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フジ日本 Research Memo(3):「糖」を起点とした技術・知見を横断的に活用

■事業概要

1. 事業内容
フジ日本は糖類事業・機能性素材事業・不動産事業・その他の4セグメントで構成される。2026年3月期の売上高は糖類事業13,444百万円(構成比47.3%)、機能性素材事業14,121百万円(同49.6%)、不動産事業633百万円(同2.2%)、その他事業243百万円(同0.9%)となり、機能性素材事業の売上高比率が通期ベースで初めて糖類事業を上回るという転換点を迎えた。

同社では、糖類事業と機能性素材事業を完全に切り離すのではなく、「糖」を起点とした技術・知見を横断的に活用している。精糖事業で培った経験を基に、サトウキビを原料としたイヌリンの製造を実現した。長年蓄積した原料調達、品質管理、安定供給のノウハウは、機能性素材事業においても顧客からの信頼獲得に寄与している。

(1) 糖類事業
糖類事業では、上白糖・グラニュ糖・三温糖などの精製糖や液糖、砂糖関連製品の製造販売を行う。業務用砂糖を主体とし、食品・飲料・製菓メーカーなどの幅広い顧客へ提供しているほか、一般消費者向けには富士山とサクランボをあしらった伝統的なブランドマークで商品を展開している。自社では過大な製造設備を持たず、太平洋製糖への受託製造と塩水港精糖とのアライアンス(共同生産・物流・購買)により固定費を抑えた効率的な運営体制を構築している。

2024年12月にタイのThai Wah Public Company(TWPC)と戦略的協業に合意し、2025年3月に設立したTWPCとの合弁会社Thai Wah Fuji Nihon(TWFN)を通じて、キャッサバ由来のタピオカでんぷん粉及び関連食品の製造販売事業に参入した。事業領域の拡大に伴い、2026年3月期から従来の「精糖事業」から「糖類事業」に名称変更している。

(2) 機能性素材事業
機能性素材事業では、イヌリン「Fuji FF」の製造販売のほか、食品添加物・天然添加物素材(ペクチン・ゼラチンなど)・プラントベーストミートを展開する。2026年3月期は売上高比率で初めて糖類事業を上回った。イヌリンの製造は全量タイ工場が担っており、そのうち約4割を日本に輸入し、残り6割は東南アジアを中心に販売している。なお、国内の主な競合ではでは伊藤忠商事が欧州産イヌリンの販売を担っている。同事業では、ユニテックフーズがペクチンなどの食品添加物の製造販売に加えて、食品メーカー向けに技術コンサルティング事業を展開している。クライアント企業のアイデアを形にするための技術支援を行い、フードサイエンス領域における事業の中核を担っている。

(3) 不動産事業
不動産事業では、東京都中央区の旧本社跡地に「東横INN茅場町駅」を建設し2023年9月から賃貸を行っているほか、横浜や静岡などに保有する土地・建物の賃貸を行っており、安定収益を形成している。また、2025年3月末時点の保有不動産の帳簿価額は985百万円に対し、時価は9,370百万円と大きな含み益を有している。中期経営計画においては、成長投資の必要に応じた物件売却による資金捻出も選択肢として検討する方針だ。

(4) その他事業
その他事業における主力は、切花活力剤「キープ・フラワー」の製造販売であり、発売から50年以上の歴史を持つ国内トップブランドである。切花の鮮度保持効果を持つ独自配合により、国内の花卉ビジネス向けに幅広い販路を確立している。近年はBtoC向け展開や海外展開も視野に入れており、事業の拡大を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉俊輔)

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