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サンマルクHD Research Memo(4):新業態・派生業態の開発、新メニュー開発による集客力向上を推進

■サンマルクホールディングスの事業概要

3. リスク要因と課題・対策
外食業界の一般的なリスク要因として、景気変動やインフレ等による個人消費の減退、流行や消費行動の変化への対応遅れ、既存店の競争力低下や既存業態の陳腐化、新規出店の立地難、食材価格やエネルギーコストの高騰と価格転嫁遅れ、人手不足による店舗オペレーション力の低下、感染症流行や天候・自然災害の影響、顧客情報管理や衛生管理等に関連する問題発生や行政指導、法的規制などがある。こうしたリスク要因に対して同社は、M&Aも活用した新業態・派生業態の開発・事業化、高品質なメニュー・サービスを提供する店舗づくり、新メニュー開発やメニュー刷新による集客力向上、価格改定や店舗オペレーション効率化による収益力の向上、衛生管理の徹底、店舗改装による既存店の競争力維持、回復が見込めない不採算店舗の退店・業態変更などの施策を積極的に推進し、リスク軽減を図っている。

■業績動向
2026年3月期は上方修正値を上回る大幅営業・経常増益で着地
1. 2026年3月期連結業績の概要
2026年3月期の連結業績は売上高が前期比24.7%増の88,432百万円、のれん等償却前営業利益(営業利益+のれん及び商標権の償却費)が同75.0%増の7,334百万円、営業利益が同41.3%増の5,149百万円、経常利益が同31.8%増の5,058百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同6.5%増の2,705百万円となった。前回予想(2025年11月13日付の上方修正値、売上高88,000百万円、のれん等償却前営業利益7,185百万円、営業利益5,000百万円、経常利益4,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,300百万円)を上回る大幅増収、大幅営業・経常増益で着地した。牛カツ業態の通期連結(前期は第4四半期よりP/Lを取り込み)効果に加え、既存業態の既存店売上高が「サンマルクカフェ」を中心に想定以上に好調に推移した。さらに、喫茶事業における付加価値を加えた商品開発による価格転嫁や店舗オペレーション効率化などの効果も寄与した。

店舗展開は新規出店が40店舗、退店が47店舗(京都勝牛の一部事業譲渡を機に譲渡・退店した18店舗を含む)で、期末時点のグループ合計国内店舗数は前期比7店舗減の868店舗となった。なお事業譲渡の影響を除くと実質11店舗純増となる。既存店売上高は既存業態が同106.5%、M&A業態が同105.0%といずれも想定(同101%程度)を上回り好調となった。業態のブラッシュアップや期間限定メニューの開発など既存店の競争力向上を図る各種取り組み施策が奏功したほか、付加価値を加えた商品開発による価格転嫁も進展した。売上総利益は同21.7%増加したが、売上総利益率は同1.9ポイント低下して73.2%となった。食材価格の高騰に加え、牛カツ業態の原価率が既存業態に比べて高いことも影響した。販管費は人件費や広告宣伝費などの増加などで同20.2%増加したが、販管費比率は同2.5ポイント低下して67.4%となった。この結果、のれん等償却前営業利益率は同2.4ポイント上昇して8.3%、営業利益率は同0.7ポイント上昇して5.8%、経常利益率は同0.3ポイント上昇して5.7%となった。親会社株主に帰属する当期純利益については、前期の繰延税金資産計上の効果が剥落して税負担が増加したため、営業利益及び経常利益に比べて小幅な増益となった。なお設備投資額は新規出店や既存店改装等で同6.2%増の3,246百万円、減価償却費は同1.5%減の2,116百万円となった。

喫茶事業の営業利益率が大幅上昇
2. セグメント別の動向
レストラン事業の売上高は前期比35.9%増の59,969百万円、営業利益(全社費用等調整前)は同17.3%増の4,468百万円で、営業利益率は同1.1ポイント低下して7.5%となった。このうち牛カツ業態(前期は第4四半期よりP/Lを取り込み)の売上高は18,020百万円、営業利益は1,043百万円、営業利益率は5.8%となった。牛カツ業態の原価率が既存業態に比べて高いため全体として営業利益率が低下したが、牛カツ業態の通期連結効果に加え、既存店売上高が好調に推移して大幅増収・大幅営業増益となった。

喫茶事業の売上高は前期比6.3%増の28,462百万円、営業利益は同35.3%増の3,027百万円で、営業利益率は同2.2ポイント上昇して10.6%となった。店舗オペレーション改善効果も寄与して営業利益率が大幅に上昇した。主力の「サンマルクカフェ」は不採算店整理が前期までにおおむね完了し、当期は出店8店舗、退店4店舗で、期末店舗数が同4店舗純増となった。また既存店売上高は年間を通じて100%超と順調となった。付加価値を加えた商品開発による価格転嫁を進めたが、客数は同100%近辺で推移して特に大きな影響は見られず、おおむね堅調に推移した。

財務の健全性を維持
3. 財務の状況
財務面で見ると、2026年3月期末の資産合計は前期末比1,008百万円減少して70,453百万円となった。主に現金及び預金が同625百万円増加、売掛金が同472百万円増加した一方で、償却に伴いのれんが同1,732百万円減少、商標権が同452百万円減少した。負債合計は同1,640百万円減少して38,965百万円となった。主に買掛金が同282百万円増加、未払金が同344百万円増加、未払法人税等が同292百万円増加した一方で、長短借入金合計残高が同2,445百万円減少して20,554百万円となった。純資産合計は同631百万円増加して31,488百万円となった。主に自己株式取得によって自己株式(減算)が同1,101百万円増加した一方で、利益剰余金が同1,573百万円増加した。この結果、自己資本比率は同1.5ポイント上昇して44.7%となった。

同社は牛カツ業態の大型M&Aに伴って長短借入を合計22,500百万円実行したため、2025年3月期末より自己資本比率が低下したが、特に懸念される水準ではなく、2026年3月期には借入返済が進展して自己資本比率も上昇に転じた。営業キャッシュ・フローも安定的に推移していることを勘案すれば、財務の健全性が維持されていると弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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