日伝は5月8日、2026年3月期連結決算を発表した。売上高が前期比4.6%増の1,410.33億円、営業利益が同3.0%減の66.22億円、経常利益が同3.7%増の74.65億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.5%増の51.14億円となった。活況が続く半導体関連案件の急拡大に加えて、労働力不足を背景とした顧客の省人化・自動化投資が追い風となり、売上高、経常利益、当期純利益の全てで過去最高を更新した。
セグメント別では全分野が増収となり、なかでもエア機器やロボットなどを擁する制御機器分野が好調に推移した。同社は従来の単品販売から、複数商材を組み合わせたユニット化やシステム化による複合提案へのシフトを進めており、精密減速機やコンベア関連機器などで高い付加価値を創出している。また、東京と大阪に開設した体験型展示施設「&N LABO」は、無人搬送車(AGV)などの導入前テストや仕様の確認ができる場として多くのユーザーを集めており、最終的な商談進捗に大きく貢献している。
利益面において、売上高が大幅に増加した一方で営業利益が微減となったのは、人件費の増加が主因である。同社は社員の処遇改善によるモチベーション向上を目的に、新たな人事制度を導入しており、この費用増は当初からの計画通りである。足元では物流体制の強化も着実に進めており、大手顧客向けの組み込み需要に対応する「熊本ロジス」の稼働や、顧客の高度な調達要請に対応できるよう「蓮田物流センター」の開設予定など、受け皿の拡大を推進している。単発の大型案件に依存せず、全国の多業種から継続的に発生するMRO資材(保守・メンテナンス用資材)の安定需要を基盤とするビジネスモデルが同社の強みである。
2027年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比6.4%増の1,500.00億円、営業利益が同10.2%増の73.00億円、経常利益が同4.5%増の78.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同7.5%増の55.00億円と、第四次中期経営計画の最終年度目標に沿った大幅な成長を見込んでいる。また、同社は東証の要請や資本効率指標を意識し、株主還元方針の大幅な見直しを発表した。連結配当性向を50%以上に引き上げ、次期の年間配当は100円(中間50円、期末50円)への増配を予定しているほか、20億円規模の自己株式取得を決定するなど、安定成長と株主還元の充実を並行して推進する意向である。