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ウェルネオシュガー、東洋精糖合併で機能性素材事業を拡大 Sugarセグメントの利益目標を99億円へ上方修正

2026年3月期決算・中期経営計画説明会

仲野真司氏:みなさま、こんにちは。ウェルネオシュガー株式会社代表取締役会長の仲野です。本日は、当社の2026年3月期決算および中期経営計画説明会にご参加賜り、誠にありがとうございます。開会にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

みなさまご高承のとおり、当社グループでは一昨年の日新製糖・伊藤忠製糖との合併、昨年の第一糖業との合併、そして本年10月に予定している東洋精糖との合併と、3年連続の企業結合に伴う3階建てのPMIを同時並行で推進中です。

こうした相次ぐ統合の中で、私たちは単なる会社の結合ではなく、新しい1つの会社を作るという共通ビジョンのもと、現場力の向上を大切にしながら、事業運営と組織作りを推進してきました。

規模が大きくなるほど基盤整備や課題対応の難易度は上がります。しかし、その困難に真正面から向き合い、現場のリーダーをはじめとする役職員一人ひとりが当事者として動いてきたことが、今日の進捗を支えています。

特にコア事業であるSugarセグメントでは、さまざまな課題を乗り越えながら、「One WELLNEO」としての共通基盤作りが着実に進んできました。ここで培った経験と実行力は、今後の成長に向けた大きな財産です。

次の重要なステージが、Food & Wellnessセグメントにおける東洋精糖との合流です。

機能性素材の領域は多様性に満ちており、「One WELLNEO」への道のりはSugarセグメント以上に平坦ではないかもしれませんが、その人材と素材の多様性こそ、私たちの可能性の宝庫です。

Sugarセグメントで培った「One WELLNEO」の経験値を存分に活かし、10月の正式な合流に向けた準備を一段と加速させていきます。

当社が推進する人的資本経営およびサステナビリティ経営では、現場の自律性とオーナーシップが重要な柱となります。

組織が拡大するからこそ、権限移譲と役割分担を推進し、それぞれの現場が自ら考え挑戦できる環境を整備すること自体が、個々のメンバーの成長を組織パフォーマンスに繋ぎこんでいく、当社の人的資本経営の推進力になっています。

サステナビリティについても同様です。やらされる取り組みではなく、一人ひとりがその必要性を理解し、自らの意思で実行する文化を根づかせていきます。そのために、組織横断的な分科会活動なども活用し、実効性のある施策に結びつけています。

こうした取り組みのすべてが、新しい会社を一体化させていく重要なプロセスとなっています。本年10月にはこれらの活動に東洋精糖も正式に加わり、当社グループの新しい会社作りは次なるステージへと進んでいきます。

私たちは、この変化を成長の機会と捉え、力強く前進を続けていきます。本日は、当社の2025年度の成果および今後の取り組みについて、ぜひ最後までご清聴いただけますよう、よろしくお願いいたします。

(1)2026年3月期決算 -概要-

大場健司氏(以下、大場):執行役員財務部担当の大場です。2026年3月期決算および2027年3月期予想についてご説明します。2026年3月期連結決算についてです。

なお、当社は国際財務報告基準(IFRS)を適用しており、これからご説明する財務数値も同基準に基づく表記を行っています。2026年3月期の決算では、売上収益、営業利益以下の各段階利益ともに、前期を上回る結果となりました。

2025年3月期末より東洋精糖を連結したことにより、売上収益は前期比158億3,400万円増収の1,129億400万円、営業利益は21億1,800万円増益の103億2,400万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は7億2,500万円増益の64億7,200万円となっています。

2026年3月期は脚注に記載しているとおり、Sugarセグメント、Food & Wellnessセグメント、持分法適用会社それぞれについて、減損損失などの一過性費用を計上しました。

(1)2026年3月期決算 -業績要因分析(営業利益の増減理由)-

営業利益の詳細についてご説明します。スライドは、当期の営業利益ウォーターフォールチャートです。グラフは左から2025年3月期の営業利益、セグメントごとの変動要因、2026年3月期の営業利益を示しています。

Sugarセグメントでは、2025年11月に販売価格を引き下げました。一方で、東洋精糖の連結や当社独自製品「きび砂糖」の出荷好調により、営業利益は前期比17億6,100万円増加しました。

