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佐々木宏行氏:本日はヒーハイスト株式会社の決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。取締役執行役員管理部長の佐々木です。台風が通過する中での決算説明会は初めての経験ですが、このような状況にもかかわらず、これほど多くの方々にご参加いただき、心から感謝申し上げます。
まず、目次の1番、2番、3番については私からご説明します。4番と5番はこの半年間のトピックや会社概要のため、今回は割愛します。なお、4番と7番は内容がやや異なりますので、後ほどご確認ください。
今回の当社の決算としては、需要が回復するとの想定を見誤ったこと、そして主力の販売先である2社の売上が想定外に大きく減少しました。
これまで準備してきた設備投資や人材投資を十分に活かすことができなかった結果、ここ数年赤字が継続していましたので、特別損失として減損を計上することとなりました。会社としてはこの結果を深く反省し、しっかりと考え直した上で、今後に臨みたいと考えています。
2026年3月期 決算ハイライト
今回の決算における売上高は16億3,600万円となりました。途中で下方修正を行っています。直動機器の販売については、一部の販売先で年明けから動きがあるという情報を得ていましたが、在庫調整の影響などにより、当社の注文はタイムラグがあり、決算のタイミングに間に合いませんでした。
精密部品加工については、ホンダのレース用エンジンといったレース用部品を中心に展開していますが、レギュレーションの変更などが影響しました。また、より多くの部品を販売する戦略もありましたが、その戦略を十分に実行しきれず、売上の伸びも限定的でした。
その中で、ユニット製品については、半導体製造装置など精度の高い位置決めが求められる分野で、当社の位置決め装置のニーズが少しずつ高まっています。国内および中国を含めて当社製品の販売が徐々に始まり、予算を達成しました。
利益面については、経常損失が2億9,900万円となりました。主にトップラインが上がらなかったことによる赤字が要因です。また、昨今の原材料価格や物流コストの増加継続により、原価が上昇しています。
加えて、現在の事業環境を監査法人と吟味した結果、特別損失として減損損失を4億1,300万円計上しました。
2026年3月期 決算の概況
結果として、売上高は16億3,600万円、最終損失は7億1,800万円となりました。
四半期業績の推移 及び 品目別四半期売上高の推移
四半期別では、売上高が伸びず、第1四半期から赤字が続いています。進行期については、後ほど業績予想のところでイメージをご説明します。
売上高 及び 主要売上先の推移
スライド左側に中国子会社を含めた連結の売上推移、スライド右側に主力販売先の売上推移を示しています。
スライド左側を見ると、ここ数年と比較して中国子会社の売上はしっかりと伸びています。ただし、当社は人民元建てで中国子会社と取引を行っているため、円安の影響で日本円に換算すると若干かさ上げされ、多く見えている部分もあります。
中国子会社については引き続きしっかりと取り組んでもらい、中国市場へのさらなる組み込みを進めていきたいと考えています。
一方で、親会社の売上は残念ながら減少しており、主力販売先であるTHKやホンダの売上推移も振るわない結果となりました。そのため、こちらを伸ばすことに加え、その他の販売先への売上増加を図るために、現在さまざまな活動を通じて種をまいています。今後、それを収穫につなげたいと考えています。
2026年3月期 営業利益増減要因
営業利益のウォーターフォール図についてご説明します。まず、販売数量が減少したことで、前期には工場で一時帰休があり、稼働率が悪化した結果、原価を押し上げる要因となりました。
その中で、さまざまなコスト削減を実施してきました。その他の項目でプラス1億7,200万円となっていますが、こちらは前期と比較して人件費が削減されていることも含まれています。
貸借対照表
