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鴻池運輸、2026年3月期は増収増益で着地 海外成長と適正単価の収受で営業利益227億円超に

2026年3月期 決算サマリー

中西義人氏:財務経理本部の中西です。よろしくお願いします。これより、2026年3月期連結決算概要および業績予想についてご説明します。

決算サマリーです。前期比で売上高・営業利益ともに増収増益を確保しました。減収要因を、インド・カナダ子会社の連結効果など海外成長で吸収しました。また、適正単価の収受と新規連結効果により基盤事業の利益成長が継続し、前年を上回る水準で着地しました。

予想比では、空港関連の減便影響を各分野の取扱量増加により吸収し、増収増益を確保しました。外部環境の逆風下でも、適正単価の収受と事業領域の多様化で概ね予想どおりの水準で着地しました。

2026年3月期 連結決算概要(前期比)

概要です。売上高は、鉄鋼関連での得意先一部生産ライン休止影響や国際関連での航空貨物取扱量減はあるものの、インドやカナダでの子会社連結化の効果や各分野における取扱量の増加等により、売上高3,555億円、前期比3.1パーセント増収となりました。

利益は、鉄鋼関連での一部生産ライン休止影響や設備トラブルによる処理量減、国際関連での航空貨物取扱量減少等があるものの、新規連結化の効果や各分野における取扱量増加や適正価格の収受等により営業利益は、227億8,500万円、6.5パーセント増益となりました。経常利益は、225億8,500万円、6.1パーセント増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、142億6,800万円、1.5パーセント増益となりました。

2026年3月期 セグメント別決算概要(前期比)

セグメント別業績についてご説明します。

複合ソリューション事業では、売上高2,319億円、前期比6.7パーセント増収となりました。セグメント利益は238億6,400万円、14.8パーセント増益となりました。

国内物流事業では、売上高565億円、前期比1.2パーセントの増収となりました。セグメント利益は34億4,800万円、4.6パーセント減益となりました。

国際物流事業では、売上高670億円、前期比6.4パーセント減収となりました。セグメント利益は39億7,300万円、15.9パーセント減益となりました。

2026年3月期 セグメント別決算概要(前期比)

セグメント別業績のグラフは、記載のとおりです。

2026年3月期 セグメント別決算概要(前期比)

複合ソリューション事業は、売上高145億800万円の増収、セグメント利益は、30億8,200万円の増益となりました。

鉄鋼関連では得意先での一部生産ライン休止影響はあるものの、インド鉄鋼子会社連結化により増収増益となりました。

生活産業関連(食品)では、新規拠点の稼働および取扱量の増加により増収増益となりました。

生活産業関連(生活)での化学製品や空調機改装案件等の取扱量の増加により増収増益となりました。

空港関連での国際旅客便の復便等の取扱量増加により増収増益となりました。

2026年3月期 セグメント別決算概要(前期比)

国内物流事業は、定温倉庫業務における入出庫・保管・配送業務取扱量増加や、適正単価の収受、新規業務の獲得効果はあったものの、旅行商品の取扱量減少や一部得意先の業務撤退をカバーできず、売上高は、6億6,800万円の増収ながら、セグメント利益は、1億6,500万円の減益となりました。

国際物流事業は、大型案件の受注やカナダ子会社連結効果、主にインドやベトナムにおける海外現地での取扱量増加はあるものの、航空貨物量減少を他要因でカバーできず、売上高は45億7,200万円の減収、セグメント利益は7億5,300万円の減益となりました。

2026年3月期 分野別売上高概要(前期比)

各事業分野別の売上高は、記載のとおりです。

2026年3月期 連結決算概要(予想比)

次に、業績予想比の説明です。売上高では、予想比0.2パーセント増収となりました。営業利益は、1.3パーセント増益となりました。経常利益は、0.4パーセント増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、1.6パーセント減益となり、予想比で増収・減益となりました。

2026年3月期 セグメント別決算概要(予想比)

セグメント別業績は、記載のとおりです。

2026年3月期 セグメント別決算概要(予想比)

セグメント別業績のグラフについても、記載のとおりです。

2026年3月期 セグメント別決算概要(予想比)

複合ソリューション事業は、売上高、9億8,500万円の増収、セグメント利益は、9億6,400万円の増益となりました。

鉄鋼関連での得意先構内におけるスポット作業等の獲得や、インド鉄鋼子会社でのスラグ処理量増加により増収増益となりました。

食品プロダクツ関連では、新規輸送業務の獲得や適正単価の収受により増収増益となりました。

空港関連では、国際旅客便(主に中国便)の取扱量減により減収減益となりました。

2026年3月期 セグメント別決算概要(予想比)