Food & Wellnessセグメントの営業利益は、合計で前期比1億3,500万円の増益となっています。

フードサイエンス事業では、機能性素材生産拠点の1つである美浜バイオプラントの本稼働に伴い固定費が増加しました。一方で、フィットネス事業では減損損失計上額が前期を下回り、Food & Wellnessセグメントの合計として増益となりました。

(1)2026年3月期決算 -キャッシュ・フロー計算書-

キャッシュ・フロー計算書のポイントは2点です。

1点目は、投資活動によるキャッシュ・フロー区分で、精製糖事業における更新投資やフードサイエンス事業における新規投資として、45億6,000万円の固定資産取得支出を計上したことです。

2点目は、財務活動によるキャッシュ・フロー区分で、短期借入金の純減額58億円を支出として計上し、現金および現金同等物の期末残高が減少したことです。

(1)2026年3月期決算 -財政状態計算書-

2026年3月期の財政状態計算書では、短期借入金の返済により流動資産と流動負債が減少し、有形固定資産の取得などにより非流動資産が増加しました。

(1)2026年3月期決算 -市況動向-

スライドは、海外原糖市況および為替相場の2026年3月期の状況、ならびに最近5年間の状況を記載しています。粗糖先物相場および為替相場の市況感応度についてご説明します。

粗糖先物相場が1セント変動した場合には約7億円の利益影響額があり、為替相場が1円変動した場合には約1億円の利益影響があると認識しています。

(2)2027年3月期予想 -概要-

2027年3月期の予想についてご説明します。2027年3月期は、引き続き採算を重視した経営に努めますが、中東情勢の悪化によるエネルギーコスト、包装材料、物流費などのコスト上昇を見込んでいます。売上収益は1,100億円、営業利益は92億円の減収減益見通しです。

(2)2027年3月期予想 -業績要因分析(営業利益の増減理由)-

営業利益減益のポイントについてご説明します。スライドは、2027年3月期予想における営業利益のウォーターフォールチャートです。

Sugarセグメントでは、採算を重視した販売を行いますが、エネルギーコストの増加や統合効果を推進するDX投資の実施などによるコスト増加の影響が大きく、前期比で14億8,400万円の減益を見込んでいます。

フードサイエンス事業では、美浜バイオプラントにおけるサイクロデキストランの生産本稼働による固定費の増加はあるものの、フィットネス事業において前期減損損失を計上していた影響から、Food & Wellnessセグメント全体で前期比4億8,100万円の増益を見込んでいます。

2026年3月期決算および2027年3月期予想に関するご説明は以上です。

(1)中期経営計画 WELLNEO Vision 2027 -定量目標-

山本貢司氏:みなさま、こんにちは。代表取締役社長の山本です。

本日は、ご足労いただいた会場の参加者のみなさま、ならびにライブ配信をご視聴いただいているみなさま、ご多用の中お時間を割いていただき、誠にありがとうございます。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。

私からは、折り返しを迎えました中期経営計画「WELLNEO Vision 2027」についてご説明します。定量目標について、2026年3月期実績と2027年3月期予想は、大場より説明しましたので割愛し、2028年3月期の最終年度に焦点を当ててお話しします。

営業利益に持分法による投資損益を加えた金額は101億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は70億円、ROEは9パーセントとなっています。これらの数字に変更はなく、目標達成に向けて着実に進捗していると理解しています。

今回変更したのは、営業利益および持分法による投資損益の内訳です。Sugarセグメントは90億円から99億円に上方修正し、Food & Wellnessセグメントは24億円から15億円に下方修正しています。

Sugarセグメントについて、先ほど大場からも説明があったとおり、エネルギー、物流、包材の各コストの上昇により、2027年3月期は一時的に下がる見込みです。しかし、最終年度には統合シナジーの発揮もあり、当初計画比で9億円増加し、99億円としています。

Food & Wellnessセグメントについて、2年前に中期経営計画を策定した際には、24億円という挑戦的な数字を掲げました。その後、フードサイエンス事業の収益化の遅れ、関係事業会社のターンアラウンドの遅れ、さらに現段階ではM&A案件が具体的に進んでいないという状況になっています。

