■ヤマノホールディングスの今後の見通し
2027年3月期の業績見通しは、売上高で前期比1.9%増の15,000百万円、営業利益で同24.2%減の312百万円、経常利益で同30.7%減の250百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同38.4%減の128百万円を見込んでいる。これは一過性要因の反動、M&Aに伴うのれん償却負担、PMI関連費用を織り込んだものであり、基礎的な収益力の低下を意味するものではない。
売上高については、2025年4月にグループ入りした薬師スタジオ、同年6月にグループ入りしたニューヨークジョーエクスチェンジの通年寄与に加え、2026年3月に取得した教育事業会社アークネットの損益計算書連結開始による寄与を織り込み、増収を計画している。特に教育、リユース、フォトから構成されるニューバリューセグメントは、M&Aを通じた成長領域として位置付けられており、引き続き全社成長をけん引する見通しである。利益面では、2026年3月期に発生した和装宝飾事業の一過性利益の反動に加え、M&Aに伴うのれん償却負担の増加を織り込んでいることから、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は減益計画となっている。ただし、これは収益力の低下を意味するものではなく、取得済み会社の収益寄与拡大や既存事業の収益改善効果は引き続き進展する見通しである。営業利益の増減要因を見ると、グループ入り会社の収益寄与52百万円、既存事業改善等31百万円といった増益要因を見込んでおり、基礎的な収益構造は着実に向上している。
この結果、EBITDAの観点では着実な成長が見られる。2026年3月期の特殊要因を除いた補正後EBITDA486百万円に対し、2027年3月期計画の528百万円はこれを8.6%上回る水準となる。既存事業の収益改善とM&Aによる成長戦略が着実に成果を上げていることがうかがえる。なお、会社計画には新たなM&A効果は織り込まれていない。今後も事業承継型M&Aを成長戦略の中核に据え、教育、リユース、フォトなどの高収益領域を中心に事業ポートフォリオの拡充を進める方針であり、新規案件の具体化次第では業績上振れ余地も残されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)