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サクサ、事業構造変革で収益力回復へ DOE4%または総還元性向100%を掲げ株主還元も強化

目次

齋藤政利氏:サクサ代表取締役社長の齋藤政利です。本日は「中期経営計画(2026-2029)『変革から成長へ』」についてご説明します。

具体的な説明に入る前に、見直しに至った背景についてお話しします。前中期経営計画では、2024年度を初年度とする3ヶ年計画を策定しましたが、策定時の前提条件や経済環境が大きく変化しました。

具体的には、所有不動産の売却に伴い、キャピタルアロケーションなどの見直しが必要になりました。加えて、材料費の高騰や人件費の上昇など、急激かつ持続的なインフレ環境の変化により、製造コストや経費が増加し、コスト構造の抜本的な見直しが喫緊の課題となっていました。

これらを踏まえ、2月27日に事業構造変革委員会を立ち上げ、中期経営計画の見直しを開始しました。本日、その内容が固まりましたので、この動画を通じてご説明します。

スライドには、本日のアジェンダが示されています。

2. 前中期経営計画レビュー|数値(2025年度末時点)

前中期経営計画における数値面のレビューについてご説明します。前中期経営計画では、見直し後の2025年度目標値として、売上高430億円、営業利益22億円、ROE5パーセントを掲げていました。結果として、見直し計画ベースで売上高は達成し、営業利益も概ね計画どおりでした。一方で、ROEは若干未達という結果になりました。

これを言い換えると、直近の数値目標だけを見れば、見直し時点から大きなギャップがあるとは言えず、一定程度計画の範囲内に収まったと捉えることができます。しかし、将来に向けた投資という観点では、大きな課題が顕在化していました。

2. 前中期経営計画レビュー|戦略(2025年度末時点)

そのギャップは戦略面において明確です。前中期経営計画では、「DX」「資本」「人材」の3つの基盤を通じて成長を支える戦略を推進してきました。

このうち資本については、積極的な株主還元策などのコーポレートアクションが市場から高く評価され、直近3年間で株価が約3.2倍になるなど、一定の成果を上げることができたと考えています。

一方で、DXおよび人材に関しては課題が残る結果となりました。特にDXに関しては、先ほどご説明したとおり、該当領域への戦略的投資を加速してきました。しかし、サービス事業体への変革を前提とした施策が弊社の事業実態と合致せず、具体的な成果を創出するには至りませんでした。

2. 前中期経営計画レビュー|戦略見直しの方向性

以上のレビューを踏まえた見直しの方向性についてご説明します。中期経営計画2ヶ年目の終了時点において、「DX推進サポーター」という目指すべき姿と実態のミスマッチ、それを実行する現場への浸透不足、さらに事業を取り巻く外部環境の変化という3つの観点から、基本戦略の見直しが必要であると判断しました。

弊社の目指す姿のアップデート、事業構造変革の必要性、および戦略実行体制の再整備を、新たな中期経営計画の基本方針として掲げ、具体的な検討を進めてきました。

2. 前中期経営計画レビュー|中期経営計画の位置づけ

本中期経営計画の位置づけについてご説明します。本中期経営計画では、前中期経営計画で定義した「Charge」の最終年度である2026年度の1年間を「事業構造変革期」と位置づけ、2027年度から2029年度までの3年間を「成長軌道回帰期」としています。つまり、本中期経営計画は、計4年間の計画となっています。

事業構造変革期においては、コスト構造を抜本的に見直し、稼げる体質への転換を図ります。

成長軌道回帰期では、リソースのシフトを含め、必要な領域に経営資源を集中し、事業成長を加速させます。

3-1. 基本方針

「中期経営計画(2026-2029)『変革から成長へ』」についてご説明します。まず、「中期経営計画(2026-2029)『変革から成長へ』」の基本方針についてです。この基本方針は大きく3つあります。

1つ目は、「売上規模に偏ることなく、利益成長、収益性の向上そして資本効率改善を重視すること」です。トップラインの拡大を追い求めるのではなく、収益を生み出せる事業や分野に経営資源を集中させ、収益性の向上を図ります。

2つ目は、「各重点事業領域において聖域なきコスト構造の抜本的見直しを推進すること」です。これにより、インフレによって断続的に発生しているコスト上昇にも耐え得る体質への転換を目指します。