フードサイエンス事業については、各機能性素材の販売数量は増加しているものの、大型設備投資による減価償却費が重く、利益貢献には至っていない状況です。

昨年から東洋精糖の機能性素材部門が加わり、今年10月に完全合併を予定しています。後ほど詳細をご説明しますとおり、両社の機能性素材部隊が融合した後の組織設計などの自己基盤強化を優先した結果でもあります。

当社は他社買収を経て変化の途上にあり、ここ数年は準備段階のステージを上書きし続けているような状況です。フードサイエンス事業についてはまだ利益貢献には至っていませんが、将来の利益を稼ぐための仕組みの構築は着実に進んでいると理解しています。

(1)中期経営計画 WELLNEO Vision 2027 -重点戦略-

重点戦略についてご説明します。スライドの4つの戦略は変わっていません。一番強調したいFood & Wellnessの事業拡大はスライド4ページ、Sugarの基盤強化は2ページ、人的資本経営の推進とサステナビリティ経営の推進は1ページずつ、合計8枚のスライドが続きます。

(2)重点戦略①Food&Wellnessの事業拡大|フードサイエンス事業の概要

当社のフードサイエンス事業は、長年培ってきた糖に関する深い知見を基盤とし、これにより開発された糖由来の機能性素材や糖転移技術をコア領域と位置付けています。

当社単体の機能性事業を機能性素材事業、ツキオカフィルム製薬やツルヤ化成工業などの関連会社を含む同領域全体をフードサイエンス事業と称しています。事業領域は拡大しており、フードに限らない分野も含まれるようになっていますが、この点についてご理解いただければと思います。

ヒト向けとモノ向けに分けてご説明します。

ヒト向けとは、ヒトに対して生理的な機能性を付与する素材を指します。この中には、ルチンやヘスペリジンといったポリフェノール素材、オリゴ糖などのフローラデザイン素材、グリセリルグルコシドに代表される医薬・化粧品素材が含まれます。

当社の子会社であるツキオカフィルム製薬は、医薬品や健康食品に用いられる可食フィルムの製剤と加工機能を担っています。

モノ向けとは、モノに対して物性改善機能を付与する素材を指します。食品添加物として、食品の品質や呈味、食感を改善する素材として、高甘味度甘味料や糖由来甘味料を展開しています。

ルチンやヘスペリジンといったポリフェノール素材や、オリゴ糖などのフローラデザイン素材は、ヒト向けおよびモノ向けの両面で活用が期待される素材であり、その多様な可能性を追求しながら事業拡大を図っていきます。

(2)重点戦略①Food&Wellnessの事業拡大|機能性素材事業の新組織体制構築

機能性素材事業における新組織体制についてご説明します。

これまで当社では、機能性素材領域を担う組織としてネオ機能性素材部を設置し、事業の拡大を図ってきました。2026年10月に東洋精糖を吸収合併すると同時に、本事業領域を主管とする組織を機能性素材本部として本部へ格上げし、グループ全体の知見を効果的に結集できる組織体制とする予定です。

旧組織との隔たりを可能な限り解消し、1つの組織として機動的に動ける体制を整えるべく、戦略企画部、営業部、研究開発部、生産部、新工場プロジェクト推進室からなる、4部1室体制とします。

東洋精糖の買収後、統合プロセスにおいて、特に各社に分散していた機能性素材に関する知見や技術を結集することは、大きな挑戦でした。異なる企業文化や長年培われた研究開発のアプローチ、多様な専門性を持つ人材の融合には、想像以上の時間と労力を要しました。

2026年10月の新組織立ち上げにより、各社で培われた深い専門知識やノウハウを統合し、研究開発から事業戦略、市場投入までを一貫して推進することで、意思決定の迅速化に加え、リソースの最適配分を実現します。

人員を現在の30名から80名へと大幅に増強し、機能性素材事業に特化したプロフェッショナル集団を形成していきます。

拠点の集約も進めており、第1弾として2026年度中に東洋精糖の研究開発組織を美浜バイオプラントへ移管する予定です。研究開発の効率化と生産現場との連携強化を目的とした戦略的な配置であり、開発スピードの向上にも寄与します。

ただし、組織の箱を設けるだけで成功するわけではありません。新しい体制を最大限に活用し、真の価値を創造していくのは、これからの私たち自身の努力とチームとしての協働にかかっています。

