2026年4月期決算および中期経営計画説明
天沼利彦氏:4月1日より、株式会社スリー・ディー・マトリックスの代表取締役社長に就任した天沼です。本日はご多忙の中、ご視聴いただき誠にありがとうございます。
就任から日が浅く、まだ不慣れな点も多い状況ではありますが、これからも多くのアンメット・メディカル・ニーズに対し、当社の技術を活用したソリューションを、より多くのドクターや患者のみなさまにお届けできるよう、世界中にいるスリー・ディー・マトリックスの社員一同、一丸となって努力していきます。
これまでと同様にご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願いします。
エグゼクティブサマリー
これより、2025年度通期決算および中期経営計画についてご説明します。まずはサマリーです。2025年度は、当社が1つの大きなマイルストーンと位置づけていた黒字化を達成しました。
通期の累計売上は108億8,600万円で、前期比39億5,000万円増、57パーセントの成長となっています。通期の営業利益は13億3,500万円で、営業利益率が12.3パーセント、前期比で25億6,000万円の改善となりました。
この勢いを受け、2026年度は引き続き米国が売上成長を牽引する計画であり、売上・営業利益ともに順調な成長を見込んでいます。売上は前期比25億5,600万円増の134億4,200万円を計画しています。営業利益は、継続的な成長のための投資を一部見込んでいますが、2025年度より3億1,700万円増となる16億5,200万円を計画しています。
目次
本日の目次です。まず財務状況をお話しし、その後に開発状況、中期経営計画についてご説明します。
損益計算書の概要(2026年4月30日 時点)
損益計算書の概要です。売上高は2024年度の69億3,400万円から108億8,600万円へと、前期比57パーセント成長しました。
売上原価は一見下がっているように見えますが、2024年度に製品と原材料の評価損が計上されており、実質的には2024年度から2025年度にかけて4億円弱増加しています。これにより、粗利率は前期比15パーセント増と大幅に改善しています。ただし、当社の実力値としては2025年度の78パーセントが現状に近いものと考えています。
営業利益は前期比で24億9,100万円改善し、13億3,500万円となりました。
(再掲)為替差損益が発生する仕組み
こちらのスライドは以前にもご説明した内容ですが、為替差損益が発生する仕組みを示しています。当社は、子会社に対して外貨建てで貸付を行っているため、為替レートの変動により経常利益や最終利益に大きな影響が出ます。
円高になると為替差損、円安になると為替差益となりますが、2025年度は円安に動いたことで為替差益の影響が大きく表れています。
こちらは財務諸表上の損益であり、事業上のコストの増減やキャッシュの動きは伴わない数値である点にご留意ください。当社の業績をご確認いただく際は、営業利益を基準に事業の進捗をご判断いただければと思います。
貸借対照表の概要(2026年4月30日 時点)
貸借対照表です。売掛金が増加していますが、内訳を見るとほぼすべてが期限内の数字であり、事業拡大に伴う自然な増加と言えます。また、転換社債の転換が進んだことで、固定負債が大幅に減少しています。
ファイナンスの状況
ファイナンスの状況です。第9回無担保転換社債型新株予約権付社債(CB)は、2026年2月末までに全ユニットが転換され、すべての残高がゼロとなっています。また、第36回新株予約権の一部行使により、2025年度は合計4億9,000万円を調達しました。
さらに、昨今は地政学的リスクが非常に高まっており、これに対応するため、可能な限り在庫を確保する方針です。そのため、三井住友銀行およびりそな銀行から合計3億円を追加で借り入れました。
(再掲)実績推移と3か年の計画と目標
約1年前に発表した中期経営計画です。2025年度の計画として、売上高は92億8,300万円、営業利益は4億円を見込んでいました。
売上高前期比
2025年度の売上高の実績は、前期比57パーセントの成長となりました。その内訳を見ると、米国は31億5,200万円から62億4,900万円と前期比でほぼ倍増の大幅な成長を遂げ、全体の成長を牽引しています。また、欧州も20億5,200万円から25億9,500万円と前期比で大きく進捗しています。一方、日本は前期比でほぼ横ばいの状況です。
(再掲)エリア別の売上計画
こちらも1年前にお見せしたスライドで、地域ごとの売上計画を示しています。米国は前期比55パーセント増、欧州は前期比21パーセント増、日本は前期比8パーセント増の成長を見込んでいました。
販売活動の進捗:米国