国内物流事業は、食品製品取扱量増加はあるものの、旅行商品取扱量の減少や一部得意先業務撤退等により、売上高は8,700万円の減収、セグメント利益は2億5,200万円の減益となりました。

国際物流事業は、航空貨物量の減少を他要因でカバーできず、売上高は、1億7,200万円の減収、セグメント利益は、1億2,700万円の減益となりました。

2026年3月期 分野別売上高概要(予想比)

分野別の売上高業績です。こちらも記載のとおりです。

2026年3月期 連結営業利益の増減分析(前期比)

営業利益の増減について、滝グラフにてご説明します。

左側に記載2025年3月期213億8,500万円から、右側に記載2026年3月期227億8,500万円と、前期比プラス13億9,900万円増益となりました。

売上高は、各分野での取扱量増加による増収や適正単価への変更等により増収となりました。新規連結効果により増収・増益となりました。

費用面は、労務費が空港関連での旅客便需要回復への対応に伴い、増加となりました。外注費が売上高増収に伴い、増加となりました。経費はシステム費や減価償却費の増により増加となりました。

また、販売費および一般管理費は、システム費や広告宣伝費の増により増加となりました。

こうした状況により、利益については、増益となりました。

2026年3月期 連結貸借対照表概況

連結貸借対照表の主な増減項目についてご説明します。

流動資産では「受取手形、売掛金および契約資産」が、32億円増加となりました。固定資産では「有形固定資産」が、37億円増加となりました。有利子負債は、18億円減少となりました。その他負債は、9億円減少しました。純資産は、128億円増加となりました。

以上により、総資産は2,997億円となり、前期比100億円増加となりました。

2026年3月期 連結キャッシュ・フロー概要

連結キャッシュ・フローの概要についてご説明します。

営業活動によるキャッシュ・フローは、248億円となりました。税金等調整前当期純利益が増加したことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、マイナス162億円となりました。有形固定資産の取得による支出が主な要因です。

財務活動によるキャッシュ・フローは、マイナス104億円となりました。配当金の支払が主な要因です。

2026年3月期 設備投資・減価償却費の概要

設備投資・減価償却費についてご説明します。2026年3月期における設備投資実績額は215億円、減価償却費は99億円となりました。

2026年3月期 設備投資実績(大型投資案件)の詳細

種目別設備投資実績は、記載のとおりです。

主要な設備投資案件は、米国Konoike-General社の土地投資約26億円、堺営業所の倉庫リース投資約21億円、船橋西浦流通センターの倉庫リース投資約10億円です。

2027年3月期 業績予想 連結決算概要(前期比)

続いて、2027年3月期の連結業績予想についてご説明します。

売上高は、国際関連での航空貨物取扱量減や、鉄鋼関連での国内得意先構内における一部業務撤退やスポット作業の減はあるものの、食品プロダクツ関連での得意先飲料製品の取扱量増加や、エンジニアリング関連での大型工事受注、メディカル関連での院内新規業務獲得等により売上高3,610億円、前期比1.5パーセント増収としています。

営業利益は、国際関連での主に北中米での取扱量増加や香港航空貨物子会社における事業再編による増益効果、各分野における適正単価への変更はあるものの、空港関連での国際旅客便(主に中国便)の取扱量減や、鉄鋼関連でのインド子会社民営化に伴う入札により、一定の業務縮小および単価低下をカバーできず、営業利益は、210億円7.8パーセント減益としています。

なお、業績予想策定においては、為替は1ドル145円、軽油は各拠点の2025年12月時点の平均単価を前提としています。

経常利益は、210億円、7.0パーセント減益としています。

親会社株主に帰属する当期純利益は、140億円、1.9パーセント減益を⾒込んでいます。

2027年3月期 セグメント別予想の概要(前期比)

セグメント別業績予想についてご説明します。

複合ソリューション事業では、売上高2,376億円、前期比2.4パーセント増収、セグメント利益213億円、10.7パーセント減益の見込みです。

国内物流事業では、売上高585億円、3.5パーセント増収、セグメント利益39億円、13.1パーセント増益の見込みです。

国際物流事業では、売上高645億円、3.8パーセント減収、セグメント利益51億円、28.4パーセント増益の見込みとなっています。

2027年3月期 セグメント別予想の概要(前期比)