社員一人ひとりがビジョンを共有し、新たな挑戦を続けることで、ウェルネオシュガー独自の機能性素材を市場に送り出し、社会のウェルビーイングに貢献していきます。

直近に実施した主な施策についてです。CI(サイクロデキストラン)の設備増強については、次のスライドで詳しくご説明します。

研究開発面の成果については、2026年4月にCIが機能性表示食品として正式に受理されました。2025年の機能性表示食品制度の改正に伴い、当初の想定よりも時間がかかりましたが、これを皮切りに、CIのさらなる認知度向上や各種メーカーへの積極的な販売活動を継続していきます。

(2)重点戦略①Food&Wellnessの事業拡大|機能性素材の製造拠点整備

当社の機能性素材の製造拠点についてご説明します。事業の成長には、安定した供給能力と効率的な製造体制が欠かせないため、当社は製造能力の拡張、供給の安定化、人員体制の効率化を目指し、戦略的に製造拠点の整備を進めています。

東洋精糖の新工場建設についてご説明します。

東洋精糖では、ルチンやヘスペリジンなどの機能性素材に対する旺盛な需要を背景に、現在の千葉工場の製造能力が限界に達しています。加えて、老朽化が進行しているため、今後のさらなる成長に対応する目的で千葉県佐倉市に新工場を建設中です。

すでに着工しており、順調に進めば2027年4月に稼働を開始する予定です。新工場の稼働により、製造能力は現在の千葉工場と比較して約2倍から3倍に拡張される計画です。

現千葉工場が担っていた各種機能は、2027年度以降に新工場および美浜バイオプラントに順次移管を進める予定であり、全体として最も効率的な生産体制を構築していきます。

千葉県内に集約された生産拠点が連携することで、サプライチェーンの最適化が図られ、研究開発から生産までの一貫体制をより強化していきます。

美浜バイオプラントについてご説明します。当プラントでは、当社の機能性素材事業における中核拠点として、能力を大幅に強化しています。2025年4月にはガラクトオリゴ糖の生産を開始し、2026年4月にはCIの生産を沖縄ラボから美浜バイオプラントへ本格的に移管しました。

これにより、製造能力を従来の10倍に拡張し、高まる需要に対応できる体制を整えました。なお、沖縄ラボについては、製造から研究開発へと役割を変更し、研究開発に特化した拠点として活用を検討しています。

これらの製造拠点整備は、ウェルネオシュガーが糖を起点とした機能性素材を成長の原動力として、将来にわたる持続的な成長を実現するための重要な投資です。この盤石な生産基盤が、当社のフードサイエンス事業の今後の飛躍を確実にする重要な要素です。

(2)重点戦略①Food&Wellnessの事業拡大|フードサイエンス事業の目指す姿

フードサイエンス事業の目指す姿についてご説明します。スライドの一番上に記載された大きな目標として、当社は「日本を『糖』を起点とする機能性素材・技術の先進国にする」という目標を掲げます。

当社事業の原点は、長年にわたる砂糖の製造と開発にあります。日新製糖、伊藤忠製糖、第一糖業、東洋精糖は、糖に対する深い知識と技術を追求してきました。

砂糖を単なる甘味料にとどめず、その多様な構造や機能、さらには人体への作用などに関する知見を深めながら、私たちは糖由来機能性素材や糖転移技術といった新たな領域へ事業を拡大してきました。

私たちの強みは、糖を起点とした事業展開にあります。それが共通の原点であり、単なる素材部門の寄せ集めではない強さを持っていると考えています。

スライド中央の図が示すように、糖にはまだ多くの潜在的な可能性があり、砂糖、糖転移技術、糖由来機能性素材を中心に研究を深めていき、砂糖屋にしか開発できない素材・技術を、今後も世の中に送り出していきたいと考えています。

東洋精糖の加入により、当社が強みとしていたオリゴ糖やサイクロデキストランといったフローラデザイン素材に加え、新たにルチンやヘスペリジンというポリフェノール素材が加わりました。

これにより、さまざまな健康ニーズを抱える顧客に対して、より幅広い選択肢を提供できるようになりました。スライド右側の図のとおり、ヒト向けには機能性食品素材としてその健康をサポートする素材を提供しています。

例えばヘスペリジンは、血管を健やかに保ち血流を促進することで、顔や手足のむくみ感を減少させます。サイクロデキストランはプラーク形成抑制効果により、手軽に口腔ケアをすることができます。