B/Sについてです。2026年3月期の総資産は41億3,800万円で、減損により前期に比べて8億6,800万円減少しました。純資産も赤字と減損の影響で7億1,700万円減少しています。ただし、これまでの利益の蓄積により、自己資本比率はなんとか50.8パーセントを維持しているため、これを今後回復させていきたいと考えています。
有形固定資産は前期に比べて4億8,500万円減少しましたが、これは減損による資産の減少が要因です。
流動負債については、前期に初めて株主優待を実施し、6,000万円を株主優待引当金として計上しましたが、前期に優待の見直しを行った結果、5,500万円の減少となりました。具体的には、1,000株以上保有している株主に対し、1人当たり5,000円分の「QUOカードPay」を進呈するとしたため、優待費用は実質500万円程度となったということです。
当社としては、今後も株主優待を継続していく方針ですが、将来的には利益をしっかりと確保し、配当へ回していきたいと考えています。
キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローについてです。営業キャッシュ・フローはマイナス1億6,200万円となりました。赤字スタートの影響により、大きくマイナスとなっています。
一方、プラス面としては、売上債権の減少があります。これは、中小受託取引適正化法によるものです。これまで売掛金の回収は120日のサイトの割合も多かったですが、1月以降は販売した翌月には回収できるようになりました。当社は現在150名未満の従業員規模であり、中小受託取引適正化法の対象企業です。
当社が販売している取引先は大企業が多く、販売すると翌月に現金として入金されるかたちとなります。そのため、資金繰りについては改善しました。
また、営業キャッシュ・フローについては、支出がないということで、減損損失を計上しています。財務キャッシュ・フローについては、みなさまのお支えにより、借入金の増加でプラスとなっています。
2027年3月期 業績予想 及び 品目別売上高予想
2027年3月期の進行期の予想です。スライド下段に、当社の主力3品目を示しています。直動機器は、前期実績に比べて27.9パーセント増の13億5,000万円となる見込みです。先ほどお伝えしたとおり、販売先であるTHK社が年末頃から受注が回復してきたと聞いており、実際に受注の流れも見えています。
ただし、当社も販売先も若干在庫を積んでいたため、まず販売先で在庫調整が行われ、その影響で当社への受注がやや遅れた部分がありました。第4四半期の終わり頃から受注は回復傾向にあり、それを見越して計画しています。
どう対応するかを検討しながら、当社も完成在庫を積み上げている状況ですので、この在庫をしっかり販売していきたいと考えています。
精密部品加工については、前期が3億4,500万円のところ、今期は25.2パーセント増の4億3,200万円を見込んでいます。こちらは引き続き、ホンダ向けのレース用部品になります。ホンダはレースで勝つために開発行為を進めていくと思いますので、しっかり対応していきます。
また、ホンダとは長期間にわたるお付き合いがあり、その中で培った難削材の加工力など高い技術力を当社も有しています。これを活用して、ホンダ以外にも精密部品加工を広げていくことを目指しているため、この数字を計画しています。
ユニット製品は、前期の2億3,200万円から20.6パーセント増の2億8,000万円を見込んでいます。引き続き、展示会などでさまざまなお客さまと接する機会を増やしています。市場のニーズがある高い精度の位置決めが必要な分野を積極的に攻めながら、販売先の開拓やさらなる深掘りを進めていきたいと考えています。
最終的には、売上高20億6,600万円、経常利益9,800万円を計画しています。
2027年3月期 営業利益予想増減要因
利益および利益率の向上要因についてご説明します。大きく分けて2点あります。1点目は、前期に減損を行ったことにより、本来通年で発生する減価償却費約6,000万円分が前倒しで減損処理され、負担が軽減したためです。
2点目は、前期に人件費の削減を行いましたが、今期も引き続き前期に比べて人件費の抑制を見込んでいます。
