■Joshinの業績動向
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高が前年同期比8.3%増の436,650百万円、営業利益が同47.0%増の5,422百万円、経常利益が同46.5%増の5,113百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.7%減の3,280百万円となった。期初計画(売上高404,000百万円、営業利益4,000百万円)を上回って着地した。
売上面は店舗販売が前期比9.2%増、ECが同14.2%増といずれも拡大した。パソコン、携帯電話、ゲーム・玩具が好調であったことに加え、猛暑に伴うエアコン販売の伸長や、阪神タイガースのリーグ優勝セールも売上拡大に寄与した。品種別の売上高の増減率を見ると、パソコンは「Windows 10」のサポート終了に伴う買い替え需要の発生により同21.7%増、携帯電話は販売数の順調な増加により同13.8%増、ゲーム・模型・玩具・楽器は「Nintendo Switch 2」発売に伴うゲーム機本体及び関連商品の販売好調などにより同22.5%増と拡大した。家電はエアコンが同10.9%増となった。
利益面について、営業利益の増減要因を見ると、人的資本投資や店舗運営関連の支出により、人件費が18億円、家賃・地代が4億円、物流費が4億円、広告宣伝費が1億円、その他費用が11億円とそれぞれ増加したが、増収に伴い売上総利益が55億円増加したことで営業増益となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した投資有価証券売却益及び固定資産売却益の反動などにより、前期比3.7%減となった。
財務安全性は引き続き良好、在庫効率と有利子負債の改善も進展
2. 財務状況と経営指標
2026年3月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比2,690百万円減少の228,813百万円となった。流動資産合計は現金及び預金や棚卸資産の減少などにより同3,968百万円減少した。固定資産合計は無形固定資産及び投資その他の資産の増加により同1,278百万円増加した。負債合計は同3,389百万円減少の123,448百万円となった。流動負債合計はコマーシャル・ペーパーの減少などにより同2,414百万円減少した。固定負債合計は長期借入金の減少などにより同974百万円減少した。純資産合計は配当金の支払い等により株主資本が減少した一方、その他の包括利益累計額が増加し、同699百万円増加の105,364百万円となった。
2026年3月期の主な経営指標を見ると、同社の財務体質は引き続き良好であり、バランスシートの健全性が維持されている。自己資本比率は46.0%と前期末の45.2%から上昇し、十分な水準を保っている。また、有利子負債から現金及び預金を控除して算出されるネットデットは前期末比4,915百万円減少しており、有利子負債の圧縮が進んだことで財務負担は軽減している。債務返済能力が改善している。また、在庫効率を示す棚卸資産回転日数は前期末比5.2日短縮されており、関西茨木物流センターやアウトレット店舗を活用した在庫管理の取り組みが在庫流動性の改善に寄与していると考えられる。在庫管理の精度向上は、運転資金負担の抑制にもつながっている。同社は健全な財務基盤を維持しながら、資産効率の改善や有利子負債の適正化にも取り組んでおり、中長期的な企業価値の向上に向けた経営姿勢が財務面にも表れていると言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)