会社概要
岡野帝男氏:みなさま、こんにちは。代表取締役社長の岡野です。本日は株式会社北川鉄工所の2025年度決算説明会にお越しいただき、ありがとうございます。さっそく説明に入ります。
はじめに会社概要です。当社は1918年に創業し、100年を超える歴史を持つ企業です。2026年3月末時点でグループ合計の従業員数は2,221名、単独では1,412名となっています。詳細は後ほどご説明します。
当社の組織体制
当社の組織体制です。工作機器事業、産業機械事業、金属素形材事業の3つの大きなカンパニーがあります。そして、半導体関連事業として北川グレステックがあり、その他事業として特殊な工作機械事業を行っている部署もあります。このように、大きく5つの部門で事業を展開しています。
セグメント別売上高比率
セグメント別の売上高比率です。3つのカンパニーの売上高が全体の約90パーセントを占めています。半導体関連事業は、2023年に2社のM&Aを実施し、2024年4月に正式に北川グレステックという会社に変わりました。売上高は約18億円となっています。
工作機器事業 キタガワ グローバル ハンド カンパニー
個別にカンパニーの事業内容をご説明します。まず、工作機器事業を担うキタガワ グローバル ハンド カンパニー(KGh)です。素材を固定するワークホールディングの開発・製造・販売を手掛けており、「つかむ、把握する」というコア技術をベースとした製品展開を行っています。
事業の強みとして、高精度・高耐久の旋盤用チャックが国内シェアの約6割を占めています。国内の旋盤メーカー機には標準で搭載されており、品質に裏付けされた世界的なブランド力を持っています。販売網は、現在全世界40ヶ国、60拠点に広がっています。
また、その他の工作機器として、NC円テーブル、パワーバイス、ロボットハンドなどを展開しています。
産業機械事業 キタガワ サン テック カンパニー
次に、産業機械事業についてです。キタガワ サン テック カンパニー(KST)では、コンクリートプラント、建設機械(主にクレーン)、環境関連機器、立体駐車場の開発・製造・販売を行っています。
コア技術に関しては、コンクリートプラントでは「練り混ぜる」、クレーンでは「巻き取る」「つり上げる」をベースとした製品展開を行っています。特に、コンクリートミキサー「ジクロスネオ」という特殊な練り機がユーザーから好評を得ており、現在も販売しています。
事業の強みは、コンクリートプラントについては高い練り技術とレイアウトの自由度で、国内シェアは30パーセントを占めています。
建設用クレーンの「ビルマン」は、東京都内でもよく見かけるものです。人が乗るタイプと、マンション建設などで使用される無人タイプがあり、無人タイプでは80パーセントから90パーセントが当社の製品です。中小型クレーン全体を合わせると、国内シェアは60パーセントとなっています。
スライド右下の画像のような立体駐車場は「スーパーロングスパン」と呼ばれ、17メートルの間に柱がない構造となっています。すでに特許を取得しており、高齢者や女性でも駐車しやすい立体駐車場を開発し、拡販を進めています。非常にニーズに合った商品だと考えています。
金属素形材事業 キタガワ マテリアル テクノロジー カンパニー
次に、金属素形材事業です。キタガワ マテリアル テクノロジー カンパニー(KMT)の事業概要は、金属素材・鋳造技術の開発、鋳造品の製造・販売で、素材の製造から加工まで一貫体制で製品を供給しています。
国内外に生産拠点を持ち、本社のある広島県府中市のほか、近隣の福山市、さいたま市大宮区、海外ではメキシコにも工場を有しています。売り先は大手自動車メーカーや、建設機械・農業機械のメーカーです。
事業の強みは、硬度や形状など高難易度の部品を量産できる技術力、高度な品質管理と安定した供給能力です。加えて、当社が独立系で特定のメーカーに属していないことが、さまざまなメーカーへの製品供給を可能にしています。
現在の売上構成比は、スライドに記載のとおり、自動車部品が52パーセント、建設機械・農業機械が48パーセントで、ほぼ半々の比率です。
半導体関連事業 北川グレステック
