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キャリアリンク、売上高・営業利益が2桁成長 地方自治体向けBPO関連事業と製造系人材サービス事業の受注が好調

2026年3月期 通期業績ハイライト

成澤素明氏:キャリアリンク株式会社代表取締役社長の成澤です。2026年3月期の決算概要についてご報告します。

通期業績のハイライトです。2026年3月期の連結売上高は前期比10.5パーセント増の446億4,200万円となりました。前期に稼働していた大型民間BPO案件の規模縮小があったものの、主力である地方自治体向けBPO関連事業および製造系人材サービス事業において、受注量が好調に推移しました。

利益面では、業容拡大や業務多様化に向けた人件費やシステム投資が増加したものの、受注案件の効率的な運用や登録者募集費などの経費節減により、営業利益は前期比44.6パーセント増の38億9,000万円となりました。

経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益については、それぞれスライドの表に記載のとおりです。

2026年3月期 通期業績ハイライト

セグメント別に詳細をご報告します。事務系人材サービス事業の売上高は前期比109.1パーセントの355億3,400万円、セグメント利益は前期比146.6パーセントの35億1,700万円でした。

製造系人材サービス事業については、売上高が前期比117.6パーセントの88億5,500万円、セグメント利益は前期比138.0パーセントの3億5,300万円となりました。

その他のセグメントについては、スライドの表に記載のとおりです。

事務系人材サービス事業

BPO関連事業部門については、地方自治体との取引において、マイナンバー関連案件の受注量拡大に取り組むとともに、各種窓口業務などの長期契約案件を中心とした受注領域の拡大に努めました。また、短期契約案件である戸籍法改正関連案件の受注にも取り組むなど、既存取引先である地方自治体からの受注案件の増加に注力しました。

また、民間企業取引では、大手BPO事業者経由の中央官庁を事業主とする案件や、金融機関からの大型フィールド業務案件の受注量が順調に推移しました。その結果、BPO関連事業部門の売上高は前期比11.5パーセントの増収となりました。

CRM関連事業部門については、前期稼働していた首都圏大型案件の終了等があったものの、地方支店における既存取引先経由の民間企業向けコールセンター業務派遣案件などの受注量が拡大したことで、前期比13.2パーセントの増収となりました。

一般事務事業部門については、地方自治体向け案件が堅調に推移し、民間企業向けでも首都圏および地方支店で既存取引先からの受注が順調に推移しました。

一方で、金融機関向けの新NISA案件の規模縮小や、各地方自治体および地方自治体関連公益法人の短期派遣案件の規模縮小や終了が影響し、一般事務事業部門の売上高は前期比で4.1パーセント減収となりました。

事務系人材サービス事業

事務系人材サービス事業のKPIについてです。スライドのグラフは、BPO案件数および取引先地方自治体数の推移を示しています。BPO案件数の実績は240件となり、前期比で13.7パーセント増加しました。

取引先地方自治体数は、マイナンバー関連案件や戸籍法改正関連案件に加え、各種窓口業務などの長期契約案件の受注に積極的に取り組んだ結果、前期比で5.6パーセント増加し、計206地方自治体となりました。これにより、取引基盤の拡大につながっています。

製造系人材サービス事業及びその他

製造系人材サービス事業では、増収増益を達成しました。食品加工部門では、一部の取引先で減産に伴う派遣案件の規模縮小や終了、また派遣から直接雇用へのシフトにより、受注量が減少しました。一方、調味料製造や冷凍食品製造など既存取引先からの受注量が拡大したほか、健康食品製造などの新規取引先からの受注や、農産物加工の請負案件受注もあり、全体として受注量は堅調に推移しました。

製造加工部門では、住宅設備製造からの政府施策関連の大型派遣案件を中心に、総合電機製造や住宅設備製造など既存取引先からの受注が拡大しました。また、包装資材製造や電子機器部品製造など新規取引先からの受注により、受注量は順調に推移しました。

利益面では、派遣料金の引き上げに積極的に取り組んだほか、登録者募集費など経費の節減と効率的な運用に努めた結果、増益となりました。

その他セグメントは減収減益となりました。人員数の減少に加え、取引先の組織改組などにより、前期比で減収減益となりました。

2026年3月期 損益状況

2026年3月期の損益状況は、先ほどご説明したとおりです。スライドに記載のとおり、一覧にまとめています。

2026年3月期 財務状況

財務状況のご報告です。流動資産は208億5,300万円で、前期末比25億6,400万円の増加、固定資産は16億4,800万円で、前期末比5,900万円の増加となり、資産合計は225億100万円で、前期末比26億2,300万円の増加となっています。

