目次
池浦正裕氏:宮地エンジニアリンググループ株式会社、代表取締役社長の池浦です。当社の2026年3月期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
本日は、2026年3月期の決算状況と、現中期経営計画期間の最終年度となる2027年3月期の見通しについてご説明します。
それでは、決算説明会を始めます。本日は、目次のとおり第1章から第4章までをご説明します。
2026年3月期トピックス(1/2)
最初の議題は、2026年3月期決算です。まず、トピックスについてご説明します。
2026年3月期のわが国経済は、中東情勢の影響を注視する状況が続く中、個人消費には持ち直しの動きが見られるものの、消費マインドは弱い動きとなっています。
公共投資は、予算ベースでは引き続き堅調に推移しているものの、施工単価の高騰などの影響により、事業量ベースの発注量は減少傾向が続いています。
当社グループの主力事業である橋梁事業でも、新設関連は金額ベースで前期を下回り、ここ数年は10万トン以上で推移していた鋼材重量ベースも9万6,000トンとなり、過去最低の発注量となりました。
また、発注量の増加を期待していた大規模更新・保全関連でも、事業予算の影響などにより新規契約の規模縮小が続いており、新設関連の減少分を補えるほどの発注量はありませんでした。
2026年3月期トピックス(2/2)
そのような状況下において、売上高は前期に大規模更新・保全関連の集中工事の影響などにより大きな売上高があがっていたものの、今期は同様の案件がなかったことなどの影響により、前期を下回りました。
また、損益については、工事採算性の向上を図る取り組みを行ったものの、売上高と同様の理由により、前期を下回る結果となりました。
なお当期は、一部の連結子会社において退職給付見込額の期間帰属方法および未認識数理計算上の差異の費用処理方法の変更を行っているため、前期に係る各種数値については、当該変更を遡って適用した数値となっています。
2026年3月期決算サマリー
2026年3月期決算の数値です。厳しい事業環境の影響もあり、売上、利益、受注のいずれも前年度を下回る結果となりました。
主要な売上工事(1)
2026年3月期の主要な売上工事についてです。新設関連工事は、今期も当社グループでは、大型フローティングクレーンを用いた大ブロック一括架設や、供用中の道路を夜間通行止めして行う特殊架設など、多種多様な特殊架設工法を用いた工事を実施しています。
主要な売上工事(2)
次に、大規模更新・保全関連工事についてです。特殊な現場条件や制約の中での詳細設計を行い、既存交通への影響を最小限に抑える施工方法を検討するには、高い技術力と、豊富な経営資源の質と量が必要であることをご理解いただけると思います。
主要な売上工事(3)
当社グループが他社と差別化できる強みとしている鉄道関連の工事です。豊富な実績と経験に裏付けられた安心・安全な技術力により、お客さまから高い評価と信頼をいただいています。
主要な受注案件の概要
主要な受注案件についてです。2026年3月期も、技術的難易度の高い大規模更新・保全関連や鉄道関連工事のほか、沿岸構造物などを受注することができました。
セグメント別実績(1)
ここからは、セグメント別の実績についてご説明します。
厳しい事業環境などの影響により、宮地エンジニアリングおよびエム・エムブリッジは、ともに減収減益となりました。
セグメント別実績(2)
セグメント別の実績を、棒グラフなどでまとめています。この場での説明は割愛しますので、詳細は後ほどご確認ください。
事業別実績(1)
事業別の受注と売上についてです。2026年3月期の受注は、昨年度に受注が少なかった大規模更新・保全関連が若干持ち直した一方で、新設関連が減少しています。
また、売上も、集中工事などの影響により、昨年度に大きな売上を上げていた大規模更新・保全関連を中心に、全体的に減少しました。
事業別実績(2)
このスライドは、当社グループの事業分野ごとの定義と、2026年3月期の実績に基づく比率を示したものです。今後も引き続き、それぞれの事業へ経営資源をバランスよく配分し、事業拡大と収益向上を図っていきます。
事業別実績(3)
スライドのグラフは、事業別の受注高と売上高の推移をまとめたものです。厳しい事業環境などの影響により、新設関連の受注が落ち込んでいることに加え、大規模更新・保全に関連する売上高が事業費の影響で減少していることがご理解いただけると思います。
貸借対照表、キャッシュ・フロー
スライドの表は、貸借対照表とキャッシュ・フローを示しています。詳しい説明は割愛しますので、後ほどご覧ください。
中期経営計画 環境認識(1/2)
引き続き、現中期経営計画の最終年度である2027年3月期の業績予想と中期経営計画の進捗状況についてご説明します。
