25年度実績
半沢淳一氏:取締役代表執行役社長グループCEOの半沢です。今年4月よりグループCEOに就任しました。本日はお忙しい中、私たちMUFGの説明会にご参加いただき、ありがとうございます。
決算の内容については、先日のネットコンファレンスでご説明していますので、本日はグループCEOとしての経営方針と中期経営計画の進捗を中心にお話しします。
25年度は、親会社株主純利益が2兆4,272億円となり、3年連続で過去最高益を更新しました。スライド右側の図表をご覧ください。本業の実力を示す業務純益の着実な伸びと、モルガン・スタンレーを中心とした持分法投資利益の増加が主な増益ドライバーとなりました。
大口の与信関係費用戻し入れの剥落や政策保有株式の売却益の減少はありましたが、昨年計上した外国債券を中心とした売却損の反動等と相殺され、結果として30パーセントの利益成⻑となりました。
25年度実績と営業純益の増減
スライド右側のステップチャートは営業純益の増減要因を示したものです。円金利上昇も捉えた預貸金収益の増加や、国内外の手数料収益の増加が稼ぐ力の着実な成⻑へと結びついています。
26年度業績目標
26年度の業績目標です。親会社株主純利益は、最高益を更新した25年度から10パーセント超の増益となる2兆7,000億円に設定しました。また、26年度は中計最終年度の財務目標として、ROE12パーセント程度を目指します。
スライド右側にお示しのとおり、引き続き本業の実力を示す業務純益が成⻑のメインドライバーとなります。なお、足元の中東情勢をはじめ、さまざまなリスクファクターが想定されますが、現時点ではいずれも顕在化していないため、計画の前提には織り込んでいません。
株主還元
株主還元についてです。引き続き配当性向は40パーセント程度を目処とし、利益成⻑に基づく1株あたり配当金の持続的な増加を目指します。26年度は年間配当予想を前年度比10円の増配となる96円とします。
一方、自己株式取得については、CET1比率の推移を踏まえ、上期としては、総額1,000億円を上限とする自己株式取得を決議しました。今年度の資本配賦の見込みについて、次のページで補足します。
資本配賦の見通し
26年3月末時点のCET1比率は、9.2パーセントとターゲットレンジの下限である9.5パーセントを下回る水準となりました。しかし、利益水準がここ数年で大きく切りあがった結果、資本の回復力は各段に向上しており、今年度中にターゲットレンジ内へ回帰します。
一方で、今年度も貸出の増加トレンドは継続するとみており、成⻑に向けた資本活用の見通しと、利益の進捗双方を見ながら下期の自己株式取得を検討していきます。続いて、CEOとしての経営方針を説明します。
環境認識
まずは環境認識です。グローバルでは、各国の通商政策による予見性の低下、国家や経済の分断の加速、AIの急速な浸透など、ビジネス環境は大きく変化しています。日本に目を向けると、金利ある世界が定着し、資産形成ニーズは拡大、企業はコーポレートガバナンスの高度化も相まって、成⻑投資や事業再編を活発化させています。
このような環境の中、世界の大きなトレンドを捉えつつ、短期的な変動を先取りし、パーパスである「世界が進むチカラになる。」を体現したいと考えています。
経営方針
経営方針です。従来より掲げてきた経営の基本方針は継承しつつ、グループCEOとして2つのことにこだわりたいと考えています。
まず、成⻑志向でけん引することです。変化の激しい環境下、構造改革モードから脱却し、未来を見据えた、成⻑志向モードへの進化をけん引していきます。この点に関して、まだ完全にモードチェンジできているとは考えていません。MUFG自らがより高い成⻑志向を掲げ、MUFGならではの価値創造にこだわることで、日本の、そして世界の成⻑のチカラになる、それが私たちの果たすべき使命だと考えています。
次に、挑戦を結果につなげることです。前中計からの取り組みもあり、積極的に挑戦するカルチャーは定着しつつあります。このカルチャーを大切にしながら、成果を導き出すことにもより一層こだわることで、社会やお客さまとともに成⻑を創り出したいと考えています。
これらの点を通して、日本を代表する金融機関から世界を代表する総合サービスグループへと進化し、MUFG設立当初に掲げていた、時価総額でグローバルトップ5の立ち位置を目指していきます。
MUFGがめざす立ち位置
