新たな経営理念の策定

本計画の策定にあたり、当社は新たな経営理念として「Business to Belief」を掲げました。

これは単なる商取引の枠組みを超え、その先にある思想や信念を軸に、新たな価値を生み出すビジネスのあり方そのものを進化させるという、当社の決意の表れです。BtoBのさらなる進化形として、企業価値の向上と社会貢献を同時に追求していきます。

中期経営計画2026の振り返り

「中期経営計画2029」のご説明に入る前に、前計画を振り返ります。この期間、当社はセグメント体制の確立やグローバル販売の推進など、持続的成長のための基盤作りを着実に進めてきました。

セグメントごとの収益力強化や海外拠点の拡充、DX基盤の構築、人事評価制度の刷新などの取り組みが、数字としても反映された主な成果です。

中期経営計画2026の振り返り

これらの取り組みにより、2026年3月期の連結業績は、売上高859億円、経常利益48億円、ROEが8.2パーセントとなりました。

売上高は当初の計画を下回ったものの、利益面と効率性では大きな進展が見られた結果、2期連続で過去最高益を達成し、ROEも計画を大きく上回りました。収益性と効率性の両面で、「中期経営計画2029」に向けて強固な経営基盤を構築できたと考えています。

外部環境分析

我々は現状に満足することなく、さらなる高みを目指して激変する外部環境を多角的に分析しました。スライドをご覧のとおり、政治・経済・社会・技術の観点からさまざまなリスクが存在していますが、これらのリスクを変革の機会と捉え、持続的な成長基盤を構築する方針です。

グランドデザイン | 目指す姿

グランドデザインについてです。スライドは、私たちが長期的に目指す姿です。

「Business to Belief」の理念のもと、前計画で構築した基盤を、「中期経営計画2029」でさらに深化・拡大させ、業界内での独自ポジション、すなわち持続可能な競争優位を確立したいと考えています。

本計画では売上高960億円、経常利益60億円、ROE10パーセントを達成することで、PBR1倍超をコミットします。また、創業140周年を迎える2034年にはROE12パーセントの達成を長期ビジョンとして掲げています。

グランドデザイン | 成長ストーリー

スライドは、成長ストーリーです。本計画の確実な遂行に向け、当期よりセグメント体制を刷新しました。具体的には、マテリアルとアパレルを安定的な収益を創出する収益事業、ブランドとリテールを将来の収益を牽引する成長事業と明確に定義しています。

戦略の核は、収益事業で稼ぎ出したキャッシュを成長事業へ戦略的に配分するポートフォリオの変革にあります。

現在、成長事業の比率は約36パーセントですが、今後成長事業への投資を加速させることで、長期的には50パーセントへと引き上げ、持続的な高収益構造への転換を図ります。

グランドデザイン | 価値創造モデル

ポートフォリオの変革を実現する中核を担うのが、独自の価値創造モデル「YAGI 140 MOMENTUM」です。我々は、これまでの垂直統合型構造から、各セグメントが有機的につながる循環型モデルへと再構築を行いました。

川上に位置するマテリアルセグメントが有する素材や情報をアパレル、リテール、ブランド各セグメントへダイレクトに結び付け、付加価値を最大化します。同時に、現場で得られたエンドユーザーの生の声を最上流に還流させます。

「YAGI 140 MOMENTUM」による循環こそが、他社には容易に模倣できない連鎖的な付加価値を生み出し、当社の成長事業を牽引する源泉であると考えています。

中期経営計画2029の全体像

「中期経営計画2029」に関する具体的な戦略についてご説明します。

本計画は、「YAGI 140 MOMENTUM」を実効性のある経営計画に落とし込んだものです。まず、グループ経営基盤を抜本的に強化し、その上で収益事業をさらに深化させ、成長事業を強力に拡大していきます。

前計画をさらに深化・拡大することで、持続可能な競争優位性を確立し、業界における唯一無二の独自ポジションを確固たるものにしていきたいと考えています。

中期経営計画2029の全体像 | 定量目標

スライドは、定量目標です。本計画では、売上高960億円、経常利益60億円、当期純利益47億円を目標とし、さらにROEを10パーセント以上にすることで、PBR1倍超を目指します。

ブランド | 基本方針と注力領域

成長事業の戦略についてご説明します。ブランドセグメントでは、成長投資を独自の価値へ転換し、グループ全体の飛躍をリードする役割を担います。

基本方針として、グローバル化を加速するためにブランド価値を向上させ、国内を中心とした持続的成長を目指します。また、収益性を高め、利益構成比の拡大を図ります。

本計画では売上高を173億円と見込み、利益の質を重視してセグメント利益を約27億円、利益率を16パーセントまで引き上げ、セグメント構成比を約36パーセントまで高める計画です。

ブランド | TATRASのポジショニングマップ

ブランドセグメントの中核をなす「TATRAS」のポジショニングについて説明します。

スライドをご覧のとおり、「TATRAS」は構造美と機能性の融合という独自の領域を切り開いています。一般的な機能重視のブランドや単なるトレンドブランドとは一線を画し、こうした高付加価値なプレミアムポジションを確立している点が、私たちの真の強みと考えています。

