FY2026/4期 通期決算ポイント
今野智氏(以下、今野):株式会社ラクーンホールディングス取締役財務担当副社長の今野智です。本日は多数のご出席を賜り、誠にありがとうございます。
本日は2026年4月期第4四半期決算説明に加え、新たに公表した中期経営計画についてもご説明します。2026年4月期第4四半期決算説明は今野が担当し、後段の中期経営計画について社長の小方よりご説明します。
それでは、2026年4月期第4四半期の決算説明を開始します。
通期決算のポイントです。売上高は65億7,400万円で、前年同期比(YoY)プラス7.8パーセントの成長となっています。ただし、2025年4月期上半期終了時点で家賃保証事業を売却していますので、若干YoYの比較が難しい点にご留意ください。
そのため、家賃保証事業を除いた売上高についても開示しています。スライド右側に記載のとおり、YoYプラス11.4パーセントとなっており、実質的な成長率は2桁を計上しています。営業利益は13億2,000万円で、YoYプラス5.3パーセントとなっています。
また、スライド下部に記載の「特殊要因を除いた営業利益の実質成長率」については、2つの影響を排除したものです。
1つ目は、現在の進行期である2027年4月期の事業計画を立てる上での実証実験コストです。この実証実験は当初の想定外のものであったため、2026年4月期第4四半期では5,100万円のコストを除外しています。この詳細は後ほどご説明します。
また、株主優待費用8,900万円は今後もコストとして計上されるものですが、前期にはなかった費用です。そのため、実質的な成長率を計算する際に一度排除して算出しています。この結果、実質的な成長率はYoYプラス16.5パーセントとなります。
通期のポイントです。1点目は、EC事業による通期業績の牽引です。通期GMVはYoYプラス12.0パーセントとなり、目標としていたYoYプラス10.8パーセントを上回りました。中でも国内GMVは非常に好調に推移しました。特に下半期以降の成長率の加速が顕著である点については、後ほどデータを基にご説明します。
2点目は、フィナンシャル事業の2桁成長達成です。「Paid(ペイド)」「URIHO(ウリホ)」のいずれも2桁成長となっています。売上原価率、いわゆるデフォルトコストについても、非常に良好な水準を維持しており、一定の収益性が確保されています。こちらも後ほどご紹介します。
3点目は、先ほども触れた実証実験です。2026年4月期から株式会社アドバンテッジパートナーズと協業を開始しており、その一環として、進行期以降の計画を立てるための実証実験を行いました。
実証実験の内容と結果|FY2026/4期第4四半期(2~3月)
実証実験についてご説明します。今後の説明においてもキーワードとして出てきますので、この実証実験がどのような目的で、どのような内容で行われたものかをお伝えします。
本日、進行期以降の業績予想も公表しましたが、2027年4月期はプロモーションをさらに深く進める計画となっています。この計画を実行するにあたり、実証実験を行い、「必ずリターンとして戻ってくるのだ」と計画の確からしさを検証する必要がありました。
この実証実験は、株式会社アドバンテッジパートナーズにもご協力いただいており、「スーパーデリバリー」「Paid」「URIHO」について、費用をかけてテストを実施しています。
「スーパーデリバリー」には4,000万円を投資しました。これは、広告宣伝費を従来より多額にかけても、CPAを大きく悪化させることなく新規会員登録数を増やせるかというテストです。
このテストは非常に成功し、その結果、広告経由の新規会員登録数が前四半期比で33.4パーセントと非常に大きく増加しました。また、CPAもほとんど悪化しませんでした。
「Paid」でもプロモーションとして560万円を投資しました。広告宣伝費の追加投入や営業代行の活用を新たにテストしたものです。
結果として、4月単月の商談化件数は直前1年の平均に比べて50パーセント増加しました。これも2027年4月期の計画を立てる上で、非常に重要なデータとなりました。
「URIHO」には570万円を投資しましたが、広告宣伝費の追加投入、営業代行の活用のほか、代理店委託をしている地銀向けに紹介手数料の増額キャンペーンを実施しました。その結果、4月の入会件数は直前1年の平均に比べて26.3パーセント増加しました。
3つに共通して言えるのは、いずれもお客さまの数をこれまでより早いペースで増やすためにコストを投入したという点です。この結果、非常に良好な成果が得られました。
このことが、私のパートの最後にご説明する業績予想や社内の予算作成において、大きな後ろ盾となっています。
EC事業|スーパーデリバリー
ここからは通常の決算説明に入ります。
EC事業では、通期GMV成長率が全体でYoYプラス12.0パーセント、国内でYoYプラス14.0パーセント、海外でYoYプラス6.6パーセントとなりました。
ただし、2027年4月期につながる最も重要な部分は第4四半期のGMV成長率です。こちらが大きく跳ね上がり、YoYプラス19.0パーセントの成長を実現しました。特に国内においてはYoYプラス23.8パーセントと、ここ数年になかった大きな成長率を達成しました。
その要因として、2点挙げられます。1点目は購入客単価が大幅に増加したことです。過去の説明会にご参加いただいている方はご存じのとおり、2024年4月期第2四半期あたりから客単価が一貫してマイナスの状態が続いていました。
しかし、2026年4月期は第2四半期あたりからプラスに転じ、第3四半期以降、その増加率が大幅に加速しました。そして、第4四半期ではさらに加速した状況です。この点については後ほどデータで示します。
2点目の要因として、新規購入客数の増加があります。実証実験により、第4四半期の新規会員登録数を大幅に増加させることができました。その結果、新規購入客数がYoYプラス31.5パーセントとなりました。
海外ECについては、外部環境が必ずしも良好とは言えません。米国の関税や、紛争の影響により、購入客数は若干減少傾向が続いています。しかし、購入客単価が大幅に伸びたことが結果としてGMVの成長を下支えし、通期でYoYプラス6.6パーセントの成長を達成しました。
フィナンシャル事業|Paid・URIHO
フィナンシャル事業のポイントです。「Paid」および「URIHO」のKPIがいずれも2桁成長を達成しました。
「Paid」のGMV成長率は通期でYoYプラス12.6パーセントとなり、EC事業と同様、第4四半期にはYoYプラス16.5パーセントと非常に大きな伸びを記録しました。さらに「URIHO」では、保証残高がYoYプラス21.3パーセントという結果になりました。
また、売上原価率も低水準を維持しています。これは冒頭でお伝えしたように、与信管理が非常にうまく機能しており、第4四半期も順調に推移した結果であると言えます。
連結業績|概要
連結業績です。売上高はYoYプラス7.8パーセントの成長となりました。しかしながら、業績予想で示していた67億4,000万円の水準には、約2.5ポイント足りませんでした。
下半期は非常に好調だったものの、上半期に特にEC事業において客単価が低下していた時期の影響を、半年間で回復しきることができませんでした。
一方で、営業利益は13億2,000万円、YoYプラス5.3パーセントとなりました。こちらも、上半期に発生したビハインドを取り戻すことができなかった点が影響しています。また、実証実験のコストとして予定外の5,100万円を計上したこともあり、結果的にビハインドのまま終わるかたちとなりました。
連結業績|概要(広告宣伝費・販促費除き)
広告宣伝費や販売促進費を除いた成長率です。これは数年前から公表しています。
営業利益は24億5,500万円、YoYプラス9.2パーセントの成長となりました。株主優待コストの影響を除くと、YoYプラス13.2パーセントとなります。
連結業績|グループGMV・URIHO保証残高推移
グループGMVおよび「URIHO」の保証残高の推移です。第3四半期から第4四半期にかけて、角度が大きく変わり、良い傾向が見られます。
連結業績|売上高推移(累計)
売上高の年間比較です。スライドにあるとおり、EC事業とフィナンシャル事業は共に成長しています。
特に注目していただきたいのは、フィナンシャル事業です。家賃保証事業の影響が残っているものの、家賃保証事業を除くと、このグラフよりもやや高い水準となり、YoYプラス14.4パーセントの成長を記録しています。
なお、2027年4月期から2028年4月期にかけては家賃保証事業の影響がなくなるため、通常の開示が可能になると考えています。
連結業績|売上高推移(四半期)
売上高の四半期推移です。第3四半期から成長率が大きく上がっていることがわかります。
連結業績|売上総利益推移(四半期)
売上総利益の推移です。売上総利益に関しては、2つの要因があります。
1つは、売上高の成長が基本的なベースとなっています。もう1つは、フィナンシャル事業においてデフォルトコストが売上原価に計上されていることです。この2つの要因で売上総利益が決まります。
