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Jトラスト Research Memo(2):2026年12月期第1四半期の各段階利益は、通期計画に対して順調に進捗

■Jトラストの業績動向

1. 2026年12月期第1四半期の業績概要
2026年12月期第1四半期の連結業績は、営業収益31,041百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益3,448百万円(同66.8%増)、税引前利益3,765百万円(同150.5%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益3,352百万円(同714.1%増)となった。前年同期比で増収増益となり、着実に事業成長が進んでいる。営業収益は、日本金融事業や不動産事業における増収が、その他の事業の減収を補い、小幅の増収となった。営業利益は、日本金融事業、韓国金融事業、不動産事業が好調で、その他の事業を補って増益となった。税引前利益については、前年同期に計上した為替差損が当期は為替差益に転じたことで増加した。さらに、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、繰延税金負債の取り崩しを行ったこと等により、大幅な増益となった。営業収益は通期計画比23.8%とおおむね計画どおりの進捗であった。営業利益は同29.3%、税引前利益は同31.6%、当期純利益は同40.7%と、各段階の利益は順調に推移している。また、営業利益は、第1四半期の計画18億円に対して、約2倍の利益で着地した。日本金融事業が計画比4億円増、韓国金融事業が同3億円増、東南アジア金融事業が同13億円増と、好業績に貢献した。第2四半期以降の計画の進捗が注目される。

日本金融事業及び韓国金融事業が業績をけん引

2. 事業セグメント別動向
(1) 日本金融事業
営業収益は5,253百万円(前年同期比23.8%増)、営業利益は2,633百万円(同52.5%増)となった。債権回収業務における簿価修正益の増加や、クレジット・信販業務における割賦立替手数料の増加、証券業務における金融業務受取手数料の増加等により、増収増益となった。第1四半期の営業利益は計画の22億円を上回って着地し、下期に向けて積み上げていく計画である。セグメント別利益において最大の構成比を占める同事業は、グループ全体の利益水準を下支えする主力事業と言える。

(株)日本保証の債務保証残高は、2026年3月末には3,034億円となった。アパートローン・海外不動産担保ローン・有価証券担保ローンの保証が好調で、保証残高は順調に増加している。2026年12月には3,256億円の達成を計画する。不動産関連保証業務における同社グループの強みは、市場ニーズに合わせたオーダーメイド型商品の開発力と独自の不動産担保ローン審査力である。同社グループが不動産の評価・審査と信用保証を担い、銀行が融資を行う協業モデルを構築している。地域金融機関と提携することで賃貸住宅ローン(アパートローン)保証を中心に保証残高は右肩上がりで増加を続けている。アパートローンの期間は20~30年超と長期にわたるため、その間は保証料収入が安定的に入ってくる。

サービサー(債権回収)業務では、パルティール債権回収(株)の業績が好調で、請求債権残高は2026年3月末に1兆857億円と微増となった。引き続き、債権購入の一方で回収業務に注力し、営業利益増大を見込む計画だ。債権回収業務においては、多様なサービサー出身者が持つノウハウを集約することで、国内トップクラスの回収力を実現しており、現在は保証業務と並んで日本金融事業の利益の柱となっている。

Jトラストグローバル証券(株)では、富裕層向けビジネスを推進しており、好調な株式市場の影響もあって、2026年4月末時点で、米ドル建て債券が1,007億円となり、預かり資産残高も5,388億円と順調に成長している。また、株式売買収益に依存しないストック型収益モデルへのビジネストランスフォーメーションが進展しており、2026年12月期第1四半期の収益構成は、株式が36.9%(前年同期比6.3ポイント減)の一方、米ドル債が29.3%(同6.7ポイント増)、投信等その他が26.4%(同3.0ポイント増)となっている。

(2) 韓国金融事業
営業収益は10,836百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益は831百万円(前年同期は441百万円の損失)となった。営業利益は、貸倒関連費用の減少や調達金利の低下に伴う預金利息費用の減少等により、黒字転換している。2023年に一過性の要因で営業損失を計上したものの、審査基準の強化などの成果から、2024年以降は着実に回復し利益を計上している。2026年12月期第1四半期の営業利益は計画の5億円を上回って着地しており、通期では下期に向けて積み上げていく計画である。