半導体関連事業です。2024年にケメットジャパンとシステム精工を合併し、北川グレステックを設立しました。主に半導体およびハードディスク向け製造装置・研磨消耗品の製造・販売を行っています。ウエハを研磨する際の溶剤も国内で調合し、納品しています。
この事業の強みとして、世界初のハードディスク自動研磨装置の開発に成功した技術とノウハウ、「削る」「磨く」「運ぶ」「洗う」「見る」の各工程において世界レベルの技術力を持っています。
また、自動化、省人化ラインをオーダーメイドで提供可能で、ハードディスク用磁気ディスクの自動研磨装置では世界シェアの8割を占めています。現在はハードディスク自体の需要が非常に落ちてきていますが、データセンターなどでは高容量のハードディスクが求められており、その分野では今後の成長が期待されます。
連結決算概要
決算報告に移ります。先日すでにみなさまには決算報告を行っているため、概要のみご説明します。売上高は、産業機械事業の増収を主因に前期比11億3,500万円増の584億1,500万円となりました。営業利益は、産業機械事業並びに金属素形材事業の収益性改善を主因に前期比8億1,600万円増の26億8,800万円です。
最終的な親会社株主に帰属する当期純利益は、タイ工場撤退に伴う土地売却や、東京工場近くの社宅売却による固定資産売却益により、前期比18億8,200万円増の31億2,800万円となり、決算は増収増益で終えることができました。
セグメント別業績
セグメント別業績です。注目いただきたいのは産業機械事業です。前期比で売上が約20億円、営業利益が11億3,800万円増加しました。この増加分が、他のカンパニーや半導体事業などで減少した部分をカバーしています。
個社別では、工作機械事業が増収減益、産業機械事業が増収増益、金属素形材事業が減収増益となっています。こちらについては後ほど詳しく説明します。半導体関連事業は減収減益となりました。これは、ハードディスク機械装置の大型受注が終了したことによるものです。
KGhカンパニー 市況状況
KGhカンパニーの市況状況です。スライドのグラフは日本工作機械工業会が発表したものです。内需(国内)と外需(海外)がありますが、内需はほぼ横ばいで、外需が大きく増加しています。受注総額も増加しつつあります。
特に工作機械業界は景気の波を大きく受ける業界ですが、現時点では上昇基調にあります。日本工作機械工業会では、今年度の受注総額目標を1兆6,000億円としています。足元の状況について話を聞いたところ、1兆7,000億円から1兆8,000億円、さらに大きく見れば2兆円に達すると予測する声もあります。
KGhカンパニー 決算概要
KGhカンパニーの決算概要です。売上高は前期比8億3,900万円増加し、98億7,000万円となりました。ただし、営業利益は前期比2億円減少し、2億2,100万円となっています。
特に国内では、自動車産業の減速によりデザインチャックの販売が伸び悩み、前期並みの水準にとどまりました。一方、海外ではインドや中国向けの受注が増加し、20パーセントの増収となりました。
日本工作機械工業会の数値からもわかるように、海外の需要が高まっていることを反映した結果であり、増収ではあるものの減益決算となりました。
KSTカンパニー 市況状況
次に、KSTカンパニーの市況状況です。スライドは全国の生コン出荷量とコンクリートプラントの販売額の推移を示しています。特に生コンの出荷量は、以前は8,700万立米程度でしたが、現在は6,000万立米前後と、コンクリート自体の出荷量が大きく減少しています。
一方で、金額ベースでは右肩上がりの推移を見せています。その理由として、セメントの単価上昇が挙げられます。現在、東京では1立米あたり約3万5,000円と推測されますが、以前はかなり安価だったのではないかと見ています。
したがって、業界全体で出荷量は伸び悩むものの、生コン単価の引き上げによって市場が維持されている状況です。
KST カンパニー 市況状況
全国建設投資の推移です。建設投資は76兆円とコロナ禍以降で増加しています。ただし、土木は26兆円でほぼ横ばいです。建築は49兆円で、資材の高騰も影響し増加していると考えられます。
KSTカンパニー 決算概要