売上高は、比較的第3四半期および第4四半期に好調であり、さらにデフォルトコストが非常に少なかったため、売上総利益も大きく伸びました。この点は、第3四半期からの傾向となっています。
連結業績|費用(販売費及び一般管理費)構成推移(累計)
費用についてご説明します。2026年4月期は多くの資金を積極的に使用しました。具体的には、実証実験コストのほか、広告宣伝費も比較的多めに費用を投じた1年となりました。
また、EC事業における海外送料ですが、第1四半期および第2四半期において、当社はコストとして大きな負担を強いられました。これを「第3四半期、第4四半期で取り返しますよ」という施策のもとで対応しましたが、結果としてほぼ取り戻すことができました。最終的に、収支はほぼ均衡するところまで持ち直しています。
連結業績|営業利益推移(累計)
営業利益は、スライドのとおり若干の増加となりました。
この増加の主な要因は、広告宣伝費の増加や株主優待コストの新規導入、さらに実証実験の実施などが挙げられます。株主優待コスト以外を除いて評価した場合、スライド右側のグラフにも示されているように、比較的着実な成長を示していると言えます。
つまり、収益獲得能力の基礎的な部分は確実に向上しています。ただ一方で、広告宣伝費の上積みがあったため、最終的な営業利益は横ばいからやや増加する程度にとどまりました。
連結業績|営業利益推移(四半期)
四半期の推移でも、先ほどの通年とほぼ同じ動きが見られます。スライド左側のグラフで第4四半期がへこんでいるのは、株主優待コストが第2四半期と第4四半期に計上されるためです。
具体的には、第4四半期に株主優待コスト4,300万円に加え、実証実験コスト5,100万円を計上したことにより、合計9,400万円が営業利益を押し下げる要因となっています。
広告宣伝費や販売促進費を除いた部分では、右側のグラフのとおり順調に伸びています。
EC事業|FY2026/4 Q4 まとめ
セグメント別に詳しくご説明します。
EC事業では国内ECの通期GMVがYoYプラス14.0パーセントと、2桁成長を達成しました。一方、海外ECに関してはYoYプラス6.6パーセントとなり、若干の逆風となりました。
その結果、セグメント売上高は38億9,900万円でYoYプラス9.5パーセント、セグメント利益は12億7,200万円でYoYプラス2.7パーセントとなりました。
利益に大きく影響したのは、実証実験コストです。特にEC事業で多く発生し、計画外のコストとして4,000万円が計上されています。
EC事業|国内EC
国内ECについてさらに掘り下げて説明します。第4四半期の国内GMVは65億2,500万円、YoYプラス23.8パーセントと、非常に大きな成長を達成しました。
内訳としては、購入客数がYoYプラス3.3パーセント、購入客単価はYoYプラス19.8パーセントとなっています。
購入客数では、実証実験の効果もあり、新規購入者数がYoYプラス31.5パーセント、QoQプラス37.9パーセントと増加しています。将来的な成長につながる非常に良い結果を得ることができました。ただし、リピート購入者数はやや振るわない結果となりました。
購入客単価は、スライド右下のグラフに示されているとおり、非常に大きく伸びています。第3四半期ではYoYプラス10.0パーセントでしたが、第4四半期ではその約2倍となるYoYプラス19.8パーセントの成長を記録しました。これが国内GMVの成長を大きく牽引したと考えられます。
EC事業|海外EC
海外ECに関しては、外部環境はあまり良好ではありません。中東情勢などの影響があります。
さらに、2026年4月期は旧正月の影響も受けています。旧正月は時期が変動するため、当社では第3四半期に旧正月がある年と、第4四半期に旧正月がある年があります。
当社の場合、旧正月の期間、中華圏ではほとんど売上が立ちません。2026年4月期は第4四半期に旧正月があったため、中華圏、特に台湾の売上が伸びにくい時期となりました。
その影響で、YoY成長の観点ではどうしても抑制される結果となり、短期的には足を引っ張られるイメージです。ただし、結果として台湾ではプラス成長を維持しており、YoYプラス2.2パーセントとなりました。
アメリカでは、YoYプラス17.3パーセントの成長を遂げています。関税の影響により外部環境は決して良好とは言えませんが、客単価の大幅な増加により、2桁成長を実現することができました。
一方で、香港では引き続き成長率がマイナスで推移しています。経済がかなり回復してきたという話をよく耳にしますが、当社としてはまだ十分な投資を再開していない状況であり、引き続きマイナスが続いています。
韓国はYoYプラス10.2パーセントと非常に堅調な成長率を記録しました。
欧州ではさらに大きな成長を遂げており、複数国を合計した数字ではありますが、YoYプラス46.0パーセントの成長となっています。構成比でも9.6パーセントとなり、アメリカ、香港、韓国などと非常に近い水準の金額になっています。この伸びは、当社にとって非常に大きな成果だと考えています。
EC事業|スーパーデリバリー流通額(GMV)推移(四半期)
「スーパーデリバリー」の流通額は第3四半期から大きく伸び始めています。
EC事業|購入客数と購入客単価(四半期)
購入客単価と購入客数です。購入客単価は先ほどご説明したとおり、第3四半期、第4四半期で大きく反転しました。
購入客数も、第3四半期はやや減少が見られましたが、第4四半期にはしっかりと伸びています。
EC事業|購入客数推移(リピート購入客/初回購入客別)(四半期)
購入客数の中でも初回購入者数が大幅に伸び、久しぶりに5,000社を超える水準に戻っています。
一方で、リピート購入者数を伸ばすことができませんでした。この点については、当社も当然ながら課題意識を持っています。今後はCS強化やポイント施策などを通じて、継続率の引き上げを図りたいと考えています。
新規獲得施策はおおむね目処が立ったため、それを継続しながら、リピート率を引き上げることによって、GMVの成長率をさらに上振れさせる可能性があると考えています。
EC事業|購入客単価推移(四半期)
購入客単価の推移を示しています。国内小売業、国内小売業以外、海外を含むすべてのセグメントで伸びています。
EC事業|売上高推移(四半期)
売上高の推移についてはスライドのとおりです。国内GMVが増加しているため、売上高も増加しています。
EC事業|セグメント利益推移(四半期)
セグメント利益は、第3四半期から第4四半期にかけて実施した実証実験により4,000万円のコストが発生し、利益がやや減少しました。ただし、広告宣伝費を除けば売上高に比例して大きく伸びています。
フィナンシャル事業|FY2026/4 Q4 まとめ
フィナンシャル事業では「Paid」「URIHO」の両方で2桁成長を達成しました。
そのため、セグメント売上高はYoYプラス5.5パーセントの成長となっていますが、家賃保証を除いた実質的な成長率はYoYプラス14.4パーセントとなっています。
「Paid」では、第4四半期の外部取扱高はYoYプラス16.5パーセントの成長となっています。
「URIHO」では、保証残高がYoYプラス21.3パーセントとなり、非常に良好な状況を実現できていると言えます。
「Paid」「URIHO」の実証実験の結果は、冒頭でご説明したとおりです。
フィナンシャル事業|Paid取扱高推移(四半期)
「Paid」の取扱高推移です。「スーパーデリバリー」ほど顕著な変化は見られませんが、第4四半期に若干成長率が上がっていることがグラフからもおわかりいただけると思います。
なお、実証実験でマーケティング強化や営業代行強化を行ったことにより、商談化件数が増加しています。「Paid」では売上の計上までに若干時間がかかるため、この増加は2027年4月期から徐々に取扱高に反映されるものと認識しています。
したがって、このスライドには実証実験による商談化件数の増加はあまり反映されていないとご理解ください。
フィナンシャル事業|URIHO保証残高推移(四半期)
「URIHO」の保証残高推移は比較的好調です。
フィナンシャル事業|四半期売上高推移(四半期)
四半期売上高もご覧のとおりです。GMVや保証残高が好調であることから、全体として比較的好調に推移していると言えます。
フィナンシャル事業|売上原価率推移(四半期)
売上原価率、デフォルトコストの状況です。第4四半期売上原価率は20.9パーセントとなりました。
過去の数字からもわかるとおり、第4四半期は非常にデフォルトコストが多い時期です。ただし、2026年4月期は履行も少なく、回収も順調だったことで、非常に良い状況となりました。
世の中では倒産件数が増加していると言われる中にあっても、当社では与信コントロールがうまく機能していると理解しています。
フィナンシャル事業|セグメント利益推移(四半期)
フィナンシャル事業のセグメント利益も、おおむねEC事業と同じような状況にあります。実証実験の影響で利益は若干減少していますが、広告宣伝費や販売促進費を除いた部分では増益となっています。