ただし、「削減できたからそれで良い」ということではなく、現在の取り組みとして、間接時間を削減し、直接時間を増やして機械を稼働させ、生産個数を稼ぐことで、販売につなげていく方針です。このように、全社一丸となって効率的な生産に取り組むことで、利益率の改善を図っています。
設備投資推移
設備投資については、ある程度準備を進めてきたため、現時点では新たな設備投資の計画はありません。減価償却費も減少しています。
株主還元
株主還元についてです。配当予想としては、本来は30パーセント以上の利益配当に取り組む方針ですが、現状は赤字から利益を改善する段階にあり、足元を見据えてまずは2円の配当で、13.4パーセントの利益還元を考えています。また、株主優待も引き続き取り組んでいきます。
中期経営計画
中期経営計画についてです。2024年3月期からスタートした「Hephaist Vision65」の65期が今期に当たります。当初目標として掲げた売上高28億円には、非常に残念ながらまったく届いていない状況です。今期は修正計画を設定し、中期経営計画の最終年である今期の着地点をしっかりと確保していきます。
次の中期経営計画については、現状および将来を見据えながら、社内でさまざまな議論を重ね、しかるべきタイミングでお伝えできればと考えています。そのための時間をもう少しいただきながら、しっかりと展開を進めたいと考えています。
なお、この後にトピックスや参考資料も掲載していますので、お時間がある際にぜひご覧いただければと思います。社長に引き継ぎます。ありがとうございました。
尾崎浩太氏(以下、尾崎):代表取締役社長の尾崎です。よろしくお願いします。本日はお足元が悪い中、お集まりいただきありがとうございます。業績については3期連続赤字となり、6月25日に当社株主総会が予定されていますが、今回は利益処分ができず、誠に遺憾ながら無配となります。
私の使命は、業績を立て直し、次世代へ引き継げる道筋を立てることだと考えていますので、しっかり取り組んでいきます。
経営ビジョン
新経営ビジョンについてです。経営ビジョンの見直しを行った理由は、業績低迷により、停滞感や膠着状態、マンネリ化といった雰囲気があり、このような状況を変える必要があると考えたためです。
なお、このビジョンは経営幹部だけで策定したものではありません。ミドルマネジメントのキーパーソンを集めて作り上げました。
新経営ビジョンは、「自ら技術と人をつなぎ、世界のステージへ Joint・RobotのHEPHAIST」です。ビジョンだけでは利益を得ることはできません。それでもなお、ビジョンは重要です。
「自ら技術と人をつなぎ」というのは、受動的ではなく主体的に行動していくという意味です。これはすでにご存じだと思いますが、当社はあるメーカーへの顧客依存度が高い状況にあり、2社が当社の売上比率のかなりの部分を占めています。
直動機器のマーケットの動向やレースのレギュレーションに左右されており、これらは当社ではコントロールが難しい部分です。このような状況を自ら変革する必要があるという意味を込めて「自ら」という言葉を入れました。
そして、「世界のステージへ」というのは、これまでの技術や領域を超えていくことを意識しています。また、当社はステージメーカーであることから「世界のステージへ」というビジョンを掲げています。
事業領域の整理
事業領域の整理についてです。こちらは以前にもお話ししましたが、スライドのグラフは縦軸が効果、横軸が実行のしやすさを示しています。今集中すべき領域は、精密部品加工、球面軸受、Zチルトステージ、XYθステージです。
このうち、精密部品加工については、レギュレーションの変更などにより、部品の点数を増やすことに苦戦しています。今期ではなく来期に期待したいところですが、ここは当社の生命線でもあるため事業を継続していきます。
Zチルトステージについては良い話をいただいていますが、少し先の話となり、第1四半期や第2四半期といった前半ではなく、後半や来年につながる話になります。
直動軸受に関しては、以前にお話ししたとおり、想定より調整局面が長引いています。必ずA領域に戻るという見込みではあり、期初の傾向からは戻っている実感があります。これまでの準備をここで発揮できるかどうかが課題になると考えています。
なぜ、Joint・Robot?
