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アイナボHD Research Memo(2):主力事業はタイルやサイディングの外壁工事と住設工事

■事業概要

1. 事業内容
2026年9月期中間期末現在、純粋持株会社であるアイナボホールディングスの下、連結子会社9社、非連結子会社7社を擁してグループを形成している。事業セグメントは、戸建住宅事業と大型物件事業に区分される。両事業の工事内容はおおむね共通しているものの、受注先及び受注金額の規模に違いがある。前者は主に一般住宅用の工事であり、中小ゼネコンや一般工務店などから受注する。一方で後者は、主に大手ゼネコン等からの受注である。両事業にはそれぞれサブセグメントがある。戸建住宅事業は外壁工事、住設工事、建材販売、住設販売に、大型物件事業はタイル販売・工事、住設販売・工事にそれぞれ分かれる。2025年9月期における各サブセグメントの連結売上高に対する比率は、戸建住宅事業の外壁工事が19.5%、住設工事が26.6%、建材販売が17.9%、住設販売が20.5%、大型物件事業のタイル販売・工事が5.8%、住設販売・工事が9.7%となっている。

2. セグメント及びサブセグメントの概要
(1) 戸建住宅事業
主に地場の中小ゼネコンや工務店、ハウスメーカー、及びビルダーから受注する案件を扱っており、施主からの直接受注は少ない。なお、これら工事に伴うタイル資材や住設機器の販売高は、それぞれの工事部門に含まれている。

a) 外壁工事
一般住宅や小型マンション、店舗等の内外壁タイル、床タイル、エクステリア等の工事を行う。タイルだけでなくサイディングなど様々な素材に対応している。

b) 住設工事
主にシステムキッチン、バス・トイレなどの水回り工事、各種リフォーム、及び太陽光発電システムの設置工事を行う。基本的には外壁工事とは別受注となるものの、案件によっては同時受注に至る場合もある。なかでもバスルームの工事件数は年間2万件近くに上り、国内でも有数の規模を占めている。

c) 建材販売
一般住宅、店舗、及び中小マンション向けの各種建材の卸売りを行っており、なかでもタイル建材の販売が比較的高い割合を占めている。主な販売先は工務店や地場のハウスビルダーといった企業であり、二次卸業者への販売は行っていない。

d) 住設販売
建材販売と同様に工務店や地場のハウスビルダーなどへ住設機器の販売を行っている。

(2) 大型物件事業
工事内容は戸建住宅事業とおおむね共通しているものの、大手ゼネコンを受注先とする点が異なっている。主な対象はビルやマンションなどの大型物件であり、特に大林組、(株)鴻池組、及び長谷工コーポレーションからの受注が比較的高い割合を占める。

a) タイル販売・工事
内外装タイル、床タイル、石材の販売及び工事などを行う。

b) 住設販売・工事
システムキッチン等のマンション住宅設備やビル空調設備などの販売及び工事を行う。

3. 主な仕入先と販売先
同社の得意先は、大手ゼネコンをはじめ約7千社に上る。これら顧客の需要は一様ではなく、また1件当たりの受注金額も数百万円から1億円以上と幅広い。そのため、未収入金管理が経営上の重要な要素となっている。

主要な仕入先に関しては、建材や住設機器においてはLIXILが最も多く、そのほかにTOTO、リンナイ、クリナップ、大建工業(株)などが挙げられる。また、工事を委託する下請け業者は大小合わせて2千社近くに及び、このうち半数近くを同社専業の下請け業者が占めている。

4. 競合、特色、強み
同社のように外壁工事、建材、及び住設機器の販売を行う企業は数多く、それぞれの分野で多くの競合が存在する。事業全体において競合企業を特定することは容易ではないものの、主要な企業としては(株)小泉や渡辺パイプ(株)が挙げられる。一方で外壁工事の分野においては、近年では施工会社の減少に伴い競合企業が少なくなる傾向にある。このような業界環境のなかで、同社は独自の特色を生かして同業他社との差別化を図っている。

同社の強みの1つが、総合技術研修センターの存在である。同センターでは、多くの子会社及び下請け企業に対して専門性の高い技術研修を実施し、施工体制を支援している。同社が主体となって研修を行うことで、多様な工種への対応が可能となった。さらに、同センターにおいて各現場の施工進捗を半年に1回の頻度でチェックしており、技術者の個人差による工事仕上がりのばらつきを抑制する体制を整えている。

自家保険制度を設けていることも、同社の重要な特色である。これは下請け業者から出来高の一部を徴収して協力会社にプールする仕組みであり、万が一、下請け業者の作業員が事故などで業務を行えなくなった場合に、協力会社の規程に準じた所得を補償する。この制度の運用により、同社と下請け業者との信頼関係が強化され、職人の定着率向上及び工事の仕上がり精度の向上に寄与している。

また、同社は通常の売上管理や原価管理・工事進捗管理に加え、請求管理・入金管理・未収入金管理についても徹底した管理体制も構築している。各案件の仕入と売上は、少額であっても行単位で厳密に管理され、損益計算書上のみならず貸借対照表上の管理・チェックまで行われる。近年、建材販売会社が工事施工分野に進出するケースは増えているものの、未収入金管理の複雑さや手間の多さが見えない参入障壁となるため、競合企業の多くは工事事業から撤退しやすい傾向にある。この貸借対照表上の管理には、工事の進捗状況を的確に見極める高い能力が必要とされることから、同社における独自の特色となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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