FY2027/4期 業績予想数値
2027年4月期の業績予想についてご説明します。冒頭で少し触れましたが、2027年4月期は後ほど詳しくご説明する新しい中期経営計画の1年目にあたります。
その1年目において、大規模な先行投資を行うことを決断しました。プロモーション関連費用などいくつかの項目がありますが、前期比で約8億円増の投資を実施します。
その結果、売上成長率は上がると想定していますが、利益に関してはプロモーションコストの増加が先行し、成果が徐々に顕在化するため、2027年4月期に限り減益となる見通しです。
業績予想としては、売上高は75億円、通期でYoYプラス14.1パーセントの成長を見込んでいます。2026年4月期の成長率が前年比11パーセントだったため、それを上回る伸びを計画しています。
調整後EBITDAは、株式会社アドバンテッジパートナーズとも相談の上、2027年4月期から新たに公表することとなりました。
詳細な定義などについては後ほどご説明しますが、まずは数字をお伝えします。調整後EBITDAは10億5,000万円で、YoYマイナス34.1パーセントとなります。営業利益は6億円で、YoYマイナス54.6パーセントとなります。
FY2027/4期業績予想の考え方|概要
業績予想の考え方ですが、2027年4月期は新しい中期経営計画の1年目となります。今後、中期経営計画の期間およびその後の期間を含め、成長率を大きく引き上げていきたいと考えています。
そのため、プロモーションの増加がどのような影響を与えるかが、非常に大きな課題となりました。
当社が中期経営計画で重視しているのは、お客さまの数を増やすことです。まだ市場にはホワイトスペースが多く残されているため、お客さまの数を増やすことが最優先課題であり、それが実現可能かどうかが最大のポイントでした。
そのため、スライド中央にも記載したとおり実証実験を行い、予想以上に良好な結果を得られました。このことからも確証を得られたと判断し、踏み込む決断をしました。その結果が先ほどの業績予想に反映されています。
【再掲】実証実験の内容と結果|FY2026/4期第4四半期(2~3月)
スライドは再掲です。資料としてご覧いただく方のためにあらためて掲載していますが、説明は割愛します。
成長投資のストーリー|FY2027/4期は減益、翌期以降に回復・拡大
今後の成長ストーリーです。この実証実験の結果を踏まえ、お客さまの数を増やすためにプロモーション投資の水準を引き上げる予定です。
これは2027年4月期だけでなく、それ以降も同様に引き上げる考えです。そのため、基本的には2028年4月期以降も引き上がった水準のプロモーション投資を継続して行う予定です。
一過性の施策では効果が限定的であるため、継続的に高い水準の投資を行うことで、売上成長率を持続的に引き上げ、その結果として長期的な利益成長率も向上すると見込んでいます。
その結果、中期定量目標として、2027年4月期の売上高成長率を14.1パーセント、2031年4月期までのCAGRを15パーセントとしています。
新たな指標「調整後EBITDA」の採用について
2027年4月期から開示する調整後EBITDAについてご説明します。
その背景ですが、中期経営計画および株式会社アドバンテッジパートナーズとの提携の中で、M&Aや人的資本投資、株主還元などを強化する方向性を持っています。株主還元については昨年からすでに強化を進めています。
しかし、当社は現在の利益規模が10数億円程度にとどまっているため、M&Aによる一時的なコストや株式報酬費用などが、短期的に営業利益に大きく影響を及ぼす可能性があります。
その結果、営業利益だけでは投資家のみなさまから本当の意味での利益成長が見えにくくなる懸念があります。このような懸念を補うために、調整後EBITDAの開示を行うこととしました。当社では、これを当面の経営指標としたいと考えています。
調整後EBITDAの定義です。営業利益に無形資産の償却も含めた減価償却費、のれん償却費、M&A関連一時費用、株式報酬費用、ESOP関連費用、株主優待関連費用を加えたものを、当社なりの調整後EBITDAとして定義しました。
この開示により、業績の透明性や成長トレンドの把握が容易になるほか、キャッシュ創出能力も理解しやすくなることを狙っています。
一般的でない調整項目の採用理由
なお、調整後EBITDAは、みなさまご存じのとおり勝手指標であり、会社によってその定義が大きく異なることがあると考えています。
その中で、当社はやや一般的ではないコストを2つ加えています。それが株主優待関連費用とESOP関連費用です。この点について、なぜこれらを加算しているのかをご説明します。
株主優待関連費用に関しては、基本的には配当と同じ性質を持つものと理解しています。そのため、この点については、配当と同様に株主優待関連費用を影響させない利益を開示することに一定の意味があると考えました。
ESOP関連費用も株式を活用した報酬の一種であり、非現金項目に該当します。これは、従業員に株式を一定のルールに基づいて配布する仕組みであるため、非現金項目として、調整後EBITDAの計算に含める方針としています。
営業利益から調整後EBITDAへの内訳
なお、繰り返しとなりますが、調整後EBITDAは勝手指標であり、我々が独断で指標を変更して投資家のみなさまに不利益を与えることがあってはなりません。したがって、先ほど示した計算式は今後も継続して適用します。
また、営業利益と調整後EBITDAの調整項目についても毎期開示する予定です。2027年4月期の業績予想と2026年4月期の計算項目については、スライドに記載のとおりです。
業績予想|売上高
業績予想の売上高の内訳はご覧のとおりです。EC事業およびフィナンシャル事業については、いずれも2桁成長を目指す前提となっています。
業績予想|KGI
前提となるKGIです。「スーパーデリバリー」ではGMVのYoY成長率をプラス14.3パーセントとしています。
「URIHO」について補足すると、課金顧客数を新たに開示しています。理由として、保証残高は以前から開示しており、今後も継続して開示しますが、「URIHO」はサブスク方式で、保証残高と売上の連動性が若干希薄であるためです。
そのため、直接的に影響のある金額、すなわち指標として課金顧客数を新たに開示することになりました。この指標は社内でも重要なKPIとして位置づけており、YoY成長率をプラス38.8パーセントとしています。
「Paid」については、YoY成長率をプラス19.1パーセントとし、これまでと比べてもかなり大きな成長率を目指しています。その背景には、2027年4月期から大手企業の獲得に注力していることがあります。
【参考】新指標 過去推移
調整後EBITDAを開示すると説明しましたが、過去10年分を再計算し、みなさまのご参考として開示します。なにかの参考にしていただければと思います。
2027年4月期にリリース予定の新機能・新プラン
本日、事業系のプレスを3件開示しています。これは進行期にリリース予定の各サービスの新機能や新プランに関するものです。
「スーパーデリバリー」では、「SDダイレクト」というサービスを今年7月に開始する計画です。
簡単にご説明すると、「スーパーデリバリー」は、ネット上でマッチングされたサプライヤーとバイヤーが、ネットを通じて効率的に受発注や決済を行うサービスです。
ほとんどの出展企業やサプライヤーにとって、「スーパーデリバリー」の取引は全体の取引のごく一部に過ぎません。その残りの部分については、紙やFAX、電話などの方法で取引が行われています。
それらを当社の「スーパーデリバリー」プラットフォームに取り込み、DX化・効率化を図るためのサービスが「SDダイレクト」です。
このサービスは基本的に無料でご利用いただけますが、自社決済も可能です。ただし、可能であれば「Paid」やクレジットカードを使用した決済を推奨する予定です。これにより、当社の売上となります。
また、「SDダイレクト」に入っていただいたお客さまも、当社の既存出展企業と取引することが可能です。その際には、通常の手数料15パーセントをいただくことになります。
「URIHO」では「URIHOmini」をリリースします。これは年商1億円以下の、従来の客層よりも小規模なお客さまを対象に、月額4,980円というより低価格なプランでサービスを提供するものです。
さらに「URIHO」では「BizCheck」というサービスも提供します。このサービスは今年8月スタートを予定しており、非常に目新しい内容となっています。
「URIHO」は保証サービスであり、契約中のお客さまには特定の取引先に対してのみ保証をかけていただいています。しかし、その一方で「審査だけしてほしい」「信用状況だけ知りたい」「反社チェック機能だけ利用したい」という声が多くありました。それをサービスとして新たに提供します。
この新サービスには保証は含まれず、登録済みのお客さまに対して反社チェックに加え、取引安全性や信頼度を判断するための情報、取引推奨金額を提示するサービスをご利用いただけます。
