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戸田工業、事業ポートフォリオマネジメントの強化を実施し収益力が回復 更なる成長拡大に向け経営資源を投下

本日のアジェンダとスピーカー

久保恒晃氏(以下、久保):戸田工業株式会社 代表取締役社長執行役員の久保です。2025年度決算事業報告会にご参加いただきありがとうございます。

本日のアジェンダです。まず私から、決算サマリーとして、2025年度の通期決算および2026年度の業績予想の概要と、中期経営計画「Vision2026」(以下、「Vision2026」)の戦略概要についてお話しします。

その後、取締役経営企画室長の友川より2025年度決算の結果をご報告し、再度私より2026年度の業績予想と「Vision2026」の進捗状況についてご説明します。

決算サマリー

決算サマリーです。2025年度は、営業損益の黒字転換を達成しました。不採算事業からの撤退や販管費等のコストダウン、お客さまへの価格是正を実施し、営業損益の黒字化を達成することができました。また、成長事業、次世代事業への積極投資を継続し、生産基盤の拡充を進めました。

経常損益の部においてはEV市場の成長鈍化の影響を受け、持分法による投資損失を計上しました。

それに伴い、持分法適用関連会社であるBASF戸田バッテリーマテリアルズ合同会社(以下、BTBM)の出資持分の全部を、BASF Battery Materials and Recycling GmbHに譲渡することを決議しました。これにより発生が見込まれる損失に関しては2025年度に特別損失を計上しました。

2026年度業績予想は、経常損益・純損益の黒字転換を見込んでいます。モビリティ、AI分野において、電子部品向け誘電体材料、軟磁性材料が売上拡大、営業利益増加の見通しです。

また、不採算事業からの撤退により、持分法の投資損益、特別損益は大幅に改善すると見込んでいます。

ありたい姿

「Vision2026」の概要についてご説明します。まず「ありたい姿」として、2030年度の目標を設定しました。スライド右上の大きな丸の部分に記載しているように、KPIを設定しています。

この計画を達成する上で重要な要素は、お客さまはじめステークホルダーの信頼に足る会社に成長することです。そのため、サステナビリティを「Vision2026」の土台に据えた上で策定しています。

ただし、当社グループが各事業において抱えている課題は、先の見通しや現状の位置づけなどによってさまざまです。各事業に関して、事業のポートフォリオマネジメントを強化することを第一義に掲げ、それぞれの事業への取り組みを進めています。

中期経営計画「Vision2026」の3つの戦略

「Vision2026」の戦略について、概要をご説明します。現在3つの戦略を掲げて取り組みを進めています。1つ目が「事業戦略」、2つ目がそれを支える「財務戦略」、そして3つ目が計画を成し遂げるために欠かせない「人財戦略」です。

当社の各事業における現在の位置づけや将来的な成長性はさまざまです。それを4つのグループに分類し、それぞれの事業に責任者を配置しています。そして、当社グループの強みを活かした活動や、改善が必要な事業に対して再生転換を図る活動を推し進めています。

2025年度 連結業績

友川淳氏:経営企画室長の友川です。私から、2025年度連結決算の概要についてご報告します。

売上高は前年同期比36億円減収の280億円となりました。その主な要因は、2024年度に不採算事業であった連結子会社の戸田アドバンストマテリアルズInc.(以下、TAM)がLIB用材料の製造販売事業から撤退したことです。これにより、同社の売上高が大きく減少し、2025年度は減収となりました。

営業損益は、前年同期比15億円の増益と改善し、9億円の黒字となりました。これは不採算事業からの撤退に加え、原価低減活動や販管費の削減を進めた結果、磁石材料や着色顔料・トナーを中心に損益が回復したためです。

経常損益も前年同期比13億円の増益と大幅に改善したものの、結果として2025年度は、1億円の赤字となりました。

営業損益は9億円の黒字となった一方で、持分法損益が大幅な損失となりました。この要因として、EV需要の低迷に伴い、持分法適用関連会社であるBTBMの業績が低迷したことが挙げられます。

純損益は、前年同期比1億円の増益となりましたが、結果として2025年度は、純損失35億円となりました。

これは、BTBMの出資持分の全部譲渡を決議し、この譲渡に伴う損失が今後発生することから、譲渡損失引当金として30億円を特別損失に計上した影響です。

設備投資は前年同期比12億円減少となりました。2024年度は、持分法適用関連会社であった韓国の事業会社戸田マテリアルズ株式会社(以下、TDMI)を100パーセント連結子会社とするために多くの費用が発生しましたが、これを除くと減価償却費および研究開発費に関して大きな変動はありません。