結果としては、米国は前期比55パーセント増の計画を大幅に上回る98パーセント増という結果となりました。
その要因としては、消化器内視鏡領域(GI)において「新規顧客の獲得」「既存顧客の維持」「顧客あたり使用量の拡大」のそれぞれのバランスを取った活動により、成長の継続に貢献したことが挙げられます。
これに加え、特に第4四半期において、年度末に向けた営業活動が大幅に加速したことにより、従来を上回る高い成長を実現し、スライドに示しているような結果となりました。
さらに、新たな取り組みの1つとして、同一病院において消化器内視鏡領域(GI)と耳鼻咽喉科領域(ENT)のドクターに対し、横断的なアプローチを開始しています。これは、消化器内視鏡領域(GI)および耳鼻咽喉科領域(ENT)のドクターに一堂に集まっていただき、情報共有の場を設定するものです。
各領域でインディケーションが違うこともありますので、この取り組みによりドクター間で製品理解が進むほか、弊社の製品をどう使うといいのかを議論する場にもなっています。非常に良い影響があると考えており、今後もこの取り組みを進めていきたいと考えています。また、米国の消化器内視鏡領域(GI)は依然として大きな成長余地があると見ています。
耳鼻咽喉科領域(ENT)は事業規模が順調に拡大しており、第4四半期には営業人員を1名増員しました。数量が順調に増加するとともに、平均単価(ASP)も向上しており、年間予算を大幅に上回る結果を達成しています。
販売活動の進捗:欧州
欧州は、計画の前期比21パーセント増に対し、実績が前期比26パーセント増となり、計画を上回る結果を得られました。消化器内視鏡領域(GI)は微増にとどまった一方、耳鼻咽喉科領域(ENT)と泌尿器科領域において大きく成長しています。
消化器内視鏡領域(GI)では、イギリスとアイルランドで論文の結果などを活用し、各病院での使用量が増加したことで前期比で大きく伸びました。しかし、苦戦が続いているドイツでは、改善施策は機能しているものの、それを全国展開する取り組みが思うように進まず、現時点では前期比で微増にとどまっています。
その他の領域では、耳鼻咽喉科領域(ENT)において、頭頸部領域の使用量が大きく拡大しています。泌尿器科領域では、放射性膀胱炎が入り口となり、その後、前立腺肥大や腎臓の部分切除などへの使用拡大が順調に進んでいます。
また、新製品の承認が2025年度に行われたことに伴い、脳神経外科での説明会が順調に進捗しています。2026年6月より、十数病院で試用を開始する予定です。
販売活動の進捗:日本
日本では保険請求の問題が生じており、病院側での買い控えが発生していることから、成長が停滞しています。
まず、当社製品は各市場への浸透率が高く、新規顧客の獲得による成長が徐々に難しい状況となってきています。また、新規顧客を獲得しても、その規模がこれまでよりも小さくなっている影響があります。さらに、一部の都道府県では病院からの保険請求が却下される事例が散見されています。
これらが重なった結果、通期では前年をわずかに上回ることができたものの、予算に対しては未達となりました。
四半期売上高(2025年度)
四半期ごとの売上高の実績です。各四半期で計画を超えており、特に第4四半期で大幅に予算を超過しました。結果として、累計売上高は対計画で16億円増となり、大幅な増収となっています。
四半期営業利益(2025年度)
営業利益も各四半期で計画値を超え、第4四半期は特に大きく計画を上回りました。その結果、営業利益は対計画で9億3,000万円の上振れとなり、2025年度は対計画で大幅な増収増益となっています。
現在アクティブなプロジェクト(止血)
開発状況についてです。進捗の大きかったプロジェクトに関してご説明します。まずは、扁桃摘出術についてです。主に小児において、米国では非常に手術件数の多い手技となっています。術後の痛みや少し遅れて発生する出血という2つのアンメットニーズがあり、これら2つに対応できる製品は現在、マーケットに存在しません。
「ピュアスタット」を使用することで、術後の痛みを軽減し、出血を抑制することが期待されており、現在、米国で臨床研究を実施中です。その結果を基に、FDAへの承認申請を行う予定です。
現在アクティブなプロジェクト(創傷治癒)
炎症性腸疾患(IBD)の粘膜治癒について、群馬大学で実施していただいている臨床研究は、前回お伝えした6例の組み入れから2例増加し、現在8例が組み入れ済みとなっています。また、食道狭窄予防に関する広島大学による論文については、すでに発刊済みです。
現在アクティブなプロジェクト(DDS)
