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オプティム Research Memo(3):モバイルマネジメントサービス「OPTiM Biz」がストック収益の柱(1)

■オプティムの事業概要

1. 市場動向
同社の成長を後押しするのは、第4次産業革命※1の進展である。近年、PCやモバイル機器にとどまらずネットワークカメラやセンサー、ウェアラブルデバイスなどのIoT(モノのインターネット)が急速に普及している。ビッグデータの加速度的増加は、その中から有益な情報を導くためのAI利用を後押しする。同社は、IoT機器の管理を行う「OPTiM Biz」及びIoT・AIを利用するためのプラットフォーム「OPTiM AIR」などにより、第4次産業革命を前進させるカギとなるソリューションを提供しており、それが強みの1つであると言える。なお、同社が対象とする市場は、推計約160兆円(450億台×300円/月※2)のポテンシャルを持つ巨大市場である。

※1 IoT・AI、ビッグデータなどの情報通信技術の発展により、産業構造が大きく変わり、新たな経済価値が生まれること。
※2 「450億台」は総務省「令和元年版 情報通信白書」よりIoT機器出荷台数予想。「300円/月」は「OPTiM Biz」平均月額単価。

2. 事業領域:AX事業
(1) 情シスAXサービス:モバイルマネジメントサービス「OPTiM Biz」「OPTiM Biz Premium」
「OPTiM Biz」は、2009年に提供が開始された同社を代表するサービスである。MDMツールに分類され、企業向けのスマートフォン・タブレット・パソコン・IT機器といった端末の管理やセキュリティ対策を、ブラウザ上から簡単に実現できる。2025年2月にはAIエージェントの統合などの大幅なバージョンアップを行うとともにブランド名を「Optimal Biz」から「OPTiM Biz」に変更した。KDDIやNTT東日本、富士フイルムホールディングスのグループ会社である富士フイルムビジネスイノベーション(株)、パナソニック ホールディングスのグループ会社であるパナソニック ソリューションテクノロジー(株)、リコーの販売子会社であるリコージャパン(株)、大塚商会など多数の販売パートナーを通じての提供や、販売パートナーのサービスとしてOEM提供されており、同社は端末数に応じたライセンス料(1端末エンドユーザー標準価格は300円/月)を受領する。国内モバイルマネジメント市場は187億円(2024年)※の市場規模があり、年率10%以上の安定成長をしている。同社はその市場で15年連続シェア1位(52.3%)を獲得、導入実績は18万社以上に達し、デファクトスタンダードの地位を確立している。また、平均解約率がサブスクリプションサービスの業界平均を大きく下回る約0.5%であることからも、顧客満足度の高さがうかがえる。コロナ禍以降、テレワークの導入が業種や規模を問わず拡がり、業務に利用するPCやスマートフォンの管理、セキュリティ対策のニーズが高まるのに伴い、ライセンス数が堅調に拡大している。2025年9月には、「OPTiM Biz」の標準機能として、ITサポート用AIチャットエージェントである「OPTiM AIRES(アイレス)」を搭載し、周辺機能を取り込み進化した。さらに、同年10月には、「OPTiM Biz」を基盤に、これまで同社が提供してきた各種IT運用支援サービスを統合した国内初(2025年10月同社調べ)の次世代情シスDXサービス「OPTiM Biz Premium」を月額980円/IDで提供開始した。

※ 出所:デロイト トーマツ ミック経済研究所「コラボレーション・モバイル管理ソフトの市場展望 2024年版」

(2) 建設・土木AXサービス
業界注目のアプリケーションとしては世界に先駆けて開発した「OPTiM Geo Scan」がある。LiDARセンサー搭載のスマホやタブレットで土構造物などの測量対象物をスキャンするだけで、高精度な3次元データが取得できる。ドローンやレーザースキャナーなどが利用できない小規模現場でも優位性を発揮し、従来の光波測量と比べ測量時間を最大6割削減することができる。また、測量の専門知識は不要で、一人で手軽に測量を行うことが可能であるため、人手不足や技術者不足解消にも役立つ。2021年の販売開始以来、地上型レーザースキャナー「OPTiM Geo Scan Advance」などをはじめ様々なオプションや周辺機器を開発しており、利便性はさらに向上している。直近では、測量ニーズだけでなく、建設現場に必要な業務(設計・杭打ち・位置だし・資材計算)をカバーする日常業務アプリに進化している。また、「OPTiM Geo Scan コーポレートライセンス」では、Geo Scanの利用に必要な機材をワンストップで提供し、資産管理や伴走型の技術支援まで行う。清水建設をはじめ多くの大手ゼネコンで導入が開始されている。2025年7月には、ミリ単位の精度での測量を実現する「Geo Scan Supreme」を提供開始し、舗装工事や構造物工事などの高い測量精度を要する工種への対応が可能になった。同社では、デジタルコンストラクション分野の潜在市場規模を3,600億円と推定している。

(3) 医療AXサービス
少子高齢化による医療費の増大や病院関係者の人手不足が深刻な課題になっている。同社は、医療分野においてもIoT・AIを組み合わせ、医療が抱える様々な課題の解決に取り組んでいる。一例を挙げると、2016年に遠隔診療サービス「ポケットドクター」を発表。2020年には、オンライン診療システムを手軽かつスピーディーに開発することができる「オンライン診療プラットフォーム」のOEM提供を開始している。さらに同年には、メディカロイドが開発した国産初の手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」の運用支援、安全・効率的な手術室の活用支援及び手技の伝承・継承支援を目的としたネットワークサポートシステムのプラットフォーム「MINS(マインズ:Medicaroid Intelligent Network System)」の共同開発を行った。「MINS」は、「hinotoriTM サージカルロボットシステム」に搭載された各種センサー情報や内視鏡映像、手術室全体の映像などの情報をリアルタイムで収集・解析・提供するオープンプラットフォームであり、同社の「OPTiM Cloud IoT OS」をベースに開発されている。「hinotoriTM サージカルロボットシステム」及び「MINS」は既に複数の病院で導入が進んでおり、泌尿器科、消化器外科、婦人科などの領域での手術に利用されている。2024年11月には、医師・看護師の文章作成業務を生成AIが支援するオンプレミスLLM搭載サービス「OPTiM AI ホスピタル」の提供が開始され、順調に採用が進む。インターネットに接続しないオンプレミス環境で高セキュリティを確保しつつ、安全に生成AIを利用でき、文章作成時間の約50%を削減できる。2025年5月には、同社と浜田病院など3病院を擁する医療グループである(株)セントラルメディエンスは資本業務提携を行い、医療業界におけるDX・AIサービス開発を共同で推進することに合意した。同社では、デジタルヘルス分野の潜在市場規模を1,500億円と推定している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

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