3-2. 目標KPI

本中期経営計画の数値目標についてご説明します。本中期経営計画の最終年度である2029年度の目標値は、ROE8パーセント以上、営業利益50億円と設定しています。

次のスライドでもご説明しますが、部材価格や人件費の高騰、さらに前中期経営計画からの方針変更の影響により、サクサグループは収益力が低下している状況にあります。

このような状況を踏まえ、低下した収益力の回復を目指し、2026年度を事業構造変革期と再定義しました。一連の施策を着実に実行し、その結果として、安定的に利益を創出できる基盤を構築していきます。

その収益基盤をもとに事業成長による利益の積み上げを図り、本中期経営計画最終年度の目標実現を目指します。

3-3. 初年度損益計画|連結損益計算書

新たな中期経営計画の土台となる初年度、2026年度の連結業績予想についてご説明します。売上高は475億円、営業利益は10億円を見込んでいます。

売上高については、ニューテックのグループ化により前年度比で増収となるものの、昨年度のM&A分を除くオーガニック事業では減収となる見込みです。また、営業利益は前年度を大幅に下回る水準となる見通しです。

なお、営業利益については次のスライドで詳しくご説明します。

3-3. 初年度損益計画|連結営業利益の主な増減内訳

前年度である2025年度からの営業利益の増減内訳です。増減要因は主に3つの要素で構成されています。成り行きでの悪化要素、事業構造変革による要素、そして事業成長要素です。

グラフ前半にある成り行き悪化要素は、仮に成り行きで事業運営を行った場合の営業利益を示しており、5億円の営業赤字となる見込みでした。主な悪化要因は、先ほどご説明したとおり、売上高においてM&A分を除くオーガニック事業では減収となり、その影響による利益減が7億円、また、昨今のAI関連需要増によるメモリ価格上昇をはじめとする部材価格の高騰による影響で8億5,000万円、さらに人件費の上昇や、前中期経営計画の戦略に基づくキャリア採用等による増員の影響も含めて8億円となっています。このように、成り行きの場合は営業赤字となる見込みです。

これに対して、後ほどご説明しますが、事業構造変革パッケージ、戦略変更に伴う事業成長によって15億円の底上げを行い、営業利益を10億円まで押し上げます。事業構造変革パッケージは一過性の取り組みではなく、来年度以降も持続的に効果を発揮し、サクサグループの収益性向上に貢献すると考えています。さらに、前年度から取り組んでいる本社移転を含む最適化・効率化施策の効果も収益性向上に寄与すると見込んでいます。

3-4. 事業構造変革_重点施策|人事施策・コスト削減施策

スライドには、事業構造変革パッケージで実施する主な施策が示されています。1つ目は、人事施策です。昨今のインフレに伴う人件費の上昇により、企業成長スピードを超えて人件費が増加しています。また、前中期経営計画で掲げたDXへの急速なシフトを実現するためにキャリア採用を加速させた結果、事業の成長が追いつかず、事業規模が拡大しないまま固定費だけが増加し、損益に大きな負担をもたらしています。

このような状況を踏まえ、慎重に検討を重ねた結果、事業規模に見合った固定費への見直しが必要であると判断しました。その一環として、誠に苦渋の決断ではありますが、ネクストキャリア支援を実施することとしました。詳細については、本日開示のリリースをご参照ください。

併せて、社員の報酬・給与制度および福利厚生を見直し、社員の努力が適切に評価される制度へ変革します。また、一般社員における人事制度についても、成果を上げている従業員に報いることができるメリハリのある制度に、まずはサクサ株式会社から見直しを進める方針です。

2つ目の施策はコスト削減です。原価率を改善するため、製造コストの低減および在庫の適正化を実施します。また、これまで外部に委託していた業務についても、戦略変更に伴い最適化を図ります。

これらの施策により、今年度で約12億円、最終年度では約20億円のコスト削減効果を見込んでいます。

3-4. 事業構造変革_重点施策|米沢アドバンスドファクトリー構想

併せて、「米沢アドバンスドファクトリー構想」を実行します。従来、この「米沢アドバンスドファクトリー構想」では大規模な投資を計画していましたが、昨今の原材料価格や建築コストの上昇により、大規模な投資を断念せざるを得ませんでした。

そのため、それらの状況を勘案し、当初の計画から規模を大幅に縮小したかたちで、新工場の建設を進めることにしました。具体的には、「米沢アドバンスドファクトリー構想」の第1弾として、老朽化が進んでいる山形県米沢市中心部の生産機能を、ソアーおよびサクサテクノの両社が拠点とする山形県米沢市八幡原に移転・集約します。