モノ向けには主に食品添加物として、食品の品質改善や価値向上に貢献しています。例えば、ルチンはヒト向けには眼精疲労の軽減といった機能がありますが、同時に古くから食品添加物として、食品の色調を保持する退色防止剤として使用されています。

ゆずポリフェノールは、果物の風味をより豊かに感じさせる果汁感の向上効果により、商品の味を向上させるだけでなく、使用する果汁量を減らすことでコスト削減にもつながります。

これらの素材の掛け合わせの可能性について、スライド左側の図に一例を示しています。オリゴ糖などのフローラデザイン素材は腸内で善玉菌を選択的に増殖させ、良好な腸内環境を形成します。

その良好な腸内環境下で、抗酸化・抗菌作用を持つポリフェノールが腸内細菌によって分解され、活性代謝物となります。これが働きかけることで、腸管バリア機能の向上につながります。

機能性食品素材市場は2,500億円、食品添加物市場は約1兆3,000億円と非常に大きな市場です。私たちは糖を起点とする独自のアプローチにより、この市場で確固たる地位を築けると確信しています。

私たちは、糖の無限の可能性を追求し、新しい素材や新たな用途・技術、さらには素材の掛け合わせによる相乗効果の研究開発をさらに深化させ、お客さまのニーズに応えるだけでなく、まだ見ぬおいしさと健康の未来を創造していきたいと考えています。

(3)重点戦略②Sugarの基盤強化|全5工場による安定供給体制の強化

Sugarの基盤強化についてご説明します。砂糖消費量は、2000年以降の25年間で約20パーセント、約50万トン減少しています。その影響を受け、精糖業界では統合や工場の集約が進行中です。また2000年と比較すると、工場数は9工場減少し、メーカー数も9社減っています。

今年10月にDM三井製糖が関門製糖による生産を終了すること、また当社が東洋精糖を吸収合併することで、工場とメーカーがそれぞれ1つずつ減少する状況となります。

スライド右側の工場マップには現時点での10工場が記載されていますが、東洋精糖の子会社化により太平洋製糖がグループに加わったことで、このうち半分の5工場が、共同生産工場を含めた当社の生産拠点となり、全国をカバーする体制が整っています。

ここ数年の砂糖消費量は、インバウンド需要や加糖調製品からの切り替えなどにより横ばい傾向にありますが、今後再び減少傾向に戻る場合には、生産拠点の集約化も将来的に検討する必要があります。

しかしながら、足元ではイラン情勢に端を発した資材・包材・エネルギーの確保において不安定な状態が続いており、このような有事における総合的な対応力の重要性をあらためて痛感しています。

(3)重点戦略②Sugarの基盤強化|生販最適化によるシナジー拡大

営業利益貢献について、当初掲げていた15億円に対し、現時点で12億円を達成しています。一つひとつの施策についてのご説明は割愛しますが、このような取り組みを通じて、中期経営計画の目標である15億円を達成したいと考えています。

(4)重点戦略③|人的資本経営の推進

人的資本経営の推進についてご説明します。当社は、経営統合のシナジーを最大化し、新たな価値を創出し続けるため、社員の挑戦を事業成長へつなげることを人的資本経営の本質的な目的と位置づけています。

1つ目は、挑戦する文化の醸成です。2026年度には、これまでの土台の上に挑戦を称賛する文化を完全に定着させます。

2つ目は、個の成長・自律の促進です。1on1や社内公募制を通じて個々の成熟を促し、事業の強化に直結させていきます。

3つ目は、人的資本の可視化です。データ基盤を活用し、戦略的な人材配置と育成を加速します。

これら施策の成果を測る主要KPIについても着実に進展しています。スライド下部の数字をご確認ください。一方で、男女賃金格差は改善途上にあり、引き続き取り組みを強化していきます。

激変する環境下において、当社の競争力の源泉は人に他なりません。当社は働きがいと働きやすさの両立を図ることで、多様な人材から選ばれる企業を目指し、人的資本経営を力強く推進していきます。

(5)重点戦略④|サステナビリティ経営の推進

サステナビリティ経営の推進についてご説明します。当社グループでは、「SUSTAINABLE VISION 2030」のもと、5つのマテリアリティに取り組んでいます。