セグメント別業績予想のグラフは記載のとおりです。

2027年3月期 セグメント別予想の概要(前期比)

複合ソリューション事業は、売上高は56億1,500万円の増収、セグメント利益は25億6,400万円の減益を見込んでいます。

鉄鋼関連では国内得意先構内における一部業務撤退や、スポット作業の減、インド子会社民営化に伴う入札により、一定の業務縮小および単価低下により減収減益見込みです。

エンジニアリング関連では、大型工事案件の受注により増収増益の見込みです。

食品プロダクツ関連では、得意先飲料製品の取扱量増加はあるものの、スポット検査業務の減により増収減益の見込みです。

メディカル関連では、院内新規業務獲得や適正単価の収受により増収増益の見込みです。

空港関連での国際旅客便(主に中国便)の取扱量減により減収減益を見込んでいます。

2027年3月期 セグメント別予想の概要(前期比)

国内物流事業は、新規業務の獲得や取扱量の増加、適正単価の収受等により、売上高は、19億8,700万円の増収、セグメント利益は、4億5,200万円の増益を見込んでいます。

国際物流事業は、主に北中米での取扱量増加はあるものの、香港航空貨物子会社における事業再編により、売上高は、25億2,800万円の減収、セグメント利益は、11億2,700万円の増益を見込んでいます。

2027年3月期 分野別売上高予想の概要(前期比)

各事業分野別の売上高は、資料に記載のとおりです。

2027年3月期 連結営業利益予想の増減分析(前期比)

営業利益の増減について、滝グラフにてご説明します。

左側に記載されている2026年3月期227億8,500万円から、右側に記載されている2027年3月期210億円と、前期比17億8,500万円の減益を見込んでいます。

売上高は、食品プロダクツ関連やエンジニアリング関連、メディカル関連での取扱量増加や大型案件の受注、新規業務獲得により増収としています。

一方利益は、事業再編・撤退による増益効果はあるものの、人への投資や空港関連での将来増便に備えた採用拡大と要員の内製化による労務費の増加としています。

売上高増収に伴う外注費の増加、事業基盤整備のための費用や人件費の増による販売費および一般管理費の増加等により、前期比約17億円の減益を見込んでいます。

2027年3月期 設備投資計画・減価償却費予想の概要

最後に、設備投資・減価償却費についてご説明します。

設備投資額は、426億円、減価償却費は、104億円を想定しています。主要な設備投資案件は、国際物流事業での米国倉庫への投資約54億円、複合ソリューション事業でのインド大型特殊車両への投資約20億円、国際物流事業でのベトナム倉庫への投資約19億円、複合ソリューション事業での倉庫リース投資約12億円です。

以上、2026年3月期連結決算ならびに2027年3月期業績予想についてのご説明を終わります。

本日お伝えしたいこと

鴻池忠彦氏:代表取締役会長兼社長執行役員の鴻池です。中期経営計画2027の進捗についてご説明します。

まず、本日みなさまにお伝えしたい点を申し上げます。

中計1年目となる2026年3月期については、海外事業の好調な推移と国内事業の着実な進捗により、営業利益227億円を達成することができました。

27年3月期は一時的に減益予想ではありますが、中計の事業戦略の3本柱である「海外事業の拡大」「国内事業の成長加速」「事業構造の改革」により、最終年度の目標達成の蓋然性を高め、28年3月期営業利益260億円の達成を目指していきます。

空港事業の状況は昨年12月以降、日中関係悪化に伴う中国便の減便の影響が関西空港を中心に顕在化していますが、2026年11月以降、緩やかに回復していくものと想定しています。

回復局面に備え、採用・人材育成、新規・周辺業務の獲得を継続して進めていきます。

株主還元については27年3月期の年間配当予想は、前期と同額の1株あたり110円を維持し、安定的かつ継続的な配当を重視していきます。

2026年3月期の振り返り

それでは、2026年3月期を振り返ります。

売上高3,555億円、営業利益227億円、うち海外営業利益は27億円となりました。営業利益は当初計画220億円を上回り、収益力は着実についてきていると認識しています。