KSTカンパニーの決算概要です。売上高は220億300万円で前期比19億9,900万円の増収、営業利益は28億600万円で前期比11億3,800万円の増益となりました。
具体的に大きく3つの事業に分けてみると、コンクリートプラント事業は前期比25.1パーセントの増収となりました。旺盛なプラント建替え需要に加え、前期から期ずれで反映された物件の売上が増収に寄与しました。また、利益率の高いメンテナンス需要が好調に推移し、営業利益にも貢献しています。
荷役機械事業は、特にクレーンが前期比11.3パーセント増加しています。期末にかけてクレーンの受注が好調に推移し、検収も進んだことで増収につながっています。
立体駐車場事業は、材料費や人件費の高止まりにより計画の見直しや延期を行う企業が出たことを受け、減収となりました。ただし、営業利益率は12.8パーセントと高い収益を生む事業となっています。
KMTカンパニー 市況状況
次に、KMTカンパニーの市況状況です。金属素形材の市況を示すため、自動車の生産台数の推移を表しています。2025年には全世界で9,300万台が生産されており、右肩上がりで増加しています。
KMTカンパニー 市況状況
農業機械の出荷実績推移です。全体的にはやや増加していますが、凹凸があり、輸出はほぼ横ばいか若干減少しています。国内は増加傾向にあります。
KMTカンパニー 市況状況
建設機械の出荷台数の推移です。スライドのとおり右肩上がりとなっています。国内需要は横ばいですが、海外への輸出が増加しています。特にヨーロッパのインフラ投資や中南米の鉱山開発向けの輸出が増加しています。
KMTカンパニー 決算概要
KMTカンパニーの決算概要です。売上高は243億1,900万円で、4億600万円の減収となりました。営業利益は2024年のマイナス1億2,800万円から、前期は6億600万円のプラスに転じました。特に日本国内では、販売価格の改定や、下期の農業機械部品の受注増加が増収に貢献しました。
海外ではメキシコ子会社が減収となりました。受注品の量産終了や、自動車メーカーの半導体不足による生産停止に伴い部材が供給されなかったことが主な要因です。
注目いただきたいのは、金属素形材の利益率です。利益率はそれほど高いものではありませんが、適正な価格を含めた価格交渉の効果が下期から現れ始めており、今年度の決算ではさらに利益を上げる計画としています。
KMTカンパニー 決算概要(海外子会社)
海外子会社についてお伝えします。受注品目の量産終了や半導体不足の影響により減収となりました。ただし、メキシコ子会社のKMEXについては、個別のコストダウン施策や人員の最適化を図ることで収益改善を進め、営業利益ベースで赤字だった状態からマイナス幅を縮小しました。今期にはプラスに転じる見通しを立てています。
タイ子会社のKTCについては、会社解散登記を2025年3月に完了し、固定資産の売却益を前期決算に計上しました。
半導体関連事業 市況状況
次に、半導体関連事業の市況状況です。世界の半導体市況は、成長率が22.5パーセントと非常に高く伸びています。生成AIを含めたさまざまな半導体需要が増加する中、右肩上がりの成長が続いています。特に、メモリやロジック製品が引き続き市場を牽引しています。国別では特にアジア太平洋地域の増加が顕著です。
半導体関連事業 市況状況
北川グレステックの主要製品であるハードディスクの世界市場規模を示しています。出荷台数は1億2,400万台で横ばいが続いているものの、生成AI関連の普及が進み、データセンターの需要が拡大しています。広島県内でも、Googleが日本最大のデータセンターを本郷町に建設しています。
このような背景による大量のデータ保存ニーズの高まりにより、取扱高や出荷金額は223億ドルと非常に大きな規模となっています。
半導体関連事業・その他事業 決算概要
半導体関連事業の決算概要です。冒頭でお話ししたように、ハードディスク関連の大型案件が完了したことが大きな減収要因となりました。その結果、前期は減収減益となっています。
その他事業については、特殊工作機械の大型案件が今期にずれ込んでいることから、こちらも減収減益となりました。
特別利益及び特別損失
