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キャリアリンク Research Memo(1):取引基盤の拡充と長期案件の受注推進で2027年3月期も増収増益見通し

■要約

キャリアリンクグループは、BPO(Business Process Outsourcing)関連を中心とした事務系人材サービス事業を主軸とする総合人材サービス会社である。大量動員・早期立ち上げが必要とされるプロジェクトの運用ノウハウに強みを持ち、地方自治体向けや大手BPO事業者経由の案件を数多く手掛けている。

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高で前期比10.5%増の44,642百万円、営業利益で同44.6%増の3,895百万円と3期ぶりの増収増益に転じた。主力の事務系人材サービス事業のうち、BPO関連事業が地方自治体向けマイナンバー関連案件や各種窓口業務に加えて短期契約案件である戸籍法改正関連案件が寄与したことで2ケタ増収となったこと、また製造系人材サービス事業でも政府施策関連大型案件を受注するなど製造加工部門を中心に好調に推移したことが増収増益要因である。KPIとしているBPO案件数は前期比13.7%増の240件、取引自治体数は同5.6%増の206自治体となり、取引基盤の拡大につながった。

2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高で前期比10.0%増の49,100百万円、営業利益で同5.1%増の4,095百万円と増収増益が続く見通しである。引き続きBPO関連事業を中心に取引基盤の拡大が進むと見込む。地方自治体向けでは戸籍法改正関連案件の需要が一巡するものの、さらなる業務領域の拡充と市民課業務をはじめとする長期案件の受注推進について取り組むことによりマイナス影響は出ない見通しだ。一方で、地方自治体との取引基盤を一層強固にするべく、専門家人材の増員により運用体制を強化するほか、AI関連等の成長投資に注力するなど先行投資を行うため、営業利益率は若干低下する見込みである。製造系人材サービスでは旺盛な需要を取り込むべく、営業拠点を複数開設する予定である。

3. 中期経営計画
2029年3月期までの3ヶ年中期経営計画では、2030年3月期以降のさらなる成長を見据え、持続的成長を可能とする経営基盤の整備を進める期間と位置付けている。業績計画は2029年3月期に売上高54,290百万円、営業利益4,527百万円と設定している。年平均成長率は売上高で6.7%、営業利益で5.1%となる。成長率がやや低いようにも見えるが、国内外の不透明な経済情勢を踏まえ、実現可能性を重視した計画となっているためだ。重点施策として、地方自治体向けでは地域と業務領域の拡大並びに長期案件の受注獲得に注力していく。民間向けBPO関連も新規事業開発や業務領域の拡大などで成長を目指す。投資面ではAI活用などDXへの取り組みを推進し、生産性の向上を図るほか、高スキル人材の採用も進める。またM&A・アライアンス戦略によるインオーガニック成長も業績計画には織り込んでいないものの検討を進めている。

4. 株主還元策
配当政策に関しては、内部留保の確保と経営成績などを総合的に判断し、適正で安定した配当を継続することを基本方針としている。同方針に基づき、2026年3月期の1株当たり配当金は前期と同額の120.0円(配当性向55.0%)を実施した。2027年3月期以降3年間もベースラインの利益確保が見込めるため、120.0円(同50.7%)を維持する予定だ。そのほか株主優待制度も導入しており、毎年9月末時点で100株以上保有株主を対象に保有株式数や継続保有年数に応じてQUOカードを贈呈している。100株保有株主の場合、総合利回りは5.9%となる(6月3日の終値2,116円で算出)。

■Key Points
・2026年3月期は地方自治体向けが伸長し、3期ぶりの増収増益に転じる
・2027年3月期は、さらなる取引基盤の拡充及び長期案件の受注推進により増収増益が続く見通し
・2029年3月期までの3年間は成長基盤を構築しながら堅実な収益成長を目指す
・2029年3月期まで1株当たり120円配当を継続する方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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