KPIとして設定している営業利益率は、2025年度目標を4パーセントとしていましたが、実績は3.1パーセントとなりました。2024年度比では大きく改善したものの、目標には届きませんでした。

ROEについては、当期純損益が赤字であったため、マイナスの結果となっています。自己資本比率も当期純損益の大幅な赤字が影響し、目標である27パーセントには届かず、19パーセントとなりました。

2025年度 連結業績 純損益 増減分析

2024年度から2025年度までの純損益の増減分析を示したウォーターフォール図です。下の表が実際の数値を示しています。

まず、個別の営業損益は、前年と比べて10億円の増益と大きく改善しました。これは原価低減や販管費削減などが大きく寄与した結果です。

次に、連結子会社に関する営業損益についてです。こちらはカナダでLIB用材料を手掛けているTAMの清算を決議したことで、損益が大きく改善しています。

その他の事業会社における営業損益は主に韓国のTDMIが苦戦し、前年度比9億円の減益で下押し要因となりました。

営業外損益における持分法損益はBTBMの業績低迷の影響を受け、前年度比7億円の減益、2025年度は11億円という大きな損失となっています。特別損益では、BTBMの持分譲渡関連損失引当金を計上しています。

以上の結果、2025年度の純損益は前年度比1億円増益の35億円の赤字となりました。

2025年度 事業別 連結売上高、営業損益 増減分析

売上高と営業損益を事業ごとに前年度比で増減分析したものです。上段が売上高、下段が営業損益です。

事業ポートフォリオマネジメントにおいて「成長」カテゴリーの磁石材料は、一部中国市場における競争激化などの影響もあり、売上高は前年度比7億円の減収となりました。一方で営業損益は前年度比2億円の増益となりました。

誘電体材料の売上高は、AI関連やデータセンター関連の需要を背景に、当社の誘電体材料が使用されるMLCC(積層セラミックコンデンサ)用の需要が拡大したことで、前年度比4億円増収となりました。一方、営業損益に関しては、当事業において次世代材料の研究開発費などに経営資源を大きく投入したため、前年度比で若干のマイナスとなりました。将来を見据え、より高品質な材料を開発し、上市するための活動を推し進めています。

「収益基盤」カテゴリーの触媒などは安定した需要に支えられ、売上高、営業損益はともに前年度比1億円の増収増益となりました。

「次世代」カテゴリーの軟磁性材料は、磁石材料と同様に中国市場での競争激化の影響を受け、売上高は前年度比6億円の減収となりました。さらに営業損益も前年度比7億円の減益と大きくマイナスとなっています。

「再生・転換」カテゴリーのLIB用前駆体は、不採算事業からの撤退を決定した影響で、売上高が前年度比20億円の減収となりました。一方、営業損益は不採算事業からの撤退により前年度比14億円の増益となっています。

また、ハイドロタルサイトでは、再生・転換を進めた結果、前年度比で売上高は4億円の減収となったものの、営業損益は前年度比1億円の増益となりました。

着色顔料・トナーは、売上高が減少したものの、コストダウンなどの取り組みにより、営業損益は前年度比5億円の増益となりました。

冒頭で久保がご説明したとおり、各事業とも事業ポートフォリオ戦略に基づき、着実な改善に向けた活動ができた2025年度だったと考えています。

2026年度 連結業績予想

久保:2026年度の業績予想について、再び私からご説明します。

2026年度予想は、売上高290億円、営業利益10億円、経常利益11億円、当期純利益5億円としています。前年同期比で売上高から純損益までいずれも増加しており、増収増益を見通しています。

大きな要因として、冒頭でもお伝えしたように、経常損益および純損益において、BTBMの持分譲渡に伴う持分法投資損益や譲渡による特別損失などが2026年度には発生しない点が挙げられます。

したがって、営業活動によって得た利益をそのまま純利益までつなげることができる状況となることが、1つの大きなポイントです。

設備投資については、2025年度の18億円に対し、2026年度は15億円と減少しています。社内で十分な精査と投資採算の議論を重ね、メリハリをつけた投資を推し進めています。先を見据えた取り組みの中で、必要に応じて利益につなげていく方針を継続していきます。