私たちが目指す立ち位置についてです。昨年度に中⻑期ROE目標を見直しましたが、政策保有株式の売却益なき世界でのROE12パーセント達成は、すでに視野に入ったと思っています。MUFGでは27年度からスタートする次期中計の検討をキックオフしています。この中では、MUFGがグローバルTopTierに比肩する企業価値を実現し得る、持続的に確保可能なROEの水準を議論していきます。
多様なポートフォリオで実現する利益成⻑
グローバルトップバンクに伍する企業価値を実現するためには、中⻑期的かつ持続的な成⻑が必須です。その鍵となるのが事業のポートフォリオ・ミックスです。それぞれの事業領域は異なる成⻑曲線を描きます。
国内では、短期的には国内最大の顧客基盤が政策金利の上昇を最大限に取り込み、高い利益成⻑を実現します。一方で、中⻑期的な成⻑に向けては、お客さまと事業を共創し、同時にMUFGが強みを持つ資産運用機能をはじめ、金融機能をさらに強化することで、日本の再成⻑に直接・間接金融両面で貢献していきます。
米州では、投資銀行やプロジェクトファイナンスといった強みに加え、モルガン・スタンレーという強力なパートナーとの提携をより深めていくことで、世界最大の金融市場で安定的に高い成⻑を取り込みます。
アジアでは、各国の中⻑期の高い成⻑とデジタルの急成⻑、双方の成⻑を取り込むべく、出資先と経済圏を築き上げ、MUFGならではのシナジーを創出し、中⻑期的に大きく利益へ貢献します。
こうした事業領域がバランスよく組み合わされているポートフォリオを通じて、持続的な利益成⻑を実現します。次のスライドより、それぞれの戦略の方向性をご説明します。
国内ビジネス
国内ビジネスについてです。スライド左上の法人領域では、リスクテイク力と提案力を高め、グループ一体で高い付加価値を提供し、収益性とスケール拡大の両立を目指します。スライド右上のリテールでは「エムット」の下で展開している施策が順調に進み、個人の新規口座開設数は1.5倍に増加したほか、グループベースの顧客基盤も着実に拡大しています。このモメンタムをクロスセルにしっかりとつなげていき、収益性を高めていきます。
スライド下段の受託財産業務はMUFGの強みであり、今後の成⻑を創る鍵だと考えています。資産運用では、お客さまのニーズを踏まえたアクティブ運用力の強化や、プライベートアセット等の運用ケイパビリティを拡充します。資産管理では、国内での圧倒的な資産管理残高をさらに拡大させつつ、ホワイトスペースであったオルタナティブアドミ事業にも参入し、資産運用立国に貢献していきます。
米州ビジネス
米州ビジネスについてです。スライド左上のとおり、米州の粗利は手数料収益がけん引し、FF金利が上下する中でも着実に収益を伸ばしています。この成⻑の源泉は、O&Dビジネスです。米州No.1を誇るプロジェクトファイナンスをはじめとしたプロダクト組成力や、広範なネットワークを駆使したディストリビューション力はMUFGならではの強みです。
スライド右上をご覧ください。今後は、O&Dビジネスによる手数料収益の倍増を目標とします。オリジネーションでは、主幹事案件の獲得に拘り、効率の良い、手数料収益の獲得を目指します。
スライド右下のディストリビューション力も大きく上昇しており、今後も資産を回転させ、BSに依存しない収益力の向上を目指します。足元、AIデータセンター向けの案件が増加していますが、大型案件の9割は投資家に販売しており、高い収益性の確保とエクスポージャー・コントロールを両立させています。
モルガン・スタンレーとの戦略的提携の強化 – アライアンス2.0
モルガン・スタンレーとの提携についてです。私たちは世界に類を見ないユニークなアライアンスの下、互いの強みを活かし、さまざまな領域で協働してきました。
スライド左上のとおり、今後も互いのネットワークを活かした投資銀行・コモディティ領域の協働加速や、国内でのMS知見のさらなる活用、運用商品のインバウンド・アウトバウンド双方の販売強化を進め、競合他社が提供できない価値を創出していきます。
また、スライド右上のとおり、モルガン・スタンレーのバランスの取れたポートフォリオを通じて、より広い範囲の米国の経済成⻑を取り込めている点も、この提携関係の強みです。
このグローバルにみても極めてユニークなアライアンスならではの成⻑を創り上げていきます。
アジアビジネス