このサービスは有料で提供し、1社あたりの料金は333円から800円の範囲となります。また、固定金額のプランもご用意しています。
株主還元方針
株主還元方針です。前期から特に大きな変更はありません。基本的に配当は、配当性向を45パーセントから50パーセントとして設定しています。
また、前期下半期に公表した累進配当と利益連動型配当は、2027年4月期も実施します。2027年4月期は累進配当の仕組みの中で、最低22円の配当をお約束しています。そのため、利益は減少しますが、予定どおり22円の配当を実施します。これにより、2027年4月期の配当性向は142.18パーセントと、100パーセントを超える非常に高い水準となります。
自己株式の取得に関しては、株価に応じて機動的に対応します。また、前期から導入している株主優待も、当然ながら実行・継続します。そのコストも業績予想に織り込んでいます。
決算説明は以上となります。
エグゼクティブサマリー
小方功氏(以下、小方):代表取締役社長の小方です。私からは、新中期経営計画についてご説明します。
スライドはエグゼクティブサマリーです。今回の中期経営計画の最大のポイントとなるのは、株式会社アドバンテッジパートナーズとの事業提携です。「ラクーンBtoBネットワーク」構想の早期実現に向けて、実行力を高めるために同社との事業提携を行いました。
昨年に中期経営計画を発表してからまだ1年ですが、この事業提携を踏まえ、修正を行っています。
重点施策として、営業・マーケティングの強化、KPI管理の強化など、既存事業の成長を加速する取り組みを進めています。また、M&Aやアライアンスの強化によって、顧客ニーズを広く深く満たすための新規サービスの創出にも取り組みます。
2つ目は、グループ経営方針です。当社グループには現在60万社の取引先があります。長期ビジョン「ラクーンBtoBネットワーク」構想として、グループの共通顧客化を図り、クロスセルを誘発することで、グループ顧客単価およびLTVの向上を推し進めます。
3つ目は、本中期経営計画における事業戦略です。株式会社アドバンテッジパートナーズの知見を活かしながら、重点施策であるROI・KPI管理を強化し、営業・マーケティング施策を機動的に実行して、既存サービスの成長加速を目指します。
並行して、ターゲット領域の明確化や、積極的なM&A・アライアンスを通じて、成長の柱となる新規サービスを創出する計画です。
本中期経営計画の目標値および初年度の成長投資について
数字です。計画の修正に伴い、売上高は2027年4月期で75億円、2029年4月期で103億円、CAGRプラス16.1パーセントを見込みます。
営業利益は2027年4月期で6億円、2029年4月期で20億円、CAGRプラス14.8パーセントとし、営業利益率は2027年4月期で8.0パーセント、2029年4月期で19.4パーセントを目指します。
調整後EBITDAは2027年4月期で10億5,000万円、2029年4月期で24億5,000万円、CAGRプラス15.4パーセント、調整後EBITDA利益率は2027年4月期で14.0パーセント、2029年4月期で23.8パーセントを目標としています。
FY2027/4期に成長投資を行うことについて
今回の中期経営計画の修正に関して、先ほど今野の説明にもあったように、投資水準を若干引き上げる方針としています。
この判断の根拠としては、株式会社アドバンテッジパートナーズとの提携により、非常に精度の高いKPI管理の実施が可能であることが挙げられます。また、全社的な戦略や社内会議の見直しによって、それらの管理を強化していることも背景にあります。
さらに、2026年4月期に行った実証実験の結果を前提とし、広告マーケティングに対する投資水準を引き上げることにしました。
それに伴い、2027年4月期は一時的に減益となりますが、2028年4月期には水準を戻します。今後はさらなる投資水準の引き上げを図る計画です。その結果、2027年4月期には売上高成長率14.1パーセント、2029年4月期にはCAGR16.1パーセントを目指す計画を掲げています。
成長投資に向けた実証実験について
今年2月から3月にかけて行った、2ヶ月間の実証実験の内容です。投資額は「スーパーデリバリー」で4,000万円、「Paid」で560万円、「URIHO」で570万円です。
これら3つの案件では、通常の広告に加えて追加投資を実施し、その費用対効果を測定しました。
「Paid」「URIHO」では営業代行を追加し、さらに「URIHO」では地銀との提携を活用した紹介手数料の増額キャンペーンを行いました。
その結果、「スーパーデリバリー」では新規会員登録数が前四半期比で33.4パーセント増加しました。「Paid」では、商談化件数が直前1年平均比で50.0パーセント増加しました。「URIHO」では、4月の入会件数が直前1年平均比で26.3パーセント増加しています。
これらの数字を踏まえ、2027年4月期の投資を実施する予定です。
ラクーングループの成長戦略における本中計の位置づけ
2027年4月期は既存サービスの成長を主軸とし、グループサービスを拡充することで、グループ顧客化やクロスセルを促進します。これにより、株式会社アドバンテッジパートナーズとの連携による「ラクーンBtoBネットワーク」構想の早期実現に向けた土台作りを進めます。
さらにグループ顧客間でクロスセルを生み出し、将来的には2031年4月期の「ラクーンBtoBネットワーク」の稼働を見込みます。全体の成長が大きく増加し、指数関数的な拡大を実現するイメージです。
本中期経営計画での重点施策
本中期経営計画では、グループ戦略と各事業戦略に分けて重点施策を整理しています。
グループ戦略では、グループの顧客基盤を構築し、各サービスの顧客データベースを統合することを目指します。
また、複数のサービスを利用することでインセンティブを付与する仕組みを設計します。具体的には、優遇プランの提供やポイント付与を行い、クロスセルを誘発します。
さらに、与信額を活用した取引を拡大させます。現在は1対1の取引が中心ですが、n対nの取引が生じるような、さまざまな取り組みを進めていきます。
各事業戦略では、既存サービスの成長戦略を主軸としています。また、新規サービスの創出にも取り組みます。M&Aや出資先との提携を通じて既存事業のサービスを加速させます。ベンチャーキャピタルへの出資も行っていますが、新たなベンチャー企業との提携を拡大し、将来のお客さまを育てる試みも行います。
ラクーングループの成長戦略
今年2月に発表した、2031年の目指す姿です。「ラクーンBtoBネットワーク」構想の実現により、売上高135億円、CAGR15パーセント、調整後EBITDA44億円で利益率33パーセント、営業利益40億円で営業利益率30パーセント、株価1,800円で時価総額約500億円を目標としています。
ラクーングループの存在意義
ラクーングループが一体どのようなことをテーマにしているのか、ここで当社の存在意義をおさらいします。
一般的に、当社のお客さまの多くは中小企業です。中小企業は人数や経営資源が少ないという問題を抱えています。
当社が持つ技術、特にITを基盤としたテクノロジーを活用し、お客さま単独では実現が難しい仕組みを提供することで、業務の効率化や営業アシストを行うことが当社の活動の中心です。
当社の経営理念は「企業活動を効率化し便利にする」です。
当社がなかった頃、小売店の方々は店舗の仕入れを行うために、休業日に仕入れに出掛ける必要があったと思います。しかし、「スーパーデリバリー」を利用することで、お客さまがいない時間帯に、お店の中からパソコンを使って発注ができるようになりました。
支払いの面では、昔は「現金問屋」という言葉があったように、現金を持ち歩いて仕入れに行くという商習慣が一般的でした。今は当社の「Paid」を利用することで後払いが可能となり、まとめて一括で支払うことができます。管理が容易になり、支払手数料の面でもメリットがあります。
売り手の場合も、「スーパーデリバリー」がない頃には全国の営業所を活用したり、サンプルを持参して営業を行ったりしていたメーカーも多かったと思います。しかし、商品を「スーパーデリバリー」に掲載するだけで全国各地から注文が入るようになり、出荷するだけで済むようになります。
経理業務についても「Paid」による一括処理が行われるため、例えば少し遅れたり滞納が発生したりしても、すべて当社がその手間を引き受けます。また、取引先の与信管理を「URIHO」を活用して行うことで、万が一取引先が倒産してしまった場合でも、保証を受けられる仕組みになっています。
これまで成し遂げてきた価値創造
これまで当社が行ってきた取り組みを時系列でグラフにまとめました。
1993年に創業しましたが、当初は私1人でスタートしました。初めて従業員を雇用したのは2000年からで、最初の7年間は1人で貿易商を営んでいました。
この時期に、約1万店舗に飛び込み営業を行いながら、中小企業の手間を自身で体験してきました。これらの経験から「少しでもデジタル化して効率化できないか」という思いでサービスを一つひとつ立ち上げてきたのが始まりです。