この移転に伴い新工場が必要となるため、建設に着手します。新工場は、BCPの観点から持続的な生産活動が可能となるだけでなく、生産効率の向上や競争力強化も期待されています。

「米沢アドバンスドファクトリー構想」は、引き続き重要な施策として位置づけられています。先ほどご案内したとおり、インフレ環境により現在は大規模な投資を断念せざるを得ない状況にあるため、段階的に投資判断を進める方針としました。詳しくは、本日開示のリリースをご確認ください。

3-5. 全社戦略と事業ポートフォリオ|全社事業構想

以上を踏まえ、今回の中期経営計画策定において「弊社の本質的な強みは何か?」「目指すべき姿は何か?」「どのような体制で推進すべきか?」について徹底的な議論を社内で重ねてきました。

その結果、私たちが導き出した答えは、スライド中央に示してある「現場価値を実装するニッチトップ企業」になることです。さまざまな現場で直面する煩雑な課題に細やかに対応し、解決へ導くことで、現場にとって不可欠な存在となるNo.1企業を目指します。

また、本年度より組織体制を事業部制へ移行し、4つの事業分野に再編しました。それぞれの事業は、各領域でNo.1を目指して活動していきます。

プロダクト事業では、ビジネスホンやUTMにおいて国内市場でシェアトップを維持しています。この強みを活かし、オフィス運用支援分野でNo.1を目指します。今後は、弊社が保有する約25万社の小規模・中小企業の顧客基盤を活用し、現場の課題を解決する価値を創出することで、プロダクトの価値を高め、シェアを1.2倍に拡大していきます。

EMS事業では、米沢において隣接するサクサテクノとソアーの機能を統合することで、生産受託にとどまらず、設計から保守までを一貫して提供可能なバリューチェーンを実現します。今後は、昨今の不安定な国際情勢を背景とした地政学リスクへの対応として、モノづくりの国内回帰や地産地消のトレンドを捉えながら、国内大手通信業者を支えてきた高い品質を武器に、国内における製造業プラットフォーマーNo.1を目指します。

デバイス事業においては、ソアーがサクサグループ入りしてからまもなく2年になりますが、この期間に、それ以前は制限されていた独自性や競争優位性を生み出すために必要な投資を行ってきました。その結果、ユニークな技術を搭載した商品提案が可能となり、新しいビジネス獲得も着実に進んでいます。

今後は、この強みを活かせる分野を主戦場に定め、カスタムOLEDにおいてNo.1を目指します。引き続き、新規技術の開発や高付加価値化・差別化を通じて、高性能かつ高信頼性のあるOLED需要を取り込み、累計2億2,000万台超の出荷実績に対し、さらに2億台の増加を目指します。

システム事業では、主力製品である映像プラットフォーム「SK VMS」の拡販に注力し、映像活用でNo.1を目指します。また、成長が見込まれる映像市場拡大の波を捉え、新たにグループの一員となったニューテックとの連携を強化し、VMS国内市場でシェアトップを狙います。

3-5. 全社戦略と事業ポートフォリオ|事業ポートフォリオの考え方

事業ポートフォリオの考え方についてご説明します。弊社は事業の選択と集中をさらに推進し、経営資源を重点4事業に集約することで、資本効率を高めた経営を実現していきます。

具体的には、これまでサクサで展開してきた音声SIや防犯の一部事業について、収益性や効率性の観点から縮小・撤退を検討しています。実際に直近でも事業の選択と集中の観点から商流変更や事業譲渡を実施し、収益性と効率性の向上を図っています。

該当事業に配置していた人的リソースは、重点4分野に振り分けます。これにより、経営資源の投資効率を高め、さらなる向上を実現できると考えています。

重点4事業における主な戦略や注力領域および見直し内容は、次のスライド以降で個別にご説明します。

3-6. 重点事業領域の成長戦略|プロダクト事業

プロダクト事業についてご説明します。本事業は、私たちサクサグループのコア事業であり、キャッシュ・カウとして重要な位置づけとなっています。

ビジネスホン市場は緩やかな縮小が見込まれるものの、国内の小規模・中小企業市場は引き続き一定の規模で存在すると認識しています。私たちは、このようなお客さまに対し、不可欠なサービスを提供し続けます。

基本戦略として、弊社の強みである小規模・中小規模事業者約25万社の顧客に対してクロスセルを推進し、小規模・中小企業の課題をITで包括的に解決する「Office AGENT」を展開することで、オフィス運用支援でNo.1を目指します。

