■今後の見通し
SMKの2027年3月期の連結業績は、売上高が前期比1.7%増の49,000百万円、営業利益が同86.0%増の800百万円、経常利益が同3.5%減の1,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1328.6%増の800百万円と、各段階利益の回復が加速する予想である。
電子部品市場を巡る事業環境は車載市場におけるCASEの進展、情報通信市場における5Gの普及、AIサーバー・データセンター関連市場の拡大、IoT技術の急速な進化といった著しい変化が見られる。世界経済は、AI関連分野の拡大による景気押上げ効果もある一方で、米国の関税政策、中国経済の低迷、ウクライナ紛争や中東情勢緊迫化に伴う地政学リスクの高まりなどから不透明感は増大している。このような環境下で、グローバルでの生産体制の効率化、顧客ニーズに的確に対応した新製品の投入、売価改定、固定費の削減等を推し進める。2025年3月発表の「構造改革プログラム」を着実に実行することで、収益力と成長力を向上させる計画だ。
売上高の増収予想の要因は、円ドル相場を前期実績150.66円/米ドルから155.00円/米ドルと円安としたこと、CS事業部で情報通信分野の売上が拡大する見込みであること、などが挙げられる。CS事業部の売上高は前期比8%増の24,286百万円、SCI事業部の売上高は同4%減の24,675百万円、イノベーションセンターの売上高は同35.5%減の40百万円である。
営業利益は、前期比370百万円の増加となり収益性が向上する予想である。増益の主要因としては、構造改革プログラムによる固定費の削減効果と増収効果である。セグメント別では、CS事業部で、原材料高騰や不透明な世界情勢を背景に、営業利益が同6%減の1,112百万円と減益を予想する。一方で、SCI事業部は、原価低減や売価適正化による利益率の向上と各拠点における固定費の削減効果により、営業利益40百万円と黒字を確保する予想である。イノベーションセンターは営業損失352百万円(同379百万円の損失)を予想する。構造改革プロジェクトが山場を越え、2027年3月期はその成果を通期で享受できるため、収益性の向上は確実性が高いと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)