まず1998年に、比較的大きな企業の在庫を処分するためのサイト「激安問屋」を立ち上げました。当時はバブル崩壊後の影響で、多くの企業が過剰在庫を抱えていた時期です。その過剰在庫を小分けにし、販促品として全国の小売店に販売しました。この際、多くの小売店が会員として集まりました。
通常、在庫は処分したら終わりですが、2002年頃からはプロパー品や新製品を扱うサイトとして、満を持して「スーパーデリバリー」を開始しました。「激安問屋」での信頼を背景に、全国の小売店に対してインターネット上の問屋のような機能を提供しました。
その結果、徐々に売上が増加し、2015年から「スーパーデリバリー」は海外展開を開始しています。それが「スーパーデリバリー インターナショナル」です。
少し時を戻しますが、2010年には「スーパーデリバリー」のお客さまから「支払い方法がないと不便だ」という要望をいただきました。そこで、当社ではアルゴリズムを組み、後払い決済を開始しました。
最初は誰も支払わず、ひどい目に遭いましたが、当時リース会社の子会社を買収し、そのノウハウを吸収しました。さらにそのノウハウをAI化し、システム化していきました。これが現在の「Paid」となっています。
また、売掛保証については、買収した会社が行っていた事業でした。リアルで営業が出向いて売掛保証を行うサービスは世の中に多く存在しますが、当社のお客さまは中小企業です。非常に小規模な会社に特化して展開しているサービスはあまり見られないものだと思います。
ただし、小規模な会社向けに営業して商談を行うと、相手が細かすぎて利益が出ないのが現状です。そのため、当社では売掛保証をWeb完結型へと進化させました。これがサブスク型の「URIHO」です。現在、この「URIHO」が当社の売掛保証の中心となっています。
事業の紹介
当社のサービスは大きく分けてEC事業とフィナンシャル事業の2つに分類されます。
両事業に共通する特徴は、かつて人が手作業で行っていたことを、ITやテクノロジーを活用することで大幅に時間を短縮し、コストを削減できる点です。
EC事業としては「スーパーデリバリー」と「スーパーデリバリー インターナショナル」、フィナンシャル事業としては「Paid」と「URIHO」があります。
これらはすべて、おそらく史上初の事業だと思います。前例がなかったと記憶しています。現在では多くの類似したサービスがありますが、売掛保証のWeb完結型も、当社が開始した当時は史上初だったはずです。
事業規模を2022年4月と比較すると、2026年4月期では「スーパーデリバリー」の年間購入者数は4万4,000事業者から6万6,000事業者まで増加しています。サプライヤー数は3,000社から3,300社、年間流通額は216億円から310億円へと増加しました。
「Paid」では年間取扱高が347億円から605億円、「URIHO」では保証残高が306億円から764億円へとそれぞれ増加しました。
ラクーングループの3つの強み
当社の経営資源の中で、強みとして挙げられるものは大きく分けて3つあります。
1つ目は、顧客理解力です。中小企業の商習慣は非常に複雑で独自のものです。特に日本では中小企業の流通決済が非常に独特であり、海外のサービスがなかなか進出できないのもそれが一因だと思います。
しかし、当社は創業当初からこの点に特化して営業を行ってきましたので、中小企業の商習慣や業界の知見に精通しており、それが強みとなっています。
2つ目は、技術活用力です。創業当時からすべてを社内で内製化し、流通や決済に関するIT技術を社内に蓄積してきた技術力があります。
3つ目は、データ資産です。約60万社の取引先すべての与信枠を当社が審査し、提供しています。当社は取引に対する保証も提供しており、実際に取引も行われています。これらのデータは当社にとって重要な経営資源となっています。
グループ経営方針:「ラクーンBtoBネットワーク」構想
グループ経営方針として、「ラクーンBtoBネットワーク」構想を掲げています。
中小企業は経営資源が少ないだけでなく、信用が少ないという課題も抱えています。小規模な企業の場合、どこに何を発注すればよいのかわからない、初めて会った相手に対して疑念を抱いてしまうといった問題があります。
当社ではこれらについて担保することが可能です。少なくとも当社はお客さまがどのような企業であるかを把握しており、万が一の事態が発生しても、それを保証する立場にあります。
新しい会社や小さな会社でも、このグループ内では安心して取引が可能です。「ラクーンBtoBネットワーク」の概念とは、グループ顧客を通じて企業活動を効率化し、利便性を向上させることを指します。
ラクーンBtoBネットワーク|グループ顧客化・クロスセル誘発
グループ内では、初めての相手でも安心して取引が可能です。ここで信頼が蓄積されていくのであれば、必ずしも普段は完璧ではない方でも、グループの中で非常に良い立ち振る舞いをされるでしょう。その結果、グループの顧客化が進み、サービスもより便利になります。
また、ラクーンの与信ノウハウを活用することで、開業間もない企業や個人事業主でも信用証明ができ、「Paid」を使って安心して取引することが可能です。
実際、ラクーンの顧客は非常に小規模な企業が中心であり、一般的な信用調査会社では情報が掲載されていない場合がかなり多いです。そのため、小規模な企業に対して何かを販売したい方々、あるいは取引を希望する方々が非常に困っている現状があると考えています。
当社のお客さまへ現在サービス提供を行っていますが、その多くが1対1の取引にとどまっています。「ラクーンBtoBネットワーク」の世界へと展開させ、クロスセルを生み出すことで、総合的な取引が実現し、さらにn対nの取引が始まっていきます。
これにより顧客単価が引き上がり、LTVを最大化する仕組みが構築されます。
ラクーンBtoBネットワーク|想定する事業規模
TAMは国内約500万社と考えられます。さまざまな定義がありますが、当社では中小企業の分母が最大で500万社程度あると考えています。
現在グループ顧客は約60万社です。先ほど現在は「1対1だ」と申し上げましたが、将来これらの顧客データベースが連動してつながることで、ここに何かを提供しようとする方が「みなさんに使っていただけるなら安くしますよ」「大勢のお客さまが獲得できるのであれば、こんな便利なサービスを提供できます」といったさまざまなサービスの提案につながる可能性があります。
当社もさまざまな調査やアプローチを実施し、M&Aなどを含めて新しいサービス提供者を増やしていく方針です。
これらがグループ顧客と顧客単価の掛け算となり、指数関数的な成長につながっていく、これが「ラクーンBtoBネットワーク」構想です。
中期経営計画テーマ
中期経営計画のサマリーです。株式会社アドバンテッジパートナーズとの提携を通じて、「ラクーンBtoBネットワーク」構想の早期実現のための土台作りを行います。
いわゆるこのような外部ファンドとの提携には、さまざまなイメージを持たれる方がいるかと思います。
しかし、当社はこのタイミングでさらにもう一段上の成長を目指したいと考えていました。そこで、さまざまな証券会社を介して、当社の事業を十分に理解し、良好な関係を築きながら企業価値や経営価値を共有し、共通の目的に向かって伴走していただけるパートナーを探していたのです。
そのような背景で、株式会社アドバンテッジパートナーズと提携することにしました。同社は、当社が持っていない豊富な経営資源を有しており、まさにこの時期において当社が求めているものを多く備えています。
当社は良くも悪くも古参のスタッフが大勢在籍しており、良い社風だと評価していただくことも多いです。ただし、MBAの保持者やコンサルタント出身者が多数いるわけではありません。そのため、これまではどちらかと言えば私自身の経験に基づく知見を材料に成長してきた部分がありました。
しかし、ここに株式会社アドバンテッジパートナーズが関わることで、科学的な分析や合理的な判断が可能となります。さらに同社は成功事例の豊富な知識を持っています。同社からアドバイスを受けながらグループ顧客のクロスセルを促進し、顧客が使いたくなるサービスを次々と構築していく計画です。
また、既存サービスの成長においても、これらを基に「代理店を変えたほうがいいんじゃないか」「こういう広告を打ったほうがいいんじゃないか」といったノウハウを提供してもらいながら、成長をさらに後押ししていきます。
これらを土台に、グループのサービスをさらに拡充していく方向性です。
主要指標の中期経営目標
再度、数字の確認です。2029年4月期の売上高は103億円で、CAGRは2026年4月期比でプラス16.1パーセントを目指します。営業利益は20億円でCAGRはプラス14.8パーセント、営業利益率は19.4パーセントです。
調整後EBITDAは24億5,000万円でCAGRプラス15.4パーセント、調整後EBITDA利益率は23.8パーセント、ROEは25.0パーセントを目標としています。
