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ムサシ Research Memo(1):2026年3月期は2度の大型国政選挙、東京都議会選挙の実施により大幅営業増益

■要約

ムサシは、選挙関連機器や金融関連機器の総合メーカーである。また、文書のデジタル化事業やスキャナー、非破壊検査機材、業務用ろ過フィルターなどを扱う情報・産業システム機材、印刷システム機材、紙・紙加工品などの商社事業も行っている。特に選挙関連機器においては、投開票業務に必要な各種機器から投開票管理システム、投票箱等の用品・用具など幅広い商品を揃え、業界のトップシェアを占める。さらに、各種文書やマイクロフィルムを電子化する文書のデジタル化事業では、国内最大級のドキュメントイメージングセンターを展開し、次なる収益柱としての育成を進めている。また、選挙関連事業においては選挙用業務管理ソフトの標準化を推進することで収益の平準化を図る。同社の事業モデルは、商社機能とメーカー機能を併せ持つ点が特長である。

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の業績は、売上高40,586百万円(前期比8.5%増)、営業利益4,677百万円(同39.4%増)、経常利益4,716百万円(同0.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,803百万円(同18.3%減)となった。期中に東京都議会選挙、衆議院選挙、参議院選挙が実施されたことから主力の選挙システム機材の売上高(単体ベース)が12,014百万円(同67.1%増)と伸長し、営業利益は大幅増益となった。ただし、前期に営業外収益として計上した持分法投資利益(1,276百万円)が消失したことから経常利益以下は減益となった。注力している文書のデジタル化事業の売上高は、大口案件が一巡した影響で3,441百万円(同32.8%減)にとどまったものの、これは期初想定の範囲内となった。好調な決算を受けて年間配当は前期比16.0円増配の76.0円となった。

2. 2027年3月期の業績予想
2027年3月期の業績は、売上高33,959百万円(前期比16.3%減)、営業利益596百万円(同87.3%減)、経常利益732百万円(同84.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益391百万円(同86.1%減)と予想している。大型の国政選挙が想定されていないため、主力の選挙システム機材が大幅減収となることが主因である。選挙システム機材は大幅減収の見込みだが、同社はこの間に将来に備え、ガバメントクラウド上での運用に向けた選挙用業務管理ソフトの標準化に注力する方針である。また、前期に大幅減収となった文書のデジタル化事業は大幅に回復する見通しとなっている。配当については、ベースである年間36.0円(配当性向62.7%)を予定している。

3. 中長期の成長戦略
現在、同社の収益の中心は選挙システム機材である。安定成長しているが、国政選挙などの実施の有無によって需要にばらつきが生じるため、周期性(シクリカル)に近い需要特性を持っている。そのため、文書のデジタル化事業や業務用ろ過フィルターなど、選挙サイクルに左右されない分野を強化し、収益基盤の安定化を図っている。さらに主力の選挙システム機材においても、自治体情報システムの標準化・共通化に準拠した選挙用業務管理ソフト(ガバメントクラウド上での運用)の開発を進めており、これによって選挙システム機材の売上高の平準化を進め、業績の安定化を目指している。また近年では同社が培ってきた住民基本台帳データベースと期日前投票システムでのノウハウを生かして「テラック避難者情報把握システム」(防災・減災ソリューション)の開発・販売に注力している。

■Key Points
・2026年3月期は2度の大型国政選挙、東京都議会選挙により前期比39.4%の営業増益
・2027年3月期は大型選挙がなく大幅減益を予想。成長に向けた開発投資を実施
・次の収益柱として防災・減災ソリューションに注力

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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