■要約
ネオマーケティングは、東京証券取引所(以下、東証)スタンダード市場、名古屋証券取引所(以下、名証)メイン市場に上場する総合マーケティング支援企業である。「生活者起点のマーケティング支援会社」を事業コンセプトにしており、クライアント企業に対して「生活者との対話」を通じて「買ってもらい続ける仕組み」をコンサルティングする一連の支援活動を展開している。成長戦略の推進と戦略的M&Aへの取り組みにより、さらなる発展を目指している。
1. 2026年9月期中間期の業績概要
2026年9月期中間期の連結業績は、売上高1,385百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益120百万円(同12.7%増)、経常利益121百万円(同15.2%増)、親会社株主に帰属する中間純利益117百万円(同35.9%減)となった。通期予想に対する進捗率は売上高49.5%、営業利益120.6%、経常利益101.7%、親会社株主に帰属する中間純利益117.2%となっている。先行投資として注力してきた人材育成の効果が表れ始め、売上高は過去最高を記録した。一方、親会社株式に帰属する中間純利益については、前年同期に子会社株式の売却という特殊要因があったため減益となった。サービス別では、確かなデータ品質と提供スピードの向上によりリピート受注を伸ばしたカスタマードリブン※や、専任営業体制の確立で追加受注の獲得に成功したデジタルマーケティング・PRが、ともに2ケタ増収を達成して同社の成長をけん引した。2026年9月期中間期末の自己資本比率は46.3%(前期末比2.4ポイント上昇)で、2025年3月期東証プライム・スタンダード・グロース市場の全産業合計の34.1%を上回る高い安全性を示している。
※ カスタマードリブン:一定数のモニター(調査対象者)からアンケートを取得して、クロス集計を行い、属性ごとに分析する定量調査。
2. 2026年9月期の業績見通し
2026年9月期の連結業績については、売上高2,800百万円(前期比21.4%増)、営業利益100百万円(同821.7%増)、経常利益120百万円(前期は7百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益100百万円(同275.5%増)と増収増益の見通しである。営業利益の進捗率は中間期で100%を超えており、当期に新たに連結子会社化した2社の業績寄与も見込んでいるが、中間期偏重の傾向や一部既存事業における遅延の可能性を考慮し、通期予想は据え置かれた。リサーチ領域(インサイトドリブン及びカスタマードリブン)では、部長クラスの増員や研修によるマネジメント体制の強化と、生成AI普及への対策などを下期に実行する計画だ。デジタルマーケティング・PR領域では、リサーチ領域からデジタルマーケティングの実行までを一貫してカバーするアプローチで、さらなる売上高の伸長を目指す。あわせて、戦略的M&Aで子会社化した企業が提供するサービスの内製化を進め、高付加価値な新パッケージや安価なSNS運用商材を投入していく方針である。
3. 中長期の成長戦略と戦略的M&Aへの取り組み
同社は中長期的な成長に向けて、マーケティングコンサルタントの採用・戦力化、対応エリアの拡大、顧客単価増大を目指す成長戦略の推進と、これら3つの戦略推進をサポートする戦略的M&Aに取り組んでいる。
マーケティングコンサルタントの人員数は2026年3月末で61名となった。4月の新卒入社8名のほか、中途入社も数名が決まっており、今期目標の74名体制の達成に向けて採用活動を進めている。また、毎年改善を図っている教育プログラムにより、新規入社組の早期戦力化を進めている。2026年9月期中間期においては、マーケティングコンサルタントの戦力化や各種サービスの品質強化が実を結び、顧客数は569社、顧客単価は2,357千円とともに中間期での過去最高を更新した。
戦略的M&Aについては、同社はサービスメニューの拡充・強化につながる2つの企業を2026年4月に子会社化した。SNSマーケティングに強い(株)エッセンスマーケティングの買収により新規開拓のフックとなる「SNS運用」サービスをメニューに加えたほか、ライフスタイル分野のPRに実績を持つ(株)PA Communicationの買収により外注依存だった広報・PR機能を内製化した。同社は今後も、既存事業とのシナジーを生み出せる企業を対象としたM&Aに積極的に取り組み、成長戦略の推進を加速する方針である。
■Key Points
・「生活者起点のマーケティング支援会社」が事業コンセプト
・2026年9月期中間期決算は、人材育成の効果が表れ始め、過去最高の売上を記録
・2026年9月期は増収増益を予想。マネジメント体制の強化やリサーチから施策の実行までプロセス全体の支援体制に取り組む
・2026年4月に、2件の戦略的M&Aを実行。サービスメニューの拡充・強化により、成長戦略の推進を加速
■会社概要及び事業概要
一気通貫でサービスを提供する、生活者起点のマーケティング支援会社
1. 会社概要
同社は、2000年10月に設立されたマーケティング支援会社である。東証スタンダード市場、名証メイン市場に上場し、創業以来、橋本光伸(はしもと みつのぶ)氏が代表取締役として同社グループを率いている。同社グループは「生活者起点のマーケティング支援会社」を事業コンセプトにしており、クライアント企業のマーケティングプロセス全般にわたって、一気通貫でサービスを提供する点が特長である。連結ベースの従業員数は166名(2026年3月末現在)である。
2. 運営サービス
(1) アイリサーチ
「アイリサーチ」は、同社が「生活者起点のマーケティング支援」を実現するためのインフラとして運営する、独自のマーケティングプラットフォームである。国内最大規模の3,075万人超の生活者パネル※を活用でき、海外のアンケートパネルも豊富に取り揃えている。また、徹底したモニター管理により、高品質なサービスを提供している。大規模調査や海外調査はもちろん、モニターのデモグラフィック情報(年齢、収入、職業)やジオグラフィック情報(住居、勤務地)を把握し、特定条件を満たす対象者へ効率的な調査が実施できる。
※ 企業が実施する市場調査等のマーケティング活動に協力することに承諾し登録された、一般消費者の回答者ネットワーク。登録者には協力した度合いに応じて企業から謝礼が支払われる。
(2) ソルパネ
「ソルパネ」は、インターネットを通じて不特定多数の人々に業務を委託するための会員組織のプラットフォームである。クライアント企業は、会員に対して店頭調査、購買体験、イベント体験、各種アンケート、データ入力などの業務を委託できる。
(3) リサーチDEMO!
2024年6月に事業譲受したセルフインタビューツール「リサーチDEMO!」は、顧客企業が自らエンドユーザーへの定性調査を簡単に実施できるクラウド型サービスである。
2026年9月期中間期末で426万人と大規模なモニターパネルをもつ同サービスは、多様な属性やニーズに応じたリサーチ設計を柔軟かつ効果的に行うことが可能である。インタビューの実施も最短1営業日で対応でき、スピード感が求められる現代のマーケティング業務にフィットした体制が整備されている。加えて、インタビュー頻度や予算に応じた複数の料金プランが用意されており、利用者にとって利便性も高い。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)