具体的には、ビジネスホンに加えてUTMなどの、小規模・中小企業のニーズに対応した製品ラインナップを強化し、時代の変化に適応したオフィスソリューションを提供していきます。また、お客さまの限られた予算やIT人材を確保できないといった実態を踏まえ、シンプルかつ必要十分な製品を提供することで、顧客価値と売上の最大化を目指します。

製品群は「コミュニケーション」「セキュリティ」「ワークスタイル」の3つに定義し、それぞれの領域で顧客課題を解決するプロダクトの提供と、その価値を最大化するサービスの付加を推進していきます。

今後のM&Aやアライアンスの方向性として、シェア拡大を目指し、機能やサービスの向上に取り組むとともに、業界再編の可能性も視野に入れて検討を進めていきます。一方で、選択と集中の観点からプロダクト事業全体を見直し、収益性に課題のある防犯事業およびプロバイダー事業については、縮小または撤退を視野に入れた改善を実行していきます。

3-6. 重点事業領域の成長戦略|EMS事業

EMS事業についてご説明します。昨今の不安定な国際情勢を背景に、地政学リスクへの対応として、モノづくりの国内回帰に加え、地産地消のトレンドが進んでいます。私たちは、この市場機会を確実に捉え、価値提供を行うことで、製造業プラットフォーマーNo.1を目指します。

EMS事業については、これまでソアーとサクサテクノがそれぞれ個別に取り組んできましたが、今回の事業部制への移行を契機に両社のEMS事業を統合し、独自機能を補完し合うことで、フルフレッジの製造機能を備え、あらゆる顧客のニーズに対応できるようになりました。

具体的には、ソアーが持たない基板組立や射出成形機能をサクサテクノがカバーし、サクサテクノにない設計機能をソアーが補完しています。実際に、以前は逃していたビジネス機会が、今回の統合により受注につながった事例も増えています。

戦略面では、産業機器、医療健康、計器計測器、フードテックの4事業を注力分野と位置づけ、ニッチな市場において弊社にしかできない価値提供を通じて、競争優位性の確立を図ります。

今後のM&Aやアライアンスの方向性としては、ニッチ領域での価値提供力を高めると同時に、フルフレッジの製造機能を強化し、プロセスの充実を目的に検討を進めていきたいと考えています。一方で、大手企業との価格競争に陥りやすく、十分な利益確保が見込みにくい市場については、参入せず撤退する方針を定めました。

3-6. 重点事業領域の成長戦略|デバイス事業

デバイス事業についてご説明します。本事業の基本戦略として、弊社グループのソアーが展開する有機ELデバイスにおいて、従来の技術制約を突破した新たな価値提供を進めていきます。29年間の製造実績で蓄積した膨大なノウハウと独自の製造設備を最大限に活用し、他社では実現できない、あるいは他社に先んじた技術を実現することで、高付加価値製品の提供を通じた成長を目指します。

今後のM&Aやアライアンスの方向性としては、弊社ならではの価値をより高めることに加え、その価値をより広く届けるため、サプライチェーンの強化や内製化、海外市場への販売チャネルの獲得を目的に検討していきたいと考えています。

一方で、価格競争が激しいレッドオーシャンである低価格帯市場では戦わず、高機能・高付加価値のニッチ市場、例えばFAセンサのように非常に小さなディスプレイで繊細な表示が求められるような製品を扱う市場を主戦場とし、弊社の強みが発揮できる領域に経営資源を集中していきます。

3-6. 重点事業領域の成長戦略|システム事業

システム事業についてご説明します。本事業の基本戦略として、映像監視を止めることができない現場に対し、停止しない映像プラットフォームを提供し、さらにAIを活用して、現場を動かす価値を提供していきます。具体的には、弊社グループのシステム・ケイが手掛ける映像ソリューションを注力領域とし、音声SI領域を縮小してリソースを集中させることで事業をスケールします。

映像ソリューションの分野は、弊社の注力事業の中で最も市場成長が見込まれる分野です。特にビデオマネジメントシステムは、監視・セキュリティの分野で需要が拡大しており、今後の成長を牽引する重要な分野と認識しています。

弊社グループのシステム・ケイが保有する「SK VMS」は、国内のさまざまなインフラ拠点のモニタリングシステムとしてすでに導入されています。特に、自動車のナンバープレート認識技術においては業界で最上位クラスを誇り、高速道路や港湾施設などで活用されています。