次はアジアビジネスについてです。4月にShriram Financeへの出資が完了し、調達支援やビジネス協働、知見共有など、シナジーの追求に取り組んでいます。その中では、同社の格付改善というかたちですでに実現し始めているものもあります。
高い経済成⻑を誇るインドで、多様な機能を持つMUFGと地場に深く根付いたShriram Financeの強みを活かし、力強い成⻑を実現します。
インドネシアでは、ジャカルタ支店とダナモン銀行を統合し、国内5位の地位を確立します。統合により経営効率を高めながら、それぞれの強みを融合し、さらなる収益性の向上とスケール化を目指します。
また、MUFGとパートナーバンクをつないだ新たな決済ソリューションとして、「MUFG UNITY」をリリースしました。MUFGならではの付加価値を創り、アジアのMUFG経済圏を確立していきます。
成⻑戦略の進化〜成⻑をつかむ
ここから、中計の進捗についてご説明します。まず、成⻑戦略の進化です。国内ビジネスが着実に拡大しているほか、プロジェクトファイナンスやO&Dを中心としたGCIBのビジネスも引き続き進展し、営業純益は23年度比で約4,400億円の増益となりました。
リテール戦略の進捗
国内リテール戦略の進捗です。「エムット」をリリースし、機能刷新や複数のキャンペーンを展開した結果、個人顧客数は8年ぶりに反転し、最大の顧客基盤を有する銀行からグループ各社への送客数も大きく増加しました。
次なるフェーズ2では、デジタルバンクとグループ内で統合した新たなネット証券エンティティが、統一的なUI/UXとAIを活用した一人別提案のもと、高い利便性とお得な資産形成体験を提供し、取引の粘着性を高めていきます。
フェーズ3以降では、AIを活用し利便性を飛躍的に向上させます。また、先日発表したグーグル社との戦略的提携を通じて、MUFGの多様な金融機能を、生活に根付いたサービスの中で展開していきます。こうして「エムット」を生活の中で自然に使われ続ける金融へと進化させ、LTVの向上を目指します。
社会課題の解決〜未来につなぐ
23ページは、社会課題の解決に向けた取り組みの進捗です。MUFGは、社会課題の解決と経済的価値の向上をともに追求し、すべてのステークホルダーにとっての中⻑期的な成⻑につなげます。
今中計では、この取り組みの自分事化を促すため、ワークショップや社内アワードといった施策を展開してきました。その結果、数多くの社員を起点とする取り組みが挙がってきています。
スライド右側は持続可能な社会の実現に向けた進捗です。先日公表したTransition Progress 2026は、移行計画の進捗に焦点を当てています。特に投融資ポートフォリオの排出量削減では、一部の中間目標を見直し、2050年ネットゼロに向けたロードマップにおける5年サイクルのアクションプランを新たに開示しました。不確実性が高い中でも、引き続き経済成⻑と両立可能な脱炭素化を目指していきます。
企業変革の加速〜会社がかわる
AI戦略についてです。スライド左側のAIの業務実装件数は計画を上回るペースで進捗しており、今中計期間の累計投資額は700億円程度、期待効果は400億円近くになると見込んでいます。
アジャイルな組織運営のもと、左下の実装例のようにフレキシブルでスピーディな開発を進める一方、スライド右上のようにAIネイティブな企業への変革に向け、グループ横断の取り組みも進めています。
このように、アジャイル運営とカルチャー醸成を同時に進めることで、AI活用のさらなる活発化を目指します。
また、AIエージェント導入の取り組みも進展しています。昨年度はさまざまな領域で利用できる汎用型のJinbaを実装するとともに、一部拠点にて特化型のAI融資エキスパートを導入しました。業務プロセスの変革に向け、基盤の構築と暗黙知のアセット化を進めています。
経費コントロール
経費コントロールです。インフレや買収による影響もあり、経費額は増加していますが、引き続きビジネス強化は各事業本部の経費率で、基盤強化・システム経費は経費額でそれぞれコントロールしています。また、基盤強化・システム経費においては、スライド左下のように個別KPIを設定し投資効果をモニタリングしています。
なお、中計発表当初の前提に基づいた、金利上昇やインフレ・為替影響を除いた経費率は60パーセントを下回っており、引き続き規律を効かせながらコントロールしていきます。
RWAコントロール