一方で、ROEは9.3パーセントと、中計目標である10パーセント以上には届いていません。最終年度の目標達成に向け、引き続き取り組みを進めていきます。

非財務面の目標については、CO2削減、人材戦略、技術管理・標準化の基盤整備など、中計で掲げた取り組みを着実に前に進めることができた1年でした。

中期経営計画達成に向けた進捗

続いて、中期経営計画の最終年度に向けた営業利益の進捗についてです。

中期経営計画2027では右端にあるように営業利益260億円を目指しています。これに対し、27年3月期は210億円といったん減益になりますが、28年3月期には目標どおりの260億円を予想しています。

海外は、インド・北中米の事業拡大により前年比プラス15億円の45億円を見込んでいます。

空港は、中国便減便の影響などによりいったん12億円まで減益となるものの、28年3月期には中国便の戻りを想定し、プラス20億円の32億円を見込んでいます。

国内は、エンジニアリング事業の拡大、各事業の単価改訂・深耕化等を見込みプラス15億円の183億円としています。

27年3月期は、事業環境が悪化する中で厳しい1年になるものと認識していますが、空港事業の踊り場を他の事業でしっかりと下支えし、空港事業の回復局面に備えるとともに、将来に向けた投資を実行する1年としていきます。

そして、28年3月期は、当初計画どおりの260億円を据え置きとし、その達成に向けてグループ一体となり取り組んでいきます。

中期経営計画達成に向けた進捗

続いて、海外事業についてもう少し詳しく見ていきます。海外事業は当初計画に対して全体では計画どおりに推移しています。

北中米では、2026年3月期、トランプ関税によるカナダのパッケージング事業の不調がありましたが、その収支改善に加え、ロサンゼルス地区における冷凍・冷蔵倉庫の増設・新設により計画どおりの進捗を見込んでいます。

インドではFSNLの民営化に伴う入札により一時的に減益となるものの、民間製鉄所の新規受注、JKTIの鉄道貨物事業の稼働増などにより、当初計画(8億円)を大きく上回る16億円となる見込みです。

また、ASEAN、中国においては、ASEAN諸国の景気回復、香港フォワーディング事業の縮小再編により収支改善を見込んでいます。

28年3月期は、地政学リスクの改善に加え、決定済みの新規投資や蓋然性の高い案件、新規受注の獲得、既存業務の深耕により、営業利益45億円を見込んでいます。

①海外事業の拡大:インド鉄鋼スラグ処理事業 FSNL

ここからは、3本柱に沿った具体的な事業戦略についてご説明します。

インドの鉄鋼スラグ処理事業、FSNLについてです。2026年3月期は、増産と生産性向上により当初計画を大きく上回る結果となりました。

一方、27年3月期は、国営から民間への発注変更に伴う収益性悪化を予想しており、売上高99億円、営業利益は10億円を見込んでいます。

このような状況を踏まえ、民間製鉄所への拡販、マイニングなど新規事業の推進、既存主要顧客であるSAIL社の深耕化、国内技術の海外移転の4つの施策により、収益構造を転換し、成長軌道へ舵を切っていきます。

①海外事業の拡大:インドエンジニアリング事業 Vertex Konoike Engineers

続いて、Vertex Konoike Engineersについてご説明します。

当社は、インド都市ガス事業の拡大戦略の一環として、2026年1月に同社の株式の49パーセントを取得しました。

Vertex Konoike Engineersは決して規模的には大きくはありませんが、技術力が非常に高い会社です。原子力や核融合施設、大手日系自動車メーカーなどの、高度な技術を要する配管・設備据付工事等の実績が多数あり、優れた専門技術や品質管理のノウハウを保有しています。

同社の技術力の活用により、インドにおけるエンジニアリング事業の基盤を強化し、都市ガス事業をはじめさらなる拡大を図れるものと考えています。

②国内事業の成長加速:空港事業

続いて、国内事業の成長加速の1つ、空港事業についてです。

昨年12月以降、日中関係悪化に伴う中国便の減便影響が顕在化しています。この影響は2026年10月頃まで継続し、その後緩やかに回復していくものと想定しています。この結果、27年3月期の空港事業のセグメント利益は、19億円へ減益となる見通しです。

しかしながら、この局面でも、下段に記載のとおり3つの方針でより強固な事業基盤を築いていきます。とりわけ、復便の見通しが不透明な中でも、採用と人材教育の手を緩めず、新入社員の早期戦力化を進めることが回復局面での再加速を支えるものと考えています。