流動負債は59億8,100万円で、前期末比16億2,700万円の増加、固定負債は5億700万円で、前期末比1億500万円の減少となり、負債合計は64億8,800万円で、前期末比15億2,200万円の増加となっています。

純資産合計は160億1,300万円で、前期末比11億円の増加、負債純資産合計は225億100万円で、前期末比26億2,300万円の増加となりました。

それぞれの項目の主な増減要因については、スライド右側の表に記載のとおりです。

2026年3月期 CF状況

キャッシュフローについてご説明します。営業活動によるキャッシュフローは25億4,800万円、投資活動によるキャッシュフローはマイナス2億7,500万円で、フリー・キャッシュフローの合計は22億7,300万円となりました。

財務活動によるキャッシュフローはマイナス16億8,100万円で、その結果、現金および現金同等物の増減額は5億9,200万円となりました。

現金および現金同等物の期首残高は107億2,400万円であったため、期末残高は113億1,600万円です。

主な増減内容については、スライド右側の表に記載のとおりです。

2027年3月期 通期業績予想

2027年3月期の通期業績予想についてご報告します。売上高は前期比10.0パーセント増、営業利益は前期比5.1パーセント増を計画しています。

引き続き、主力の事務系人材サービス事業のBPO関連事業部門を中心に、取引基盤の拡大と強化を図ります。

また、各地方自治体との取引基盤を一層強固にするため、専門家人材の要員投入など運用体制の強化や、AI関連など成長投資にも取り組みます。

2027年3月期の売上高は前期比10.0パーセント増の491億円、営業利益は前期比5.1パーセント増の40億9,500万円、経常利益は前期比5.0パーセント増の41億1,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比8.5パーセント増の28億1,000万円を計画しています。

セグメント別売上高についてです。事務系人材サービス事業は前期比10.8パーセント増の393億6,800万円、製造系人材サービス事業は前期比7.3パーセント増の95億円です。

その他の事業については、スライドに記載のとおりです。

2027年3月期の営業戦略と業績予想

2027年3月期の営業戦略および業績予想についてご報告します。まず、事務系人材サービス事業についてですが、主力のBPO関連事業では、地方自治体に対しての取引基盤を強固にするため、業務領域の拡充と長期案件の受注推進に重点的に取り組みます。

民間企業に対しても引き続き、新規取引先の開拓や業務領域の拡大に加え、新規事業の開発を並行して進めます。

また、取引先の満足度向上や業務改善・品質向上を目指し、運用体制の強化を図ります。さらに、AIをはじめとしたIT技術の導入による業務効率化に向けて、専門家人材の投入や積極的な投資を進めます。

製造系人材サービス事業についてです。食品加工部門および製造加工部門の両方で受注が増加基調にあり、既存取引先からの受注促進と新規取引先の開拓を引き続き推進していきます。

請負業務や人材紹介業務の拡充、新規業務への参入に加え、営業拠点の増設を計画しており、増収が見込まれます。

2027年3月期業績予想の前提に係る補足説明

2027年3月期業績予想の前提に関する補足をご説明します。通期業績予想値に対する上期業績予想値の割合は、スライド下部の図に記載されています。

例年どおり、期中に受注するBPO案件では稼働期間が上期よりも下期に長くなることや、利益面では案件立ち上げ時の初期費用の計上が上期に集中するため、下期偏重の計画となっています。

詳細はスライドのグラフをご参照ください。

中期経営計画

中期経営計画についてご報告します。本中期経営計画は2029年3月期までを対象としており、2030年3月期以降のさらなる成長を見据えた持続的成長の基盤強化を主眼に置いています。2027年3月期は業容の拡大、2028年3月期および2029年3月期を次なる成長に向けた基盤整備の期間と位置づけています。

国内外の不透明な経済情勢を踏まえ、実現可能性を重視した計画としています。3年間の年平均成長率は、売上高が6.7パーセント、営業利益が5.1パーセント前後で推移することを計画しています。

ご説明した内容を踏まえ、2029年3月期の計画として、売上高を542億9,000万円、営業利益を45億2,700万円としています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益についても、スライドに記載のとおりの数値を計画しています。

中期経営計画

お伝えした内容をセグメント別にご報告します。3年間の売上高の年平均成長率は、事務系人材サービス事業で7.0パーセント、製造系人材サービス事業で5.8パーセントを計画しています。