RWAコントロールの状況です。政策保有株式の売却加速により削減が先行していましたが、足元ではコーポレートアクションに伴う資金需要等の取り込みにより、高収益性資産も着実に積み上がってきています。
26年度は低収益性資産の削減を継続しつつ、国内では高まる資金需要を捕捉し、海外ではO&Dビジネスを一層加速することで、ROE向上に資する高収益性資産を積極的かつ選別的に積み上げ、企業価値向上につなげていきます。
政策保有株式の削減
最後に、政策保有株式の削減状況です。25年度末時点では、取得原価ベースで累計4,410億円の売却が完了し、中計期間中の目標7,000億円に対して約6割の進捗となり、純資産に対する比率も20パーセントを下回りました。未売却の売却合意残高を含めると、目標の8割超まで積み上げており、引き続き目標達成に向けて削減を進めていきます。
私からのご説明は以上です。投資家のみなさま、格付機関のみなさまには、一層のご理解とご支援を賜りますよう、今後ともよろしくお願いします。
質疑応答(要旨)1
Q:MUFGの強みと課題、ならびに社長個人の座右の銘を教えてください。
A:MUFGの強みは、顧客基盤やネットワークに加えて、グループ総合力を背景とした多様な事業ポートフォリオであり、これを一層洗練させることが大きな使命だと考えています。
課題としてグループの総合力の観点でまだ一体性を高める余地があり、AIネイティブな企業への変革に向け、さらにスピード感を持ち、グループ横断で底上げを図りたいです。
座右の銘は「一念天に通ず」で、物事に対し強い信念を持ち取り組めば、想いが天に通じ、実現できるという意味です。経営者として強い意志と実現力に拘っていきたいです。
質疑応答(要旨)2
Q:RORA管理をはじめ資本効率と株主還元の両方を重視する経営方針に変化はないでしょうか?
A:大前提として資本運営の基本方針は不変であり、CET1比率のターゲットレンジ運営も継続します。今回は3月末のCET1比率がターゲットレンジ下限を下回りましたが、26年度上期中にレンジ内へ復元できると見通しており、株主還元を重要視していることをしっかり示したいという思いから、1,000億円を上限とする自己株式取得を決議しました。
経営者として、株主還元とRORA・ROE等の資本効率を意識した運営を継続していく考えです。
質疑応答(要旨)3
Q:MUFGが今後目指すROE水準について、半沢社長の考えを教えてください。
A:足元のROE水準は、中長期ROE目標12パーセント程度に接近しつつありますが、グローバルの競合他社との比較では中間的な立ち位置にあり、さらに上を目指すためにはトップバンクの財務指標を意識する必要があります。異なる財務指標やマザーマーケットの金利水準の違いを考慮すると、ROE10パーセント台半ばが1つの目安になると考えています。
この水準を念頭に、時間軸が次期中計か中長期かという点も含め、中計策定の中で検討します。
質疑応答(要旨)4
Q:10年後の収益ポートフォリオに占める各地域の割合や、特に伸ばしたい事業本部について教えてください。
A:日本をマザーマーケットとする金融グループとして、国内の成長をしっかり後押しし、収益ポートフォリオに占める国内の割合を高めたいという強い想いはあります。
一方で、10年後という観点では国内の少子高齢化等の課題を踏まえれば、アジアや米州の方が成長率は高くなるだろうと考えており、結果として収益ポートフォリオの割合においては、アジアや米州が増えていくとみています。
事業本部軸で考えると、受託財産事業本部はMUFGの強みの1つであり、営業純益に占める割合を少なくとも二桁、できれば10パーセント台後半まで引き上げなければならないと考えています。
質疑応答(要旨)5
Q:資金需要の持続性について教えてください。
A:国内外共に資金ニーズは強く、今年度もその傾向は変わらないだろうと考えています。特に国内では、企業のサプライチェーンや事業ポートフォリオの見直しといった動きが当面続くとみています。加えて、これから出てくる資金需要として、AI/DXや、素材分野におけるGX投資、非公開化といった資本ビジネス等の強い動きが想定されます。
MUFGとしては、資金需要全体への対応に加えて、個別の案件の大型化にも工夫しながら対応していきます。
質疑応答(要旨)6
Q:今後は拡大する資金需要に応えることを優先し、総還元性向よりも高い利益成長に伴う配当の引き上げを重視していくのでしょうか?