②国内事業の成長加速:メディカル事業

次に、メディカル事業です。

鴻池メディカルの自社センター(滅菌工場、洗浄センター)を有効活用し業容拡大を図り、売上高167億円、成長率9.0パーセントを計画しています。

病院事業の滅菌サービスは、規制緩和による外部委託の増加を背景に、滅菌サービス高度化の推進を図ります。

洗浄センター事業では、海外医療機器メーカーの日本進出を背景に東京第2センターを活用し、医療業界に留まらない多様な顧客層の開拓に努めていきます。

②国内事業の成長加速:国内エンジニアリング事業の拡大

次に、国内エンジニアリング事業です。

粗鋼生産量の減少を踏まえ、製鉄所構外における大型配管工事やエネルギー関連工事の受注を拡大していきます。売上高は154億円、成長率8.6パーセントを計画しています。

IR関連工事の配管工事34億円をはじめ、その他、土砂運搬作業など、すでに大型案件を複数受注済みです。構外工事の獲得、人材育成、元請化の推進により、売上拡大と収益性向上の両立を図っていきます。

③事業構造の改革:事業継続性評価制度の進捗

次に事業構造改革、事業継続性評価制度の進捗です。記載の3件について撤退・再編を決定・実行しました。

引き続き、対象拠点の選定を毎年見直し、継続性についての意思決定プロセスを実行していきます。

③事業構造の改革:KOMBO活動の進捗

次に、KOMBO活動の進捗です。現場のノウハウと新技術を組み合わせ、より付加価値の高い提案をお客さまに行うことを目指す取り組みです。全社的な取り組みとして定着・活性化が進んでおり、導入拠点数・提案数ともに順調に増加しています。

具体例としては、デジタルツイン技術を活用した効率化の提案や、自動フォークリフトによるトラックへの積み込み作業などが挙げられます。これらの取り組みはすでに安定稼働し大きな成果を上げています。

キャッシュアロケーションの実績

続いて、財務・資本政策についてご説明します。

中計の説明会でお示しした、3ヶ年累計の営業キャッシュフロー730億円を原資とするキャッシュアロケーションは、記載のとおり1年目はおおむね計画どおりに進捗しています。

政策保有株式の縮減

政策保有株式は、資本効率と流動性向上の観点から継続的に縮減を進めており、すでに15銘柄を売却し41銘柄となりました。売却累計額は63億円、連結純資産比率8.1パーセントまで低下しました。今後も着実に縮減を進めていきます。

株主還元

次に株主還元についてです。

27年3月期の年間配当予想は、前期と同額の1株110円、配当性向42パーセントを予定しています。安定的かつ継続的な配当を重視し、業績の成長に応じて株主還元の充実を図っていきます。

資本コストについて

資本コストについてです。

当社のPBR、ROEをはじめとする主要な資本収益性指標はまだ十分とは思っていません。経営環境の先行きが見通しにくい状況ではありますが、引き続き目標達成に向けた施策を着実に進めるとともに、個人投資家向け説明会や総会後の株主懇談会の開催など、IR活動の充実にも努めていきます。

今後も事業環境の変化や経営状況を踏まえ、資本政策の面からも検討を進めていきます。

組織変更のポイント

最後に、経営基盤の強化です。まずは組織変更のポイントです。

主な内容については、ご覧のとおりです。特に、新設した「業務改革推進本部」においては、全社を横断する統合システムの導入や集中購買、生成AIの活用等を含めたDX技術の導入による業務改革に取り組んでいきます。

戦略委員会の取り組み

戦略委員会については、引き続き、人材・技術・ロジスティクスの3つの委員会において全社横断的な取り組みを進め、課題解決を目指していきます。詳細はご覧のとおりです。

環境の取り組み

環境の取り組みに関しては資料のとおりです。各種取り組みをお客さまとともに積極的に推進しています。

本日開示しましたが、サントリーさま・ダイキン工業さまとのダブル連結トラックによる往復輸送の新たなルート運行を2026年5月25日より開始を予定しています。

中長期的な取り組み

次に、中長期的な取り組みとして、核融合発電のスタートアップ企業であるHelical Fusion社への資本参加の件です。

同社は、日本独自のヘリカル方式を採用し事業化を目指しています。将来的には、エンジニアリング部門による発電設備周辺の工事やメンテナンス、さらに将来的には冷凍倉庫等で使用するクリーンエネルギーとしての調達も視野に入れています。