2029年3月期のセグメント別売上高は、事務系人材サービス事業が435億5,600万円、製造系人材サービス事業が104億8,400万円を計画しています。

その他のセグメントについては、スライドに記載のとおりです。

成長戦略

成長戦略についてご報告します。事業環境に応じて重点課題を見定め、数値目標の達成に向けて取り組みます。中期経営計画期間中も、積極的な投資を続け、持続的な成長基盤の強靭化を推進していきます。

中期経営戦略の重点施策として、3つの取り組み事項を掲げています。まず1つ目の施策である「業績基盤の拡大」についてです。地方自治体との連携強化を図り、地域および業務領域の拡大を進めるとともに、長期案件の受注推進を強化していきます。

また、民間向けBPOの事業拡大を図り、新規事業の開発および現行業務の領域拡大を進めていきます。さらに、製造系人材サービス事業の業容を拡大し、派遣業務主体からの脱却や、拠点の拡充を計画的に推進します。

重点施策の2点目は「持続的成長への積極投資」です。具体的な取り組みとして、取引先満足度の向上や業務改善、品質向上を目指し、BPO案件の運用体制を強化します。また、AIの活用などDXへの取り組みを推進します。加えて、高スキル人材の採用なども継続して強化していきます。

重点施策の3点目である「インオーガニック成長」については、M&Aや事業アライアンスへの投資を検討し、推進していきます。

株主還元

株主還元についてご説明します。当社の配当は、成長を持続させるための事業展開や経営基盤強化に必要な内部留保を確保しつつ、経営成績ならびに経営全般を総合的に判断し、適正で安定した配当を継続的に実施することを基本方針としています。

2027年3月期末の配当予想は120円、配当性向予想は50.7パーセントとしています。本スライドに掲載されている中期経営計画期間では、ベースラインの利益確保が見込まれるため、中期経営計画期間においても120円を維持する予定です。

株主還元(株主優待)

株主優待についてです。当社は、保有株式数と継続保有年数に応じて「QUOカード」を贈呈しています。内容については、スライドに記載のとおりです。

2026年3月期の決算説明は以上です。ご清聴いただき、誠にありがとうございました。

質疑応答(要旨)①

Q:中期経営計画の成長率を5パーセントとしている理由と、営業利益率が8.3パーセントと変わらない理由を教えてください。

A:2027年3月期から2029年3月期までの3カ年を対象とする中期経営計画につきましては、短期的な利益の最大化よりも、2030年3月期以降のさらなる成長に向けた持続的基盤の強靭化に重点を置いています。

2030年3月期を期間設定の節目とした理由は、外部環境、就中人口構造の変化を見据えた事業基盤・体制整備を、2030年3月期までに着実に構築する必要があると考えていることが背景にあります。このような背景より、2027年3月期は業容拡大と2028年・2029年の準備と企画、2028年3月期および2029年3月期は次の成長に向けた基盤固めの実行期間として位置づけ、それを踏まえ、さらに昨今の米国・イランの紛争による先行き不透明感が高まる経済情勢を鑑み、売上高については、2027年3月期に前期比10パーセントの成長を計画し、その後の2028年3月期および2029年3月期については、それぞれ概ね5パーセント程度の成長と設定しました。

売上高成長率については、主力の地方自治体向けBPO事業における業務領域の拡大および取引地域の拡大、民間BPOの育成の他、製造系人材サービス事業の多様化、即ち派遣業務専一からの脱却を推進するなどにより達成可能と考えています。

一方、営業利益率については、計画期間を通じて8.3パーセントと横ばいで設定していますが、これは、成長のために必要な先行投資を継続的に実施した場合に、確保すべき営業利益率として設定し、利益率の改善については、引き続き効率的運用などに鋭意努め向上を図ってまいります。

質疑応答(要旨)②

Q:前期時点の中期経営計画では2028年3月期の取引地方自治体数は240とされていましたが、今期計画では2029年3月期で220と減少しています。その要因を教えてください。

A:取引地方自治体数につきましては、かねてから数値を公表した期の過去3年間の取引実績をもって算出しています。今期につきましては、コロナ禍下に受注した福利厚生関連案件などが計上対象から外れることが想定されるため、2027年3月期では、ある程度減少することが想定されます。また、今後は、既存取引先である地方自治体との取引拡大、即ち業務領域の拡大、住民窓口業務などの長期案件の受注推進を優先し、未取引地方自治体営業開拓は、適正な収支確保、取引の継続性有無を判断しながら引き続き推進したいと考えています。