まず、現在の事業環境を簡単にご説明します。最初のトピックスでもお伝えしたとおり、公共投資の先行きは金額ベースで堅調に推移することが見込まれます。しかし、橋梁事業では厳しい事業環境が次期中期経営計画期間の前半まで継続する見通しです。
現中期経営計画の最終年度である2027年3月期については、当社の主力事業である橋梁事業のうち、新設関連や大規模更新・保全関連の発注量がいずれも前期を下回ると予想しています。
中期経営計画 環境認識(2/2)
当社は短期的には厳しい状況が続くものの、中期的には状況が異なると考えています。
高度成長期に集中的に建設された高速道路などで更新・保全工事が必要となる箇所が年々増えている状況を踏まえ、大規模更新・保全関連の発注量は、次期中期経営計画期間の後半には緩やかに回復していくものと見込んでいます。
また、当初計画より遅れているものの、大阪湾岸線西伸部の連続斜張橋や名神湾岸連絡橋など、高難度のビッグプロジェクトも着実に進捗しています。
さらに、「強い経済」の実現を目指す総合経済対策の推進により、新設関連を含めた市場環境の回復などが期待されているほか、鉄道関連や大空間・特殊建築物では、引き続き施工難易度の高い事業が数多く計画されています。そのため、中長期的には当社グループが飛躍できる事業環境が継続すると考えています。
2027年3月期業績予想
それらの事業環境を踏まえ、こちらの2027年3月期の業績見通しを作成しました。昨年11月に見直した利益目標は上回るものの、厳しい事業環境などの影響を受け、2026年3月期より減収減益となる見通しです。
定量目標と株主還元の見直しの経緯などは、この後ご説明します。
定量目標の振り返り(1/5)
まず、定量目標の見直しについて簡単にご説明します。現中期経営計画を策定した2022年5月時点では、新設関連における重量ベースの発注量は減少傾向にあったものの、20万トンを大幅に下回る結果になるとまでは予想していませんでした。
また、大規模更新・保全関連についても、更新・保全が必要となる箇所が増加し続ける状況を踏まえ、発注量は堅調に推移すると考えていました。
事実、現中期経営計画期間の前半においては、技術的難易度の高い新設関連や大規模更新・保全関連で順調に受注を積み上げ、受注残高が1,000億円を超えました。
さらに、売上・利益についても、2025年3月期には現中期経営計画最終年度の利益目標を超過達成しています。
定量目標の振り返り(2/5)
しかし、現中期経営計画期間の中盤から、この流れに変化が生じました。
技術的難易度の高い大規模更新・保全関連では、詳細設計や協議の遅れなどが多く見られるようになり、後半期間に一時的に売上・利益が落ち込むことが予想されたため、2024年11月の決算説明会において、売上・利益目標値の下方修正を行いました。
その後も物価上昇などの影響で、新設関連の重量ベースの発注量の減少が続いていました。加えて、その代替案件として期待していた大規模更新・保全関連においても、事業費などの問題により、工事規模の縮小や先送りが進展しました。
このような動きが次期中期経営計画期間の前半まで継続する見通しとなったことから、2025年11月の決算説明会で、現中期経営計画期間最終年度の売上・利益目標値を再度下方修正しました。
定量目標の振り返り(3/5)
スライドのグラフは、1994年から2025年までの鋼製橋梁の発注量の推移を示したものです。この30年間で発注量が大幅に減少していることが確認できます。特に、2022年頃に20万トン程度あった発注量が、ここ数年で急速に減少していることがご理解いただけると思います。
定量目標の振り返り(4/5)
スライドのグラフは、2024年11月の決算説明会で提示したもので、技術提案交渉方式により詳細設計に着手した工事の想定工事規模を、受注残高に加算しています。
大規模更新・保全関連では、受注が内定していた工事の規模が急速に縮小していることがご理解いただけると思います。
定量目標の振り返り(5/5)
スライドの表には、現中期経営計画期間における定量目標の実績値、2025年11月の決算説明会で下方修正した目標値、今回公表した目標値を示しています。
現在の厳しい事業環境下でも、当社は次期中期経営計画と一体となった企業価値の向上に継続して努めていきます。
売上高・営業利益の実績および見通し
このスライドは、これまでも提示していた、売上高と利益の実績および計画をグラフで表したものです。
株主還元の振り返り(1/2)
当社の株主還元方針について、少し振り返ります。
当社は、中長期視点に立ち、持続性の高い企業体質の確立と企業価値の向上、ならびに株主のみなさまへの還元を経営の重要な施策として位置づけています。同時に、株主のみなさまやステークホルダーのみなさまと共通のコンセプトである持続的成長のための投資など、バランスの良い資本政策を実施することを基本方針としています。
この方針に基づき、現中期経営計画を策定した2022年3月期より、配当性向を30パーセントと定めました。