2025年度の決算に大きく影響を与えたのは、固定資産の売却益です。トータルの特別損益は16億6,000万円のプラスとなり、本決算に反映されています。
連結海外売上高の推移
連結海外売上高の推移です。海外売上高比率は18.6パーセントで、ほぼ横ばいとなっています。ただし、ヨーロッパ・その他の地域ではヨーロッパ向け受注の回復によって増収しました。中国を除くアジアでは、特にインドが増収要因となっています。また、最も大きな要因は中国で、KGhの円テーブルが非常に好調に売れ、大幅な増収となっています。
設備投資概要
設備投資について説明します。昨年は成長・改善投資に22億円、年間で合計31億円の投資を実施しました。本社再構築関連で5億9,000万円、半導体関連事業の研究開発などで6億4,000万円を投じ、この3月には新潟県長岡市に研究施設を含めた工場を建設しています。
また、KGhの省人化・生産性向上に1億5,000万円、DX関連に1億円を投資し、全体で31億円の投資となっています。
連結キャッシュフロー概要
連結キャッシュフローの概要です。フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。財務キャッシュフローは借り入れの増加によってプラスになっていますが、みなさまもご承知のとおり、中小受託取引適正化法の影響で手形支払いがすべてなくなり、全額現金払いに切り替えているため、その借り入れを含め、キャッシュフローが若干マイナスとなっています。
連結貸借対照表概要
連結貸借対照表の概要です。自己資本比率は54.1パーセントで、3.2ポイント上昇しています。内部留保は増加傾向にありますが、主に退職給付に関わる調整額の包括利益の増加が約22億円のプラス要因となっています。それにより利益ベースでもプラスとなり、全体として自己資本が42億2,300万円増加し、459億5,700万円に積み上がりました。
主要指標推移
主要指標の推移です。ROEは、固定資産の売却や収益改善に伴い当期純利益31億円を計上したことで、4ポイント改善し7.1パーセントとなりました。その他についてはスライドのとおりです。
事業計画概要
今年度の事業計画の概要です。売上は625億円で、前期比40億8,500万円の増加を見込んでいます。これは、メキシコの子会社やその他事業の特殊工作機械、半導体関連事業の売上増加が主な要因です。
営業利益は、私が社長就任以来、基盤となる営業利益をいかに上げていくかを重視してきました。中期経営計画の最終年度には、営業利益を43億5,000万円まで高めたいと考えています。現在の営業利益は26億8,800万円ですが、2026年度の計画は30億円と設定しています。
ただし、先ほどお伝えした固定資産の売却益という特殊要因が剥落するため、当期純利益は20億円を見込んでいます。通常であれば増収減益ですが、営業利益ベースでは増加する見通しであり、本来あるべき姿である営業利益に注力していきたいと考えています。
ホルムズ海峡の封鎖に伴う原油の供給不足など、さまざまな影響が現れています。当社においても、塗装を行うセクションにおいてはシンナー不足、機械を動かすためのオイル不足など若干の在庫はあるものの、先行きはやや不透明な状況です。
昨日、供給元から「昨年供給した以上のものを求めなければ、なんとかそこは出していきたい」という発言があったとの朗報がありましたが、それでも依然として不透明感が拭えない状況です。
そのため、ホルムズ海峡の影響を合理的に当社で算定することは困難と判断し、業績予想には織り込んでいません。今後、業績予想の修正が必要になった場合には速やかに開示する予定です。
セグメント別事業計画
セグメント別の事業計画です。売上高と営業利益を記載しています。産業機械事業では若干の減収減益を予測しており、減益幅がやや大きい状況です。KSTは昨年非常に高い売上と利益を上げており、今年は若干の減少を見込んでいます。その他のカンパニー事業については増収増益を予定しています。
特に、半導体関連事業では、売上高が26億円、営業利益が3億円を見込んでいます。その他事業は売上高15億円、営業利益2億2,000万円、金属素形材事業は売上高258億円、営業利益は6億円から11億円に増加を計画しており、いずれも増収増益を見込んでいます。