なお、中東情勢については、現在も日本経済に非常に大きな影響を及ぼしています。ただし、現時点では合理的な見積もりが困難であるため、業績予想に織り込んでいません。

2026年度 連結業績予想 純損益 増減分析

2025年度から2026年度予想の純損益の増減分析を示したウォーターフォール図です。下の表が実際の数値を示しています。2025年度は35億円の赤字でしたが、2026年度は5億円の黒字を見込んでいます。

一番左側の個別の営業損益は、減価償却費増加の要因があるものの、引き続き黒字を見込んでいます。

2025年度は誘電体関係の事業が過去最高の売上を記録しましたが、2026年度もその伸長が期待されます。総合的に見て、個別の事業としては黒字を確保する見通しで進めています。

その他の営業損益は連結対象の子会社も含めていますが、韓国子会社TDMIの収益回復が大きな要素となります。また、その他の子会社も引き続き順調に推移する見込みです。

営業外損益は、持分法損益において、2025年度のBTBMの持分損失の取り込みがなくなる効果が大きく、前年度比14億円の増益となっています。

また、特別損益においては、前年度に計上したBTBMの持分譲渡損失引当金による一過性の損失要因が解消することにより、前年度比30億円の増益を見込んでおり、この2つがプラスに作用します。結果として、純損益は前年度比40億円の増益で5億円となる見通しです。

2026年度(予想) 事業別 連結売上高、営業損益 増減分析

売上高と営業損益を事業ごとに前年度比で増減分析したものです。上段が売上高、下段が営業損益です。

「成長」カテゴリーの磁石材料については、引き続き希土類ボンド磁石の販売が、お客さまの需要増に伴って増加する見込みです。ただし、市場環境は2025年度と同等と見ています。

誘電体材料は過去最高売上を更新していますが、利益面では先を見た開発に注力していることもあり、前年度比1億円程度の増益となる見込みです。

「収益基盤」カテゴリーの触媒などでは、データセンター向け記録材が伸長しています。その結果、売上は前年度比で2億円増加し、営業利益も増加する見込みです。

「次世代」カテゴリーの軟磁性材料は、韓国子会社と個別の合算ですが、不採算事業の収益改善や新商品の上市により、売上高・利益ともに大幅な増加が見込まれます。

「再生・転換」カテゴリーの着色顔料・トナーは、前年度比で大きな伸びはありません。ただし、営業損益面では原価の影響や製品構成の変化による押し下げもあり、現在、前年度比3億円の減益を見込んでいます。

その結果、前年度比で売上高は10億円増収の290億円、営業利益は1億円増益の10億円としています。

1.事業戦略 私たちが貢献する成長フィールド

「Vision2026」の取り組み進捗について、戦略ごとにご説明します。

まず「事業戦略」です。当社は企業価値を伸ばす活動に積極的に取り組んでいます。今後成長が見込まれる分野において当社の強みである技術でしっかりと貢献していくため、社内で議論しながら進めています。

我々の技術を将来に残し、未来に貢献するという精神のもと、大きな変革期をむかえる自動車などの「モビリティ」分野や、昨今、温暖化を含めて注目されている「環境」分野、足元で活況を呈している「AI」分野に取り組みます。このような、今後も成長が見込まれる分野に対し、当社が有する独自の技術や素材を引き続き提供します。そして、この先に想定されるビジネスを、パートナーと共同で創出する活動にも取り組んでいます。

1.事業戦略 「事業ポートフォリオマネジメントの強化」による各事業の位置づけと進捗

冒頭でご説明した「事業ポートフォリオマネジメントの強化」について、横軸を収益性、縦軸を成長性とし、4つのグループで表現しています。

下段の「再生・転換」カテゴリーをご覧ください。棒グラフの左側から2024年度の実績、その次が2025年度の実績です。

売上高は下がっており、市場の成長性という観点では厳しい状況ですが、利益面では大きく改善したというのが、2025年度の大きなトピックスです。

1.事業戦略 【成長事業】

モビリティとAI分野に関して当社が貢献できる材料である、「成長」カテゴリーの磁石材料および誘電体材料について整理しました。

まずは磁石材料です。2024年度の実績から2026年度までの予想を棒グラフで示しています。大きな成長を示す推移にはなっていませんが、背景に、中国の景況感やEVの状況があります。

スライド下部に記載のとおり、ボンド磁石用コンパウンド材料は市場シェアNo.1です。

我々の強みは、磁石自体を粉体から成形品まで幅広く展開できる点にあります。また、日本、中国、タイといった地域において、「チャイナ、ノンチャイナ含めたサプライチェーンを構築してほしい」というお客さまの要望に応える供給体制も強みの1つです。