EC事業|スーパーデリバリー 事業構造と事業環境サマリ
事業戦略です。まず、EC事業についてご説明します。
EC事業の売上高を要素分解すると、変動収益と固定収益の合計となります。固定収益には以前から会費が含まれていますが、ポイントが貯まる仕組みや、有料会員・無料会員を自身で選択できる仕組みへと進化させています。
したがって、変動収益の部分をさらに分解すると、流通額(GMV)とテイクレートの掛け算になります。2027年4月期は購入客単価の上昇を維持しつつ、購入客数の増加に重点を置いています。
これは必ずしも過去に行われていなかったわけではありませんが、冒頭の説明でもあったように、さらに踏むべきアクセルが残っていると判断しました。
「ここに広告を出せばもう少しお客さまが増えそうだぞ」ということがわかれば、その部分に増額することで、お客さまを増やすことが可能となります。これが施策の中心となっています。
EC事業|スーパーデリバリー(国内外共通)の目指す世界観
当社が存在しない世界、つまり「スーパーデリバリー」のない頃と、ある世界との比較です。
まずはメーカーの立場に立ってご説明します。実際に何をどう売ればよいかわからなかった商品でも、当社のサービスを利用することで、取引量や継続的なデータの蓄積、市場トレンドなどを把握できます。その結果、良質な仕入れ先を紹介することが可能となります。
ここで、「スーパーデリバリー」について簡単に説明します。売り手側または買い手側のいずれかが大手である場合、一般的に中間流通業は必要ありません。両方が小規模である場合、中間流通業が依然として必要となります。
例えば、インドから雑貨を輸入している商社と、下北沢の路地裏にあるインド専門の雑貨店があるとします。この場合、1対1で取引を続けることは可能ですが、小売店は常に新しい仕入先を探し、ユニークな商品を取り入れて商品ラインナップを変化させなければ、お客さまが離れてしまいます。
このように、中小規模の事業者であっても多くの出会いや別れが必要となります。そのため、このようなマーケットが必要となるのです。
問屋が不要になったわけではなく、物理的な商品の移動や、ショールームや出張を伴うような従来型の問屋が不要になったのではないかと考えています。当社がそれをデジタルで再現した結果、これほどのニーズが存在していたということです。
スライドに戻ります。仕入先を個別に探して管理するのは非常に大変ですが、このホームページを利用すれば、小売店はさまざまなメーカーを簡単に見つけることができます。
物理的な出張の場合、1日に2社や3社を回るのが限界だったと思いますが、「スーパーデリバリー」を利用すれば、空いた時間に何十社でもゆっくりと閲覧できます。また、値段を確認することも可能で、相場感を得ることができます。
さらに、メーカーにとって海外展開は非常に大きなハードルです。安倍政権時代にはクールジャパン構想が推進されましたが、大手企業であれば対応可能であっても、中小メーカーが世界中の展示会に出展し、通訳を同行させて英語の資料を持ち、サンプルを配布するのは現実的とは言えません。
当社は現在それなりの輸出実績がありますが、この点でこそeコマースの出番ではないかと考えています。今後も多くの中小メーカーの方々がこの場に出展し、海外への販路をどんどん広げていくことが増えるとよいと考えています。
「言語・物流・契約」が取引のハードルとなっている状況に対し、当社がそれをすべて解決する役割を果たすことができると考えています。
EC事業|スーパーデリバリーの中期経営計画
「スーパーデリバリー」の中期経営計画です。まず、「顧客基盤の強化」がメインとなります。
新規顧客獲得においては、注力カテゴリの特定やターゲティングの精緻化を基盤とした広告投資の拡大を行います。
海外では注力国におけるローカライズ戦略を展開します。具体的には、その国でよく売れる商品や関税情報などを表示するなどの取り組みを進めます。
顧客接点強化を通じて客単価の向上を目指します。顧客リレーションの強化として、実際に顧客のもとを訪問したり、電話やメールでのコミュニケーションを行ったりもしますが、それらのデータを科学的に分析し、客単価の向上に結び付けていきます。また、新規参入企業への立ち上げ支援も実施します。
「プラットフォームの機能拡充」は、つまりプロダクトの強化です。これに関しては継続的に取り組んでおり、商品の検索性やUXの改善、サプライヤー向け機能の強化を進めます。
「卸売インフラの実現」は、SD外取引の効率化です。本日発表した「SDダイレクト」では、「スーパーデリバリー」に関連する出展企業の既存顧客におけるアナログ受注のデジタル化を進め、データとして取り込むことが可能なインフラを実現しています。
EC事業|スーパーデリバリーの重点KGI
「スーパーデリバリー」単体でのGMV成長率の目標です。
2029年4月期の流通額(GMV)は486億5,000万円、2026年4月期比でCAGRプラス16.2パーセントです。このうち、国内は354億1,000万円でCAGRプラス15.8パーセント、海外は132億4,000万円でCAGRプラス17.5パーセントです。
購入客数は6万588事業者で、2026年4月期第4四半期比CAGRプラス15.7パーセント、購入客単価は22万6,480円でCAGRプラス1.1パーセントを目標としています。
フィナンシャル事業|Paid 事業構造と戦略ポイント
フィナンシャル事業の「Paid」です。売上を因数分解すると、取扱高と保証料率の掛け算となります。さらに、取扱高は加盟企業数と加盟企業単価の掛け算で構成されています。この事業においても、加盟企業の獲得が戦略の中心となっています。
フィナンシャル事業|Paidの目指す世界観
「Paid」のない世界では、BtoB、特に中小零細企業を相手にした場合、「与信が不安で販売網を拡大できない。したがって中小一律にお断り」といった会社も少なくないと思います。しかし、「Paid」を使うことにより安心して取引を行うことが可能です。
特に中小企業にとって、請求業務は非常に大変なものです。私自身も多くの経験がありますが、中小企業を相手にすると、「ちょっと待ってほしい」「今月分だけ来月にしてほしい」といった問題が発生した場合、現在の受注分を出荷してよいかどうかわからず困ることがあります。また、このような状況で電話をかけ失礼な発言をしてしまうと、大事なお客さまを失う可能性もあります。
このような場面で、第三者として当社が介入することは非常に重要です。実際、国内ではこれまで近隣の方と取引をしている中小企業が主流だったと思います。しかしながら、インターネットの普及によって、会ったことがない遠方の人からのオーダーが次々に入るようになりました。
そのような状況では、「その人とまず会ってから話そう」「一杯やってから話そう」といったことはできません。赤の他人との取引をスムーズに進めるためには、これまで中小企業が行ってきた、勘と経験、度胸を頼りに与信枠を決定し、掛売するような方法は、現在の時代の流れには合っておらず、現実的ではありません。
そのような背景から、BtoB決済システムとして「Paid」を開発しました。今後もこのような理由で広がっていくと信じています。
フィナンシャル事業|Paidの中期経営計画
戦略の内容です。1つが「基盤の拡大」、つまり顧客数の拡大です。Webマーケティングにより認知・流入を創出し、SEOリスティングや展示会などを組み合わせた認知獲得の強化に取り組みます。
営業体制の強化では、アウトバウンド活動の充実を図ります。フィールドアクティベーションを通じた直接流入の創出や、代理店や営業代行などのパートナーエコシステムの最大化を目指します。
もう1つは「利用範囲の拡大」、つまりARPU・LTVの向上です。「Paid」の利用比率を引き上げるため、カスタマーサクセス体制を強化しています。オンボーディング体制やフォロー体制の構築に加え、上位顧客への販促活動や機能提供を実施します。
サービス機能の強化として、各種IT・CRMツールとの連携により利便性を向上させていきます。また、登録手続きの簡素化や不正対策の強化にも取り組みます。
フィナンシャル事業|Paidの重点KGI
「Paid」では、2029年4月期は取扱高を878億1,800万円とする目標を掲げています。CAGRは2026年4月期比でプラス23.6パーセント、売上高は21億1,200万円で、CAGRはプラス23.9パーセントです。
フィナンシャル事業|URIHO 事業構造と戦略重点ポイント
フィナンシャル事業の「URIHO」です。「URIHO」の売上を分解すると、保証残高と料率の掛け算で構成されており、保証残高は契約社数と保証額の掛け算で算出されます。こちらも同様に、契約社数を獲得することが戦略の中心となります。
フィナンシャル事業|URIHOの目指す世界観
「URIHO」のない世界とある世界です。こちらも「Paid」と同様、ポイントは売掛保証です。
取引先が倒産すると非常に困ったことになります。特に現在では、顔を合わせたこともない相手と取引をする必要がある時代です。そこで、このような状況に対応するために「URIHO」では保証をかけることが可能です。
