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能美防災、今期売上高は初の1,500億円超えを見込む M&Aなどの重点施策を推進し、中長期的な収益基盤を強化

決算のポイント

小野泰弘氏(以下、小野):能美防災株式会社、総務部・経理部担当執行役員の小野です。2026年3月期の連結決算概要について資料に沿ってご説明します。

はじめに、決算のポイントです。受注環境についてですが、市場全体が引き続き堅調に推移しており、受注高・受注残高は4期連続で過去最高を更新しました。

売上高・利益についても、このような市場環境を背景に過去最高を更新する結果となりました。利益面では、原材料価格や労務費などの継続的な上昇による影響を懸念していましたが、この対策として進めてきた価格改定や業務効率化の施策が奏功しました。

当期においては、第2四半期までは特定の減益要因が目立っていました。しかしながら、当社は第4四半期に売上・利益が集中する傾向があります。そのような中で、第4四半期の利益は例年以上に高い水準となりました。

その結果、当社の経営計画「中長期ビジョン2028」で掲げている業績目標である営業利益率12パーセント以上、ROE10パーセント以上の水準に到達しました。

2026年3月期 連結業績

具体的な連結業績についてご説明します。

売上高は計画にわずかに届きませんでしたが、売上原価率の改善により、営業利益をはじめとする各利益は前期比・計画比ともに2桁の増加となっています。

受注高は前期比で200億円を超える増加を記録し、その結果、受注残高は前期末比で3割以上増加しました。

セグメント別売上高・利益

セグメント別の売上高および利益は、スライドのとおりです。各セグメントの詳細については、この後に詳しくご説明します。

営業利益増減分析

こちらのスライドは、営業利益の増減要因を対前期比・対計画比で整理したものです。

前期比では、人員増強や研究開発などの投資を積極的に行った結果、販管費が32億円ほど増加しましたが、増収および原価率改善の効果によってその増加分を十分に吸収しました。

対計画比では、売上および販管費がおおむね計画の範囲内で推移した中、原価率の改善効果が奏功し、増益となりました。

セグメント別情報(火災報知設備)

ここからは、セグメント別に詳しくご説明します。

まず、火災報知設備セグメントです。売上高は「工事付」と「商品販売」に区分して表示しています。また、新築とリニューアルでは、リニューアル物件のほうが売上規模が大きい点も特徴です。

当期の業績については、全般的に堅調な市場環境が続く中で、売上高はおおむね計画どおりに推移しました。コスト上昇に対しては、価格改定や業務効率化の取り組みが奏功し、増益基調を維持しています。

その結果、受注高、受注残高、売上高、セグメント利益のすべての指標で過去最高の数値を更新しました。

セグメント別情報(消火設備)

続いて、消火設備セグメントです。消火設備セグメントの売上高は、代理店への販売が比較的少なく、特殊物件向けの売上を含んでいることから、「ビル等一般物件」と「プラント・トンネル等特殊物件」の2つに区分して表示しています。

当期の業績については、工事にかかる人手不足の傾向が続いているものの、需要の高いプラント関係を中心に増収増益となりました。採算面では、「一般物件」と「特殊物件」のいずれも比較的採算性の高い物件が多く、手持ち工事が順調に進捗したことから、前期比で約3割の増益となりました。

その結果、消火設備セグメントでも、受注高、受注残高、売上高、セグメント利益のすべての指標で過去最高を達成しました。

セグメント別情報(保守点検等)

保守点検等セグメントです。このセグメントには、消防設備に年2回義務づけられている「保守点検」に係る売上のほか、保守点検契約物件で発生する設備の改修やリニューアルを「補修工事」として計上しています。

「保守点検」の業績は、短期的に大きく変動することはあまりありませんが、「補修工事」では大型物件も含まれることから、個別物件の動向により短期的に業績が変動する可能性があります。

当期の業績については、「保守点検」「補修工事」ともに順調に受注・売上を伸ばしており、セグメント全体の受注高、受注残高および売上高は過去最高を更新しました。一方で、利益については、外注費の上昇に加え、前期に比べて採算性の低い工事物件がやや多かったことから、利益率が低下しました。

