■メディネットの業績動向
3. 財務状況
2026年9月期中間期末の資産合計は前期末比266百万円減少の3,987百万円となった。流動資産は同171百万円減の3,439百万円で、このうち現金及び預金は258百万円増加の2,428百万円となった。また、売掛金が79百万円、棚卸資産が31百万円それぞれ増加した。固定資産は94百万円減少の547百万円となった。なお、有価証券を500百万円保有しており、実質的に2,928百万円のキャッシュを保有している。このため、当面の事業活動に必要な資金は十分に確保されている状況である。
負債合計は前期末比63百万円減少の412百万円となった。流動負債は同5百万円増加の238百万円、固定負債は69百万円減少の174百万円となった。
純資産合計は前期末比202百万円減少の3,574百万円となった。2026年1月末付の減資(資本金1,358百万円減)による欠損填補の効果から利益剰余金は551百万円のマイナス(前期末は1,362百万円のマイナス)となり、欠損額が大幅に縮小した。自己資本比率は89.4%(前期末比0.6ポイント上昇)と高水準を維持しており、財務基盤の健全性に問題はないと言える。
2026年9月期はCDMO事業を中心に増収を見込む一方、受託拡大に向けた先行投資により損失拡大
4. 2026年9月期の業績見通し
2026年9月期の業績は、売上高943百万円(前期比16.4%増)、営業損失1,454百万円(前期は1,445百万円の損失)、経常損失1,449百万円(同1,339百万円の損失)、当期純損失1,453百万円(同1,362百万円の損失)を予想している。主力である特定細胞加工物製造業において、事故が発生した企業から同社に細胞加工委託が変更される動きもある。また、効率的なプロモーションを継続し、患者受入数の増加と新規開拓を進める。一方、中国からの渡航者数の回復は見通しにくいものの、韓国・台湾・インドネシアなどからのインバウンド患者の確保に向け、現地エージェントとの取り組みを強化している。さらに、再生・細胞医療に取り組む製薬企業、大学、医療機関、研究機関などからの製造受託拡大を目指す。具体的には、がん免疫細胞治療の加工件数拡大に加え、S-DSCの受託拡大やASCの早期製造受託開始が収益に寄与する見込みである。さらに、CDMO事業においても、ヤンセンファーマからの製造受託継続に加え、ティーセルヌーヴォーとの技術移転が完了し、治験製品の製造を開始するため、全体での増収をけん引する。
一方で、各段階利益については、戦略的な先行投資の増加により損失が拡大する見通しである。ASCや新たな免疫細胞治療技術の製造受託開始に向けた初期セットアップ費用、及び再生医療等製品事業の早期収益化を目指した開発パイプライン拡充に伴う費用が増加するためである。具体的には、Stempeucelに関わるオプション権行使判断及び治験届提出準備、NeoCartの国内開発方針の決定に向けた投資が増加する見通しである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)