なお、日本では文化的に他者をまず信じる前提があると思われますが、海外では事情が異なるようです。そのため「URIHO」のようなサービスはすでに進化を遂げ、かなり普及しています。非常に大きなマーケットとなっており、世界規模で展開している企業も少なくありません。
大手企業に対してこのようなサービスは本当に必要なのか、私自身はよくわかりません。例えばプライム上場企業の大手から注文が来た場合、それに保証をかけようと考える人はあまりいないのではないかと思います。あくまで一般的な話であり、実際には保証をかけている場合もあるかもしれません。
ただし、私の認識では、会ったこともなく、データベースにも載っていないような中小企業にこそ不安があるのではないかと考えています。そのため、この分野を事業化しているのです。
そして、直接取引では赤字が発生するため、Web完結型にしました。まさにインターネットで展開すべき事業だと考えています。このサービスをさらに広げ、中小企業にとって一般的なものとして浸透していくことを信じて、現在開発を進めています。
「URIHO」がなければ、事後に問題が発生してから「どうしよう」と騒いでいたと思います。赤い紙を出したり、電話をかけたりといろいろ対策を講じましたが、ない袖は振れません。
当社が手数料をいただいているのは、全体会費の中で保証を提供していくためです。専門家である当社が与信枠を審査し、そもそも取引してよいかどうかを判断します。このようなノウハウを提供しています。
約60万社分のノウハウを保有していますので、1人の経営者が勘と経験、度胸で与信審査を行うより、はるかに優れた結果を出せるのは当然かと思います。
フィナンシャル事業|URIHOの中期経営計画
戦略です。「基盤の拡大」では、Webマーケティングを通じた認知と流入の創出や、リスティング広告や業界特化型媒体への出稿など、多様な広告手法による認知・獲得の強化を行います。
また、営業体制の強化により、アウトバウンドを強化します。既存営業チームの強化やパートナーエコシステムの最大化に取り組むことで、営業の強化を推進します。
さらに、低年商帯向け売掛保証「URIHOmini」を本日リリースしました。先ほどもお話ししたように、大手企業は当社の対象になりません。そのため、中小企業が当社にとって重要な対象となります。そこで規模が小さい企業や、設立したばかりの企業向けに新たな入口を設けました。
これにより、まず「BizCheck」を用いた調査が可能です。そこで「いい取引先ですよ」と判断された場合は問題ありませんが、「三角形ですよ、保証をつけたほうがいいんじゃないんですか?」と判断された場合には、ぜひ「URIHOmini」をご活用いただきたいと考えています。
「本当に取引しちゃいけませんよ」という結果であれば、取引をやめたほうがいいという意味になります。そのようにご活用いただければと思います。
「利用範囲の拡大」、ARPU・LTVの向上では、利便性の向上により客単価を引き上げることを目指すほか、自動審査による早期回答や、AIを活用した適切な与信額の付与を行います。また、入門サービスから「URIHO」本体へのプランアップを推進します。
これらの「BizCheck」や「URIHOmini」が利用の入り口となり、最終的には「URIHO」をご利用いただければと考えています。
フィナンシャル事業|URIHOの重点KGI
数字です。2029年4月期の「URIHO」の売上高は23億2,400万円で、CAGRは2026年4月期比でプラス14.1パーセントです。
「URIHO」には営業が出向いて見積もりを出す、従来型のオーダータイプも含まれています。Web型の「URIHO」のサブスクだけを抜き出すと、売上高は16億5,000万円、CAGRはプラス20.9パーセントを目標としています。
また、サブスク単月課金顧客数は3,158社、CAGRはプラス22.6パーセントを目標としています。
ラクーンBtoBネットワーク|グループサービスを増やす
新サービスの創出です。先ほど「ラクーンBtoBネットワーク」構想についていくつかお話ししました。まず、既存のお客さまがすでにいらっしゃいますので、そのニーズを分析します。従業員が接点を持つ機会の中で、会話や提案を基に分析を進める方針です。
また、外部企業との提携については、必ずしもM&Aに限定せず、資本提携や通常の業務提携も含めています。多様なかたちで、約60万社のお客さまに良いサービスを提供できる方がいらっしゃれば、ぜひ提案をいただき、積極的に提携を進めていきたいと考えています。
「ぜひラクーングループの中に入って一緒にやりたい」という方がいらっしゃる場合、M&Aの検討も進めたいと考えています。
新規サービスの候補領域選定ロジック
新規サービスの候補領域の選定においては、お客さまのお困りごと、課題を基に有望なサービスを考えていきます。
スライドでは、まず顧客の属性と課題を整理しました。対象となるのは主に中小企業で、そこにはスタートアップも含まれます。メーカーや小売が多く、ECやSaaSもターゲットとなる業界です。特に高単価低収益業界も課題を抱えています。これらの業界を効率化して便利なサービスを提供することを目指します。
課題としては、集客、人材関連、採用・育成、資金繰り、BPO関連、DX化、生成AIの活用などが挙げられると思います。
候補領域をスコアリングし、マーケットサイズや成長性、業界収益性、参入障壁、競合環境などの市場性を見据えた上で、ビジョンとの合致度やクロスセルの期待度、グループの新規顧客増加の可能性、既存サービスの機能充実性などの親和性も考慮し、新規サービスの候補をピックアップしていきます。
このようなロジックで、実際に当社が手掛ける事業、提携する事業、さらにはM&Aの対象となる企業を洗い出していきます。
新規サービス創出による想定シナジー
新規サービスの創出による想定シナジーです。
1つ目が「ビジョンの実現」です。当社のビジョンは「中小企業の企業活動を効率化し便利にする」です。これらのサービスを強化することで、中小企業の利便性向上を目指しています。
2つ目が「クロスセル」です。グループ顧客単価の向上では、取引形態を1対1からn対nへと拡大し、1つのサービスを利用すると他のサービスも簡単かつ便利に利用できるようにします。
3つ目は「グループ新規顧客の獲得」です。SMBターゲットの新規領域については、多くのお客さまをお持ちの方々が提携してくだされば、その結果としてさらに多くのお客さまが増えると考えています。
例えば、1万社にサービスを提供している便利な会社が当社に合流すれば、その取引先が3万社、5万社と広がっていきます。
4つ目は「既存サービスの機能拡充」です。現在提供しているサービスそれぞれの機能を拡充していきます。
キャッシュアロケーション|投資及び株主還元方針
キャッシュアロケーションです。
営業キャッシュフローは約30億円、手元資金は57億円、借入枠は79億5,000万円です。
配分として、M&Aなどの出資に30億円、成長投資に20億円を充てています。株主還元では、配当性向を45パーセントから50パーセントとし、自己株式の取得は機動的に行います。また、株主優待コストは約4億5,000万円です。手元資金として30億円から40億円程度を確保し、借入枠は必要に応じて活用します。
キャッシュアロケーション|成長投資
成長投資の内訳です。マーケティング関連費、広告および販促費として約14億円、BtoBネットワーク、インフラ関連で約2億円、人件費および開発費に約4億円を見込んでいます。
配当方針の変更(累進配当及び利益連動型加算配当の導入)について
配当性向です。当社では利益連動型加算配当という、若干変則的な配当方針を採用しています。
1株あたり22円を下限とし、親会社株主に帰属する当期純利益が12億円を超えた場合は60パーセント、15億円を超えた場合は70パーセントの配当性向で算定します。
質疑応答:「SDダイレクト」および「BizCheck」のサービスと狙いについて
今野:「『SDダイレクト』と『BizCheck』について、もう少し詳しく聞かせてください」というご質問です。
先ほどご説明した内容とも重なりますが、狙いの部分についてあらためてご説明します。
「SDダイレクト」では、出展企業が持つすべての取引を可能な限りDX化し、効率化を図りたいという思いがあります。
また、「SDダイレクト」をきっかけに会員化した出展企業の既存取引先には、将来的に「スーパーデリバリー」上で他の出展企業とも取引していただきたいと考えています。
「BizCheck」では、反社会的勢力のチェックをオンラインで簡単に対応できる仕組みを提供しています。これは中小企業にとっても必ず行わなければならない課題となっています。
それに加えて当社の強みである与信管理、与信状況のチェックが可能なサービスを設けており、こちらを有料で提供しています。
このサービスの利用によって当社との取引に慣れていただき、特にその中で要注意先となった企業には「可能であれば保証をかけませんか?」とアップセルを進めたいと考えています。
質疑応答:「BizCheck」における同業他社との競争優位性について