フュージョンエネルギーは、海水を主原料とするクリーンエネルギーとして注目されており、日本の基幹産業となる将来性が期待されています。同社への出資を通じて、安定的で環境に優しいエネルギー基盤の開発による社会課題の解決にも貢献していきます。

Appendix:インド事業説明会

最後に、お知らせです。本日ご説明したFSNL、Vertex Konoike Engineersをはじめとするインド各事業について、各事業責任者より事業概要や成長戦略を直接ご説明する場を設けています。当社海外成長戦略の柱であるインド事業への理解を深めていただける機会ですので、ぜひご参加いただきたいと思います。

私からの説明は以上です。ありがとうございました。

質疑応答:中東情勢の影響について

質問:国内外の拠点における中東情勢の影響および今後想定される懸念事項について教えてください。

回答:国内外の拠点においては、直接的な影響として、空港関連で中東便の減便が生じているものの、現時点で全体業績への影響は軽微です。また、中東便の運航については、5月からエミレーツ航空、6月からカタール航空が復便しているので状況は徐々に良くなっていると認識しています。間接的な影響としては、燃油価格の上昇に伴うコスト増加を懸念しており、取引条件の見直しやコスト構造の改善等により、その影響の最小化を図る方針です。また、海上・航空運賃の変動や食品等の販売価格上昇に伴う消費低迷など、多面的な影響が想定されますが、現時点では先行きは不透明です。

質疑応答:インド事業について

質問:FSNL民営化に伴う随意契約から入札への移行について、想定シナリオと現状でギャップを感じる点はありますか? 顧客にとって請負会社のスイッチングコストは高く、御社の競争力も高いので、契約形態が変更されても影響は少ないと認識していましたが、実際に入札が開始された現在でも、競争力に対する認識に変わりはないでしょうか? あわせて、一定のマージンを確保して入札する方針に変わりはないでしょうか?

回答:当初想定していたシナリオとの違いという点では、正直なところ、入札がここまで厳しくなるとは見ていなかったというのが率直な認識です。一定程度のディスカウントや単価ダウンを織り込んだ入札は想定していましたが、想定以上にコストにシビアであり、とりわけコスト重視の比重がここまで高いとは思っていませんでした。この背景には、今回の入札において、コスト優先で進められた面があったと受け止めています。

一方で、当社の競争力に対する認識に変わりはありません。2026年3月期は連結初年度でしたが、国内鉄鋼事業で蓄積してきた技術やノウハウをインドでも横展開することで、生産性を向上させることができました。こうした実績や付加価値については、入札時に丁寧に訴求し、受注につなげていきたいと考えています。また、民間製鉄所での業務獲得や新規事業であるマイニング、国内技術の移転などを通じて高い収益性を目指し、中長期的な成長につなげていきたいと考えています。

入札方針についても、一定程度のマージンを確保しながら今後も継続していく予定です。すでに他社がコスト優先で受注した案件についても、今後、品質面の審査が進む中で、品質に優位性のある当社が選ばれる余地は十分にあると考えています。

質疑応答:空港関連について

質問:中国減便影響について、復便のタイミングを11月以降としているのは、ウィンタースケジュールへ切り替わるタイミングから徐々に復便するだろうという認識でよいでしょうか? また、人員については減便状況にかかわらず育成を進めるのでコストが重くなるという理解でよいでしょうか?

回答:中国便については、回復を2027年3月期上期には見込んでおらず、11月から年末にかけて減便前の半分程度まで緩やかに戻る前提です。このような日中便減便の影響下においても、成長基盤を着実に整備することを基本方針としており、中国便の回復およびそのほか新規就航の獲得に向けて、採用・人材教育に注力し、早期戦力化を推進することで、需要回復局面に即応可能な体制の構築を進めていきます。

質疑応答:空港事業営業利益の増加金額について

質問:空港事業営業利益の2027年3月期から2028年3月期にかけての増加金額について、中国便回復や中東便の影響の内訳を教えてください。

回答:中東便の影響については、全体として軽微であるとご認識ください。一方、今期の中国便の回復については、現状、昨年のウィンタースケジュールに対して5割弱まで落ち込んでいるのに対し、下期は7割程度まで戻ることを想定しています。仮に現行の5割程度の水準が続くリスクシナリオを考えると、営業利益を数億円程度さらに押し下げることになると見込んでいます。そのため、2028年3月期において中国便がすべて回復した場合には、20億円の営業利益回復は十分に視野に入る水準であると考えています。

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