また、本日公表のとおり、映像事業で確固たる地位を築いているセーフィー株式会社と、映像ソリューション領域における戦略的業務提携に向けた基本合意書を締結しました。セーフィー株式会社は、国内最大級の映像ソリューション関連の顧客基盤を有しています。彼らとの事業提携は、本事業の成長に大きく寄与すると期待しています。

今後のM&A・アライアンスの方向性としては、拡大する需要を確実に獲得するため、映像AI、エッジ解析、アプリケーションなどの開発機能強化に加え、販売チャネルの獲得による営業機能強化を目的に検討していきます。

3-7. キャピタルアロケーション

今回の中期経営計画の見直しに伴い、これまで発表していたキャピタルアロケーションも見直し、本中期経営計画に基づいてあらためて定めました。後ほど株主さまへの具体的な還元方針についてご説明しますが、このスライドにも示しているとおり、株主還元をより手厚く割り当てる方針です。

また、今回より、事業投資を成長投資と基盤強化投資に分けて整理しました。昨今の不安定な国際情勢を考慮すると、BCPは無視できません。また、工場やIT基盤であるサーバーやシステムなど、重要なインフラの老朽化も進行しています。これらに対応するため、一定規模の投資枠を設け、これを基盤強化投資として定義しました。

一方、成長投資については、これまでの各事業でご説明した方向性に合致する案件があった際に機動的に対応できるよう、M&A用の資金枠も設定しています。

このように、企業価値の持続的な向上を目的として、不動産売却資金を原資に株主還元、成長投資、BCP投資を適切にバランス良く配分します。

キャッシュ・インについては、有利子負債も活用し、レバレッジを効かせた経営を意識していきます。

3-8. 株主還元方針

株主還元方針についてご説明します。キャピタルアロケーションのスライドでもお話ししたとおり、弊社にとって株主還元は重要な資本政策です。2026年度の配当方針はすでに公表しているため、ここでは成長軌道回帰期である2027年度から2029年度の配当方針についてご説明します。

成長軌道回帰期、つまり2027年度から2029年度の配当方針は、DOE4パーセントまたは総還元性向100パーセントとします。資本コストと株価を強く意識すると同時に、株主のみなさまへの積極的な還元と資本効率の向上を目指していきます。詳しくは、本日開示のリリースをご覧ください。

サクサグループは、2021年度から本年度まで連続で増配を実施しており、2021年度と比較すると配当金は約12倍となりました。今後も安定的かつ継続的な配当を実施し、企業価値の向上を目指していきます。

3-9. ガバナンス体制|投資委員会/IR部門の新設

ガバナンス体制についてです。ガバナンス体制の強化策は全部で4つあります。

1つ目は、投資委員会の設置です。成長ストーリーを実現するためには、適切な投資をタイムリーに実施することが求められます。一方で、経営環境は日々変化しており、投資時点の前提条件が変わることも少なくありません。適時適切な経営判断を行うために、投資時の判断指標の整備に加え、責任の所在の明確化や進捗管理が必要です。また、時には投資を中断するという厳しい意思決定も求められます。

これらを論理的に評価し、実行するため、投資委員会を設置しました。これにより、市場の変化に遅れない投資判断が可能となるだけでなく、投資後の適切な管理を通じて結果的に資本効率の向上につながると考えています。

2つ目は、株主・投資家との対話を強化し、開示情報の拡充・充実を図るため、経営企画部傘下にあるコーポレートコミュニケーショングループにIR機能を設置し、組織的な活動が可能な体制としました。これにより、投資家の意見を迅速に経営判断に反映させるとともに、IR情報開示の質と量の向上を図ることが可能となります。

3-9. ガバナンス体制|コーポレートガバナンスの強化

3つ目は、監査等委員会設置会社への移行です。今年3月26日に公表したとおり、取締役会の監督機能強化とコーポレートガバナンス実効性の向上に加え、執行側へ権限を移譲することで、より迅速かつ機動的な意思決定を実現することを目的としています。

4つ目は、取締役に対する業績変動型株式報酬の導入です。これは、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを付与することに加え、役員と株主のみなさまの一層の価値共有を進めることを目的としています。6月25日の定時株主総会で承認された後に適用する予定です。

以上で、「中期経営計画(2026-2029)『変革から成長へ』」のご説明を終了します。

齋藤氏からのご挨拶

本中期経営計画は、4つの事業体と経営層との間で深い議論を重ねた、地に足の着いた計画です。私たちは、この「中期経営計画(2026-2029)『変革から成長へ』」を実現し、企業価値の向上を目指していきます。ぜひご期待ください。ご清聴ありがとうございました。

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