その後、2023年3月の東京証券取引所からの要請に基づき、同年8月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を公表し、「配当性向60パーセントを目安として業績に応じた機動的な株主還元を実施し、自己資本の水準を適切にコントロールする」との配当方針の見直しを表明しました。
株主還元の振り返り(2/2)
その後、事業環境が悪化し、この厳しい状況が次期中期経営計画期間の前半まで続く見通しであることから、先日公表した決算短信において、2027年3月期の新たな配当方針を開示しました。
従前の基本方針に加え、新たに発表した内容がこちらのスライドです。
経営の健全性と持続的な成長を確保しつつ、事業環境が回復することが見込まれる次期中期経営計画期間の後半を見据え、必要な力を蓄えるとともに、売上・利益の減少局面においても、当社を支えてくださる株主のみなさまに報いるため、株主還元を充実する方針としました。
株主還元の実績および見通し
スライドのグラフは、近年の配当金額と配当性向の実績を示しています。
当社は今後も、中長期的視点に立った持続可能な企業体質の確立と企業価値の向上に努めていきます。また、株主のみなさまへの還元を経営の重要施策として位置づけ、株主のみなさまやステークホルダーのみなさまとの共通のコンセプトである持続的成長のための投資など、バランスの取れた資本政策を実施していきます。
主要戦略の状況
中期経営計画の実現に向けた主要戦略の実施状況です。
新設関連ビッグプロジェクトは予算などの都合により、想定より進捗が遅れているうえ、大規模更新・保全関連における新規契約工事の規模縮小や先送りなどの影響により厳しい事業環境となっています。
一方で、その他の取り組みは順調に推移しており、特に民間部門の活躍が当社の損益を下支えしています。
当社は、これらの取り組みを着実に進め、次期中期経営計画へとつなげていく考えです。
施策取り組みの状況
このスライドは、ゼネコン等との異工種JVにより取り組んでいるビッグプロジェクトや、大規模更新・保全関連工事をまとめたものです。
主要戦略である「アライアンスの強化」の方針に基づき、ゼネコン等との異工種JVを組成し、多くの案件に取り組んでいることがご理解いただけると思います。
資本戦略
資本戦略の進捗状況です。スライドの図は、今回見直した2027年3月期の業績見通しに基づき、EBITDAとキャピタルアロケーションの計画値に進捗状況などを書き加えたものです。
当社グループは、資本戦略を着実に遂行し、持続的な成長と企業価値の向上を図っていく考えです。
投資戦略(1/2)
このスライドは、中期経営計画期間中の投資戦略の進捗状況を取りまとめたものです。
当社グループは、これらの投資計画を着実に遂行し、常に社会の変化に適応しながら、企業価値のさらなる向上を目指します。
投資戦略(2/2)
このスライドは、2026年3月期における主要な投資実績を簡単にまとめたものです。具体的な説明は割愛します。
社会的課題への取り組み
社会的課題への取り組み状況についてです。
当社グループでは、SDGsの実現を目指し、スライドのとおり、さまざまな活動を推進しています。今後も引き続き、持続的成長に向けた各種取り組みを推進していきます。
次期中期経営計画(2027~2031年度)に向けて
次期中期経営計画に向けた当社の取り組みについて、簡単にご説明します。
当社グループは、次期中期経営計画の策定に向け、グループとしての経営管理体制を一層強化し、安定した黒字体質を確固たるものにするよう努めます。
また、グループの主要な事業会社である宮地エンジニアリングとエム・エムブリッジがワンチームとなり、持続的な成長と発展を図ります。
さらに、国内鋼製橋梁市場の変化や動向を踏まえ、持てる経営資源を新設関連工事、大規模更新・保全関連工事、民間工事などに適切に配分していきます。
同時に、人材の確保・育成や女性活躍を推進し、働き方改革を進めます。
なお、それらを担保するために、2027年度を初年度とする次期中期経営計画は、今年度中に公表する予定です。
政策保有株式の縮減方針
大幅な上昇局面にある政策保有株式は、短期的には難しいものの、次期中期経営計画期間を見据え、純資産に対する割合を10パーセント以下に縮減する取り組みを引き続き推進していく予定です。
株主・投資家との対話の実施状況等について
本日の説明会の最終章として、先日公表した株主・投資家との対話の実施状況についてご説明します。
当社は2026年3月期においても多くのSRおよびIR面談を実施し、資本政策などについて株主・投資家のみなさまにご理解いただくとともに、対話を通じて得られた知見をもとに、スライドに記載のようなさまざまな施策を取り入れてきました。
当社は今後も引き続き、株主・投資家のみなさまとの積極的な対話などを通じて、持続的な成長と企業価値の向上に努めていきます。
以上で、2026年3月期決算説明会を終了します。ご清聴いただき、誠にありがとうございました。