持続可能な社会の実現に向けた課題への対応として、グローバルな取り組みと歩調を合わせながら、バリューチェーンにおける人権リスクの低減や温室効果ガス排出量削減に向け、中期目標とともにアクションプランを策定し、社会的責任を果たしていきます。

当事業年度については、従来、執行役員を主要メンバーとするサステナビリティ推進委員会と各業務執行部門を中心に推進してきた体制を、サステナビリティ推進委員会の傘下にマテリアリティ別に設置した5つの分科会による活動を本格化させることで、全社横断的な推進体制へ移行しました。

分科会では、マテリアリティと関係の深い部署や活動に関心を持つメンバーが、さまざまな視点から活発に議論を交わし、具体的な施策やKPIを検討・策定しています。

すでに中期目標の達成に向けた新たな施策も実行されるなど、推進力強化の効果が見られ始めています。引き続き、組織や階層の垣根を越えた取り組みである分科会活動を盛り上げ、当社グループのサステナビリティ経営を着実に推進していく考えです。

(1)資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応

大場:当社では、資本コストや株価を意識した経営として、株主資本コストを超える水準のROEを継続的に実現するための取り組みを進めています。Sugarセグメントにおいては、ROIC経営を実践し、資本効率を重視した活動を推進しています。

さらに、Sugarセグメントで得られた原資を活用し、成長分野であるフードサイエンス事業への積極的な投資を行うとともに、高水準の株主還元を引き続き維持するなど、資金を適切に配分していきます。

先日公表しましたとおり、株式会社格付投資情報センターより、信用力が高い評価を意味する「A-」格付を取得しました。「A-」以上の評価を維持することで、財務健全性を保ちながら、資金調達方法として従来の借入に加え、社債発行も選択肢の1つに加え、最適資本構成の実現に向けて有利子負債の活用を検討します。

スライド右側には、最近5年間の指標が記載されています。最近の2年間では、ROE・株主資本コスト・スプレッド、およびROIC・WACCスプレッドはいずれもプラスであり、資本コストを上回る収益性を確保しています。PBRについても1.2倍へ改善しました。

(2)取組み①|ROIC経営の実践

当社では、収益性の向上と投下資本効率の改善に向けて、ROICツリーを活用して検討を進めています。特にSugarセグメントでは、販売価格や原料調達における市場優位性などのKPIを定期的に把握・協議し、収益力向上の取り組みを推進しています。

投下資本に関しては、全社的な在庫最適化の取り組みを通じて、持続的な企業価値の向上を目指します。今後の展開として、Food & WellnessセグメントにおいてKPIを設定し、収益率向上に取り組んでいきます。

(3)取組み②|キャッシュアロケーション

中期経営計画2年目にあたる2026年3月期までの2期間累計では、Sugarセグメントの安定操業に向けた設備投資をはじめ、東洋精糖の株式取得やフードサイエンス事業における美浜バイオプラントの本稼働に向けた投資を行いました。

中期経営計画3年目にあたる2027年3月期には、Sugarセグメントのエネルギー効率化を目的とした設備投資や、東洋精糖フードサイエンス事業における新工場に関連する設備投資などを予定しています。

スライド右側の表は、2024年5月に公表した当初の中期経営計画における4期間累計のキャッシュアロケーション計画を示しています。

投資総額は約270億円から420億円としています。中期経営計画の最終年度に向けて残りの投資枠を、フードサイエンス事業のさらなる成長に向けて、M&Aを含めた成長投資に積極的かつ戦略的に活用していきます。

毎年約100億円前後の営業キャッシュ・フローを見込んでいますが、成長投資に必要な資金については、借入金を適切に活用し、資本コストの低減を図りながら最適な資本構成を実現していきます。

引き続き、営業キャッシュ・フローの創出力を高め、成長投資と株主還元のバランスを考慮した資金配分を実行していきます。

(4)取組み③|株主還元

当社は、連結配当性向60パーセント、または親会社所有者帰属持分配当率3パーセントのいずれか大きい額の配当を実施することを基本方針としています。

2026年3月期の年間配当額は、Sugarセグメントにおける増益の影響により、中間配当54円、期末配当65円の合計119円となる予定です。

2027年3月期の年間配当額は、連結配当性向60パーセントに基づき、1株当たり年間119円を見込んでいます。なお、配当以外にも株主優待として、保有期間に応じた自社製品をお届けしています。

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