経営ビジョンにも含めていますが、「なぜ、Joint・Robotか?」についてです。「KyoHA(京都ヒューマノイドアソシエーション)」に参画する意義として、3つのポイントがあります。
1つ目は「エンジニアの夢」です。これはホンダのF1のようなもので、エンジニアにとってのモチベーションとなるものです。培った技術や経験は他のもの作りにも必ず応用できます。また、経験を積むための人材育成の場として位置づけています。
2つ目は「合わせ技の活用(技術のジョイント)」です。創業以来の直動技術やSRJで培った高精度な球面加工技術、二輪・四輪レース部品で蓄積した摺動部品に対する機能性表面処理のノウハウなどを活用できることです。
3つ目は「社会貢献の実感(日本のミッション)」です。これは社会課題の解決に結びつくもので、ヒューマノイドは人の住環境における災害を想定したタスクに対して、最も適した解の1つであると考えています。
これらが、「やりたいこと」であり、「やれること」であり、「やるべきこと」だと考えています。
合わせ技とは
合わせ技についてです。「直動技術」「SRJで培った球面加工技術」「レース部品で経験蓄積したノウハウ」を組み合わせることで「Joint・Robot」を実現できると判断し、取り組んでいます。
スライド左上に「ヒューマノイドは何が最適か」を記載しています。危険な場所での作業を人間に代わって行うことができるという点が最も重要であり、当社として貢献できるならぜひ取り組みたいと考えています。
求められる要素は、まずパワー系の油圧アクチュエータです。モーターを使用するものが多く、中国のUnitree社の製品はモーターを搭載しています。モーターは熱を持つためベアリングが使用されていますが、モーターの場合は汎用のベアリングでも対応できます。
しかし、災害用のパワー系ヒューマノイドには油圧アクチュエータが使用されるため、特殊なベアリングが必要になります。ここに私たちが貢献できる可能性があると考えています。おそらく関節によってモーターか油圧かを選択して使用することになると思いますが、特にパワー系の部分においては、私たちが入り込める余地があるのではないかと思っています。
求められる要素としては、そのほかに最適な材質、雨風に耐えるシールなどの防水性、粉塵対策、錆対策が必要です。また、災害用ロボットは瓦礫や足場の悪い危険箇所をまたぐため、人間のような脚力も求められます。膝を大きく曲げるために関節の可動域が広くなければならないことに加えて、重心バランスも重要な要素だと考えています。
災害用ロボットは現在も存在しますが、多くはブルドーザーや戦車のようにキャタピラーで動くタイプです。しかし、これらは瓦礫を避けて歩行することができず、災害時に活躍するロボットを開発することは社会課題の解決につながります。その中で、特にパワー系分野においては、私たちの技術が貢献できると考えています。
「KyoHA」のメンバーは錚々たる顔ぶれで、スライドに当社の名前も記載されていますが、しっかりと存在感を示したいと考えており、非常に学びの多い経験をしています。
当社のエンジニアもこうした方々と接するようになり、最近少し変化が見られるようになりました。このような学ぶ機会というのは貴重であり、引き続き取り組んでいきたいと考えています。
私たちにはビジョンや夢があります。未来に向けてやりたいことがあるからこそ、目の前のやるべきことに取り組まなければならないと考えています。そのためにも、足元の業績を固め、早急に赤字を脱却することが私の当面の目標です。
簡単ではありますが、以上で終了とします。ありがとうございました。
質疑応答:今後の方向性について
質問者:いつも丁寧なご説明をありがとうございます。尾崎社長の「これからを見てほしい」というお話は何度もうかがっていますが、今回は何が違うのかをぜひおうかがいしたいと思います。
会社の方向性が変わるのか、会社全体が動き出すのか、外部からでは社内の状況がよくわかりません。今回は何が異なるのか、今回の変革において尾崎社長の感覚ではどこがセンターピンとなるのかをぜひお聞かせください。
尾崎:センターピンは業績の回復に尽きます。それを達成しない限り、何を言っても説得力がありません。業績は良い・悪いを繰り返しており、直近では2021年、その前では2017年が業績の良い年でした。2017年はその余韻が2018年まで続き、2021年もその影響が2022年まで残りました。
しかし、それ以外は山と谷を繰り返しているだけです。さまざまな状況に左右されない体制を構築したいと考えています。何が変わったかというと、「後がない」という点のみであり、それ以外は変わっていません。
質疑応答:今期の業績予想における「KyoHA」の位置づけについて
質問者:今期の業績予想において、精密部品加工にはホンダ以外のものも含まれていると考えてよろしいでしょうか? また、それは「KyoHA」のプロジェクトでしょうか?
尾崎:「KyoHA」は精密部品加工には該当しないため、含んでいません。新しい素材の加工が若干含まれていますが、ほぼ含まれていないと考えていただいてけっこうです。
質問者:そうすると、「KyoHA」はユニット製品の位置決め装置に含まれるということでしょうか?
尾崎:そのようになりますが、「KyoHA」でジョイントなどを開発した場合に、それ以外にも使用されることは計算しています。ただし、「KyoHA」については、今期すぐに成果が出るわけではなく、中長期的な取り組みだと考えています。