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フェローテク Research Memo(3):主力は半導体等装置関連事業、電子デバイスや車載用にも展開

■事業概要

1. 事業セグメント
フェローテックは多くの製品を自社開発・製造すると同時にM&Aによって多くの企業を子会社化してきたことから、事業内容は多岐にわたっている。現在のセグメントは半導体等装置関連事業(2026年3月期売上高比率64.1%)、電子デバイス事業(同19.9%)、車載関連事業(同10.1%)、その他事業(同5.9%)に分かれる。

2. 半導体等装置関連事業
半導体等装置関連事業は、さらに真空シール・金属加工、石英製品、シリコンパーツ、セラミックス、CVD-SiC、EBガン・LED蒸着装置、ウエーハ加工、再生ウエーハ、装置部品洗浄、石英坩堝のサブセグメントに分かれる。

(1) 真空シール・金属加工
磁性流体を利用して真空雰囲気内への回転導入機としての役割を担う部品で、半導体、FPD、LED、及び太陽電池等の製造工程で広く利用されている。同社の核となる製品であり、主に半導体ウエーハのエッチングや成膜工程、並びにFPDのパネル搬送用ロボットの回転機構部などに導入されており、密閉空間を外部から隔離しつつ、加工に必要な動力を正確に伝えることを可能にしている。

(2) 石英製品及びシリコンパーツ
石英製品は熱と化学変化に強い超高純度のシリカガラスからなり、ウエーハの成膜生成や拡散プロセスなどで使われるほか、搬送や洗浄工程で治具、消耗品として使われており、微細化・高純度化が進む半導体製造プロセスのなかで重要な役割を担っている。シリコンパーツ(ポート、インジェクター、フォーカスリング等)は、加工して主に半導体製造工程等で使われる。

(3) セラミックス
同社の素材技術、生産技術、精密加工技術を生かして様々なセラミックス製品を提供している。セラミックス製品は高強度、高純度、高耐熱性に優れたファインセラミックス(FC)製品と、高度な機械加工が可能なマシナブルセラミックス(MC)製品に大別される。前者は主に半導体製造装置用の部品として使われているが、特にドライエッチング方式(プラズマエッチャー)では不可欠な部品となっている。後者は様々な加工を施すことで各種部品や治具として利用されるが、特に半導体の検査工程における治具(ウエーハプローバ用)として需要が高まっている。また近年では、その精密加工特性を生かして高度な医療用機器での利用も進んでいる。

(4) CVD-SiC
独自のCVD方式による炭化ケイ素(SiC)製品で、超高純度、高耐熱性、高耐摩耗性、耐腐食性といった特性を備えている。半導体製造工程で用いられるウエーハボートやチューブ、シリコンウエーハの代替となるダミーウエーハなど、主に高温で使用される治具として幅広く活用されている。

(5) EBガン・LED蒸着装置
EB(Electron Beam)ガンとは電子銃のことで、高機能なEBガン及び高圧電源を心臓部とした米国製Temescal装置(精密蒸着装置)によって、基板等に薄膜を形成する。同社は、大学や研究所向けの小規模生産用タイプから、大規模生産用高スループットタイプまで幅広い製品群を揃えている。次世代通信などで利用が見込まれる化合物半導体分野での世界標準機として数多くの顧客に使用されており、現在ではLED及び通信チップ製造プロセス等での導入が進んでいる。

(6) 再生ウエーハ
ウエーハ加工では、集積回路の基板材料であるシリコンウエーハを製造している。2022年3月期より、中国における半導体国産化の加速に伴う需要の急増を受けて、新たに再生ウエーハ事業を立ち上げた。再生ウエーハとは、設備の確認やテスト等で使用したダミーウエーハの表面を研磨加工することにより、繰り返し使用可能にしたウエーハのことである。半導体の生産量が増加すると、それに伴い再生ウエーハの需要も高まる傾向にある。ただし、同事業を行う子会社は新会社及び新工場設立に伴い増資することにより、2026年7月以降に持分法適用会社となる見込みである。

(7) 装置部品洗浄
半導体製造装置用部品の洗浄作業を行う。

(8) 石英坩堝
同社の石英坩堝は、半導体製造工程に不可欠な石英製品と同等の高純度原料を使用しており、単結晶シリコンの原料を充填する容器として使用されている。半導体用及び太陽電池用などの単結晶シリコンを製造するメーカーが主な顧客である。ただし、今後は太陽光発電(PV:Photovoltaic)向けについては順次縮小する方針である。

3. 電子デバイス事業
電子デバイス事業は、サーモモジュール、パワー半導体基板、磁性流体・その他、センサの4つのサブセグメントに分かれる。なお、電子デバイス事業に含まれていた自動車向け製品は、2025年3月期より車載関連事業に切り分けた。

(1) サーモモジュール
サーモモジュールは、2種類の金属の接合部に電流を流すと、片方の金属からもう片方へ熱が移動するという効果を利用した板状の半導体冷熱素子(ペルチェ素子)である。小型・軽量でフロン要らずといった特長があり、自動車の温調シートをはじめ、冷却チラー、光通信、バイオ、エアコン、ドライヤーなど様々な家電製品に採用されている。2025年3月期から車載用を車載関連事業に切り分けたため、当サブセグメントに含まれるものは自動車向け以外である。

(2) パワー半導体基板
パワー半導体基板とは、サーモモジュール製造技術を応用して、アルミナや窒化アルミニウムセラミックスに銅回路板を接合した放熱用絶縁基板のことである。同製品は、電車、電動車、エアコン、及びサーバー等の小型化並びに省エネ化に寄与しており、今後の需要拡大が期待される製品である。特に、自動車の電動化(EV化)が進むと、IGBT※などのハイパワー半導体が必要となり、その製造において同社の基板は必須の部品となる。なお、当サブセグメントについても2025年3月期より車載用を車載関連事業に切り分けた。

※ IGBTとは、絶縁ゲート型バイポーラートランジスター(Insulated Gate Bipolar Transistor)の略で、パワートランジスターの一種。

(3) 磁性流体・その他
磁性流体とは液体でありながら、外部磁場によって磁性を帯び、磁石に吸い寄せられる機能性素材である。1960年代のNASA(アメリカ航空宇宙局)によるスペースプログラムにおいて、無重力環境における燃料輸送等の目的で開発された。現在では、スピーカー、アクチュエーター、センサー、及び分別リサイクル用途のほか、同社の主力製品の1つである真空シールにも利用されている。

(4) センサ
連結子会社の(株)大泉製作所が製造するサーミスタセンサや関連する部品などが含まれる。なお大泉製作所は決算期変更を行ったため、2025年3月期の連結決算には9ヶ月分だけが含まれている。また、当サブセグメントも自動車向けは2025年3月期から車載関連事業に切り分けた。

4. 車載関連事業
車載関連事業は、それまで電子デバイス事業に含まれていた製品のうち、車載用を切り出したもので、サーモモジュール、パワー半導体基板、センサの3つのサブセグメントに分かれる。

(1) サーモモジュール
主に自動車の温調シートや冷蔵庫用などに使われる。

(2) パワー半導体基板
主にEV自動車向けのAMB(Active Metal Brazing)基板とDCB(Direct Copper Bonding)基板を扱う。

(3) センサ
自動車向けの各種センサを扱う。

5. その他
その他には、ソーブレード、工作機械、表面処理、太陽電池用シリコン製品、子会社であるアサヒ製作所のリネン系洗剤、受託作業などがある。太陽電池用シリコン製品事業を縮小する方針であることから売上高は減少傾向にある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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