KGhカンパニー 計画概要
KGhカンパニーの計画概要です。売上高は108億円、営業利益は5億4,000万円を見込んでおり、前期比では売上高が9億3,000万円増、営業利益が3億1,900万円増の増収増益計画を立てています。特に日本国内では、ソリューション提案やロボット台車の販売、サービスの強化により4.4パーセントの増収を見込んでいます。
また、海外では14.3パーセントの増収を計画しており、インド工場の本格的な生産開始による生産拡充、北中米向け大型チャックの受注増、さらにヨーロッパなどでの販売促進を図ることで、増収を見込んでいます。
国内と海外の売上比率については、国内が47パーセント、海外が53パーセントと、海外の比率が高くなると予想しています。また、営業利益については減少傾向が続いていましたが、ここでプラスに転換する計画を立てています。
KSTカンパニー 計画概要
次に、KSTカンパニーの計画概要です。2026年度の計画は、売上高218億円、営業利益19億7,000万円と、減収減益を見込んでいます。主な要因として、コンクリートプラント事業において、前期は前々期の期ずれが影響して売上が増加しましたが、今期はそのような要因がないため、反動による減収が見込まれています。
荷役機械やクレーン事業については、ビル建設用クレーンが堅調に推移する予定ですが、その他の荷役機械の売上は減少が見込まれます。具体的には、高速道路の路面老朽化に対応した床版取替機などを製造していますが、予算が十分に取れていないため、売上が伸び悩んでいる状況です。また、風車クレーンや特殊なクレーンの売上減少もあり、減収が予想されています。
ただし、「ビルマン」などクレーン事業の主要製品については、受注残が1年以上あるため、安定的に利益をもたらしてくれると考えています。
コンクリートプラントについては、受注残を1年半程度抱えているため、安定して売上に貢献すると考えています。
立体駐車場は増収となっています。要因として、リピート顧客からの受注に加え、大型案件の売上が今期に計上されることが挙げられます。その結果、43パーセントの増収を見込んでいます。全体的には以上のとおりです。
KMTカンパニー 計画概要
KMTカンパニーの計画概要です。売上高は258億円で、14億8,100万円の増収を計画しています。営業利益は11億円で、4億9,400万円の増益計画を立てています。
国内については、新規受注品の量産開始と小型建機の需要回復により増収を見込んでいます。昨年度後半に値上げの効果が表れ始めましたが、すべての納品先に実態に合わせた価格改定をお願いし、今期1年間でその効果を波及させる予定です。この取り組みが11億円の利益につながると考えています。
ただし、現在もエネルギー価格や原材料など、さまざまなコストが上昇しています。これらに今後どのように対応するかが課題になると考えています。
海外のメキシコ子会社は新規受注品の量産が開始されることから、売上高は18.5パーセント増収の計画を立てています。詳細は次のページで説明します。
KMTカンパニー 計画概要(海外子会社)
メキシコ子会社KMEXについてです。売上は69億4,500万円で、前期比10億8,500万円の増収を見込み、営業利益は昨年の赤字からプラス1億6,500万円へと黒字転換する計画です。特にコスト削減や人員数の最適化、また生産性向上の取り組みなど、さまざまな施策によるコストダウンが営業利益の黒字転換につながると考えています。
タイ子会社に関してはすでに解散しており、現在清算手続きを進めていますので、割愛します。
半導体関連事業・その他事業 計画概要
次に、半導体関連事業・その他事業の計画概要です。売上高26億円、営業利益3億円を計画しています。AIサーバ関連やデータセンター関連の受注増加に伴い、増収増益を見込んでいます。
売上高は前期比46パーセント、営業利益は116パーセントの増益計画を立てています。売上には若干の変動がありますが、これを踏まえ、当社は新たに研究開発棟を設け、次代の半導体製造装置の研究開発を進めています。