もっとも、引き続き潜在的な需要が高い分野であるため、今後も計画的な人員増強を進めながら、中長期的な業績拡大を図っていきます。

連結決算の概要のご説明は以上です。

中長期ビジョン2028について

長谷川雅弘氏:代表取締役社長の長谷川です。「中長期ビジョン2028」ステージⅢの概要と進捗状況についてご説明します。

「中長期ビジョン2028」は10年計画であり、現在はステージⅢの1年目を終えた段階にあります。

能美防災が対処すべき社会課題の領域

中長期ビジョンの策定に際しては、スライドに示された社会課題を踏まえ、将来の「ありたい姿」を整理しています。

中長期ビジョンステートメント<2022年5月公表>

中長期ビジョンステートメントとして「『期待の先』にある安全を『カタチ』にし、誰もが笑顔で暮らせる社会を実現する」と掲げています。この実現に向け、スライドに示された5つの「ありたい姿」を設定しています。

中長期ビジョンステートメント実現に向けて

中長期ビジョンの主要施策は大きく3つあります。人的資本の強化、積極的な成長投資、お客さまへの提供価値の向上を推進することで、より高い付加価値を創造できる企業への変革を目指しています。

事業戦略の基本的な方向性とありたい姿の関係性

事業戦略の方向性として、既存領域の深耕と新領域の探索を同時に進め、事業領域の拡大を目指していきます。

ステージⅢ 2029年3月期の業績ターゲット

中長期ビジョンとして掲げている業績ターゲットです。2029年3月期の業績目標に向けて、売上高はおおむね順調に進捗しました。

一方で、営業利益率が13パーセントを超える水準に向上したことから、ROEも10パーセントを超える水準となりました。ただし、この営業利益率については、採算性の良い物件が比較的集中した影響があるため、次期はやや落ち着く見通しです。

したがって、営業利益率は引き続き12パーセント以上の水準を目指し、ROEについても安定的かつ持続的に10パーセント以上を確保できるように、取り組みを継続していきます。

ステージⅢ 戦略の方向性

ステージⅢの戦略として、スライドに記載の3つの重点施策に取り組んでいます。

【重点施策1】事業ポートフォリオの現状と人財配置の見直し等による今後の方向性

重点戦略の1つ目として、「既存事業の収益拡大と利益率の向上」を掲げており、その実現に向けて人的資本の充実を進めています。

2026年3月期の1年間で、グループ全体の従業員は376名増加しました。M&Aの効果も含まれますが、比率では約13パーセントの増加となっています。

また、当社単体の採用状況を見ると、新卒採用とキャリア採用の比率はここ数年おおむね半々で推移していましたが、2026年3月期はキャリア採用が全体の6割を占めました。

即戦力となる人材の割合が高まっており、このような人材をリニューアルなどの利益率の高い事業へ重点的に配置することで、収益力の向上につなげていきます。

【重点施策1】飛躍的成長に向けた人的資本経営

人的資本の充実においては、各種KPIを設定し、取り組みを進めています。現時点ではおおむね順調に進んでいます。

【重点施策1】デジタルトランスフォーメーション(DX)実現に向けて

さらに、既存事業の収益拡大と利益率向上を図るため、リソースを大幅に増強し、DX推進を加速しています。

2026年3月期は準備フェーズとして体制構築や基盤整備を進めてきましたが、2027年3月期からは実行フェーズとして業務改革を通じた競争力強化を目指します。

具体的には、グループ共通のDXの到達像である「DXビジョン」を定義し、その達成に向けたロードマップを策定して取り組みを推進します。

また、並行して経済産業省が定めるDX認定を取得し、これを起点に業務改革を進め、生産性向上を目指します。

【重点施策2】中長期ビジョン2028における積極的なM&A

重点施策の2つ目は、「積極的なM&Aによる事業拡大」です。

PMIのリソース不足に対応するため、ステージⅢの開始と同時に専任組織を設置し、推進体制の強化を進めてきました。その結果、ステージⅢを開始してから1年間で、4件のM&Aを実施しました。

特に、2026年2月にグループに加わった明星電気株式会社は、従来と比べ規模の大きいM&Aであり、当社にない技術を有する企業であることから、当社グループが目指す事業領域の拡大に大きく貢献すると考えています。

引き続きM&Aを積極的に推進していきますが、さらなる展開に向けてはPMI体制が依然として不足していると認識しています。

そのため、実行力をより一層強化するための体制拡充を検討し、戦略に沿った能動的なM&Aを推進していきます。

【重点施策3】ステージⅡにおける新サービス

重点戦略の3つ目は、「新規事業の創出とスケール化」です。

新規事業については、各フェーズに応じてサービスのスケール化を進めています。避難所の開設・運営支援アプリ「N-HOPS」は、自治体との実証実験を重ね、2026年5月に正式リリースしました。今後はフェーズ2として事業モデルの確立を目指します。