A:現時点で総還元性向を大きく引き下げることは検討していません。株主還元の重要性はしっかりと理解しており、資金需要への対応や成長投資とバランスをとりながら検討していきます。
質疑応答(要旨)7
Q:国内ビジネスについて、預金が伸び悩む中、拡大する資金需要に対してトップバンクとしてどのような役割を果たしていくのでしょうか?
A:お客さまの成長に伴ってMUFGも成長できるという考えがあり、国内の資金需要にしっかりと応えることは大前提です。調達手段となる預金は、従来と異なり伸び悩む可能性はありますが、グループ総合力でサービスを提供し、お客さまとの中長期的な関係を構築し、預金を積み上げることが基本方針です。
MUFGのリテールビジネスは、個人の一生涯を支える金融機能をグループ一体で提供できる強みを有しており、預金・決済から相続に至るまで切れ目なくサービスを提供することに注力します。そのための大きな戦略が昨年度発表したエムットです。第二弾としてのデジタルバンク等、第三弾としての金融×AIによる進化を実現することで、より利便性・利得性の高いサービス・商品を提供していきます。
一方で、BSに頼らない調達方法の拡充も重要です。具体的には、受託財産事業本部の有するグローバルな投資家とのリレーション等を活用し、案件組成から投資家販売までグループ内で一体的に取り組む、または国内の生損保といったグループ外の会社と協働し、ファンド形態で一緒に取り組むといった選択肢もあると考えています。
質疑応答(要旨)8
Q:26年度のRWA計画について、法人・ウェルスマネジメント事業本部と市場事業本部で増加する背景を教えてください。
A:法人・ウェルスマネジメント事業本部では貸出の伸長を見込みます。昨年好調だったLBOや事業承継、不動産ファイナンス等は今年度も伸びが期待でき、案件も大型化しています。市場事業本部では、今後の金利の不透明感を踏まえてある程度のヘッジポジションを築く必要があるため、一定程度の増加を見込んでいます。
質疑応答(要旨)9
Q:ファンド関連や中東向けのエクスポージャーについて、足元の引当状況の十分性と今後の損失発生リスクを教えてください。
A:各エクスポージャーの残高は総エクスポージャーとの比較では限定的であり、ファンド関連では高い投資適格比率を維持し、中東向けについても十分な引当金を積んでいます。
今後の推移を慎重にモニタリングする必要はありますが、足元のクレジットポートフォリオの状況も踏まえた上で、26年度の与信費用は前年度並みの3,500億円を見込んでいます。
質疑応答(要旨)10
Q:手数料収益の実績が堅調な要因は何でしょうか?
A:O&Dビジネスの推進が大きな伸びにつながっており、手数料の増加トレンド自体は今後も継続すると見込んでいます。25年度は、特に国内外の融資関連手数料、ソリューション収益のほか、買収影響として豪州のMPMS等も手数料収益の伸びに寄与しています。
質疑応答(要旨)11
Q:アジアにおけるMUFGの経済圏と言える状態にする上で、今後どのような連携強化等が必要になりますか? また、その進捗を投資家はどのようなKPIで確認すべきでしょうか?
A:新たな取り組みとして、パートナーバンクと三菱UFJ銀行の決済をシームレスにつなげるサービスである「MUFG Unity」を開始しました。また、商業銀行とデジタル金融事業会社との連携も進めようとしている段階にあります。これらの進捗はまだ十分ではないと理解しており、可能な限り進捗がわかる開示を検討していきます。
質疑応答(要旨)12
Q:半沢社長は、自身の経営者としての強みはどこにあると考えていますか?