そのあたりが今後の大きな武器となるよう、研究開発棟でしっかりとテストを行い、開発に力を入れていきたいと考えています。
その他の事業についても、先ほどご説明したとおり、2026年には売上高が15億円となり、前期比10億6,000万円増加する見込みです。営業利益も黒字転換し、2億2,000万円となる予定です。大型案件を受注していることが今期のプラス要因となっています。受注は非常に好調で、来期もこの好調を維持する見込みです。かなりの受注量を抱えつつ進めていく予定です。
設備投資計画概要
設備投資計画の概要です。成長・改善投資として53億円を含む年間69億円の設備投資を予定しています。その中では、本社再構築関連として15億円を計画しており、本社に研究開発棟を新たに建設する予定です。これは将来の成長を見据えた投資です。
また、現在の本社棟は築60年が経過しており、耐震性能が旧耐震基準であるため、本社棟の建て替えも計画しています。
その他、半導体関連事業の研究・試作への投資として4億2,000万円、メキシコ工場の新規受注への設備投資に3億円、KGhの工程自動化・生産性向上のための投資として3億4,000万円、DX関連への投資に1億3,000万円を計画し、合計69億8,400万円の積極的な投資計画を立てています。
主要指標計画値
主要な指標の計画についてお伝えします。ROEは固定資産の売却益の影響剥落により、前期比2.8ポイント減の4.3パーセントを見込んでいます。ROICは前期並みで0.1ポイント上昇の4.4パーセント、キャピタリゼーション比率は借入金の返済を含めて24.1パーセントとなる見込みです。
EBITDAについては、営業利益と償却費の増加により、前期比8億3,200万円増加の約66億円を見込んでいます。
株主還元
株主還元についてです。前年度は好決算および特別利益があり、当初の配当金は78円でスタートしましたが、その後増配して85円に引き上げ、最終的に102円と大幅に増加しました。株主還元方針では、当期純利益に比例して配当性向を上げていく計画で、最低でも50円を下限とすることを方針としています。この点が大きく変わった部分です。
今年度については、中間配当を32円、年間配当を64円と予定していますが、今後は利益の増加に応じて着実に配当の引き上げを図っていきたいと考えています。
中期経営計画2027 進捗状況
昨年が初年度であった中期経営計画2027の進捗状況をご説明します。主に、「チャレンジする人財の育成」「低採算からの脱却」「新領域への挑戦」と大きく3つのテーマを掲げています。
チャレンジする人財の育成に関しては、評価・報酬制度の見直しを開始しました。また、社員の声を経営に活かすため、年代別のオフサイトミーティングやタウンホールミーティングを実施し、幅広くチャレンジしやすい環境作りに努めていく方針です。
低採算からの脱却については、初年度の振り返りとして、ビジネスプロセスの再点検によりオペレーションの再構築を開始しました。また、適正水準への販売価格の引き上げ交渉を実施しました。さらに、間接部門の抜本的な見直しによる高付加価値業務へのシフト、不良率や稼働率の改善を通じて、低採算からの脱却を図っています。
新領域への挑戦については、具体的にはインド工場でチャックの生産を開始しました。また、環境負荷低減・自動化・コスト削減などの課題解決に資する製品・技術の開発に取り組むとともに、今回新たに半導体関連事業の研究開発施設を設立しました。
今年度に向けた取り組みです。チャレンジする人財の育成については、今年度中に人事制度の改正を正式に完了し、来年度4月から新制度を導入する予定です。その中で、評価制度や報酬制度の見直しも含めて進めていきます。
当社には5つの大きな事業と3つのカンパニーがあり、技術者同士の交流やコミュニケーションの強化を通じて、新たな商品開発や改善項目が多数生まれると考えています。そのため、横断的な連携をしっかりと構築することを進めていきたいと考えています。
全社的な改善活動の推進においては、生産現場のQC活動を全社に展開し、間接部門も含めた取り組みを推進していきます。
