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ダイコク電 Research Memo(4):2026年3月期は改刷対応特需の反動により減収減益も、計画を上回る着地

■ダイコク電機の決算動向

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比5.5%減の54,337百万円、営業利益が同21.0%減の9,673百万円、経常利益が同19.6%減の9,831百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同25.5%減の5,754百万円と減収減益ながら、2回目の増額修正予想をさらに上回る着地となった。

減収となったのは、新紙幣発行に伴う改刷対応特需の反動によるものであり、その影響を除くと、実態としては前期及び計画を上回る収益の伸びを実現した。情報システム事業は、スマート遊技機(特にスマートパチンコ)の導入が想定以上に進んだことに伴い、スマート遊技機に最適な同社製品(カードユニットや呼び出しランプ等)が順調に伸びた。アミューズメント事業についても、上期にリリースした自社スマートパチスロ機の販売が計画を上回った。その他は、前期のM&A先が期初から寄与した。それらの結果、特需はく落による影響を受けながらも、過去2番目の売上水準を確保することができた。

利益面でも、改刷対応特需の反動により減益となった。ただ、情報システム事業がベース利益を積み上げたほか、アミューズメント事業が大きく利益貢献し計画を上回った。営業利益率は17.8%(前期は21.3%)と前期を下回ったものの、依然として高い水準を維持することができた。

財政状態については、総資産は前期末比3.5%増の59,279百万円に拡大した。自己資本も同9.7%増の49,668百万円に拡大し、自己資本比率は83.8%(前期末は79.1%)に上昇した。

(1) 情報システム事業
売上高は前期比12.2%減の45,768百万円、セグメント利益は同22.2%減の11,203百万円と改刷対応特需の反動により減収減益となった。ただ、スマート遊技機の導入※1に伴う設備投資意欲の高まりを背景に、カードユニット「VEGASIA」や新製品となる「BiGMO XCEL」「TJ-01」、並びに準新製品の「REVOLAII」「DUALINA」の販売が好調であった※2。また、サービス売上高についても、パチンコホールのDX化やスマート遊技機の普及に伴う市場変化に対応するMGサービスが順調に加盟店を増やし、業績の底上げに寄与した。

※1 2026年3月期末のスマートパチンコ機の設置台数は約53万台(前期末比約25万台増)、設置割合は28.5%(同14.4ポイント増)に大きく増える一方、スマートパチスロ機の設置台数も約83万台(同約13万台増)、設置割合は61.1%(同9.0ポイント増)と着実な伸びを実現した。なお、スマートパチンコ機が順調に伸びてきた背景には、1) 「ラッキートリガー3.0プラス」を搭載した新たな遊技性能を持つ機種が2025年7月から登場したこと、2) スマートパチンコ機の稼動状況が好調なこと、3) 遊技機メーカーの開発方針がスマートパチンコへ舵を切り始めたこと(スマートパチンコは様々なゲーム性を設計しやすい)などが挙げられる。
※2 スマート遊技機の普及により、これまでの玉積みによる出玉アピールができなくなり、新しい可視化手法へのニーズが高まるなかで、同社の「BiGMO XCEL」「REVOLAII」「DUALINA」は、大型液晶や演出技術を生かし、出玉感や賑わい感を表現できるほか、ファンが求める多様化する遊技データの特徴に合わせた演出を実現できる。また、ホール運営の省人化が急速に進むにつれて、業務効率を高める統合端末への需要が一気に高まっており、精算機とPOSを一体化した「TJ-01」は、「限られた人員で安定運営したい」というホールのニーズを捉えている。

利益面でも、改刷対応特需の反動により減益となったものの、主力製品の伸びやMGサービスによるストック収益の積み上げにより高い利益水準を確保し、セグメント利益率も24.5%と高水準を維持した。なお、同社「DK-SIS」データによると、遊技機全体の稼動状況(2026年1月~3月)は前年同期比0.5%減と底堅く推移した。特に、スマートパチスロ機の稼動は非スマートAT系機種比131.8%、スマートパチンコ機の稼動は従来機種比108.4%となっており、スマート遊技機が稼動全体の伸びをけん引している。

(2) アミューズメント事業
売上高は前期比44.2%増の6,419百万円、セグメント利益は同213.9%増の1,118百万円と大きく伸びた。売上高は、グループ会社DAXELが開発し2025年5月に市場導入したスマートパチスロ機「ようこそ実力至上主義の教室へ」の販売が計画を上回ったこと(販売台数5,500台を完売)に加え、グループ会社の元気(株)による自社ゲームタイトル「首都高バトル」※が業績に寄与した。

※ 18年ぶりのリリースとなったが、2025年1月に早期アクセス版として配信を開始すると、Steamの国内ランキングで1位を獲得。グローバルランキングでも2位でランクインした。2025年9月にはフルリリース版のSteam版を発売するとともに、2026年2月にはPlayStation 5版を発売した。

利益面でも、将来を見据えた開発投資を継続しつつも、自社パチスロ機の市場導入により大幅な増益を実現した。

(3) その他
売上高は前期比128.5%増の2,208百万円、セグメント利益は13百万円(前期は148百万円の損失)となった。前期のM&A先※が期初から業績寄与した。利益面でもPMIが順調に進み、黒字化を実現した。

※ 西本産業、LILIUM、ログオンシステム、箱根ガラスの森リゾート。

2. 2026年3月期の総括
2026年3月期のポイントは、特需はく落により業績は後退したが、スマート遊技機が順調に稼動を高めながら普及してきたこと、そして何よりも同社の主力製品がホールの設備投資需要をしっかりと取り込めていることを確認できたところにある。スマート遊技機時代に対応した競争力のある新製品を提供できている証と言えるだろう。また、データ活用による経営支援型のMGサービスが着実に伸びていることや、注力する自社スマートパチスロ機の販売が計画を上回ったところも、同社グループの実力を実績で示すことができた。さらには、データ活用ビジネスでの他社との協業やクラウド新サービスの提供開始、新規事業(抹茶関連事業)などでも具体的な進展があった(詳細は後述)。一方、スマート遊技機の導入が想定を上回ったことで、業績が計画を大きく上振れたところは評価できるものの、需要の先食いといった見方もできるため、その点は今後の動向を冷静に見ていく必要がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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