「『BizCheck』はユニークな試みだと思います。このようなサービスは、同様の売掛保証や掛け払いを提供している会社であればできそうな気がしますが、どのあたりが貴社の競争優位性となるのでしょうか?」というご質問です。
一概には断言できませんが、他社と比較した場合、当社は中小・零細企業に特化して保証を行う会社だと言えます。さらにAIも活用し、非常にスピーディで精度の高い与信審査を実施できます。
また、保有する膨大なデータを活用した与信の判断だけでなく、外部データを用いた反社チェックなども行っています。これらはシステムに依存する部分が大きくなります。
当社はもともとITの企業であるため、その点を活かしてシステム化を進め、わかりやすく使いやすいシステムを提供することに一定の強みがあると考えています。
質疑応答:低い原価率を維持している要因について
「世間では相変わらず倒産件数が多いですが、御社の原価率は低く抑えられています。世間と何が違うのでしょうか? また、今後のフィナンシャル事業の収益性の見通しはどうでしょうか?」というご質問です。
非常に難しいご質問ですが、当社の特徴の一つに、AIを活用している点があります。特に「Paid」ではAIをフル活用していますので、いわゆる財務データに必ずしも頼らない与信判断が可能です。
さらに零細企業向けの与信限度額が非常に小さい中でも、ポートフォリオ全体で考え、最終的な総額ベースできっちりとした与信管理を実施しています。これにより一定の収益性を維持する取り組みを継続してきました。
他社が同様の機能を持っているかどうかは把握していませんが、結果として当社のアプローチは非常に良好な成果を収めています。
質疑応答:今回のガイダンスの方針について
「今回のガイダンスは保守的ですか? アグレッシブですか?」というご質問です。
こちらも非常に難しいご質問ですが、率直に申し上げるとコスト面には若干のバッファーが存在しています。しかし、これは保守的に設定したわけではありません。事業を進めていると、1年間の中で予想外の事態が発生することがあるためです。その予想外の事態は、良い方向にも悪い方向にも起こり得ます。
例えば、一定の広告を打った際にも、予想以上にお客さまを獲得できる場合もあれば、逆に予想に反してお客さまを獲得できない場合もあります。そのような状況に対し、しっかりと対応できる予算を確保しておく必要があると考えています。
その結果として「若干保守的だ」と評価されることもあるかもしれませんが、それが過大なものだとは考えていません。
質疑応答:2028年4月期の業績見通しについて
「2028年4月期の業績見通しは出されていない気がします。2027年4月期次第だと思いますが、どうなると思いますか? また、2027年4月期に何が達成された場合、2028年4月期増益になってくるのでしょうか?」というご質問です。
2028年4月期の見通しは出していませんが、当然のことながら増益を目指しています。
2027年4月期はかなり踏み込んだ施策を進めていきますので、結果として売上成長率はYoY14.1パーセントまで向上する見込みです。また、2028年4月期にはさらなる積み上げが期待されると予想しています。そのため、現行のプロモーションコストを維持したままでも増益が見込まれる状況になると考えています。
具体的な水準について軽々しく述べるべきではありませんが、その次の2029年4月期に向けたステップとなるため、それ相応の利益が計上されると予測しています。
2027年4月期の取り組みの中で、最も重要な要素はプロモーションであると考えています。実証実験を通じてある程度の確信を得ていますが、プロモーションが想定どおり、あるいは想定に達しなくても増益は見込めると考えています。想定どおりに進めば、大きな増益幅が見込めるものと考えています。
質疑応答:投資水準引き上げの根拠について
「実証実験の結果を踏まえて、2027年以降のプロモーションの水準を引き上げる決断をされたとのことですが、かなり自信があるのでしょうか? 投資水準を一時的に引き上げることは今までもされてきましたが、何が違いますか?」というご質問です。
今回の引き上げには、かなり自信を持っています。
当社は過去にも投資水準の引き上げを試みた経験があります。もちろん、当時もなにも考えずに取り組んだわけではありませんが、今回ほどしっかりとコストと時間をかけて綿密な実証実験を行い、さらにCPAをどこまで許容するかといったテストまで実施したことはありませんでした。
その意味で、今回の取り組みはかなり異なっていると考えており、十分に自信を持っています。
質疑応答:新サービスの中期経営計画への貢献について
「各種新規事業を開示いただいたと思います。その業績寄与は中期経営計画期間のいつ頃になる見込みでしょうか?」というご質問です。
先ほどご説明した3つのサービスに関するご質問かと思います。2027年4月期からある程度の貢献はあると見込んでいますが、今回の中期経営計画には大きく計上されているわけではありません。実際にはほとんど計上されていません。
できる限り一定の大きな金額で貢献できればと考えていますが、2027年4月期は少し、2028年4月期は徐々に寄与していくことになると考えています。つまり売上が立った分については、上積みされていくものと考えています。
質疑応答:2027年4月期の四半期業績について
「2027年4月期を考えた場合、四半期業績はどのように考えればいいのでしょうか? 売上成長は下期に向けて強含んでいく、広告投資も同様に下期に向けて強含んでいくという理解でいいのでしょうか?」というご質問です。
先ほど業績予想の説明では触れませんでしたが、そのようなご質問をいただくことを想定していましたので、実は2027年4月期から中間業績予想を公表しています。
数字をご覧いただければおおむねご理解いただけるかと思いますが、売上成長自体は下期に向けて強含んでいくイメージです。広告投資を下期に向けて大幅に増やすことは考えていません。
そのため、売上と利益は例年以上に下期偏重の傾向が強くなると考えています。
質疑応答:各事業の外部環境について
「2027年4月期の会社計画のハイライトはもちろん戦略投資だと思いますが、戦略投資除きの外部環境についてもうかがいたいです。『スーパーデリバリー』の国内・海外、フィナンシャル事業、各々の外部環境はどのような環境で見ていますか? 第4四半期を引き延ばしたような環境でいいのでしょうか? またはもう少し厳しい環境なのでしょうか?」というご質問です。
「スーパーデリバリー」に関しては、国内について特別に昨年と比べて悪化も改善もないだろうと思います。
最近の動向として、この1年から2年ほどの間では、例えばインバウンド向けのお土産屋など、そのような領域向けの売上が非常に好調です。
インバウンドもかなり増加していますので、これ以上増えるのかどうかは不明です。その点で言えば、現在の国内の外部環境は比較的良好であり、この状況は今後も続くと思います。
一方で、海外については正直なところ紛争次第とも言える状況です。紛争の影響で海外向けの送料が引き上げられており、近年、外部環境が徐々に悪化してきた大きな要因となっています。
すでにかなり引き上げられている中で、例えば原油価格がさらに2倍、3倍と上昇していくかどうかが、今後の情勢に大きく関わると考えます。個人的には、そこまで上昇していく可能性は低いのではないかと感じています。
質疑応答:2027年4月期計画における利益率について
「2027年4月期計画に8億円のコストを足し戻しても利益率が下がる計画なのはなぜでしょうか?」というご質問です。
プロモーション以外にも、人員の増加、営業体制の強化、または営業外注などを見込んでいるためです。
それに加えて、このような発言は控えるべきかもしれませんが、先ほど「アグレッシブですか、コンサバですか?」というご質問にもお答えしたように、当然ある程度のバッファーを積んでいます。その点も理由の一つになっています。
小方氏からのご挨拶
最後に、代表の小方から一言ご挨拶申し上げます。
小方:過去との最大の違いは、やはり株式会社アドバンテッジパートナーズとの提携です。
私のように1人で創業した人間からすると、あのように科学的かつ集団で学んできた専門家が加わることに、もしかすると戸惑いを感じる方もいるかもしれませんが、私は非常に楽しんでいます。
ちょうど創業から30年が経過し、部下たちにどこかで学び直し、よりアカデミックな知識を身につけてほしいと考える時期でもありました。その意味で、幹部全員が学校に通ったようなかたちで勉強する環境が整い、一生懸命メモを取りながら楽しんで取り組んでいます。その点で、この提携は非常に良いものだったと感じています。
基本的に今回の提携では、3年間を最低限の期間と見据え、最大で2年間延長できるように考えています。ただ、できればこの3年間で確実に良い結果を出せればと考えています。なによりも、彼らとは利益が共通していますので、一緒に楽しく取り組んでいるのが現状です。
私自身もさまざまな場面で緊張感を持ちながら取り組んでいますので、引き続きよろしくお願いします。