A:企画や調査のキャリアが比較的長く、複数の統合にも関与してきた経験から、さまざまな環境変化に対し大局観をもって分析を行い、将来を見据えた戦略を策定し、実行に移してきました。この力をグループCEOとしての立場においても発揮していきたいです。
質疑応答(要旨)13
Q:1年から2年後のCET1比率の水準のイメージを教えてください。
A:26年度上期中にターゲットレンジ下限まで復元し、利益蓄積と成長投資のバランスをとりながら年度末にはレンジ下限プラス10bpsから20bps程度まで上昇させるイメージを持っています。2年後の具体的な水準感は、次期中計の策定を通じて検討していきます。
質疑応答(要旨)14
Q:例年の傾向ではトレーディング収益が上期のドライバーになってきましたが、利益蓄積によるCET1比率の復元見通しも含め、今年度はどのような想定でしょうか?
A:市場事業部門の利益計画も踏まえた上で、ターゲットレンジ下限まで復元できる見通しの下で上期の1,000億円の自己株式取得を決定しました。
質疑応答(要旨)15
Q:CET1比率の為替感応度を確認したいです。
A:昨年度に実施した為替ヘッジの結果、足元の資本の為替感応度は抑制されています。
質疑応答(要旨)16
Q:グローバルトップバンクに伍する株主価値は、時価総額とROEで目指すのかを確認したいです。また、目指す上でどのようなビジネスモデルを想定しているのでしょうか?
A:資本効率とボリュームの観点でROEと時価総額が大きな柱だと考えています。具体的な
到達点はまだ定めていないものの、地域面で日本・米国・アジア、事業面で商業銀行・投資銀行・受託財産の各比率をどのように組み合わせるかが重要だと考えています。
特に、より高いROE水準の実現にあたっては、全体に占める受託財産ビジネスの収益割合の引き上げが重要な課題の1つであり、次期中計に向けてしっかりと議論していきます。
質疑応答(要旨)17
Q:アジアの出資先について、選択と集中を加速するフェーズに入っているのでしょうか?
A:アジアの中でも国によって成長の度合いや金融市場の環境がまったく異なります。足元では、国別の戦略をしっかりと作り上げることに着手しており、その過程で、さらなる成長のためにリソースを追加配賦する場合と、その国の成長力や競争力の観点でこれ以上の成長が見込めないためダイベストメントを検討する場合とを、精緻に議論していきたいと考えています。
質疑応答(要旨)18
Q:次期中計に向けて、CET1比率のターゲットレンジを引き上げる検討を行っているのでしょうか?
A:12パーセントより高いROEを目指す上では、リスクアペタイトを高め、それに応じて自己資本の水準も引き上げる必要があると考えています。目指すROEと自己資本のバランスについては、来年度の中計発表のタイミングでしっかりとご説明します。
質疑応答(要旨)19
Q:政策保有株式の削減がさらに進むことを期待していますが、足元の考え方を教えてください。
A:政策保有株式の削減は重要な経営課題であり、まずは今中計期間の売却目標である7,000億円の達成を目指します。足元の売却進捗率は未売却の売却合意残高まで含めれば8割超であり、今後もお客さまと丁寧なコミュニケーションを心掛けながら売却を進めていきます。その先の目標については、次期中計に向けて検討を進める中でしっかりと議論を深めていきます。
昨年度は、7,000億円の売却目標の対象外であるみなし保有株式の売却が相応に進んだ側面もあり、連結純資産に対する時価残高の比率は低下しています。
質疑応答(要旨)20
Q:受託財産ビジネスにおける今後の注力領域を教えてください。
A:資産運用・資産管理の双方において、全体の底上げと新たな領域への対応を進めていきます。資産運用領域ではこれまで十分に取り組めていなかったプライベートアセット等への対応を強化していきます。資産管理領域では、国内オルタナティブファンドのアドミニストレーション業務にも新たに参入しており、今後拡大の余地があると認識しています。
※質疑応答部分は、企業提供の要旨になります。