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日産東HD Research Memo(1):新型車リリースで業績回復に弾み

■要約

1. 国内最大級の日産系自動車ディーラーで、東京都の人口の約9割をカバー
日産東京販売ホールディングスは、日産自動車系の自動車販売会社などを傘下に持つ持株会社で、連結子会社の日産東京販売(株)は日産ブランドとルノーブランドの新車の販売や中古車の買取・販売、自動車整備などを行っている。国内最大級の日産系自動車ディーラーで、販売エリアは東京都の人口の約9割をカバーする。同社は総合モビリティ事業※のフロントランナーとして、カーライフに関わるすべてのサービスをワンストップで提供しているほか、個人リースなどオリジナルの事業も展開している。欧米や中国でEV(電気自動車)の普及が頭打ちになっているが、その要因は補助金の打ち切りや景気低迷によるもので、補助金の投入を続けて1.6%という低い普及率を引き上げたい日本は、依然肥沃なマーケットと言える。

※ モビリティ事業:販売や整備だけでなく、自動車による移動や運搬をスムーズに行うためのサービスも含む。

2. 総合モビリティ事業のフロントランナーとして幅広い事業でシナジーを創出
同社には、EV販売のパイオニア、顧客基盤35万件のストックビジネス、地域に密着した100店舗を超える店舗ネットワーク、ノウハウや情報を速やかに共有し水平展開していくベストプラクティスといった強みがある。こうした強みを背景に総合モビリティ事業のフロントランナーとして優位なポジションを確保、新車のみならず中古車や整備などストックビジネスも含めた幅広い事業でシナジーを創出している。たとえば、他社に先駆けて展開した個人リースは、ベストプラクティスにより急成長し、新車の早期買い替えや良質な中古車の確保といったシナジーを創出した。先端技術の発展や環境問題などを背景に、自動車業界は100年に1度の大変革期にあると言われているが、同社はこうした強みを武器に大変革期を乗り切る考えだ。

3. 2026年3月期は減収減益も、新型車リリース、新店オープンを機に業績回復へ
2026年3月期の業績は、売上高が128,997百万円(前期比8.9%減)、営業利益が4,756百万円(同35.8%減)となった。主に上期において新型車が端境期となったうえ新店がなかったこと、供給元の日産自動車のリストラに伴う風評が新規顧客の集客に影響したことなどにより、新車販売台数と中古車販売台数が減少した。堅調な入庫により整備事業は増収となったが、個人リースも含めたストックビジネスが販売台数減をカバーできず、減収となった。営業利益は、成長のための投資を継続しつつコストコントロールに努めたが、減収の影響により減益となった。しかし、11月以降は新型車3車種をリリース、2店舗をリニューアルオープンしたことを機に、第4四半期にかけて業績回復の傾向が急速に鮮明になっている。

4. 「エルグランド」など新型車効果と店舗ネットワーク刷新効果で業績回復に弾み
2027年3月期の業績予想について、同社は売上高140,000百万円(前期比8.5%増)、営業利益6,000百万円(同26.1%増)を見込んでいる。業績が厳しかった前期の反動に加え、前期後半にリリースした新型車3車種が通期業績に貢献、今期は期待の高級ミニバン「エルグランド」とコンパクトSUV「キックス」のリリースが予定されている。さらに、中期経営計画期間中にリニューアルした10店舗の刷新効果も顕在化しており、業績回復に弾みがつきそうだ。中期経営計画については、店舗ネットワークの刷新など投資を着実に進めた結果、営業利益ほか大半の指標で目標を前倒し達成した。最終年度となる2027年3月期の営業利益予想も、連結子会社売却の影響を除けば達成と言える水準にあり、厳しい環境のなか順調に進捗していると言えよう。

■Key Points
・国内最大級の日産系自動車ディーラーを運営、顧客基盤や店舗ネットワークなどに強み
・2026年3月期は新車販売が苦戦したが、新型車投入で第4四半期に業績が回復傾向へ
・新型車投入効果、店舗ネットワーク刷新効果により2027年3月期は業績回復に弾み

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

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