低採算からの脱却については、クレームや不適合の撲滅に向けた品質管理体制の強化が必要です。また、個別の工事案件における原価管理の強化を行うため、新たなツールを導入し、しっかりとした原価管理を推進していきたいと考えています。
さらに、コストダウンの一環として海外ルート調達の検討を始めています。加えて、メンテナンスサービスやパーツの販売強化なども含め、2025年度に実施した施策を継続しながら、低採算からの脱却を図っていきたいと思います。
その中で、当社は開発型企業であるため、商品開発が非常に重要であると考えています。付加価値が高く、市場に受け入れられ、市場に価値を提供できる商品作りを進めていく必要があると考えています。
新領域に関しては、先ほどお伝えした内容に加え、海外での生産の拡充を進めたいと考えています。具体的には、インドでチャックを含む生産のさらなる拡大を目指しています。これはチャックに限らず、将来的にはそれ以外の製品についても併せて検討していかなければならないと思います。
また、半導体関連事業においては、他のカンパニーとの協働開発を推進します。現在、半導体事業を担う北川グレステックにKGhの技術部門と開発本部が加わり、新しい半導体装置の開発を進めていますし、今後も、カンパニーを超えた技術を活用した新商品の開発を進めていきたいと考えています。
中期経営計画2027 進捗状況
中期経営計画における2026年度の売上高は625億円を目指しており、2027年度の最終年度には675億円、営業利益は43億5,000万円を目指しています。
また、2026年度の計画では営業利益を30億円としていますが、これをいかに少しずつ積み上げられるかが課題だと考えています。この部分の段差がやや大きいため、営業利益率をどのように向上させていくかが重要なポイントとなるでしょう。
ROEについては、いったん今年度は下がるものの、最終年度には6.5パーセントまで引き上げる計画です。また、ROICは6パーセントに高めていく方針です。
トピックス
昨年度のトピックスについて説明します。まず、トピックス1です。「ものづくり日本大賞 中国経済産業局長賞」を受賞しました。これは、「生コンクリートスラッジ水 高度利用システムの開発」に対するものです。
「スラッジ水」とは、生コンクリート工場で発生するセメントを主成分とした排水のことを指します。この排水は通常、埋め立て処分されています。今回、このシステムを開発することで、セメントの硬化進行を数日間停止させ、翌日以降に再利用することに成功しました。この技術は業界初であり、JIS規格にも対応しています。
セメント製造におけるエネルギー削減に寄与し、脱炭素社会の実現に直接的に貢献する技術です。今後は、日本発の技術として海外の建設分野などへの展開も視野に入れていきたいと考えています。
トピックス
トピックス2では、半導体関連事業の研究開発拠点を新設しました。場所は長岡市です。次に、トピックス3として、ホームページをリニューアルしました。当社の事業内容や技術、最新の取り組み状況を直感的に伝えられるよう、デザインと構成を一新しています。ぜひご覧ください。
トピックス
トピックス4では、KGhが、寸法の良否やばらつきを判定する測長判定システム「MET」を、ロボットハンドと組み合わせて新たに開発しています。これは工場の自動化や低コスト化に貢献するものと考えています。
トピックス5では、クレーン事業において、3次元衝突防止装置「サードアイ」を開発しています。最新のLiDAR(ライダー)センサーを搭載した建設クレーン用の3次元衝突防止装置を開発し、フィールドテストを完了した後、今年度から販売を開始していきます。
認知度向上施策について
北川鉄工所の認知度を高めるために、さまざまな取り組みを進めています。具体的には、個人投資家向けIRを初めて開催し、昨年は2回実施しました。また、地元広島での企業認知度を向上させ、事業理解を深めてもらいながら採用活動にもつなげるべく、TVCM広告を展開し、採用を目的とした「Instagram」も開設しました。
さらに、新しく完成した広島駅の駅ビルにも広告を掲示することで、北川鉄工所の事業内容を広く知っていただくための施策を進めています。
以上で2025年の決算説明会の発表を終了します。長時間にわたりご清聴いただき、誠にありがとうございました。