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林兼産業—26年3月期は養魚用飼料減少で減収なるも、霧島黒豚の肥育改善により大幅増益

林兼産業は5月15日、2026年3月期連結決算を発表した。売上高が前期比7.5%減の455.86億円、営業利益が同22.4%増の13.16億円、経常利益が同22.7%増の16.73億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同20.8%増の12.75億円となった。円安に伴う原材料価格やエネルギーコストの高止まりといった不透明な経営環境のなか、同社グループは「中期経営計画Challenge2026」に基づき収益構造の見直しや生産体制の最適化を実行してきた。養魚用飼料の販売数量減少により全体では減収となったものの、自社ブランド「霧島黒豚」の農場肥育成績改善などが寄与し、各段階利益は大幅な増益を記録した。

食品事業の売上高は前期比0.1%増の224.17億円、セグメント利益(営業利益)は同82.7%増の8.46億円と極めて好調に推移した。機能性素材においてはヒシエキスの国内向け販売数量減少により減収となり、加工食品においてもレトルト商品の取扱量を減らしたことで減収となった。一方で肉類部門における豚肉の販売数量増加が売上をけん引した。利益面では、子会社キリシマドリームファーム(株)における「霧島黒豚」の農場肥育成績改善が大きく貢献した。これは現場におけるワクチンプログラムの見直しや、きめ細やかな衛生管理の徹底が功を奏し、斃死率の劇的な改善につながったものである。さらに、大手コンビニ向け具材原料の販売数量の急伸、ふるさと納税市場での販売拡大も好業績を後押しし、豚肉および加工食品の適切な価格転嫁の進捗とともに、食品事業全体の収支を大きく押し上げる要因となった。また、機能性素材の海外展開も進展しており、タイ向けのエラスチン販売がハラール認証の取得を機に好調を維持しているほか、2025年10月に上市した脳機能改善素材「ボケエキス」もシニア層向けサプリメント用途を中心に初期の引き合いが強く、今後の成長への確かな手応えを得ている。

飼料事業の売上高は同13.7%減の231.63億円、セグメント利益(営業利益)は同7.2%減の15.41億円となった。配合飼料において国内のブリ養殖尾数減少や海外の養殖魚価格低迷による養魚用飼料の販売数量減少が響き、水産物も取扱量の減少から減収減益を余儀なくされた。しかし損益面においては、水産物の相場好転に加え、有限会社桜林養鰻において新たに宮崎事業所が順調に稼働を開始し、これが利益の下支えとして大きく貢献した。同事業所の今後のさらなる養鰻事業への収益貢献が期待されている。また、生産アイテムの集約・削減やエネルギー原単位10%改善による生産性向上も製造コストの抑制に直結し、厳しい環境下での採算維持に寄与した。さらに、業界トップクラスを誇る同社の魚病研究所(アクアメディカル・ラボ)による迅速な訪問診療や予防対策の提案、ならびにトラフグなどに関する特許技術の活用は、競合他社との強力な差別化要因となっており、顧客である生産者との強固な信頼関係につながっている。

財務面においては、有利子負債の圧縮や利益蓄積が進んだことで、自己資本比率が48.1%まで上昇するなど、財務健全化が大幅に進展した。これまでの構造改革の確かな成果として社内でも高く評価されており、次期以降の柔軟な投資戦略を可能にする強固な基盤が整った。2027年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比6.4%増の485.00億円、営業利益が同24.1%減の10.00億円、経常利益が同28.3%減の12.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.9%減の12.00億円を見込んでいる。次期の減益計画は、原材料価格の再高騰リスクを保守的に織り込んだほか、新中期経営計画のスタートに伴うシステム投資や人的資本への投資強化を織り込んだものである。新たな「中期経営計画Challenge2028」のもとでは、資本コストやROICを強く意識した経営へと深化させ、事業ポートフォリオの選択と集中、そして株主還元の強化を重点戦略として推進する方針である。株主還元については、配当性向30%以上を志向するとの目標が掲げられ、2026年3月期の配当を18円増配の43円としたことに続き、2027年3月期は45円へとさらなる増配を予定しており、配当性向も30.6%へ引き上げる。

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