こちらはリリースを出していますが、悪性胸膜中皮腫を対象としたmiRNAのデリバリーに関するプロジェクトについてです。PURMX Therapeutics社の治験に弊社が協力しています。こちらは医師主導治験(Phase 1)が終了し、主要評価項目である安全性の確認を達成しました。PURMX Therapeutics社により、次のフェーズの計画へ移行しています。
中期経営計画の方針
中期経営計画についてご説明します。まず全体の方針についてです。特に米国の消化器内視鏡(GI)市場にフォーカスした確度の高い成長を目指す方針は、2026年度も継続します。同時に、消化器内視鏡領域(GI)以外の既存・新規分野に関しては、保守的な期待値にとどめています。
また、黒字化を達成したタイミングであることから、今後の継続的な成長を実現するために必要なチーム体制の強化や、オペレーション力向上のための販管費の規律ある増加を許容する計画としています。
方針としては、短期的な利益創出よりも中長期的な成長の継続を優先しますが、黒字化達成後も着実な利益確保・拡大を指向しています。
研究開発においては、引き続き大規模な治験の計画はありませんが、米国での新規承認取得を加速するため、グループのリソースを集中させる計画です。
実績推移と3か年の計画と目標
これまでの実績推移と今後3ヶ年の計画・目標についてです。2026年度の売上高は134億2,200万円、営業利益は16億5,200万円を計画しています。その後、売上高は161億4,300万円、187億9,200万円へと成長させ、営業利益および営業利益率ともに2年目、3年目と拡大していく計画です。
全体的な考え方としては、中長期的な成長継続という大きな目標と、各年度の利益確保・拡大をバランスさせた計画を指向しています。
2025年度実績と2026年度計画の比較
2025年度実績と2026年度計画の比較です。2026年度は2025年度に対し、売上高は25億3,600万円増の23パーセント成長、営業利益は3億1,700万円の増益を見込んでいます。前期と同様に、経常利益と当期純利益は今後の為替の動向によって大きく変動する可能性がありますので、ご留意ください。
四半期売上高の推移
各四半期の売上高の推移です。すべての四半期で前年同期を上回り、一貫して成長する計画です。スライドに示したグラフをご覧いただくと、2025年度の第4四半期が大きく伸びたため、第1四半期はそこに対して少し落ち着いた結果となりますが、順調に増加していく計画です。
エリア別の売上計画
各エリアの売上計画です。米国が成長に大きく貢献する計画となっており、米国では前期比37パーセントの成長を見込んでいます。主に消化器内視鏡領域(GI)が引き続き成長を牽引する見込みで、この領域にはまだ数倍の成長余地があると考えています。
また、大きな目標として、米国では新規領域の承認取得を進め、これを次の事業の柱として育成することに注力しています。
欧州では、前期比12パーセントの成長を見込んでおり、大きな営業リソースの追加は計画していません。耳鼻咽喉科領域(ENT)、泌尿器科領域のそれぞれで成長を継続させるとともに、新製品のテストマーケティングを開始していきます。
一方で、日本については成長が少々停滞しており、この傾向が今期も続く見込みです。チームとしては既存顧客の使用本数維持に注力し、計画上では前期比でマイナス12パーセントを見込んでいますが、極力フラットな結果を目指していく方針です。
四半期営業利益推移
各四半期の営業利益推移の計画です。第1四半期から第4四半期まで、四半期が進むにつれて営業利益率および営業利益額が増加していく計画となっています。
例年の傾向として、第1四半期は支出が集中することが多いため、営業利益率がやや低くなる傾向があります。しかし、第4四半期にかけて徐々に改善していく計画です。以上が中期経営計画の説明です。
エグゼクティブサマリー
最後に、エグゼクティブサマリーに戻っておさらいします。2025年度通期にて順調に成長し、黒字化を達成しました。累計売上は108億8,600万円で、前期比プラス39億5,000万円、57パーセントの成長となっています。営業利益は13億3,500万円、営業利益率は12.3パーセントで、前期比で25億6,000万円の改善となりました。
この結果を受け、2026年度では引き続き米国が売上成長を牽引し、売上高および営業利益ともに順調な成長を計画しています。売上高は前期比25億5,600万円増の134億4,200万円を計画しています。営業利益は、継続的な成長のための投資を見込んでいるものの、2025年度よりも3億1,700万円増の16億5,200万円を計画しています。
以上で、2025年度の決算および中期経営計画の説明を終了します。ご清聴、誠にありがとうございました。今後とも変わらずスリー・ディー・マトリックスを応援していただけますよう、よろしくお願いします。