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坪田ラボ Research Memo(1):医薬品のパイプラインが進捗、ヘルスケア領域にも進出

■要約

坪田ラボは、近視進行抑制や脳の活性化に対する効果が期待されるバイオレットライトを用いた医療機器及び医薬品の開発を進める慶應義塾大学発のバイオベンチャーである。“VISIONary INNOVATION※で未来をごきげんにする”をミッションとし、「近視、ドライアイ、老眼、脳疾患に画期的なイノベーションを起こす」を目標に掲げている。

※ 「VISIONary INNOVATION」は、“視機能”に関わる疾患への深い“洞察”(“Vision”)、と未来を見据えた先見性と革新性(“Visionary”)を融合させた同社の中核的価値観である。

1. 開発パイプラインの状況
医療機器では、近視進行抑制を目的としたバイオレットライト照射デバイス「TLG-001」の国内臨床試験結果を2026年2月に発表した。有効性について統計学的な有意差は得られなかったものの、屋外活動時間が短い被験者群に絞ると、近視進行抑制で有意差が得られた。このため国内での開発は改めて検討することにしている。一方、中国のライセンス供与先企業で2026年内の臨床試験開始に向けた準備を進めており、今後の動向が注目される。

医薬品では、マイボーム腺機能不全を対象とした治療薬「TLM-001」の第2a相臨床試験が国内で、また、近視進行抑制薬「TLM-003」の第2相臨床試験が国内と海外でそれぞれ開始されるなど、開発が順調に進んでいる。そのほか、眼GVHDによる角結膜障害(重症ドライアイ)を対象とした点眼薬「TLM-017」、及び網膜色素変性症の進行抑制を目的としたバイオレットライト照射デバイス「TLG-020」について、それぞれ特定臨床研究を開始するなどパイプラインの拡充も進んでいる。

2. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の業績は売上高で前期比85.3%減の200百万円、経常損失で760百万円(前期は281百万円の利益)となった。複数のパイプラインでライセンス契約の交渉を進めていたが締結までには至らず、前期売上高の大半を占めた契約一時金収入が剥落したことが減収減益要因となった。主に研究開発及び知財部門の人員を増員し、従業員数は前期末比5名増の22名となった。また、業務委託を含めた研究開発人員は同6名増の49名となっており、新たなパイプラインの創出にも取り組んでいる。

3. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の業績は売上高で1,100〜1,500百万円、経常利益で45〜90百万円を計画している。売上高はライセンス契約一時金や新規導出の計上が増収要因となる。経常利益のレンジが売上高と比べて小さいのは、売上高の水準に応じて研究開発費を柔軟に調整する方針であるためだ。2027年3月期の重要事項として、TLM-001の第2a相臨床試験で被験者組み入れを完了すること、TLM-003の国内外での臨床試験の進展に加えて、TLG-001の中国での臨床試験開始、TLM-017及びTLM-023の新規導出契約、サイエンスコスメ事業として新たに開始したエイジングケア化粧品ブランド「aeonia(エオニア)」の販売拡大を図る方針である。

4. 中長期戦略
同社は中長期の戦略として、医療機器・医薬品の開発と、ライセンス供与による契約一時金、マイルストーン及びロイヤリティ収入の獲得によって成長を目指すことに加えて、第3の柱としてヘルスケア領域に進出し、クロスドメイン戦略により収益基盤の安定化と企業価値の向上を図る。ヘルスケア領域では、サイエンスコスメ事業と、光環境制御技術を用いてエビデンスに基づき「健康の維持・向上」を図るReLight Tech事業を育成する考えだ。

■Key Points
・ドライアイ及び近視領域の2つのパイプラインで開発が進捗
・2027年3月期は契約一時金及び新規導出の計上で黒字転換する見通し
・事業モデルを事業開発型にシフトし、クロスドメイン戦略で成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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