この唯一無二のポジションを盤石にすることで、価格競争とは無縁の高い収益性と強力な参入障壁を維持していきます。

ブランド | TATRASの成長ストーリー

この強固な優位性を武器に、さらなるスケールアップを図るためのロードマップがこちらです。

「TATRAS」は、グローバル化の加速を目的としてブランドを再定義し、アイテムの拡大を図ることで、本計画内で売上高157億円を目指し、その先のグローバルブランド確立を追求します。

国内では、定番モデルの進化とハイラインの展開によりリピート率と客単価の向上を図り、盤石な収益基盤を構築します。

海外戦略については、一段上のフェーズへ進めていきます。ミラノを拠点とした欧州でのPRを加速させるとともに、台湾、韓国、そして重要な市場である中国など、アジア圏への本格的な参入を推進します。

これらを実現するために、本計画内で総額46億円の戦略投資を実行します。認知拡大のための広告戦略や戦略的出店、主要都市でのポップアップなどを通じて、ラグジュアリーブランドとしての地位を確固たるものにしていきます。

リテール | 基本方針と注力領域

成長事業のもう1つの柱であるリテールセグメントについてです。本セグメントは市場との直接的な対話を通じて、循環に新たな活力を還元する役割を担っています。

基本方針として、ヤギグループの次代を担う中核事業へと成長するための事業インフラを構築し、当社の成長を牽引する重要なセグメントと位置付けています。

本セグメントでは、持続的な成長を続けている持分法適用会社WINWIN YJVが主体となるため、売上高は軽微ですが、セグメント利益は計画期間内で5億9,000万円、セグメント構成比は7パーセントまで引き上げる計画です。

中核となるNIKEリテール事業では、店舗数を現在の3倍に拡大し、流通総額を2026年度比で345パーセント増の195億円を目指し、リテール事業をグループの新たな収益の柱の柱へと育成します。

リテール | NIKEリテール事業の展開

NIKEリテール事業の具体的な進捗についてです。2022年に1店舗からスタートしたNIKEリテール事業は、順調に拡大を続けています。スライドのグラフが示すとおり、5月11日現在で国内14店舗の体制を構築するまでに至りました。

特筆すべき点は、単なる店舗数ではなくその質です。心斎橋、京都、渋谷、そして4月にオープンしたばかりの新宿など、各都市の超一等地へ戦略的に出店を成功させており、今後も計画的な出店を進めていきます。

マテリアル | 基本方針と注力領域

成長投資の源泉となる収益事業の戦略についてご説明します。マテリアルセグメントは、グループ全体の価値創造の起点として、全セグメントの成長を支える源泉としての役割を担います。

基本方針として、エンドユーザーを意識した原料・生地の開発と販売をグローバルに展開していくことで、本計画内で売上高を382億円、セグメント利益を15億円へ拡大することを目指します。

注目いただきたい点は利益率の向上です。高付加価値商材へのシフトなどにより、4パーセントへの改善を図ります。

注力領域として、まず海外子会社と連携したグローバル販売を推進し、海外売上を現在の47億円から100億円規模へ倍増する計画です。

また、当社が展開しているサステナブル素材ブランド「UNITOプロジェクト」や独自開発素材「LAVATECH」を軸としたウェルネス事業の拡大により、収益事業のさらなる深化を図ります。

アパレル | 基本方針と注力領域

アパレルセグメントは、グループを支える安定基盤として持続的な成長循環を盤石にする役割を担っています。本セグメントはグループ利益の半分近くを占める、文字どおりの最大収益源です。

ファッションアパレル領域への拡販と戦略的投資の実行により収益基盤を強化し、売上高495億円を目指して収益事業としてのさらなる強化を図ります。

注力領域としては、ファッションアパレル領域の国内製品売上の着実な拡大を掲げています。本計画期間内に売上高250億円を目指し、安定したキャッシュフローの創出を目指します。

その実現に向けて、物流・サプライチェーンの高度化に10億円、人材投資に8億円を投じ、オペレーション効率と提案力の強化を図ります。

これらの投資を通じて、将来にわたり揺るぎない利益の柱となり、グループ全体の成長を力強く支える方針です。

財務戦略 | 課題認識

これまでご説明したすべての戦略を支える土台であるグループ経営基盤の強化についてご説明します。財務戦略についてです。

私たちは、PBR1倍割れという現状を真摯に受け止めています。ROEは8.2パーセントと収益力は向上しましたが、PBR1倍超えの市場評価の獲得にはまだ道半ばであると考えています。

この課題を解決するために、さらなる収益性の追求はもちろん、IRおよびSR活動を抜本的に強化し、投資家のみなさまとの対話を通じて成長への期待感をPERの向上へつなげていく方針です。