これらを含め、当社グループはお客さまの要望に応えられる立ち位置にあり、その強みを伸ばす活動を進めているところです。

誘電体材料は、2024年度から2026年度まで、売上高は着実に成長すると見込んでいます。営業利益率は足元でゼロ近辺にありますが、先ほどご説明したとおり、素材として粉体を製造し、そこから川下へと展開する分散体の開発投資を行っているためです。

お客さまは粉体を使用する際に、溶媒など他の材料と混ぜて当社の材料を分散させて使用されます。我々は、その際のご負担やお困りごとに対してお応えできるチャンスと技術力があると自負しています。このような事業の川下展開も含めて現在取り組んでいます。

開発など、未来を見据えた事業の創出のための投資で若干営業利益に影響が出ている部分はありますが、先を見た取り組みを推し進めています。

1.事業戦略 【次世代事業】

「次世代事業」カテゴリーの軟磁性材料と環境関連材料についてです。まず軟磁性材料は、2026年度は売上・利益ともに大きく改善し、業績に貢献するとご説明しました。

その達成に向けて、韓国子会社および国内で連携を強化しシナジーの創出をベースに、しっかりとお客さまのニーズに応える活動を継続しています。

強みとして、微粒子メタル磁性粉の製造に際し、粒子サイズを最適化したり複合化したりすることで、通信関係の部品の性能向上に対応しています。

環境関連材料は現在、事業化に向けた大きな取り組みを2つ進めています。1つは二酸化炭素を吸収し、吸収したものを有価な資源として再利用する活動です。そしてもう1つは、メタンガスを水素と固形炭素に分離し、それぞれを資源として活用する活動です。

これら2つの取り組みについては、2025年度、北海道豊富町に実証プラントを建設したほか、大阪・関西万博で紹介しながら実証テストを進めるなど、検証しながら品質向上を図り、事業化に向けた取り組みを順調に進めているところです。

2.財務戦略

ここからは財務戦略について、2025年度の結果とあわせてご説明します。まず2025年度実施結果については、財務体質の改善を目的として資本効率を高める取り組みを進めています。

キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)は、以前は6.6ヶ月と非常に長かったものの、各KPIを設定し、活動を進めたことで5.3ヶ月に短縮し、大きな成果を上げました。当然ながら、事業活動に伴う営業損益の改善も資本効率の改善に寄与しています。

「2026年度実施予定」においては、計画目標を確実に達成するため、全社を挙げて取り組んでいます。

前年度、効果のあった運転資本回転期間のさらなる改善や、キャッシュフローの創出については引き続き取り組んでいきます。また、連結資産のスリム化にも積極的に取り組んでいきます。

各マテリアリティ指標をスライド下部に記載しています。「Vision2026」で設定したKPIは、すべての項目で達成していないというのが現状です。2026年度のKPI営業利益率5パーセントに対し、現状は3.4パーセントを見込んでおり、非常に厳しい状況です。2025年度および2024年度における課題も含め、成長分野での利益創出を推し進め、現在の目標達成にしっかりと取り組んでいきます。

株主還元についても非常に申し訳ない状況が続いており、私の責任であると認識しています。現状では安定的な配当を継続するに至っておらず、2026年度も配当を見送る方針です。

ただし、配当が重要な経営要素であることは重々承知しており、できる限り早期に配当を実現できるよう、鋭意取り組みを進めていきます。

3.人財戦略 技術立社を支える人財開発 〜発展のカギは人!〜

人財戦略について、3つ挙げています。まず、事業を牽引できるような人財を含め、戸田工業を引っ張り、さらにしっかりとマネジメントできる人財の育成に取り組んでいます。その一環として、各部署での後継者育成に力を入れています。

女性およびマイノリティのキャリア開発においては、エンゲージメントを向上させる取り組みと併せて、女性の活躍の場を広げ、全社員の意識を変えてもらうための活動や研修を進めています。

DXの推進を加速する人財育成について、当社ではAIの活用や業務効率化の推進に積極的に取り組んでいます。セキュリティを考慮し、閉鎖されたイントラネット環境の中でこれらを加速させつつ、事業運営の効率化に注力する活動等、2026年度も進めていきます。

2023年度から取り組んでいるマテリアリティ指標に関しては、徐々に進捗が見られます。2030年の目標に向けてはさらなる努力が必要な状況であり、人財戦略を実行していきます。

以上をもちまして、2025年度連結決算事業報告会を終わります。本日はご多忙の中、ご参加いただき誠にありがとうございました。

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