■要約
1. 法人向けにアウトソーシング事業、消費者向けに賃貸管理事業などを展開
リログループの事業は、法人向け(BtoB)のアウトソーシング事業と、消費者(BtoC)を最終受益者とした賃貸管理事業及び観光事業に分けられる。アウトソーシング事業は、生活から働き方、余暇の充実までを支援する福利厚生事業、留守宅管理や独自の「転貸方式」で借上社宅の管理を代行する借上社宅管理事業、海外赴任から現地でのトータルサポート、帰任に至るまで煩雑な業務を代行する海外赴任支援事業で構成され、中堅・中小企業から大企業までをターゲットに、福利厚生を核に本業以外の社内業務をグローバル規模でサポートしている。一方、消費者向けの賃貸管理事業では国内主要都市において賃貸物件の集金管理や仲介、契約管理、トラブル対応などをオーナーに代わって行い、観光事業ではホテル運営の受託や施設の価値向上などを手掛けている。
2. 各事業の強みを相互に生かすことでシナジーを発揮し、高い利益成長を継続
各事業の強みは、福利厚生事業がニーズに即した提案営業や豊富なサービスメニュー、継続的なユーザビリティの向上などにあり、独立系であることも強みと言える。借上社宅管理事業は独自のフルアウトソーシングサービスである「転貸方式」、制度変化などへの対応力にある。海外赴任支援事業は比類ない豊富な実績とワンストップサポートなどにある。賃貸管理事業は空室対策や仲介能力、オーナーへのトータルサポートなどにある。観光事業は地方の中小型ホテルや旅館の運営と再生ノウハウなどにある。同社は各事業が相互に強みを生かすことでシナジーを発揮し、管理戸数や会員数などストックを年々積み上げることで、高い利益成長を継続している。
3. 2026年3月期は中期経営計画の先行投資期で営業利益は微増益も、過去最高を継続
2026年3月期の業績は、売上収益151,074百万円(前期比5.7%増)、営業利益30,815百万円(同1.2%増)となった。営業利益は、中期経営計画である第四次オリンピック作戦の先行投資で微増益にとどまったが、過去最高を継続した。事業別では、全事業で増収、賃貸管理事業を除いて増益となった。福利厚生事業は、競合による集中営業が影響したものの、人手不足によるアウトソーシングの傾向が追い風となった。借上社宅管理事業は転貸方式が好評で利用件数が増加した。海外赴任支援事業はビザ発給の申請プロセスの煩雑化などを背景に受託が増加した。賃貸管理事業は、主に首都圏における不動産価格上昇に伴って空き物件が減少し人の移動が減ったが、M&Aなどにより賃貸管理戸数を伸ばした。観光事業はホテル稼働率が堅調だったうえ、別荘のタイムシェアの利用料収入も増加した。
4. 2027年3月期は成長期へシフト、営業利益は2ケタ増益ペースへ戻る計画
2027年3月期の業績予想について、同社は売上収益165,000百万円(前期比9.2%増)、営業利益34,000百万円(同10.3%増)を見込んでいる。先行投資期から成長期へシフトすることもあり、本来の2ケタ営業増益ペースへ戻る計画になっている。重要施策としては、福利厚生事業と観光事業が共同出資して(株)リロクラブバケーションズを設立した。顧客の紹介にとどまっていたクロスセルを、各事業のサービスを組み合わせて新たなサービスとして提供していく考えである。2029年3月期に営業利益500億円を目指す第四次オリンピック作戦はおおむね順調だったが、競合による集中営業と人の移動減少という2つの想定外があった。初年度の想定外は中期経営計画中に吸収可能と見ており、M&Aや順調なほかの事業などでカバーする方針である。
■Key Points
・各事業の強みを生かしてシナジーを発揮し、ストックを積み上げることで持続的に成長
・2026年3月期は微増益ながら過去最高を継続、全事業で増収
・先行投資が完了し、2027年3月期は本来の2ケタ営業増益ペースへ戻る計画
・第四次オリンピック作戦はおおむね順調に推移、想定外は中期経営計画中にカバーする見込み
■会社概要
福利厚生を核にアウトソーシング事業などを展開
1. 会社概要
同社は、「日本企業が世界で戦うために本業に集中できるよう、本業以外の業務をサポートすること」「真のサムライパワーを発揮できるよう、日本企業の世界展開を支援すること」「これから始まる日本の大転換をサポートすること」を使命に、中堅・中小企業から大企業まで法人に向けてアウトソーシング事業を展開している。アウトソーシング事業では、福利厚生を核に本業以外の社内業務をグローバル規模でサポートしており、従業員の生活や働き方を支援する福利厚生事業、独自の「転貸方式」により企業の借上社宅の管理を代行する借上社宅管理事業、海外赴任時から帰任に至るまで煩雑な業務をトータルサポートする海外赴任支援事業で構成されている。このほか、消費者を最終受益者とした事業も展開しており、賃貸管理事業では国内主要都市における賃貸物件の管理代行を行い、観光事業ではホテル運営受託や施設価値向上を手掛けている。
M&Aや新規事業開発などにより成長を継続
2. 沿革
同社は1967年、勤労者向け住宅の新築・増改築等の建設工事及び内装工事の施工を目的に設立された。1978年には三井物産の社宅や寮など営繕の指定業者となり、1979年に三井物産の国内・海外転勤者の留守宅管理を開始、1984年に「転勤者の留守宅管理システム」を日本で最初に開始した。留守宅管理は同社の祖業とも言えるものである。1989年に日本人転勤者・出張者の便宜を図るため三井物産グループと共同で米国に進出し、1993年には企業の福利厚生を総合的に支援する福利厚生代行サービス「福利厚生倶楽部」を開始した。1999年に日本証券業協会に株式を店頭登録(現在は東京証券取引所プライム市場上場)、2002年に転貸による社宅業務のフルアウトソーシングを開始した。その後は2010年に(株)東都をM&Aして賃貸管理事業に進出するなど、M&Aや新規事業開発などにより成長を続けている。
■事業内容
福利厚生事業や賃貸管理事業などを展開
1. 事業内容
同社のセグメントは、法人向けのアウトソーシング事業である福利厚生事業、借上社宅管理事業、海外赴任支援事業、及び消費者を対象とする賃貸管理事業と観光事業に分類される。各事業はそれぞれが強みを持つうえ、互いの強みを生かすことでシナジーを発揮している。また、ストックビジネスとしての特徴も持っており、社宅管理戸数や賃貸管理戸数、福利厚生事業の会員数などのストックを年々積み上げることで利益成長を促進している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)