■くすりの窓口の事業概要
4. みんなのお薬箱事業
みんなのお薬箱事業は「医薬品卸と薬局をつなぐプラットフォーム」をコンセプトとして、医薬品卸売事業者と薬局における医薬品の流通改善を支援するサービスを提供している。主力サービスは、薬局・医療機関に代わって医薬品卸事業者との医薬品の仕入価格交渉を代行する「仕入れサポートサービス」、薬局・医療機関におけるAIを活用した医薬品在庫管理・自動発注システム「eオーダーシステム」、及び医薬品売買ニーズマッチングサイト「みんなのお薬箱」による「不動在庫サービス」である。その他サービスとして、調剤薬局チェーングループ内店舗間の在庫を最適化する「店舗間共有機能」、電気コスト削減を支援する「みんくす電気」も展開している。
「仕入れサポートサービス」はスケールメリットの享受を目的としたスキームで、収益は薬局等と医薬品卸事業者との間の医薬品売買における取引薬価・売買価格に応じて算定される手数料収入(ストック売上)となる。なお医薬品卸事業者との調整の影響で2025年3月期の営業活動が一時的に停滞したが、これは2024年11月にウィーズと業務提携(同社とウィーズの合弁会社(同社出資比率49.0%))し、これまで医薬品卸事業者と価格交渉を行ってきたグローバル・エイチ(株)の株式を譲渡(2025年4月)して持分法適用関連会社から除外したことによる。ウィーズが医薬品二次卸として培ってきたノウハウを生かした「仕入れサポートサービス」(ウィーズが二次卸として加盟薬局と取引を行う形式)に一本化し、2026年3月期は営業活動が正常化している。
「eオーダーシステム」は、薬局等における過剰在庫抑制・欠品防止や薬剤師の事務負担軽減などの効果を目指し、薬局等のレセプトコンピュータと連携させ、AIを活用して必要な医薬品の種類と量を判断して自動発注する。収益は初期導入費用(ショット売上)及びシステム利用料収入(ストック売上)となる。
「みんなのお薬箱」は国内最大級の医薬品売買ニーズマッチングサイトで、このサイトによる「不動在庫サービス」は全国の薬局の不動在庫(デッドストック)の有効利用を目的として、処方されずに不動在庫となった医薬品を売りたい薬局と、不足している医薬品を買いたい薬局の売買を仲介する。収益は売買が成立した医薬品の薬価に応じた手数料収入(ストック売上)である。なお2026年3月期は、グループ会社ピークウェルの自社倉庫管理のDXによって削減したコストを活用し、加盟薬局の不動在庫の高価買取など価格還元策を実施したことで大手・中堅企業の獲得につながっている。
みんなのお薬箱事業のKPIとして、2026年3月期末時点で施設保有数は前期末比1,474施設増加して19,375施設となり、全国の対象施設数約17万施設に占める同社シェアは約11.0%(同社調べ)となった。また2026年3月期の流通額(「仕入れサポートサービス」+「不動在庫サービス」)は前期比2.7%増の230,576百万円(第1四半期が前年同期比4.7%減の55,763百万円、第2四半期が同0.0%増の56,695百万円、第3四半期が同5.2%増の60,688百万円、第4四半期が同11.2%増の57,430百万円)となった。流通額は一時的な営業活動停滞の影響で減少傾向だったが、ウィーズとの業務提携により医薬品卸事業者との調整及び移管が完了して正常化し、前年同期比では第2四半期より回復に転じた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)