■サンフロンティア不動産の今後の見通し
(2) 不動産サービス事業
不動産サービス事業では、売上高17,270百万円(前期比5.9%増)、売上総利益9,060百万円(同3.9%増)と前期実績が非常に強かった反動から保守的な見通しとしている。特に売買仲介事業では大型案件寄与が大きかったため、その反動を一定程度織り込んでいる模様である。貸会議室事業の新規拠点開設を進めるほか、各部門間の連携を強化しながら堅実な成長を継続していく。
プロパティマネジメント事業では、管理受託棟数が右肩上がりに推移しており、2026年3月期末時点での管理受託棟数は559棟となった。2027年3月期末には600棟を目標としている。またサービス内容の拡充にも注力しており、オーナーとの中長期的な関係構築を目的とした会員制組織「オーナーズ倶楽部」や、入居後の利便性向上と事業成長支援を目的とした専用サイト「テナントマイページ」が運営されている。ここでは防災や管理運営の通知、外部講師を招いたセミナーなどを開催している。
貸会議室事業では増収減益を計画している。これは増床に伴う開業費用負担が先行するためであり、中長期的な利益成長に向けた先行投資フェーズと位置付けられている。「部屋を売るのではなく、催事の成功を叶える」という方針の下、単なるスペース提供にとどまらないサービスを志向し、大口企業や業界団体の研修、学会や検定試験の会場としてのニーズを着実に取り込んでいる。法人顧客のリピート需要が増加しており、売上の約8割を上位2割の固定客が占める収益構造となっている。一方で、新規顧客も徐々に増加している。同社グループ会社であるサンフロンティアスペースマネジメント(株)が運営する貸会議室は、駅周辺など需要の高いエリアに店舗を集中的に展開しているため、受注状況は好調である。これまでは新宿・品川・田町などのエリアに展開してきたが、それ以外のエリアであっても交通の便が良ければニーズは底堅く、事業拡大の余地が十分にあると言える。さらに、近年では自社の会議室を持たない企業が増えているという構造的な変化を背景に、需要は底堅い。
(3) ホテル・観光事業
ホテル・観光事業では、売上高21,950百万円(前期比15.8%増)、売上総利益5,040百万円(同14.9%増)を計画している。なお、2027年3月期はホテル売却益を織り込んでいない。
新たに10ホテルの開業を予定しており、運営客室数の拡大を計画している。運営客室数の増加を背景にボリューム効果を見込む一方で、2027年3月期の開業案件はビジネス需要主体の立地が多く、平均客室単価はやや低下する見込みである。今後は新規開業ホテルの立ち上げを進めながら、稼働率及び平均客室単価の向上を図る。
2026年4月開業の「サンライズ城が浜」「勝山温泉センター 水芭蕉」「日和ホテル松山」「たびのホテル佐渡Annex」「たびのホテル阿蘇熊本空港」は、総じて順調な立ち上がりで、早期の業績寄与が期待される。特に「たびのホテル阿蘇熊本空港」の周辺では半導体工場関連の出張需要が高く、供給が不足する地域における新規開業効果が出ているという。また、GW期間中の需要としては新しく開業したホテルが好まれる傾向もあり、高稼働率で推移した模様である。また、2026年8月には「たびのホテル宇都宮ゆいの杜」、10月には「たびのホテル青森六ヶ所村」、11月には「たびのホテルlit豊川」、2027年1月には「たびのホテルlit酒田」、2月には「たびのホテルlit秋田駅前」の開業が予定されており、開発と開業の両面で事業を拡大していく。
また、2025年に開催された大阪・関西万博に関連した需要の反動減により、大阪・神戸エリアでは前年同月比で平均客室単価の低下がみられている。一方、京都の高級ホテルでは高稼働率を維持しており、「四条河原町温泉 空庭テラス京都」や「四条河原町温泉 空庭テラス京都 別邸」では4月の稼働率は100%に迫る水準であったという。舞浜エリアも前年並みの水準を維持している。
中国政府による日本への渡航制限については、愛知県常滑市のホテルで一部影響が出ている。同エリアは中部国際空港に近く、中国からのダイレクトフライトや団体客利用が多い。渡航制限前の中国人利用客は全体の約10%であり、足元ではその部分がやや落ち込んでいる状況である。しかし、インバウンド宿泊客は中国に限らず、台湾・韓国・アジア・アメリカ・オーストラリアなど多様な地域から来ているため、全体への影響は限定的であると弊社では見ている。
(4) その他
その他では、売上高7,480百万円(前期比27.4%増)、売上総利益1,989百万円(同34.4%増)を計画している。大竹建窓ホールディングスの通年寄与により増収増益の見通しである。なお、ベトナムのマンション案件については、2028年3月期以降の売却・業績寄与を見込む。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)