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ヒガシHD Research Memo(4):全事業領域で成長に向けた取り組みを推進

■事業概要

3. 事業領域別の概要
ヒガシホールディングスは、報告セグメント区分とは別に独自の事業領域別区分を設定し、全事業領域において成長に向けた取り組みを推進している。事業領域別区分は、オフィスサービス事業(オフィス移転・オフィスレイアウト変更、企業の一斉赴任引越など)、3PL事業(関西電力グループ向け資材購入・保管・資材加工・配送、アマゾンジャパン向け商品入荷・保管・出荷・配送など)、ITサービス事業(IT機器キッティング・保守・データ消去・廃棄までのワンストップサービス、POS端末・システム機器設置・保守、ITエンジニア派遣といったシステムに関する技術サポートなど)、ビルデリバリー事業(館内物流、メール室業務、ビル内テナント向け総務代行業務など)、介護サービス事業(介護支援事業者向け福祉用具レンタル・販売など)、一般物流事業(輸配送・倉庫業務、物流加工、産業廃棄物管理、機密書類保管など3PL事業領域を除く輸配送等関係業務)としている。

過去5期(2022年3月期~2026年3月期)の推移で見ると、各領域とも売上高が拡大基調にある。2022年3月期と2026年3月期を比較すると、オフィスサービス事業の売上高は受注増加により4,695百万円から1.8倍の8,604百万円へ、3PL事業は関西電力グループ向け及びアマゾンジャパン向け業務の拡大により5,011百万円から3.6倍の18,202百万円へ、ITサービス事業は子会社化した旅人も寄与して1,443百万円から3.2倍の4,556百万円へ、ビルデリバリー事業は拠点の増加により1,610百万円から1.7倍の2,721百万円へ、介護サービス事業は小規模拠点の営業効果などにより938百万円から1.3倍の1,246百万円へ、一般物流事業はアマゾンジャパン向け輸送業務拡大も寄与して14,254百万円から1.6倍の22,640百万円へ、それぞれ拡大した。

(1) オフィスサービス事業
大規模オフィス移転から、オフィスフロアのレイアウト変更、移転に伴う不要什器や備品の買取・廃棄、企業の赴任に伴う引越や個人引越まで幅広いソリューションを提供している。認証・追跡システムを活用した万全のセキュリティも強みである。

(2) 3PL事業
最適なサプライチェーン構築へのトータルサポート・マネジメントを提供している。輸配送、物流センター運営、倉庫保管、物流加工、産業廃棄物管理など幅広く展開しており、長年の実績・ノウハウと800社超の協力会社ネットワークなどを強みとする。2019年2月に関西電力グループ向けのセンターを開設して輸配送・保管・物流加工業務を開始し、2021年10月より同センターにて資材調達3PL業務を開始した。またアマゾンジャパン向けとして2019年10月の業務開始から業務拡大によるセンター拡張・再編を経て、現在、大阪府で1拠点(北大阪LC)、兵庫県で3拠点(鳴尾浜LC・神戸西LC・川西LC)、千葉県で1拠点(流山LC)のセンターを運営している。また流山LCについては業容拡大を受けて増床を実施(2026年5月に増床部分が稼働開始)し、同社グループ最大規模の3PLセンターとなった。このように大型の3PLセンターが順次寄与して事業が急拡大している。

(3) ITサービス事業
IT機器導入(キッティング、現地セッティング)から保守・メンテナンス、データ消去、システム部門のバックアップまでトータルサポートしている。2026年3月期にはヒガシトゥエンティワンITサポート事業部が、「NEXT GIGAスクール構想」に関連する案件としてICT機器のキッティング業務を受注(受注台数は東海ITサポートセンターで約22.9万台、西日本ITサポートセンターで約22.8万台)した。

(4) ビルデリバリー事業
高層ビルの複雑な物流を制御し、快適なオフィス運営をサポートする。ビル内デリバリー(館内物流)やビル内ショップ運営を行い、独自のELV・荷捌駐車場管理システムを強みとする。受託実績としては、首都圏では17拠点、中部圏では2拠点、関西圏では10拠点あり、2026年3月期は新たに、首都圏で赤坂トラストタワー・ヒューリック銀座ビル・八重洲ダイビル・IT tower TOKYO、関西圏でTWIN21MIDタワー・松下IMPビル・淀屋橋ゲートタワー・クオーツ心斎橋の合計8拠点を開設した。

(5) 介護サービス事業
介護支援事業者向けの福祉用具レンタル及び販売を行っている。商品配送から現地組み立て、自社専用消毒メンテナンス施設での保守・修理、不用品の引き取りまでワンストップサービスを提供している。

(6) 一般物流事業
一般的な輸配送・倉庫保管・物流加工・産業廃棄物管理・機密書類保管など3PL事業領域を除く輸配送関連領域で、同社の収益基盤を支える事業である。

M&Aについては単なる売上拡大ではなく、グループ総合力を高めるため中長期戦略とのマッチングを重視し、グループの成長を確保する領域はもちろん、グループの輸送力、物流設計力、ITを活用したサービス力などを生かせる新規事業領域も含めたグループシナジーの拡大を目的とする。直近では2025年6月に、首都圏で企業のICT機器導入に関する企画・キッティング・運用支援等を行うピアレスを完全子会社化した。これによりITサービス事業の業務対応力が強化された。

また2026年3月には、三井住友ファイナンス&リース(株)及びその子会社であるSMFLレンタル(株)と業務提携契約を締結した。SMFLレンタルによる西日本地区でのPCレンタル品の供給力強化を目的として、同社がSMFLレンタル専用のPCキッティング業務等に対応する拠点を整備し、当該拠点において同社がSMFLレンタルよりPCキッティング業務等を受託する。本業務提携を通じてITサービス事業の成長加速を目指す。さらに、SMFLグループが持つ広範かつ強固な顧客基盤とネットワークを活用し、同社グループとSMFLグループの各事業分野におけるサービス効率化・高度化・共同事業化など、さらなる協業の可能性も検討する。

複数の大手優良顧客が安定収益源のため収益変動リスクは小さい

4. リスク要因・収益特性と課題・対策
物流業界において収益に影響を与える一般的なリスク要因としては、景気変動、競合激化による価格変動、法的規制・環境規制、ドライバー不足、外注費や燃料費の高騰、事故・災害などがある。同社は幅広い分野の複数の大手優良企業を安定収益基盤としているため、特定顧客への依存リスクや収益変動リスクは小さいと考えられる。

なお収益特性に関する季節要因として、企業の引越・レイアウト変更は一般的に年度末の2~3月に集中するため、同社のオフィスサービス事業の売上高は第4四半期に偏重する傾向がある。しかし一方で、季節要因の小さい3PL事業、ITサービス事業、ビルデリバリー事業などの拡大に伴い、全社ベースでは売上高、利益とも季節要因の影響が小さくなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)

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