また、クラウド型防災支援システム「TASKis」は現在、事業拡大・展開フェーズにあります。導入実績は着実に拡大しており、「TASKis」を契機に火災報知設備の受注につながる事例も増加しています。専任の担当営業も増員しており、全国に向けてさらに拡販を進めていきます。

ステージⅢでは、以上の重点施策を推進しています。

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応

財務面では、引き続き資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて注力していきます。

ROEは直近の実績で一時的に10パーセントを超えましたが、2027年3月期は再び9パーセント台となる見込みです。ROEは、引き続き10パーセント以上の水準を安定的に確保できるよう、取り組みを継続していきます。

ステージⅢにおけるキャピタルアロケーション方針

この目標の達成に向けて、資本を有効に活用し、成長投資を積極的に進めていきます。

キャピタルアロケーション方針として、ステージⅢの4年間で成長投資に440億円以上を投じることを掲げており、1年目はM&Aを中心に、おおむね計画に沿った投資を実行しました。

2年目以降も、M&Aの体制強化をはじめとする成長投資を、この方針に沿って継続していきます。

配当・株主還元方針

配当については、配当性向50パーセントの目標水準に基づき、2026年3月期は前期比40円増配となる1株当たり116円としました。

次期配当予想については、親会社株主に帰属する当期純利益が若干の減益となる予想ではありますが、1979年3月期以降、基本的に減配を行っていない当社の考えに沿い、同額の116円を予定しています。

マテリアリティと中長期ビジョンの関係

サステナビリティ経営については、特定した4つのマテリアリティに基づき取り組みを進めています。

その中でも、「安全・安心を担う企業にふさわしい経営の実践」において「コンプライアンスの徹底」を掲げていますが、先般お知らせしたとおり、当社グループ内で監理技術者等の資格を不正に取得していた事実が明らかとなりました。

この件については、本年3月26日に再発防止策の策定および進捗状況を開示しており、今後は同様の事態が生じないよう、再発防止策を徹底して取り組んでいきます。

また、人権に関する取り組みも進めており、本年3月31日に人権方針の策定および人権デュー・ディリジェンスの実施について開示しました。引き続き、サステナビリティ全般について取り組みを進めていきます。

「中長期ビジョン2028」のご説明は以上です。

2027年3月期 連結業績予想

小野:2027年3月期の通期連結業績予想についてご説明します。

売上高は、3年後に1,700億円以上とする目標に向け、2027年3月期には1,576億円まで拡大する見込みです。

利益面では、親会社株主に帰属する当期純利益は特別損益などの影響により若干減益を見込んでいますが、営業利益および経常利益は、増益基調を維持する見込みです。

受注高は減少を見込んでいるものの、引き続き高い水準を維持すると見通しています。

連結業績予想のポイント

この業績予想のポイントについてご説明します。

市場環境は引き続き堅調に推移すると想定しています。中東情勢などの不透明感を踏まえ、受注高は前期比で減少を見込んでいるものの、高水準を維持する見通しです。

一方、期初時点の受注残高は過去最高水準にあることから、それを背景に売上高および営業利益の過去最高更新を計画しています。

利益面では、コスト上昇が続く中で業務効率化のさらなる推進に加え、2026年4月には4年連続となる価格改定を実施しています。

また、中長期的な視点でM&Aなどの重点施策を推進し、収益基盤の強化を図ります。

セグメント別売上高・利益予想

セグメント別の売上高・利益予想です。

火災報知設備セグメントおよび消火設備セグメントの利益率は、コスト上昇などの不透明な市場環境を考慮し、前期比で低下する見込みです。

一方、その他セグメントでは、当期よりM&Aを実施した明星電気社の業績が寄与することから、大幅な増収増益を見込んでいます。

営業利益予想増減分析

営業利益予想の増減要因を示したグラフです。

原価率の上昇や政策的な販管費の増加を見込んでいますが、増収による粗利増がそれを上回ることで、営業利益は増益の見通しです。

セグメント別売上高予想①

各セグメントの売上高について、詳しくご説明します。

火災報知設備セグメントでは、工事付物件の受注が引き続き高い水準にある一方で、当期は商品販売を中心とした売上拡大を見込んでいます。

消火設備セグメントでは、好調な特殊物件に加え、一般物件も伸ばすことで、セグメント全体としてさらなる売上高の伸長を目指します。

セグメント別売上高予想②

保守点検等セグメントでは、補修工事を中心としつつ、保守点検においても件数と契約金額を着実に伸ばすことで、安定した売上成長を目指していきます。

業績予想のご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

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