以上から、取引地方自治体数については、2029年3月末では、220となる見通しです。

質疑応答(要旨)③

Q:世界経済の不透明感(地政学リスクや資源価格高騰等)が業績に与える影響について教えてください。

A:現時点におきましては、当社グループ事業への直接的な影響は顕在化しておらず、公共分野・民間分野ともに概ね大きな変化は生じていません。

しかしながら、今後は、イラン情勢の膠着化による原油価格高止まりなどにより、企業のコスト抑制意識の高まりや投資意欲の減退といった動きが発生する可能性が十分に考えられ、民間企業向けBPO案件では、案件開始時期の遅延や規模抑制、製造系人材サービス事業では、クライアントによる大幅な減産などにより受注量が大幅に減少することが想定されます。今般作成した中期経営計画の成長率については、これらのシナリオを踏まえた保守的な計画としています。

質疑応答(要旨)④

Q:業績予想について、売上高は10パーセント成長に対し営業利益は5パーセント成長となっていますが、営業利益が2桁成長を見込んでいない要因を教えてください。

A:営業利益の成長率が売上高に比べて抑制されている主な要因は、将来の持続的成長に向けた先行投資を織り込んでいるためであり、具体的には下記3点となります。

「①堅牢性を追求してリスクレジリエンス強化を目的に情報システムなどのインフラ整備に取り組む」「②並行して、業務運用、営業、内部業務などにおいてAIを始めとするIT技術を積極的に取り入れたBPRを推進する」「③さらには新規事業開発、新規業務開発への投資を積極的に実行する」です。

なお、②のAI導入、特に主力である地方自治体などの官公庁BPO案件に対してAIの導入を行うには、慎重かつ入念に考慮し、準備を行い進めるべきであり、研究開発を行うとともに業務改善を推進して競争力の向上を図る必要があります。考慮すべき代表的な事項として、まず、当社が受注するのは、入札等において価格などの比較優位性を訴求できなければならず、そのためのコストダウンと安定運用などについての「研究開発」を行う必要があります。

さらには、AI活用に伴う個人情報や知的財産権の保護などコンプライアンスやモラル等の課題を完全にクリアしなければ、導入できないと認識しています。そのため、導入・普及を実現するには、それらに要するコストも相応に考慮して、今般の中期経営計画を策定しています。

質疑応答(要旨)⑤

Q:中期経営計画期間において、地方自治体BPO市場は拡大する見通しでしょうか? 市場成長において懸念点はないか教えてください。

A:これまで事業地域の拡大に努めてまいりましたが、一方で、当社が受託できる業務領域についても多様化が進んでいます。このような足元の当社実績を鑑みると今後も当社が受注可能な業務の規模・範囲ともに拡大していくものと考えています。こうした背景を踏まえ、市場全体としても一定の成長が継続するのではないかと考えています。

質疑応答(要旨)⑥

Q:M&Aの方針として、対象領域や規模感、想定時期やシナジーなど公表できる範囲で教えてください。

A:具体的な内容の回答は差し控えさせていただきますが、持続的成長のための事業ポートフォリオの変革と成長基盤の再構築であり、それを推進するためのM&Aと位置づけています。方向性としては、①新規事業を組み入れた業容拡大、②官公庁・民間BPO業務の業務領域拡大を主な目的としたM&Aやアライアンスなどを検討しています。

質疑応答(要旨)⑦

Q:入札段階における価格競争は厳しいのでしょうか? また、そのような環境下においても、貴社のオペレーション能力や業務運営力を背景に、価格水準が維持されているという理解でよろしいでしょうか?

A:一般競争入札案件において、入札参加した案件が100パーセント落札できるわけではないので、依然として価格競争は厳しい状況と思われます。

また、当社の競争力について、一概に強い・弱いとは申し上げられませんが、前期は、計画した売上高と売上総利益を達成し、それ以上の受注を確保できたことを考えると、相応の競争力は保持していると考えています。

当社は、主に入札価格の優劣をもって落札先が決まる競争入札だけでなく、過去の実績や提案内容などにより、落札先が決められると思われる指名競争入札やプロポーザル入札案件の受注比率も高いことから、クライアントである地方自治体さまから一定の評価を得られていると考えています。

※質疑応答部分は、企業提供の要旨になります。

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