■フェイスネットワークの事業概要
1. 不動産投資支援事業
不動産投資支援事業では、不動産投資用の新築一棟RCマンションや、不動産小口化商品の企画、開発、さらには販売までを手がけている。新築一棟RCマンションの自社ブランドである「GranDuo」シリーズにおいて、「GranDuo」「THE GRANDUO」を展開している。プロジェクトごとに独自のコンセプトを設定し、それをデザインや間取りに反映させることで付加価値を高め、他の賃貸物件との差別化を実現している。また、RC造の物件は、寿命が長く耐震性に優れているという特徴を持つ。これにより、長期的な運用を考えるオーナーにとっては安定した投資先として、入居者からは「安心できる住まい」として選ばれる理由になっている。「GranDuo」は、安全性、機能性、デザイン性を高い次元で融合させた商品である。好立地に開発することで、オーナーが長期的に安定した収益を得られる商品となっている。一方、「THE GRANDUO」は、高級賃貸レジデンスという位置付けである。邸宅設計の実績が豊富な建築家を起用し、これまでにない「新しい暮らし・新しい価値」を提供している。
エリア戦略として、東京都の「城南3区」に特化している。このエリアは都心へのアクセスが良く、豊かな緑と整った住環境を兼ね備えており、「住みたい街」として常に高い人気を誇る。年間を通じて賃貸需要が旺盛で賃料相場も高いため、長期的に安定した収益が見込める不動産投資用物件の開発に適した立地である。2026年3月期末の時点で、全開発物件321棟のうち75.1%に当たる241棟を城南3区で展開しており、エリアを絞って実績を重ねることで、有益な土地情報を迅速に獲得する体制を築いている。毎月400件を超える非公開の土地情報の中から収益性の高い物件を厳選し、速やかにプランニングと工事原価を算出して販売先へ提案することで、確実にプロジェクトを成立させている。土地情報が広く素早く集まるのは、城南3区における同社の開発実績が業界内で認知されているからであり、収益性を最大化するプランを迅速に作成して提案できるのは、自社内に設計チームを擁していることによる。つまり、同社独自の強みがあるからこそ、投資効率の高い土地を瞬時に見極め、適正な価格で優良な物件を継続的に仕入れることが可能となっている。また、城南3区は建築規制が厳しく、設計やプランニングが難しいという地域特有の課題があるが、同社はこのエリアを中心に300棟を超える開発を行ってきた企画力とノウハウを持つ。そのため、厳しい建築条件や複雑な土地形状であっても、収益を最大化できる最適な規模の設計と施工が実現できる。
2. 不動産マネジメント事業
不動産マネジメント事業では、不動産オーナーや同社が保有する物件を管理・運営するPM業務を行っている。具体的な業務内容は、入居者の募集や入退去・更新の手続き、賃貸借条件の交渉窓口、クレーム対応、入金管理から、メンテナンス、オーナーへの送金やレポート作成、さらには資産価値を高めるための施策立案・実践にまで及ぶ。この事業の収益は、管理を受託することで得られる手数料と、販売用物件を在庫として保有している期間の家賃収入で構成されている。管理運営の受託戸数を積み上げることで、長期的に安定したストック型の収益基盤となっている。入居者の募集に関しては、自社の賃貸仲介業務を担う「3区miraie(ミライエ)」が担当している。自社の賃貸物件を専門に扱うことで、入居希望者に対して城南3区の地域的な特徴や物件の魅力をより深くアピールできる体制を整えている。この取り組みが入居につながり、不動産オーナーにとって物件の収益性を高める要因となっている。
3. 特徴・強み
同社には、土地の仕入れから設計、施工、賃貸募集、物件管理、一棟販売に至るすべての工程を一括管理する「ワンストップサービス」を提供し、特に自社で設計と施工を手がけるという強みがある。この一連の体制を社内で完結させることで、中間コストの削減を実現している。コスト削減は不動産オーナーの利益にもつながるため高く評価されており、結果として仕入れ用の土地情報が集まりやすくなる好循環を生んでいる。さらに、高い信頼が原動力となり、多くのリピート受注や販売へとつながっているようだ。
4. 管理戸数と入居率
不動産マネジメント事業における過去6期間の管理戸数と入居率の推移については、販売物件数が順調に積み上がり、管理戸数も堅調に増加している。入居率についても90%台後半という高い水準を維持し、安定して推移している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)