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サイバートラスト Research Memo(4):国内唯一の国際標準Linuxを提供、サーバーからエッジまで支援

■事業概要

3. プラットフォームサービス
サイバートラストのプラットフォームサービス(Linux/OSSサービスとIoTサービスを統合)は、国際標準LinuxOSを提供する国内唯一の企業として、重要インフラ15分野に向けサーバーからエッジまで、国際標準サーバーOSやIoT向け組込OS等の国際安全基準適合・長期安定運用のプラットフォームを提供している。

(a) サーバー向けOSサービス
一般的なSIerがOS上にアプリケーションシステムを構築しているのに対して、同社はLinuxディストリビューションとしてLinuxカーネルに必要な機能を組み合わせ、特定業務用機器への組込用途としてシステム監視やシステムバックアップ等の製品・サービスを提供している。企業向けサーバー用途を主力に、航空管制システム、産業機器、通信インフラ、自動車関連など重要システムで多数の採用実績があり、国内唯一の企業向けLinuxディストリビューターの地位を確立している。

主要サービスとして、Linux OSではMIRACLE LINUXを企業向けLinuxサーバー用途のほか、産業用コンピュータ、各種アプライアンス製品など特定業務機器への組み込み用途で提供している。また、脆弱性管理への需要が高まるなか、企業向けLinuxサーバーに利用されるCentOS、AlmaLinux、そのほか各種LinuxOSのサポートサービスを提供している。また、LinuxコンサルティングサービスではLinux脆弱性メンテナンス・サービスを、インフラソリューションでは統合監視・運用統合・自動化のMIRACLE ZBXや、脆弱性管理のMIRACLE Vul Hammerなどを提供している。また、AlmaLinuxについて、サーバーから仮想化基盤までプラットフォームとして連携を進めている。経済安全保障の観点からのシステム主権への需要が高まるなか、富士通、(株)NTTデータと連携して重要インフラ市場への展開を図り、AlmaLinuxの収益拡大を進める考えである。直近のアライアンスの動きとしては、2026年3月に(株)NTTデータとの協業により、仮想化基盤を管理・運用する「Prossione Virtualization」の機能を強化し、最新版として販売開始した。今後もAlmaLinuxサポートに加え、MIRACLE ZBXとの連携など、「Prossione Virtualization」の構築・運用を支援する付加サービスの提供を計画している。

なお、同社は2023年5月に米国Cloud Linux Software, Inc.(旧 CloudLinux Inc.)と提携し、長期サポート体制の強化とともに、システムを停止せずに脆弱性パッチなどのソフトウェアを適用できるセキュリティ向上サービスなど、付加価値の高いサポートサービスを展開している。

また、国際標準のLinux OSとして有力視されるAlmaLinuxに関して、同社は2023年5月に、AlmaLinux OSを運営する非営利財団The AlmaLinux OS Foundationに日本企業として初めてプラチナスポンサーとして参画し、コミュニティメンバーと協働してAlmaLinuxの共同開発やSBOM※対応を推進する取り組みを行っている。同社は重要インフラ15分野に向けて国際安全基準に適合した長期安定運用が可能なサーバー向けのプラットフォームとしてSBOMに対応し、AlmaLinuxの展開に注力している。

※ Software Bill of Materialsの略。ソフトウェアに含まれるコンポーネントや依存関係、ライセンスの種類などをリスト化したソフトウェア部品表のこと。SBOMを活用したソフトウェアの脆弱性管理が求められている。

(b) エッジ(IoT・組込機器)向けOSサービス
IoT機能をセキュアに動かすLinux/OSS技術とIoT機器の真正性確認を行う認証・セキュリティ技術を融合し、IoT機器の安心・安全なライフサイクル管理を実現するサービスを提供している。同社はIoT機器向けLinux OSの提供~認証~ライフサイクル管理までをトータルで提供できる技術力を持つ世界でも稀有な企業であり、エッジ向けOSサービスを今後の成長分野と位置付けている。

主要サービスとしては、長期利用可能なIoT機器向けLinux OSのEMLinux、セキュリティコンサルティングサービスなどがある。重要インフラ15分野に向けて国際安全基準に適合した長期安定運用が可能なエッジ(IoT・組込機器)向けのプラットフォームとして、SBOMに対応したEMLinuxの展開に注力している。

規制に適合したサービス提供や技術革新への対応を強化
4. リスク要因と対策
同社におけるリスク要因としては、製品陳腐化や技術革新への対応遅れ、電子証明書発行業務の信頼性低下、国・国際監視機関等による法的規制や自主規制ルールによる電子証明書発行業務への制約、経済安全保障に関わる基準・法規制の政策の施行遅れの影響などがある。これに対して同社は、ルール策定・改定、基準・法規制等に対する情報収集や、規制に適合したサービスの速やかな提供に努めるとともに、自主監査等を通じて電子証明書発行の信頼性を高める施策を継続的に実行している。

また同社のデジタルトラスト事業はITインフラの基盤要素(認証技術、OS)が事業領域であるため景気変動耐性が高いという特性があり、規制に適合した新サービスの提供やパートナー・エコシステムによる顧客基盤獲得などによって、安定的な利益成長を実現することが可能になる。さらに技術革新への対応として、量子コンピュータでも容易に解読できない新しい暗号技術である耐量子計算機暗号(Post Quantum Cryptography。以下、PQC)の研究開発などを強化している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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