2026年3月末のJT親愛貯蓄銀行(株)の貸出残高は2,359億円、不良債権比率(貸倒引当金を控除したネット)は2.27%である。一方、法人向け貸出の割合が多いJT貯蓄銀行(株)の貸出残高は、2,090億円、不良債権比率(ネット)は3.89%である。不良債権比率は、JT親愛貯蓄銀行が引当金控除後で低水準を維持する一方、JT貯蓄銀行はやや高い水準にあるものの、不動産担保等による保全が図られている。両行とも、BIS規制(銀行の健全性を維持するための自己資本比率の国際ルール)を遵守しながら、今後も安定的な貸出残高増加と利益の増加を目指す。

(3) 東南アジア金融事業
営業収益は9,766百万円(前年同期比19.0%減)、営業利益は489百万円(同45.4%減)となった。銀行業における貸出金利息収益の減少等を受け、減収減益となった。第1四半期の営業利益は、当初想定していた9億円の赤字計画に対し、黒字での着地となった。これは、前期に計上した引当金の戻し入れが発生したことで、貸倒関連費用が予算を下回る水準で推移したことなどが主因である。ただし、第2四半期以降については、営業赤字の見通しとなっている。

インドネシアの金融事業は、銀行業とサービサー事業の合算によって損失を回避した。Jトラスト銀行インドネシア(PT Bank JTrust Indonesia Tbk.)では、2026年3月末の貸出残高は2,459億円で、やや減少傾向で推移している。不良債権比率(ネット)は1.99%と低水準である。自己資本比率の維持とマクロ経済情勢の変化を総合的に勘案し、貸出残高の規模及びポートフォリオの構成をコントロールしている。営業収益については、優良顧客層の開拓を目的とした低利融資の実行により、平均貸出金利が低下したことが響き、前年同期比で減収となった。利益面においては、米国による関税措置に伴う景気後退の影響に加え、当局の指導に基づく厳格な基準での貸倒引当金の積み増しが重なり、営業利益は大幅な減益となった。足元の経済環境の不透明感や規制強化によるコスト増は、今後も継続的な収益圧迫要因となる可能性が高い。

カンボジアでは、銀行事業の貢献により、営業収益は35億円、営業利益は4億円を計上した。Jトラストロイヤル銀行(J Trust Royal Bank Plc.)の2026年3月末における貸出残高は1,471億円で、減少傾向で推移した。不良債権比率(ネット)は0.65%の低水準にとどまる。2026年度から導入予定であるカンボジア中央銀行による自己資本比率規制を遵守すべく、体制構築に向けた貸出残高とポートフォリオの再編を進めている。タイとの国境紛争は鎮静化に向かっているものの、規制や経済停滞の影響が続くと見られる。

(4) 不動産事業
営業収益は5,187百万円(前年同期比58.9%増)、営業利益は324百万円(前年同期は65百万円の損失)となった。新築分譲マンションの販売が堅調に推移し、販売用不動産における販売収益が増加した。不動産事業は、不動産開発・売買・運用・管理を担うJグランド(株)を中核とし、分譲マンション事業を展開する(株)グローベルス、賃貸管理を専門とする(株)ライブレント、及び家賃保証を担うグランド保証(株)の傘下3社を含む計4社で構成され、総合不動産事業としてさらなる飛躍を目指している。

(5) 投資事業
営業収益は0百万円(前年同期比98.4%減)、営業損失は23百万円(前年同期は353百万円の利益)となった。第1四半期の業績においては、過去に実施した投資案件から約12億円の収益が発生した。ただし、当該収益については、会計処理上既に営業利益として計上済みである。今後も引き続きGroup Lease Public Company Limited(以下、Group Lease PCL)及び経営陣に対して行っている損害賠償金の回収に努める方針だ。同社では当該金銭債権に対して既に全額貸倒引当金を計上しており、将来の回収金はその他の収益に計上される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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