財務戦略 | PBR改善ツリー

具体的には、スライドのPBR改善ツリーに基づきPBRを引き上げる方針です。当社は、ROEの向上とPERの拡大の両輪を通じて企業価値の向上を図ります。

ROEについては、分母と分子の両面からアプローチします。利益面では、ROIC管理の導入により資本効率を可視化し、成長事業への集中投資を行います。本計画期間内で経常利益60億円、ROE10パーセント以上を目指します。

資本構成の最適化については、配当性向40パーセントを下限とし、自己株式取得を含む総還元性向70パーセントを目途とする一段踏み込んだ株主還元方針を策定しました。加えて、政策保有株式の計画的な縮減を進め、資産の入れ替えを加速します。

これらの実績を積極的な情報開示と対話を通じて市場に浸透させることで、PERレンジの引き上げを図り、PBR1倍超えを早期に実現します。

財務戦略 | キャッシュアロケーション

本計画におけるキャッシュアロケーションの方針についてご説明します。

キャッシュインを最大化し、3年間で総額150億円から200億円規模の投資を実施します。ブランドやリテールセグメントの拡大にリソースを集中させ、M&Aや人材、DXへの投資を通じて非連続的な成長を実現します。

株主還元については、営業キャッシュフローの最大化に加え、政策保有株式の売却などによる資産の入れ替えを徹底し、3年間で90億円規模の還元を計画しています。総還元性向は70パーセントという高い目標を掲げ、成長への投資と積極的な還元を高い次元で両立させます。

財務戦略 | 政策保有株式の縮減

B/Sの最適化に向けて政策保有株式を計画的に縮減します。本計画期間内に20億円から30億円規模の売却を見込み、その資金を成長投資や自己株取得に循環させることで、資産効率を最大化します。

財務戦略 | 株主還元

株主還元についてです。今回、総還元性向を70パーセント程度、配当性向を40パーセント以上へと方針を大きく転換します。

具体的な還元策として、本計画期間内に40億円規模の自己株式取得を機動的に実施します。2027年3月期の配当は、前期比24円増配の年間180円を予定しています。

スライドのグラフに示されているとおり、過去の推移と比較して圧倒的な還元水準に引き上げることで、PBR1倍超えを目指し株主価値の最大化に努めます。

人材戦略 | 人材ポリシー

戦略の実行を担う人材戦略についてご説明します。我々の理念「Business to Belief」に基づき、目指すべき姿を「自律型人材」と定義しました。

単に指示を待つのではなく、自ら仕事の意味を見いだし、未来志向で次の一手を考える人材や、高い人間力で周囲を巻き込み信頼を勝ち取る人材のことです。

このような個々の能力を最大化することが、グループ組織の強化、ひいては中長期的な成長ストーリーの実現に不可欠であると考えます。

人材戦略 | 主要施策

このポリシーを具体化するためのロードマップについてご説明します。人的資本への投資を加速するため、3つの主要施策を推進します。

活躍人材の定義と仕組み化を通じて評価と教育の透明性を高め、個人のパフォーマンスを最大化します。データに基づいた常態把握を徹底し、エンゲージメントの向上と組織の健全化を図ります。女性管理職候補の育成に戦略的に投資し、多様な視点によるイノベーションを創出します。

これらの施策を通じて、持続的な価値創造を支える強固な組織基盤を構築します。

DX戦略

私たちの成長をシステム面から支えるDX戦略についてご説明します。計画期間内で生成AIの浸透、自律型AIによるKPI分析、そしてマルチAIを活用した予測経営へと、3段階の進化を遂げる予定です。

組織横断的なAI予測により、不透明な環境下でも常に先手を打つ最適な経営判断が下せる体制を構築していきます。

ガバナンス強化

ガバナンスの強化についてです。当社は経営の透明性を高め、あらゆるリスクと機会に対して、公正かつ迅速な意思決定を行う体制を構築します。

成長を牽引する攻めのガバナンスと、リスクを制御する守りのガバナンス、この両輪が機能して初めて、持続的な企業価値の向上が実現すると考えています。その実効性を担保するため、指名・報酬委員会において、業績連動型報酬の導入を予定しています。

経営陣の責任と資本効率、すなわちROEの結果と直接リンクさせることで、株主のみなさまと同じ目線で経営を推進し、PBR改善に向けた変革を加速させます。

サステナビリティ

当社の持続的成長を支えるサステナビリティについて説明します。当社は外部環境の変化を捉え、経営基盤と事業戦略を掛け合わせることで、独自のマテリアリティを特定しました。

環境面では、サプライチェーン全体の脱炭素化を推進します。社会面では、「自律型人材」が活躍できる環境を整備します。ガバナンス面では、透明性の高い経営を徹底します。これらESGの取り組みを事業活動と同期させることで、中長期的な企業価値の最大化を目指します。

以上、「中期経営計画2029」についてご説明しました。今回掲げた目標は、「Business to Belief」の理念のもと、全社一丸となって達成すべき必達目標です。

激変する環境下にあっても、ヤギ独自の価値創造モデル「YAGI 140 MOMENTUM」を活用し、自ら変化を生み出しながら、持続的な成長を実現します。

ヤギグループの新たな挑戦にぜひご期待ください。本日は、誠にありがとうございました。

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