■ティアの業績動向
1. 2026年9月期中間期の業績概要
2026年9月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比1.4%減の11,422百万円、営業利益で同35.9%減の1,004百万円、経常利益で同42.3%減の909百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同49.1%減の517百万円となった。中間期として売上高は5期ぶりに減収となり、営業利益は3期ぶり、経常利益と親会社株主に帰属する中間純利益は2期ぶりに減益に転じた。また、期初会社計画に対しても売上高・各利益ともに未達となった。
葬儀件数が前年同期比3.6%減の10,308件と減少に転じたことが、業績下押しの要因となった。葬儀件数の減少は同社だけでなく、業界全体でも減少している。2021年以降増加傾向にあった死亡数が、2025年後半以降は前年同期比で減少に転じたことが要因だ。厚生労働省の「人口動態統計」によれば全国の死亡数は2020年まで年間130万人ペースであったが、2021年以降は増加し、2024年以降には160万人を超える水準となっていた。その後、2025年4月~9月は前年同期比3.3%減と減少に転じ、2025年10月~2026年2月も同7.0%減と減少率が拡大した。全体の人口数減少や長寿命化など要因は様々考えられるが、弊社では2021年以降の死亡数が想定を上回るペースで増加した反動が出ているものと推察している。同社単体の葬儀件数の伸び率を見ても、おおむね死亡数の動向と連動している。
葬儀件数はティア直営店で前年同期比5.4%減の8,122件となり、グループ3社の葬儀件数とあわせた直営店合計では同3.6%減の10,308件、計画比では9.5%減となった。一方、葬儀単価はティア単体で同1.1%減の849千円、グループ全体で同1.0%減の894千円となり、計画比では1.3%上回った。
新規出店状況を見ると、ティア直営店を愛知県と三重県に各1店舗出店したほか、東海典礼が愛知県に1店舗出店した。FC店については、東京都内に1店舗を出店した。また、ティア直営店をリロケーションにより1店舗閉鎖した。これにより、グループ店舗数は前期末比3店舗増の222店舗となり、前年同期比では14店舗増となった。
売上高は前年同期比で166百万円の減収となったが増減要因について見ると、ティア直営・新店の増収で99百万円、TLDの増収で224百万円、グループ各社の増収で129百万円となったが、ティア直営・既存店の減収460百万円、直営・リロケーション及び閉鎖による減収135百万円、FC事業の減収32百万円等減収要因を相殺するには至らなかった。なお、TLDの増収の大半は不動産売買によるもので、TLD全体の売上高も10億円を超過した。
経常利益は前年同期比665百万円の減益となった。減益要因について見ると、ティア直営の減収で125百万円、売上原価高で120百万円、販管費増で172百万円、直営の営業外収支悪化で93百万円、グループ各社の減益で141百万円、その他で12百万円となった。営業外収支では前年同期に計上した受取保険金の減少と支払利息の増加が減益要因となった。また、計画比で270百万円下振れた要因は、ティア直営の減収による売上総利益減451百万円、グループ各社の利益減140百万円によるもので、直営の販管費を277百万円減額したものの、それらの下振れ要因を補いきれなかった。
売上原価率は前年同期の59.5%から61.0%と1.5ポイント上昇した。商品原価率は、直営の葬祭事業における料金プランの見直し効果により前年同期比で1.0ポイント改善したものの、原価率の高い不動産売上高の増加が影響した。また、労務費率は葬儀件数の減少に伴い、同0.8ポイント上昇の13.4%、雑費率も同様に同0.7ポイント上昇の18.4%となった。販管費は前年同期比317百万円増加の3,445百万円となり、販管費率では同3.2ポイント上昇の30.2%となった。主に人件費で124百万円、広告宣伝費で105百万円の増加が要因である。なお、ティア北海道の連結化で57百万円の増加要因となっている。
2. 事業セグメント別動向
(1) 葬祭事業
葬祭事業の売上高は前年同期比4.3%減の10,277百万円、営業利益は同23.1%減の1,834百万円となった。売上高は既述のとおり、葬儀件数の減少が主な減収要因となった。会社別では、同社が同5.4%減の8,122件、八光殿が同2.7%減の1,186件、東海典礼が同2.5%増の904件、新たに加わったティア北海道が96件となった。同社の葬儀件数を地域別に見ると、名古屋市内が同9.4%減、愛知県を含む東海圏が同4.2%減、関西圏が7.7%増、首都圏が8.1%増となった。名古屋市内については市場全体の落ち込みに加えて、競争激化により市場シェアが前年同期の29.2%から28.3%に低下したことも影響した。関西圏については、前年同期の実績が低調であったことに加え、営業体制の強化が奏功した。首都圏においては、直近1~2期の間に出店した新規店舗における葬儀件数が着実に増加している。また、ティア北海道についてはリブランディングによって認知度が低下したため、葬儀件数は期初計画の156件を大きく下回った。今後、会員獲得施策を強化することで件数を増やす方針である。
(2) FC事業
FC事業の売上高は前年同期比11.3%減の254百万円、営業利益は同15.6%減の37百万円となった。FC店舗数は前年同期比4店舗増の75店舗となったものの、葬儀件数は既存店の減少に伴い同6.3%減の3,387件にとどまった。これにより、ロイヤリティ売上、物品販売等が減少し、減収減益につながった。
(3) その他事業
その他事業は、同社の不動産事業と八光殿によるリユース事業等で構成される。売上高は前年同期比56.6%増の891百万円、営業利益は同224.1%増の112百万円となった。不動産の買取・販売件数が増加したことに加え、高単価物件の取り扱いが発生したことで不動産事業が約2億円の増収要因となった。また、リユース事業についても、リピーター向けの営業促進が買取件数の増加に寄与し、増収を確保した。なお、不動産事業については、2026年4月に新設した(株)ティアネクストに移管した。不動産業は専門的な知識を要する人財が必要となるため、別会社化によって専門性を高め、同事業を効率的に拡大するねらいだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)